タンクトッパーイズク   作:規律式足

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第109話

 

「エンデヴァー改良版脳無を瞬殺したね」

 

「初撃を黒光りする肉体で受け止めて両断してたな」

 

「凄かったねあの技」

 

「四指焰刃って名前らしいな」

 

「黒光りする超硬度な指にヘルフレイムを濃縮して焼き斬る、まさに必殺技だね」

 

「必ず相手を殺す技過ぎるわ」

 

「脳無が動く死体でどんな細工あるか分からないからこその対処みたいだね」

 

「となると逆に厳しいな、トップヒーローは殺さないでトップを張っている面子ばかりだから殺しきれる破壊力なんてエンデヴァーくらいしかいねえぞ」

 

「シールドヒーローのクラストさんなんかはイケそうだけど、ヒーローそのものが捕縛前提だからねえ」

 

「脳無対策か、ヒーロー業界の課題だな」

 

「むしろ君は脳無相手の適役だからね、轟勝己君」

 

「シャレにならないからやめろ、ご両親とはいつ顔合わせとか言ってんだぞあの新ナンバーワン」

 

 エンデヴァーとホークスの会談中に起きた、会話できる高性能脳無の襲撃事件。

 焼き鳥屋のガラスを突き破って襲いかかる脅威。

 しかし相手はナンバーワンヒーローエンデヴァー。

 黒光りする肉体の防御力、火力の増したヘルフレイムの相手にまるで足りなかったようだ。

 その襲撃事件は報道されたもののニュースにも大して取り上げられず、むしろホークスと街を歩いていた時に取られた時の方が視聴率が高かったらしい。

 というかなんだあの服を脱ごうとした人。

 ホークスに瞬殺されてたけど、報道で暴露された個性が酷すぎだろ。

 昔から生まれ持った個性を嫌うどころか呪う人もいるらしいけど、あんな個性あったら納得だよ。

 あとホークスって速すぎる機動力よりも実は複数のことを同時にこなせるマルチタスクの方が強みだよね、歩きながらトラブルを同時に処理するなんて普通はできないよ。

 もう一つ目を引いたのはエンデヴァーガチ勢のファンの人。

 友達にサイン貰ってこいって言われて、反応してたのに、いざ話して見るとアンタ変わってしもたって血涙流して走りだしたのはインパクトあったね。

 まあファンサービス求められて脱ぎだしてポーズ決めたエンデヴァーは確かに以前より変わったけど。

 そしてそのエンデヴァーのポーズを激写してた一眼レフをどこから出したんだろホークス。

 

「つーかこんなヤバい脳無の情報っていうか映像記録は学生に見せて良いのかよ」

 

 一部ヒーローと一部の雄英高校生に見せられた改良脳無の記録。

 おそらく目的は、

 

「対処しなきゃならない状況に陥る可能性が高いか、対処を任せる予定の人材だからじゃないかな?」

 

 僕達以外に見せられた生徒はA組は轟君に百さんと芦戸さん、B組は物間君に小森さんに吹出君と骨抜君だった。全員に見せるべきだと思うけど実際に対処できそうな人を選んでるね。

 

「身体能力特化、硬度増加、拘束タイプを外しての選出か」

 

「再生個性持ちの可能性あるからだろうね」

 

 物間君は指揮官向きでかつ対処できる個性をコピーすればいい。

 凶悪な再生能力と身体能力をまとめて対処できるそんな存在が求められている。

 

「つーか、ならタンクトップジャングルとタンクトップラビットはなんで対処できたんだよ。素手だったろあの二人」

 

「鍛えた身体とタンクトップによる超パワーがあったからこそだよ」

 

 個性よりもパワー、ヒーローの逆行現状だとテレビのコメンテーターが言ってた。

 初期のヒーローは何よりも戦闘能力重視でマッチョばかりだったらしいし。

 オールマイトが長らくトップだったから、多くのヒーローがオールマイトとは違うことをやろうとして個性をいかに活かすかって風潮になったのかな?

 

「こっから俺達はどうすべきなんだろうな」

 

 やるべきことは学生生活を満喫し将来のための下積みとすること。

 けれど乱れている社会はそんな余裕がないのかもしれない。

 将来の不安に足元がグラついているようだね。

 

「けど、それよりもさ」

 

 ぶつかり合うA組とB組。

 班に別れてのクラス対抗訓練にして心操君のテスト。

 

「強いからって訓練からハブられるの辛いよね」

 

「この後クラス全員と戦り合うから良いだろうが」

 

「もっとクラスのみんなとコンビネーションと戦力とか対策とかしたいんだけどっ!!」

 

「タンクトップで全てを捻じ伏せる珍種がほざくな。とばっちりなのは俺の方だろ」

 

「流石にキノコは厳しいからっ!!」

 

「こないだコモロさんがタンクトップに弾かれたとか言ってたぞ」

 

 戦闘力に対する信頼が強すぎて参加できない授業を眺めながら僕達はアカデミアライフを過ごしていた。

 決戦までの平穏な日々を。

 

 

 

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