光世界照らせば闇も深く沈む。
狂乱の果てに救いを見たハゲにより、逸れもの達は集いて一塊となる。
『異能解放軍及び敵連合は融合し新たな名を冠する!! 考案は私リ・デストロと連合スピナー!
さあ! その名を! 死柄木 弔!』
「超常解放戦線」
オールフォーワン逮捕によりもはや名ばかりとすら侮られた彼らはこうして闇の玉座へと上り詰めた。
その胸に、未だ言語化できぬ想いを抱えて。
その中、危険を犯しながらも潜り込んだ速すぎた男NO2ヒーロー ホークスは眼前に並ぶ指導者達と明らかに成長した敵連合達を確認し、危機感と共に勝利を確信する。いかに異能解放軍いかに敵連合、切り札足るギガントマキアを合わせようと、最強のヒーローとなったエンデヴァーに自身らヒーロー達、人類のバグたる無個性ヒーローらが力を合わせれば恐るにたらず。
そう、思っていた。
その視線に気付くまでは。
見下し、嘲笑し、呆れ、測る、そんな視線を熱狂する集団に向けるヤツラに気付くまでは。
(正気か超常解放戦線。あんなバケモノ共制御できるわけがない)
速すぎた男は焦る、確信した勝利が揺らぐどころではない事態を前にして。
個人で超常解放戦線、トップヒーロー達を殲滅できる怪物それが四人も集っている現実に。
「世界が滅んじまうぞ」
呟きは狂騒の中に掻き消えた。
「焦っているねえー、スパイ君?」
「哀れだな、まるで気づかない下の無能共よりはマシな分だけにな」
「俺達の存在に勘付いたか、可哀想にな」
「ダガカトイッテナニモデキナイ、国家ノ犬トハソウイウモノダ」
集いし四者。
人にして災厄に至った怪物達。
一人は擦り切れたボロボロの衣類を纏い、王冠をかぶるこ汚い男。
名をホームレス帝。
勤める会社を上司命令のハダカ踊りでセクハラしたとされクビになりホームレス生活の果てに悟りを開いた彼は、美しき母なる地球がため人類の滅亡を誓う。
尋常ではない破壊力を誇る光球を自在に操り、いくつもの都市を滅ぼした彼は討伐すべき人類の敵として全ての国家から認定されている。
「まあ下の考える頭の無い馬鹿共は好きにさせておけば良いさ、契約どおりに我が盟友全裸大帝の復活を果たしたら諸共滅ぼすしな」
目的はこの国のどこかに封印された盟友の復活。
彼にとって超常解放戦線など利用し使い潰すだけの存在でしかない。
一人は鳥を模した着ぐるみ姿の男。
番組の打ち切りとともに会社をクビになった彼は着ぐるみに導かれるままヴィランへと墜ちた。
かつてドンカンバードと呼ばれたその着ぐるみは彼の個性にて進化変容し禍々しく恐ろしい形へと至った。
覚醒 フェニックス男。
ホークスが最速のヒーローならば、彼こそ最速のヴィラン。オールマイトとの交戦経験すらある彼は、進化するヴィランとして各国より警戒されている。
大国の空軍を個人で壊滅させたこともある、まさに天空の覇者ともいえる存在である。
ちなみに、同じ衣類関係だからとタンクトッパーが公安に警戒される一因だったりもする。
「ヴィランもヒーローも勢揃いの大戦。世界に名を馳せる最高の機会だ(あとリ・デストロと番犬マンを勧誘しよう着ぐるみ仲間だ)」
そして3人目。
異様なほど青白い肌をした死人が如き青年。
詳細定かではない彼はただゾンビマンとだけ呼ばれている。
分かっているのは、世代すら違うと思わせる程の技術や知識を誰であろうと取引する謎の科学者の忠実な部下であること。
いかなる相手でも必ず勝利すること、その2つのみである。
主の密命を抱え、不快な連中と顔を合わせながら超常解放戦線に参戦。
(人類のバグ共の調査か、面倒な仕事だ)
最後の一人、否一体。
無機質なロボットは目であり耳であり手足。
メタルナイトとだけ呼ばれる鋼の軍勢の指揮官であり生みの親であるボフォイ博士は、個性に溺れ振り回される社会を冷めた視点で観測する。
ヒーローという特異個体に縋る社会に警鐘を鳴らし、平和のための機甲兵団を設立しようと訴えた結果、異端者として追放された人物。
長き時の末、隣にいる人間を信用せず、自分一人で正義を為せるほどに力を蓄えた彼は、自らの理念の為にそこにいた。
「オロカナレンチュウダ」
光と闇、ヒーローとヴィランは集結し。
大戦の時は迫る。