タンクトッパーイズク   作:規律式足

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第12話

 

 波乱の初日が過ぎ、次の日。

 結局タンクトップを着たら強くなれると、クラスメート達にいくら言っても納得してくれなかった。

 そんな訳がないとか、気合で個性のあり方を変えたり進化させる個性持ちが何を言っているんだか。

 そんな凝り固まった常識こそがタンクトップを阻害するいうのに。

 出来るから出来る。

 タンクトップを着こなしたら最強。

 それこそが真理だ。

 

 なんてことを考えながら午前の授業を受ける。

 ややツッコミ気質な人が多いような気がするけど、クラスメートは皆良い人ばかりだ。

 

「おらエヴィバディヘンズアップ盛り上がれー!」

 

 どうでもいいけど、英語担当教員のエセ外人キャラってなんなんだろう?ありふれすぎてそのキャラ没個性。

 多分みんな普通だとか思ってそうだね。

 

 昼は大食堂で一流の料理を安価で頂ける。

 クックヒーローランチラッシュは白米押しだ、同意するけど。

 

「緑谷君と爆豪君に聞きたいことあんだけど?」

 

 と言い出したのは麗日さん。

 プロヒーローの料理を味わえると、二日目ながらに食堂へと足を運んだのだ。

 メンバーは、僕に爆豪君に麗日さんに梅雨ちゃん。他のクラスメートは別のテーブルだ。

 

「聞きたいこと?」

 

 返事をしながら激辛麻婆丼に添えてある山椒を山程ぶっかける爆豪君、君は四川省出身なのかな?

 

「私も思ったことなんでも言っちゃうの」 

 

 とは梅雨ちゃん。きっと眼の前の麻婆丼のことだ。そうだね本場テイストな麻婆の食べ方だしね爆豪君。

 

「「二人とも幼馴染なのになんで名字呼びなの?」」

 

「あだ名じゃなくても、名前呼びくらいはしそうだわ」

 

「喧嘩しとるわけじゃなさそうだし」

 

 あー、そっちかー。

 話したくないな正直、大した訳じゃないし。

 

「メシ時にする話じゃねえよ」

 

 と不快そうに劇物を掻き込む爆豪君。言いたいことは分かるけど、ほら二人共明らかに誤解して申し訳なさそうだよ?

 と、そんな様子をタンクトップテレパシーで伝えようとして、

 

「妙な技食堂で使おうとするなよ」

 

 と静止をかけられる。

 心外な、タンクトップのぴっちり感による伝達性で心の声を相手に届けるタンクトップテレパシーのどこが妙な技だというのか。

 

「メシがまずくなる話だがいいのか?」

 

 コイツ話をする前に自分の分平らげやがった。

 

「名前呼びで親しいからと、腐った連中がBL同人のネタにしやがったんだよ」

 

 要約してある話だけどそのまんま。

 中学の時、学校内で評判の良い男子二人をネタにして一部女子がはっちゃけたのだ。僕も不快だったし、失恋したての爆豪君は耐えられず引きこもりかけた。

 爆豪君のお母さんになんとかしてくれと(爆笑されながら)頼まれたので、タンクトッパー達で部屋に押しかけてなんとか解決したけど、あれは酷かった。

 

「それは辛かったわね」

 

 無自覚に人を傷つけた元クラスメートを不快に感じてそうな梅雨ちゃんと、想像したのか顔を赤らめる麗日さん。かなり広まって大変だったなアレ。

 まあヒーローやってたら大なり小なりありそうだけどあの時はタイミングがね。

 以来お互い名字呼び。内心だけで名前呼びしても個性のせいなのか反応されて騒がれたから、内心でも名字呼びを徹底しているのだ。

 

「いやむしろテメェのやらかしの方が」

 

 昔を思い出して顔を青ざめる爆豪君。

 この呼び方はもう癖だよね。

 ちなみに僕の昼は、野菜スムージーにプロテイン。

 体質ではあってもタンクトップかませブラザーズ、もといブラックホールやタイガー以下の筋肉なのは嫌なのだ。

「白米喰えよ!!」

 ランチラッシュの怒声をあびながら僕等は食堂をあとにした。

 

 

 そして午後の授業いよいよ、雄英高校もヒーロー科の本番。ヒーロー基礎学!!

 

「わーたーしーが!! 普通にドアから来た!!」

 

 普通じゃないです。

 とりあえずテンションが違う、いやプレゼント・マイク先生も似た感じだから普通?  

 

「オールマイトだ、すげえや本当に先生やってる」 

 

 通知されたけど昨日会ってないしね。

 

「銀時代のコスチュームだ、画風違いすぎて鳥肌が」

 

 いやいやクロビカリさんに比べたら普通だよ。

 

「ヒーロー基礎学! ヒーローの素地を作る為様々な訓練を行う項目だ科目だ!!

 早速だが今日はコレ!! 戦闘訓練!!」

 

 ポーズを決めるオールマイトに、興奮するクラスメート達。当然だ、ヒーローの本領は戦闘、ここにいるクラスメート達はそれを受け入れた、戦える者達なのだ。

 

「そしてそいつに伴って、こちら」

 

 教室の壁からせり出す棚。ハイテクだな。

 

「入学前に送ってもらった個性届けと要望に沿ってあつらえた、戦闘服!!」

 

 雄英高校に入るメリットの一つがコレだったりする。

 普通のヒーロー科はここまでしてくれないし、自腹での依頼が当たり前。

 雄英高校というブランド、企業の試作を兼ねている、自前でサポート科を抱えている、などの点から生徒に無償でコスチュームの配布が可能なのだ。

 

「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!!」

 

「「「はーい!!」」」

 

「格好から入るってのも大切なことだぜ少年少女!

 自覚するのだ今日から自分は、 

 ヒーローなんだと!!」   

 

 コスチュームに着替える皆の姿、興奮を隠せないその様に僕も熱くなる。

 ズボンはベストジーニストからもらった黒色のダメージジーンズ。

 上は、僕の名字からとった緑のタンクトップ。

 そしてその上着として、オールマイトを意識した背中にSMASH HEROと二段に別れたロゴの描かれたジャケットを羽織り、額に防具としても機能する、ワンフォーオールの覚醒状態を示すイナヅマの走った柄のバンダナ。

 最後に首からタンクトップの「タ」のロゴの入ったペンダント。

 手甲なども考えたけど、流水岩砕拳を使う僕には邪魔になるので薄手の手袋だけをする。

 お世話になった人達、憧れるヒーロー達の要素を組み込んだコスチューム。

 最初は他のタンクトッパーみたいに、シンプルにしようとしたけど、ジェントルの助言でこうした。

 マスターの教えだけが、タンクトップだけが僕の背負うものではない。そう言ってくれたのだ。

 だから、その思いを胸に抱えて、

 僕は、『タンクトップオールグリーン』としてヒーローに成る。

 初のヒーロー基礎学、初の戦闘訓練、僕は気合を入れた。

 

 

 

 

 




コスチューム案はミスターサーさん、素知らぬ猫さんのデザインが元です。ヒーロー名に関しては原作より早いけど、クラスメートも子供の頃から考えていたし、タンクトッパーはコスチュームがヒーロー名なので早めの公開となりました。ヒーロー名も南畑うりさんからの案を参考にしております。ありがとうございました。
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