タンクトッパーイズク   作:規律式足

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第43話

  

 期末テストが終わって翌日。

 激怒したオールマイトによる死ぬ三歩手前くらいまでの重傷もリカバリーガールとタンクトップにより完治して僕は何事もなく登校した。

 グラントリノに相談していた内容。

 僕の考えていたオールフォーワンとの戦いにおいての役割は、許されることではなかったのだ。 

 自分の命を軽んじていたのではない。

 単に僕は、起こり得る悲劇にびびって楽になりたかっただけなのだ。

 僕の行いは、覚悟を模した逃避に過ぎなかっただけだと思い知らされた。  

 私達の力を信じてくれと、泣きながら抱きしめてくれたオールマイト。 

 ボロボロにされても共にヒーローになりたいと言ってくれた勝己。 

 それだけじゃない、皆そんな風に僕を思ってくれると認識すると、どこか心が軽くなった。

 明日が来るのが怖い、そんな当たり前を受け入れることが、僕はできた気がしたんだ。

 だから、

 登校してすぐに教室で正座させるのは勘弁してください勝己様。

      

「出久テメェ、俺がなんで怒っているか分かるよなあ」

 

 すいません、心当たりしかありません。

 昨日の件かな?いや皆には期末テストのこと話さないって言ってたし。

 すいません、心当たりしかありません。

 

「コレだ、コレ」

 

 トン、トン、と右手に持った綺麗な布で包まれた箱を左手の人差し指で叩きながら見せつけてくる、

 お弁当ですね分かります。

 柄的に実家のヤツじゃないね、勝己のお母さんは新聞で包む性格だし。

 後ろに居る轟君のやりとげたぜ、ってドヤ顔からして冬美さんが作ったお弁当かな?

 梅雨ちゃんの先手取られたって表情(芦戸さんは期末テストがアレでそれどころじゃない)からして確定だよね。

 

「お前の入れ知恵だな?」

 

 年上お姉さんの手作り弁当なんて全男子のご褒美じゃん。

 そして冤罪だ。

 

「ソレは夏雄さんの彼女さんのアイデアです」

 

 レシピ習いに来た冬美さんがそう言ってたよ。

 

「いやどこまで話し広がってんだよっ!」

 

 弟の彼女なんて普通に他人だしね。

 どこまでって、豚神さんに匿われている燈矢さんから事実確認されるくらいの範囲かな?

  

「大丈夫だ、義兄さん」

 

 轟君、それあかん発言。

 

「きちんとお弁当の中には好物のぼたんこしょうの肉詰めも入っている」

 

 ここで親指突き立てて言うとか彼も変わったね。

 ちなみにぼたんこしょうはピーマンサイズの唐辛子という罰ゲームに使いそうな野菜。マイナーだけど辛いから好物なんだよね勝己。確かピーマンの肉詰めと勘違いしたお父さんが被害受けたとか。

 

「なあ、なんで俺の好物が轟家に知られてんだ?」

   

 いや悪いとは思うけどさ、勝己。

 梅雨ちゃんもメモしてるけどさ。

 

「ねえ勝己?

 年上の眼鏡かけたお姉さんが気になる男の子のために好きなモノを作ってあげたいって、もじもじと頬を赤らめながらレシピを聞いてきたらどう思うよ」

 

 こないだ事務所に訪ねられて来て、その場にいた(ジェントル愛連中)以外のタンクトッパーがノックアウトされたからね。ついでに勝己に嫉妬してたけど。

 

「最高だと思、っは」

  

 人類なら例外除いてそう思うよね。 

 意地で正気に戻ったみたいだけど。

 

「まあ同じことラヴァーが聞いてきたらためらわず警察に通報するけど」

 

「マトモ紳士のホクロの数まで知り尽くしているあの人には必要ないだろ」

  

 出会いがネット動画をハッキングしての住所特定だしねあの人。

 

「外堀うめられているみたいで、気分悪いだろうけどこっちも断われないよ。真剣みたいだし」

 

 むしろ一週間くらいの付き合いでなんであそこまで入れ込ませられるかな、このスケコマシ。

 

「好かれて悪い気はしねえよ、けどまだ高校生だぞ俺は」

 

 高校卒業後即入籍はハードル高くて怖じ気つくよね。

 

「まあ、いつものからかいじゃねえならお前責めんのも筋違いだな悪かった」

 

 いや日頃弄り倒しているから妥当な扱いだと思うよ、なのにきちんと謝れる勝己は凄いよね。

 

 

「ところで」

  

 どしたの爆豪弟(仮)君?

 

「アイツらお通夜みたいだな」

 

 他の皆が必死に目をそらしてたのに。これが天然か。

 見ればそこには絶望顔の、芦戸さん上鳴君。

 明確に不合格なチームだ。

 校長先生相手は力押しできても厳しいと思うけど、勝ち筋が設定されてたのかな?

 

「皆、土産話っひぐ、楽しみに、ううしてるっがら」

 

 泣きながら言う芦戸さんに罪悪感ヤバいね、特に僕と勝己は。

 

「まだわからないよ、どんでん返しとかよくやるしこの学校」

 

「緑谷それ口にしたらなくなるパターンだ」

  

 でも相澤先生、常識破り大好きだし。

 

「試験で赤点取ったら林間合宿行けずに補修地獄!

 そして俺らは実技クリアならず!

 これでまだわからんのなら貴様らの偏差値は猿以下だ!!」

 

 黙れ学力最下位が、君は筆記もギリギリだろうが。

 

「落ち着けよ長え、わかんねえのは俺と切島もさ。

 俺は峰田のおかげでクリアしたけど寝てただけだ。

 切島も砂藤が機転効かせたからクリアしたけど足を引っ張ってたしよ」 

 

 そういえばそうだね。

 瀬呂君はミッドナイト先生の眠り香で膝枕。

 切島君は真っ向勝負にこだわってたのを砂藤君が注意して、最後は硬化した切島をぶん投げてセメントス先生にぶち当てたよね。

 砂藤君はタンクトップ事務所でタンクトップベジタリアンに強化の仕方を教わって、砂糖の種類で強化箇所を変えれるようにしたんだよね。それで聴力強化で擬似的な感知もできるようになったとか。

 

「とにかく採点基準が明かされてない以上は」

 

 意外と分析タイプだね、瀬呂君。

 

「「同情するならなんかもう色々くれ!!」」

 

「タンクトップならあるけど?」

 

「「いらん!!」」

 

 そっか残念。

 

「予鈴が鳴ったら席につけ」

   

 おはようございます相澤先生。  

  

「おはよう今回の期末テストだが、残念ながら赤点が出た。したがって林間合宿は全員行きます」

 

「「どんでんかえしだ!」」 

 

 もう相澤先生の言葉は逆にとらえるべきだろうか?

 筆記はゼロだったけど、実技で、芦戸さんと上鳴君にやっぱり瀬呂君と切島君が、赤点だった。

 追い込む為に行けないと合理的虚偽したけれど、強化合宿でわざわざ場所を変えるのだから実技主体な筈、実技試験で赤点ならなおさら必要だろうね。

 しかし喜ぶ赤点集団にトドメをさすのが相澤先生。

 赤点組は学校に残って補修よりキツいみたいだ。多分睡眠時間を削るのかな?

 

「何はともあれ、全員で行けて良かったね」

 

 尾白君は特にクラスの和を気にしてるしね、勝己ともそんなとこで仲良いし。

 一週間の強化合宿。

 皆色々準備必要みたいで、買い物に誘われたけど。

 

「タンクトップ一つで充分だよ」

  

「山籠りには慣れてるしな」

 

 僕と勝己は必要な物は持ってるよね。轟君はお母さんのお見舞いいくし。

 

「ノリが悪いよ空気読めやKY男共!!」

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