タンクトッパーイズク   作:規律式足

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注意、ギャグです。オリ設定有り。


第51話

 

「これより宗教(モテナイ男)裁判を始める!!」

 

 漆黒の衣装を纏ったもぎもぎした頭の少年が一際高い盤上にて宣言する。

 

「被告、緑谷!!

 被告、リア充!!

 判決、死刑だ!! 死刑、死刑、死刑だぁ!!」

 

 いや個性社会に宗教ネタはアウトじゃないですか?

 ミネリコ・マクスウェル司教、いや大司教。

 

「貴様は哀れだ!!

 だが許せぬ!!

 実を結ばぬ烈花のように死ね!!

 蝶のように舞い蜂のように死ね!!」

 

 テンション振り切れて、ヒーローとしてアウト発言ですよ。

 高らかに吠える彼を見ながら、僕はどうしてこうなったかを思い出す。

 単にシールド父娘が隣に引っ越してきただけなのに。

 

「さあ刮目せよ、これがモテナイ男達の力だ!!

 死刑執行!!」

 

 

 

 タンクトッパーの朝は早い。

 朝起きて体を清めると、タンクトップに感謝の祈りを捧げてからトレーニング。それが終われば朝食の支度をする。

 マンションの中央の中庭部分に他のタンクトッパーとともに竈にて湯を沸かす。

 今日はお母さんがいないから皆との朝食だ。

 

「イズク?」

 

 そんな僕達がやっていることに気づいたのかメリッサ(呼び捨てするように言われた)とデヴィットさん(お義父さん呼びは拒否した)が降りてきた。

 マンション住民達の共同での食事の準備、それはここヒーローマンション、またはタンクトップマンションの名物みたいなものだ。

 グラグラと大釜に沸いたお湯にパスタをぶちこみながら、横で大量の刻まれた余り野菜をトマトと調味料で炒めながらソースを作る。トマトは偉大だ、どんな野菜を入れても大概味を纏めてくれる。

 

「食事とか自分だけ作るの大変だからね、こうしてみんなで用意するんだよ」

 

 まとめて作った方が味が良いし、一人暮らしだと材料を使い切れないことがある。

 ヒーロー活動をしていると報酬やお礼を野菜やらお米で渡される場合も多いのだ。持て余したそれらをうまく消費するために持ち寄った材料で食事を皆で作るこんな形が定着してしまった。

 

「ん、アルデンテ」

   

 パスタの茹で加減をタンクトップアルデンテが確認してからソースを絡めて完成。

 

「メリッサ達もどう?朝食はまだでしょ」

 

 皿に彼女らの分を盛り手渡す。

 中庭に用意されたテーブルで皆で食事。

 いつものヒーロー達の朝だ。

 タンクトッパー達に、住人であるスネックさんやスマイルマン三兄弟、そして当たり前のようにいるマウントレディ。

 彼女はここの住人じゃないけど朝のパトロールついでに食べていく。定期的に食材を持ってくるから問題はないけど、料理はできない。

 今まで馴染みのない光景だったからか面食らった様子の二人も、楽しそうに話しながら食事をしていた。

 まあメリッサとの関係を勘繰られて茶化されたり、デヴィットさんの素性に結構権威とかに弱いスネックさんが平伏したりしてたけど。

 

「そうだ、イズク。夜はスイマーが貰ってきた鮭でちゃんちゃん焼きをやるから手伝ってくれ」

 

 海難系の派遣が多いタンクトップスイマーは丸々一匹魚を貰ったりする、半身は焼いてあとはアラ汁かな。

 了承した僕はメリッサと片付けをしながら頷いた。

 

 いつもの朝を過ごしたら制服に着替え、雄英高校に行く用意をする。

 今日はメリッサの学校案内だ。

 雄英高校は夏休み中だが、極一部の部活動の生徒や熱心な自主練する生徒のために許可さえとれば入ることができる。

 デヴィットさんもサポート科のパワーローダー先生に会うために行く予定だからと車を出してくれるとのことだ。約束の時間に隣を訪ねれば、雄英高校の制服に見を包んだメリッサの姿。僕の前でクルリと回って見せてくる彼女に似合っていると伝えれば嬉しそうに微笑んだ。

 妻を思い出すよ、とデヴィットもご満悦だ。

 

 

 雄英高校に到着して、駐車場でデヴィット博士と別れた。メリッサの手続きは済んでいるので僕と一緒に見てきなさいと言われた。

 とはいえ、Iアイランドで親しくなったクラスの皆が教室で待っているのでまずはそこに向かう。

 道すがらに説明しながら教室に行くが、学校は人が少ないとガランとしたもの悲しい印象が、

 BOM!!

 

 寂しい感じが、

 

 ドゴムッ!!

 

 静かな雰囲気が、

 

 ヤメロー!!発目、今日は来客がいるんだぞ!!

 だからこそ、ベイビーを魅せねばならないのです!!

 

 一切ないね、サポート科は。

 引かないで楽しそうと目を輝かせるメリッサは素質は充分みたいだよね。

 一年A組の教室につきドアを開けた瞬間、体を走る謎の衝撃を受け僕は意識を失った。

 

 

 そして話は冒頭に戻る。

 並び替えられて開かれた中央でテープでぐるぐる巻にされた僕。

 それを囲うクラスの皆の姿。

 怒り狂う人と憐れむ人と関わりたくないと顔をそらす人と反応はそれぞれ、勝己は胃を抱えて蹲っているね。

 そして吠えながらキャラ崩壊してる峰田君。

 なぜこんなことに。

 

「おまえがIアイランドの騒動終わったらラブコメ三昧だからだコラァァァ!!

 オイラ頑張ったじゃん、血だらけで頑張ったじゃん!! けどモテねえんだよちっとも!!

 なのに脈あるかと思ったメリッサさんはお前に夢中で、爆豪はハーレム介護か畜生!!」

 

 流れ弾くらった勝己が瀕死だね。

 入院での世話されたのはきつかったみたいだし。

 そしてメリッサ、頬を赤らめてこっちみないで。

 普段静観組な尾白君とかも目つき鋭いから。

 

「挙げ句同じマンションでお隣だと!?

 同じ敷地内の建物で生活なんてそれはもう同棲だと言っても過言じゃないだろ!!」

 

((((いや過言だよソレ))))

 

 一部冷静面子の突っ込みがタンクトップから聞こえるね。

 

「アレか、これから毎日おはようからおやすみまでのラブコメライフか!!

 作りすぎたカレーを届けるイベントやるのか、花火祭りで浴衣デートか、プールに行って泳ぐのか、それとも山でキャンプか、線香花火で肩を寄せ合うのか、親がいない日はお泊りか、夏休み中は二人でデート三昧か!!

 こっちは林間合宿までエロゲーライフだよ!!」

 

 峰田君、峰田君、メリッサが参考になるとメモ取ってるからネタ提供やめて。僕は残りの夏休みは林間合宿に備えてタンクトップ三昧のつもりだから、タンクトップ力を限界まで蓄積するつもりだから。というか君、

 

「夏休みの課題は?」

 

「初日に終わらせるだろフツー」

 

 真顔で返したね。

 ギクリと何人かは反応したけど、さては手つかずだな彼らは。

 意外と勤勉で勉強できる峰田君は終わらせてるのに。

 

「つまり貴様は死刑だ、死刑しかない」

 

「皆でそのイベントをやるのはどうかな?」

 

「エロゲやってるみたいにお前らのラブコメ眺めろというのか?」

 

 ブドウじゃなくてマスクメロンだね峰田君。

 

「さあ受けるがよい、リア充よ。

 これが裁きだ」

 

 にじり寄ってくる、自称モテナイ処刑人達。

 まあ暴力くらいなら仕方ないか。

 これからを考えるとオールマイトみたいに恋愛する気にはなれないから、女性の思いを蔑ろにしているのは事実だから。

 そう、これは正当な罰。

 いかなる暴力も受けいれよう。

 

「さすがに暴力は止めるぞ」  

 

「委員長としても見過ごせないな」

    

 轟君、飯田君。

 今までのもアウトだよね?普通は。

 

「フン、そんな生易しいことで許すものか」

 

 え?

 

「さあ、」

 

 峰田君は両手を広げると、

   

「そのタンクトップを脱がすのだ!」

 

「それだけはやめてくれー!!」

  

「今までで一番の悲鳴だな」

 

 

 こうして夏休みのとある一日は過ぎていった。

 騒ぎに気づいた相澤先生がひどく疲れた表情で鎮圧して罰則を課し終了。そんなに暇ならと平時の授業と同じくらいの課題を与えたとか。

 ちなみに映画チケットは口田君にあげた。

 体育祭の障害物競走の途中で助けた普通科の女子と付きあっているらしい。

 なお、残る夏休み。

 峰田君の叫びに感銘を受けた女性陣のため、僕と勝己は奔走することになった。

 まあ高校生らしくて良いけどね。

 

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