タンクトッパーイズク   作:規律式足

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第52話

 

 シールド父娘も加わり賑やかさの増した夏休みを過ごし、いよいよ林間合宿当日となった。

 峰田君の発言もあってか女性陣が夏の思い出作りに熱狂してしまい、僕は百さん麗日さんメリッサ葉隠さんの四人と一緒に行動する日が多かった、雄英高校生なのに普通の高校生みたいに夏を満喫して良いのかとも思ったけど楽しい日々でした。良い思い出が出来たからハードスケジュールな林間合宿も乗り越えられると意気込んでいたら、勝己が真っ白に燃え尽きていた。

 いや今回は何もしてないよね僕!!

 口田君なんか彼女との記念なのかカバンにつけた亀の甲羅を背負ったウサギのストラップを優しい眼差しで見ているのに君は何で?

 勝己の口元に耳を近づけて、ボソボソとしたうわ言だか説明なのかを聞いてみたら、

 芦戸さんと二人でキャンプ、

 耳郎さんと二人で海、

 梅雨ちゃんと二人で縁日、

 冬美さんと二人で花火、

 拳藤さんと二人で格闘技観戦に、

 小大さんと二人で水族館に、

 それらを全て実行して精神的に疲れ果てたらしい。

 改めて見ると凄い数だね、しかもこの短期間でやりきったとか実は女性陣結託して予定管理してそうだね。

 笑えない冗談て、いやだってこれ普通被るよ予定。

 え、まだ誘われているの?他の子にも?

 さらに別口で取陰さんと角取さんから僕の連絡先を教えてほしいって頼まれてるとかって、四人相手でも手一杯だったから無理だよ僕、勝己じゃないんだから。

 ほらバス来たから乗り込もう、ね?

 B組のタンクトップパレードも挑発してるよ、A組のみんな全スルーして涙目だけど。ちなみにまだウサ耳ついてる。

 パレードを仕留めたB組の拳藤さんや小大さんも勝己に熱い眼差し向けているし、あと柳さんもだね。

 だから師匠と同じ女たらしクソ野郎と呼べって、いや君は誘いを断われないだけでしょ。

 

「女たらしクソ野郎が!!」

 

 見事な罵声ですね峰田君。

 魂籠もった熱い言葉だね。

 ああ俺はその名称が相応しいて勝己。  

 峰田君は峰田君でその後舌ではたかれイヤホンジャックされてもぎもぎ溶かされた。

 

「俺は、お前を超えるまで色恋沙汰にうつつ抜かせられないんだよ」

 

 ライバルとしては嬉しいけどそれ一生恋愛できない気が。負ける気ないというより、負けたくないし。

 ハッ、殺気。

 慌てて振り返れば女性陣(勝己狙い)から殺意の眼差しが集中していた。

 これ僕が悪いのかな?

 僕を仕留めても恋愛できるわけじゃないよ。

 人型の灰のような勝己を引きずってバスに乗せた。

 なおB組の取陰さん角取さんには結局捕まって連絡先を交換した。

 バス移動、みんなとワイワイやるのは楽しいよね。

 勝己が一番後ろの席で囲まれているけど。

 ちなみに女性陣は夏を満喫して機嫌良さそうにツヤツヤしてて、男性陣は口田君尾白君飯田君轟君障子君以外は黄昏れているね。

 峰田君はこの夏休みでエロゲーを十二本全クリしたとか、ギネスに登録できる記録なのでは?

 相澤先生が不穏な発言と空気(前フリ?)をしてるけど盛り上がったりしててみんな気づいてないね。

 一時間後、バスは見晴らしの良いトコで停車した。

 パーキングではなく、広場?

 峰田君はトイレに行きたいみたいだけど、ジュース飲み過ぎだよ。どこで止まるかきちんと言われてないのに不用心というか。

 B組のバスもないし、なんか有りそうだね。

 

「何の目的もなくでは意味が薄いからな」

 

 試験確定だねコレ。

 

「よーう、イレイザー!!」

 

 この声は、

 

『煌めく眼でロックオン!』

 

『ウサ耳映えるタンクトップ!』

 

『キュートにキャットにスティンガー!』

 

『『『ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!』』』

 

 

「いや今、変なの居なかった?」

 

「ウサ耳つけたケツアゴのタンクトップおじさん」

 

「新メンバー?」

 

 その言葉にプッシーキャッツの二人は後ろを向くと腕を組んでふんぞり返る、タンクトップラビットの姿があった。 一拍後、声と拳を揃えて、

 

「「混ざるなーっ!!」」

 

「あああああああああ~!!」

 

 見事なダブルキャットアッパーでウサ耳おっさんを崖下へと殴り飛ばした。

 タンクトップ力が無駄に高いし、事務所でも実力は上の方だから大丈夫でしょ。

 あ、洸太君久しぶり。

 ご両親が長期のお仕事だからマンダレイに預けられて手伝いにきたの?偉いね。

 

「今回お世話になるプロヒーロー『プッシーキャッツ』の皆さんだ」

 

 ワイプシの愛称で知られる4名一チームのヒーロー集団で、ウチのお得意様だね。山岳救助が得意なベテランチーム。

 マンダレイの説明だと既にここはワイプシの所有地で宿泊施設はあの山の麓。

 それをこんな半端な場所で説明ってことは、

 皆がそこからの展開に気づいてバスへ戻ろうとしても既に遅い、というかバスの前の相澤先生はどうにかできないよね。

 

「悪いね諸君、合宿はもう始まっている」

 

 土流の個性は強力だな、この質量の波を一撃で吹き飛ばせる火力をどうにか会得しないと。いやワンフォーオールのパンチでいけるか。

 対処しようとする僕と勝己に、何もするなと相澤先生から抹消の個性とともに睨みつけられる。

 とりあえず怪我する人いないかだけ気にしよう。

 ピクシーボブの熟練度ならそんなヘマしないだろうけれど、高さが高さだし。

 

「私有地につき個性の使用は自由だよ!

 今から三時間!自分の足で施設までおいでませ!

 この魔獣の森を抜けて!!」

 

 ドラクエめいた名称に疑問を持ち、雄英高校のやり方に服についた土を叩きながらうんざりしていると。

 尿意が限界な峰田君が土の魔獣と出会った。

 すごいよねピクシーボブ、いくらサポートアイテムでこちらを知覚していても、遠距離でこの操作とか。

 視覚の及ぶ範囲の土の操作、熟練どころじゃないレベルだよね。

 生物だと誤解した口田君の力は不発だけど、率先して動いた彼は凄い。

 襲いかかる土の魔獣は僕に勝己と飯田君と轟君で撃退した。

 目標地点まで目印もなく、山歩きに慣れてないメンバー二十名での集団移動。

 結構しんどいぞコレ。

 あと峰田君、百さんにパンツとズボン創って貰ったから茂みで着替えてきなさい。

 

 

 

 思ったより早くついたな。

 修行で山歩きに慣れている僕らがサポートしたとはいえ、皆レベルアップしてる。

 三時間をややオーバーしたけど、無事到着。

 ボロボロだけど怪我人は無し、まあいたら木の上で追跡してたラビットが救助したんだろうけど。

 上手く役割分担できたのが良かったかな。

 土の魔獣との戦闘、索敵、移動、サポートを高い水準でこなせてたし。

 

「「「お前と爆豪はロクに汚れてもいないけどな」」」

 

 流水岩砕拳の道場は、さらにド秘境だったからね。

 力無いツッコミだけど慣れだよ慣れ。

 山歩きは歩き方一つにもコツいるし。

 

 プッシーキャッツのコメントに対してもみんなグロッキーだ。

 

「しかし、躊躇なく土魔獣に対処できた君たち四人は流石に経験値が違うかな?三年後が楽しみでツバつけておきたいけど、私達にはジェントルが!!」

 

 ラヴァーに三味線にされますよピクシーボブ。

 まあ愛しのジェントルがモテることに喜んでるけどあの人。

 

「つーか、タンクトッパーも何人かいるみたいだけど出久は知らなかったか?」

 

「聞いてないけどそこら辺はヴィラン対策でしょ?

 タンクトップの感じから、ラビットにジャングルにハッターの三人だね。指導者としてより万が一の護衛かな?」

  

 感知力の高いハッターは遭難対策だとしても、ラビットとジャングルは戦闘員寄りだし。

 

「あのマトモ紳士は居ねえのか?」

 

「ジェントルは人気あるから人目引くし、一週間の期間が被ると林間合宿と関連つけられるよ」

 

 多分オールマイトもそれでいないんだろうし、いや活動限界も理由かな?

 

「学ぶことの多い人なんだがな」

  

 勝己は特に慕ってるし(恋愛に非ず)、元劣等生だけあって指導するの得意なんだよねジェントル。

 個性の扱いにも長けてるし。

 

 とりあえず昼食が夕食に成らずに済んだから、カリキュラム変更(想定外らしい)して、課題をやるぞと相澤先生が言った。先生の想定を超えたことは誇らしいけどクラスメートの皆の顔が死んだ。

 

 補修組はさらにあるって(トドメの追撃) 

   

 

 

 

 

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