タンクトッパーイズク   作:規律式足

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第65話

 

「行ってきます」

 

 空になった自室に別れの挨拶をして雄英高校に行く。

 此処に戻ってくる日が再びくるかは分からない。

 でもまた此処で寝泊まりする時は、今とは違う自分に成れてると良いなと思う。

 玄関で手を握り約束する母、マンションの敷地から出るときに声をかけてくるヒーロー達、すれ違うと応援してくる近所の方々、って多くて恥ずいわ。

 なんで雄英高校の寮に入るだけで地域ぐるみの応援になるのさ、田舎から旅立つ若者かっ!

 なおそんな僕に当たり前のように腕を絡めているメリッサ、いやあのこのまま登校したら峰田君が目から生搾りグレープジュースを吹き出すからやめて。逃げないようにて、人助けして遅刻して活動時間減らしてたオールマイトじゃないから。 

 メリッサは寮生活にならないため、こうして一緒に登校するのが最初で最後になってしまうと残念そうに呟いていたので、結局折れてこのまま登校した。なお途中道端に零れていたグレープジュースについては気にしないように目を逸らした。

 発目みたいに学校に住み込もうかな、と道中呟いていたけどあの子自宅に帰ってないの?パワーローダー先生ブチギレてないかな。

 

 再会、それは誰よりも競いあってきたライバルあるいは親しい女性と行うべきモノ。

 けれど、僕が懐かしい教室で最初にした再会は。

 

「○ねーー!!」

 

 怒りと嫉妬に燃える非○テ少年からのドロップキックからでした。 

 

「あっ」  

  

 受けても良かったけど、タンクトップオートカウンターが発動し空中タンクトップ18連コンボを峰田君に叩きこんでしまった。

 新学期そうそうボロボロな峰田君をとりあえず席に置いて教室を見れば慣れた感じのクラスメート達が揃っていた。

 

「朝から何してんだよ」

 

 呆れたような声をかけてきたのは幼馴染の爆豪勝己。

 あんなことを頼んでしまったため最初に何を話そうかあれだけ考えていたのにこうなってしまうとは。

 でもさ、

 

「タンクトップさ」

 

 そんないつもどおり感が、なぜか涙がでるほど嬉しかったんだ。

 あの時、黒霧のモヤに飛び込んだ時に諦めた日常が続いている今が嬉しくて仕方ないんだ。

 だから、

 泣いた原因は峰田君じゃないから追撃しようとしなくていいからみんな。

 

「約束果たしたぞ馬鹿野郎」

 

 通り過ぎる時ボソリと告げた勝己に彼らしさを感じてなんか嬉しくてなった。

 その後僕達は一旦荷物を置いて黒板に書かれた指示された場所へと向かう。

 雄英敷地内校舎から徒歩五分の築三日。

 ハイツアライアンス、ここが新たな僕のいや僕らの家だ!

 

「とりあえず一年A組無事集まれて何よりだ。

 お前らの決断と覚悟に敬意を称すよ」

 

 誰かが雄英高校を去る可能性だって充分にあったわけだしね。その決断も間違いだとは思わないし。

 また相澤先生だって責任を問われ、教員を続けれない可能性だってあった。

 けれどそこはいくつかの思惑も絡んでいるんだろうなと思う。

 

「その前に一つ、切島、轟、八百万、飯田。

 お前ら四人が緑谷救出に向かおうとしたらしいな。

 お前達はあの時ヒーローによる秘密裏な護衛がついていた、そのため行動は筒抜けだったわけだが、」

 

 一旦話をとめ相澤先生は頭を下げ。

 

「すまなかった、全ては俺達教員の不手際故だ。

 安心して任せられないくらい信頼を欠いたコチラに非がある。お前らの行動は問題だが仕方ないことだとも思える。

 だがなそれでも問題行動だ、命の危険だってあった。

 それと覚えておいて欲しい、止めてくれる仲間がいる素晴らしい事実を」 

 

 そう言って相澤先生がこれから寮の内部の説明をすると言って入っていった。

 あと今日一日は授業ないで自室の引っ越しだからと言われたのだが、

 

「「「教室に鞄置いたままだよっ!!」」」

  

 とノリよく皆突っ込んだ。

 これこそ一年A組だよね、と日常が戻った感にしみじみとした気分になった。

 

 

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