タンクトッパーイズク   作:規律式足

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第72話

  

 そんな圧縮訓練な日々と寮生活を過ごして、あっという間にヒーロー仮免許取得試験当日。

 途中でサーナイトアイが事務所でのヒーロー活動の大半をサイドキックに任せてオールマイトの護衛役についていると判明したり、発目さんとメリッサによるサポートアイテムの強制試着劇場があったり、B組の物間君が煽りに来たりしたけど、皆無事にこの日を迎えることができた。

 緊張する皆に相澤先生が、志望者からヒヨッ子、セミプロになってこいと活を入れてくる。

 そこで気合を入れるためいつもの一発決めて行こうと切島君が言い出せば、(僕だけタンクトップじゃなくプルス・ウルトラだと皆に事前に注意された解せぬ)皆でせーので

 

「プルス」

 

「「ウルトラ!!」」

 

 ナンカ増えてない?

 見れば帽子被った学生が加わってた。

 そこへ同じ制服の人が注意してくれて名前はイナサというらしい。

 謝罪として頭を地面にぶつかるほど下げられたけど、テンション高いね彼、瀬呂君の言うように生真面目な熱血って感じ。

 周囲がその騒ぎに気づいて同時に彼らが何者かを理解する。

 東の雄英、西の士傑。

 そう称される雄英高校に匹敵する難関校、士傑高校。

 あとなんかイナサという彼は雄英高校が大好きでプルス・ウルトラと言ってみたかったらしい。

 ならなんで入学しなかったんだろ?かなり実力ありそうだけれど。

 相澤先生が覚えていたらしく、推薦入試を一位だったのに辞退したのだと説明してくれた。家庭の事情とかかな?ただ相澤先生がマークしとけと言うくらいだから本物なんだろうね、変だけど。

 

「あとタンクトップ大好きです!! タンクトッパー達の超ファンです!!よろしくおねがいします!!」

 

「皆、彼は今日からマブダチ。

 タンクトップ好きに悪いやつはいない」

 

 グリンと戻ってきた彼の発言に、僕にマブダチが一人増えた。

 

「「「懐柔されんの早いな単純か!!」」」

  

 皆のツッコミを受けるけど、タンクトップを好きだと言う人あんまりいないんだもん。

 

 イナサ君騒動が一段落したら、今度は別の人が話しかけてきた。各学校が一同に集まるから知り合いとか遭遇しやすいのだろうね。

 

「結婚しようぜ」

 

 なんか相澤先生に猛アピールな女性ヒーローだな。

 

「おいおい緑谷、あの胸はスマイルヒーロー『Msジョーク』だろ?なんで知らねえんだ?」

 

「峰田君(なぜ胸?)いや付き合いあるヒーローしか知らないから僕、事務所での派遣もない人だし」

 

「オイラも外見と名前しか知らねえけど、相澤先生もテメェら側かよ」

 

 ギリっと歯を鳴らしながら睨みつけるけど、確かに意外だよね。凄くアプローチしてるけど。

 どうやら相澤先生の反応が面白くて気に入ってるらしい、いや相澤先生は無反応か嫌がりそうだけど。

 

「私と結婚したら笑いの絶えない幸せな家庭が築けるんだぞ」

 

「その家庭幸せじゃないだろ」

 

「ブハ!!」

 

 仲良いというよりはウザ絡みしてる感じじゃないかなアレ?

 

「オノレェェ、リア充がぁぁ」

 

「よく見なよ峰田君、いや目が血走って無理だね」

 

 そして相澤先生はリア充から程遠い生命体だから。教師としては充実してるかもだけど。

 

「なんだお前の高校もか」

 

「いじりがいあんだよイレイザーは」

 

 そこは否定しない。

 

「そうそうおいで皆!雄英だよ!」

 

 現れる四人の生徒たち。

 雄英高校と違って一クラス全員じゃなく選ばれた実力者なのか、それともヒーロー科の生徒が四人なのか。

  

「傑物学園高校2年2組!私の受け持ちよろしくな」

 

 紹介され親しげに話しかける真堂君とやら、手を握ろうとしてきたので僕は峰田君を持ち上げて応える。

 

「「「なんでっ?!」」」

 

 両手ではなくもぎもぎをギュッと握る羽目になる真堂君と、それに突っ込む皆。

 

「いや爽やかイケメン気取ってて全身から胡散臭いし、個性の発動条件かなって?」

 

「それには同感だが、オイラは良いのか緑谷よ」

  

 こちらの評価に顔が引き攣っているみたいだけど、明らかに対抗心と敵意だらけじゃん。

 

「真のイケメンとは天然な轟君と苦労人な勝己だよ」

 

「「「確かに」」」

 

「俺の苦労の大半お前のせいだからな出久」

 

 そんな話しをしつつも爽やかセリフを真堂君は言い続けるけど、やっぱり胡散臭いな。

 その後サインを強請られたりしたけど、相澤先生に促されてコスチュームに着替えに向かった。

 

 コスチュームに着替えてから集められた受験者達。

 あらためて見るとヒーローというより怪人みたいなんだけど、なんで正統派な格好ではなくこんなモンスターちっくにキメてんだ皆さん、

 そんな百鬼夜行みたいな会場で仮免試験の説明する目良さん。なんか懐かしいな、よく事務所に苦情を言いに来たり残業増えて寝れない!とか叫ぶ人だったね。

 雄英高校に入学する前の個性発現(嘘だけど)の時以来か。

 そこからの内容は、試験内容は勝ち抜けの演習。

 ステイン逮捕後に蔓延する思想の影響と彼の所感。

 そしてヒーローに求められている事件発生から解決に至るまでの速度。

 即ち求められるはスピード、故に条件達成者は先着100名を通過とする。

 そして達成条件である、アイテムの説明。

 

 なるほどね。

 つまり、とるべき戦略は。

 

「ああソコのタンクトッパーに言っときますけど、開始同時に仲間以外を殴り飛ばしたりしたら問答無用で失格ですからね。あくまでヒーローとしての体裁は守ってください。戦闘は認めますが、くれぐれもくれぐれもくれぐれも、やりすぎないでくださいね。

 分かりましたか?そこのタンクトッパー」  

 

「直接注意された?!しかも思考読まれている!!」

 

「「「何しようとしてんだお前」」」 

 

 開幕ブッパは基本なのに。

 こうして波乱の仮免試験は始まった。

 無駄に大掛かりな仕掛けとフィールドだから観客席まで殴り飛ばせば良いと思ったのに。

 

 

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