タンクトッパーイズク   作:規律式足

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すいません、またギャグです。
今回の被害者は、この人。


第82話

 

 新学期始まってからしばらく、寮生活の食卓に熊料理がたびたび上がるようになった。

 一日の授業を終えて、さて帰るか訓練施設でも借りるかと悩んでいたらプレゼント・マイク先生から声をかけられた。

 どうやら頼みがあるらしく、後ろには同じく声をかけられた勝己も控えていた。

 先日の峰田君の件もあったため念の為彼女はだせませんよと先に言ったら、何言ってんだコイツという顔をされた。

 なんでもどうしても僕達、女誑しクソ野郎二人に手を借りたいことがあるらしい。

 その言葉に、勝己と揃って帰宅を選んだ。

 

「熊の掌をどう料理しようか」

 

「アレ、コラーゲンみたいだから扱い大変だよな」

 

「待ってお願い助けて」

 

 縋り付く三十代教師だが、女誑しクソ野郎呼ばわりは事実だけと呼ばれて良い気分はしない。

 好意を持たれて嬉しいけど優先しないといけないことが多いのだ。まあ綺麗どころに纏わりつかれて喜んでいる自分がいるのは否定しないが。

 

 強引に引っぱられて学生食堂まで連れてかれたら(放課後も開放されて早めの夕飯やスイーツが楽しめる)僕たちの登場にトラブルを予感して慌てて帰る生徒達と、トラブルを期待してワクワクする生徒達がいた。

 

「とりあえずタンクトップ的なものかな?」

 

「俺は唐辛子茶」

 

 僕のボケをスルーしたつれない勝己。

 そこはメニューから頼めと注意するトコでしょ。

 

「オイオイ、二人ともせっかく先生が奢るんだぜ?

 一番高いのを頼んでも構わないぜ」

 

 と太っ腹な発言のマイク先生だけど、頼み事ってそれだけ身銭切るだけのことなのだと判断もできるから、勝己なんか渋面だ。

 まあまた絡まれても困るから、聞くだけ聞こう。

 

「じゃあこの学食で一番高い品を」

 

 メニューからじゃなく直接頼もう。どうせメニューからでるし、ランチラッシュ先生なら分かるだろうから。それに一度はこんなことしてみたかったし。

 

「じゃあ俺も」

 

 諦めてため息をつく勝己も同じものを頼んだ。

 学食だからそんな高くないだろうし。

 その注文に直接オーダーを取りに来た(トラブル対策のため)ランチラッシュは驚くと、本当に良いんだねと念押しされた、まあ払うのマイク先生だし。しばらくお時間頂きますと告げてから去るランチラッシュ先生に一抹の不安を感じたけど、何を作るのかな?やたら気合が入っていたし。

 

「そんで本題に入るぜ」

 

 しばらくかかるからと、僕がコーヒーで勝己が唐辛子茶を飲みだすと、珍しく真剣な表情でマイク先生が話を切り出した。ふだんはおちゃらけたキャラを徹底してる人だから新鮮だね。

 

「この写真を見てくれ」

 

 スッと出された写真には美しい和服を着て礼儀正しい姿勢をして立つ、ゴリラがいた。サイズがでかいね。

 というかこの人。

 

「それでどうしたんだよ?」

 

 個性社会のため外見に拘りはあまりないけど、動物タイプは動物って認識なんだよね。差別につながるから皆発言には気を遣うけど、特にヒーローは。

 ゴリラ個性の多分女性の写真に対して、勝己が疑問を口にすればマイク先生は重苦しい雰囲気で語りだした。先日の校長先生とのやり取りを。

 

 

 

「やあ!!我が校自慢の教師にし第一線で活躍するヒーローにしてラジオでも大人気なプレゼント・マイクこと山田ひざし君」

 

「いやはや褒め過ぎだぜ、根津校長」

 

「そんな君に素敵な頼みがあるのさ☆っ!!」

 

「素敵?根津校長が言うなら間違いはねえな」

 

「そう言ってくれると嬉しいね☆

 実はさるご令嬢との縁談の話が来ていてね。

 相手方は君を指名したのさ☆」

 

「マジすかっ?!

 雄英高校に影響あるトコのご令嬢なんてとんでもないお金持ちでしょ。もしかして逆玉の輿!!」

 

「HAHAHA、そのとおりだよ。ぶっちゃけ断ったら雄英高校潰されるレベル(ボソリ)

 だから悪いけど君に拒否権はないのさ☆」

 

「まあこんな仕事で出会いなんてないから普通にありがたいですよ」

 

「ミッドナイト君とは欠片も脈ないしね☆」

 

「はっ倒すぞ齧歯類」

 

「HAHAHA」

 

「それでこちらがお相手なのさ☆」

 

 

 

「って感じで渡された写真がコレなんだ」

 

 腕を組み闇を背負いながらマイク先生は語る。

 そこには人生に絶望した山田ひざしがいた。

 

「さる御令嬢じゃなく、ゴリラ御令嬢じゃね」

 

「ていうかこの人、世界的に有名な動物タイプ異形個性の大家で八百万家を超える超大富豪猩々家の三女バブルスさんじゃん」

 

「よく分かるなお前」

 

「動物タイプ個性は目元で個人を判断するのがコツなんだよ。まあバブルスさんはやたらデカイから分かり易いけど」

 

「サイズじゃねーか」

 

 コレマジで断れない案件じゃない?

 むしろ縁談相手にされてまだマイク先生が他の候補者に襲撃受けてないのが不思議なんだけど。

 

「HAHAHA、何が毛深い人は僕と同じで情が深いだよあの齧歯類。目がドルのマークだったんだけど」

 

「情はドコいった?」

 

「まあ根津校長は人じゃないし」

 

 断ったら潰されて、了承したら援助金だよね。

 

「だから頼む!!なんとかこの縁談を潰してくれ」

 

 いや下手に介入したら僕たちの命がヤバくなるのだけど。動物タイプ個性持ちのブラックリストに載るんですがソレ。

 

「いくら個性社会とはいえ、ブサイクはブサイクでゴリラはゴリラなんだ!!」

 

 動物タイプ個性が外見とかが強まった一因だよね。外見的に美醜認識も個性に寄っちゃうから自然と個性婚になるパターン。

 最初は毛深いだけとかだったらしいけど何世代も重ねてもう完全にゴリラだよね。

 反面、発動タイプ個性は美醜感覚は昔のままだからミッドナイト先生とかをブサイク扱いする人もいないわけだし(それでも一定数はいる)

 

「潰さないまでもナントカしてくれ!!」

 

 どうしたら良いんだろコレ?

 縁談叩き潰すとかリスクが高いって。

 勝己と顔を見合わせるけど、別に自分らの想い人を助けるとかの話しじゃないし。

 それにバブルスさんて百さんの親友なんだけど。

 うーん尾白君にナンパしてもらう?でも彼は彼で通ってた武術道場の跡取り娘(5歳)の婚約者だし。

 とりあえずナントカで良いならナントカするか。

 相手側から断ってもらう形の決着が理想だよね。

 

 

「おまたせしました」

 

 とランチラッシュ先生が注文したメニューの完成を告げに来た。

 本当に待たせたね。早い安い旨いが売りの学食にしては珍しいけど。

 

「当店で一番高いメニュー」

 

 そこにはズラリと並んだ料理の数々が食堂のテーブルを占領していた。

 

「クラス単位祝賀会用フルコース(×2)です」

 

 沈黙が僕たちを支配した。

 マイク先生はもう真っ白だ。

 いや確かに一番高いメニューを注文したし、念押しもされたけど。

 やらないでしょ普通。

 

 

 

 結局クラスの皆とB組の人達も呼んでのパーティーとなった、生徒たちは突然のご馳走に驚いてたけど理由は誤魔化した。

 あまりの出費に少しはお金をだすとマイク先生に申し出たけと言い出したのは自分だからと固持された。ただ協力はしてくれよと念押しされてしまったが。

 

 かくしてプレゼント・マイク先生のお見合いをナントカすることになった。

 不安しかないけど最早断れない。

 とりあえずやれるだけやろう。

 

 

 

 




銀魂ネタです。前に似たようなの書いたかな?
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