「なんか嫌な予感するな」
いや俺は多分大丈夫だけど、上鳴とか酷い目に合うんじゃないかってそんな予感。
まあ梅雨ちゃんとカラオケデートするなんて話が広まったせいで既に酷い目にあったし、だったら自分達もと合コンの女性面子が揃いかけたりしたけど、ブチ切れた上鳴が俺の出会いのためだよと叫んだのでなんとか収まった(女性陣の評価は下がったが)
向こうの人数は梅雨ちゃんを含めて四人、親友である中学生の同級生の万偶数羽生子って娘とその友人二人らしい。なので男面子もあと二人欲しいのだが、上鳴が自分よりイケメンは連れていかねえと騒ぐものだから中々決まらない。
いや話を聞いた飯田が説教始めたり、轟がお見合いみたいな認識で顔をしかめたりもしたが、そもそもインターンで休日が無いヤツもいる。
切島なんか内心行きたがっていたが(表面上強がってた)インターンで無理だし。
瀬呂はヤバい予感するらしく拒否してた(あと誘いにのると上鳴以下の容姿扱いが嫌みたいだ)
あとは青山だが、気がつけば居なかった。普段の行動が独特だが意外と危ない橋は渡らないタイプなのだ。
障子も断ったしマジで面子足らないな、恋人持ち組も当然断ったし。あと二人、どうするべきか。
いや俺が悩む必要ないのだけど、上鳴のヤツ必死だからなんとかしてあげたいと思うのだ。
その場では決まらずその日は解散となった。
しばらくしてからの休日。
今日は(上鳴が)待ちに待った合コンの日。
あれからなんやかんやタンクトップとかあってなんとか面子が揃い無事に開くことができた。
合コンを開くために外出届を出したため(上鳴が)相澤先生がマジ切れしかける事態に陥ったが、俺はともかく上鳴は補習に課題が決定して無事に受理された。
なお、もの凄くウキウキしている上鳴以外のメンバーもとい巻き添えは、
B組の性格アレな奴こと、
ファントムシーフ 物間寧人。
合コン開催におちょくりに来た際に出久に捕縛されそのまま参加に。因みにコイツも成績がよろしくないため補習と課題が確定しているので踏んだり蹴ったりだ、いやおちょくりに来たから自業自得だが。
そしてもう一人は雄英高校ビッグ3が一角、
サンイーター 天喰環。
参加することそのものに誰もが驚いたのだが、なんでも切島がインターン先であるファットガム事務所で今回の件を話した際に度胸を付けるために参加を命じられたとのことだ。あと女性の対処もヒーローには必要な技能なのだとか。ガチでハニートラップで情報を抜かれるとかあるらしいし。
しかしあらためて参加メンバーを見ると、見事に容姿は整っているが性格に難がある奴が揃ったな(自身の性格に自覚あり)
俺はサポートと梅雨ちゃんと楽しめば良いから気はラクだが、大丈夫なのだろうか?
向こうもヒーロー科の学生らしいから話は合うと思うのだが。
意外と楽しんでいる様子な物間(あまりこういった友人とのイベントは経験無いらしい)は置いとくとして、問題は既に死にそうな目をした天喰先輩だ。人前に立つのもしんどいノミの心臓の彼にとっては合コンなんて合戦場みたいなものだろう。初対面の女子とカラオケか、この調子ならファットガムの狙いどおり度胸は付きそうだな、終わるまで彼が持てばだが。
「あらやだ羽生子ちゃん、本当に向こうイケメンばかりじゃない」
「梅雨ちゃんの言ったとおりよ、もう期待以上ね」
キャイキャイと声がしたのでアレが相手の勇高校の生徒だろう。
梅雨ちゃんは向こうと先に合流してから来たのだが、どんな娘達なのだろうか?
振り返り向けばそこには驚きの光景があった。
そこに居るメンバーは正に異形。
個性社会で許容範囲が広がったとされる容姿の中でも彼女達は飛び抜けていた。
いや梅雨ちゃんは良いのだ、本人は気にしているのだが普通に美少女だ。彼女と親しげに話している蛇の頭をした娘恐らく万偶数羽生子だと思われる彼女もまだ平気だ、頭などが動物なタイプの個性持ちは有り触れているからだ。だが問題なのははあと二人、キャイキャイと話す彼女達はまさしく異形、というかナマモノ?だった。
一人は巨大な人間サイズのカタツムリ、オシャレなのかリボンを角に当たる目の下に付けてる。
もう一人は巨大な人間サイズの鯛、なんか側面から網タイツを付けた人の足が生えてる。
個性持ちが当たり前になった現在、異形とされる見た目が当たり前な社会。しかし完全に人型、いわゆるホモサピエンスタイプから外れる外見は珍しい(何故かゴリラタイプは多いが)基本的に二手二足に頭一つでそこに個性が加わる感じだ。
まあ珍しいだけで特になにかあるわけではないのだ、完全に外見がラッコなヴィランもいたし。
ただ合コンとなれば話は別だ。
アレらは正に最終兵器。
合コンには死兵として自分よりカワイイ娘を連れてこないテクニックもあるらしいが、それとは一線を画す別次元の戦略。
今よりこの地は槍や刀を振り回す合戦場ではなく、ボタン一つで殲滅される殺戮現場と化したのだ。
果たして彼らはこの地獄から生き残ることができるのだろうか?(他人事)
「なあ爆豪?」
「どうした上鳴?」
物間と天喰先輩が真っ青とおりこした土気色な表情と化した中、話しかけてくる上鳴。
文句は受け付けてないぞ、俺が彼女達を呼んだわけじゃないし。
「今梅雨ちゃんと話している娘、めっちゃ可愛くね?」
どうやら最終兵器達は正常に作用しているようだ。
万偶数羽生子さん、うんカワイイとかカワイくないとか以前に蛇だから、頭というか顔が蛇だから。
上鳴は最終兵器達により、普段の美的感覚を見事に狂わされているようだ。
「俺、あの娘狙おうかな?」
上鳴よ、普段の君ならそんなこと言わないぞ。
まあ本人が良いなら良いけど。
梅雨ちゃんの中学時代の話で性格は良いらしいのは知っているし。
自己紹介をしあいながら合流した俺達はカラオケへと向かった。
出久、降臨したぞ笑いの神。
いや笑えねーけど。
そうして始まった合コン。
特に司会やらイベントなどせずに単なるカラオケを楽しむ形式だ。
歌いたい奴は歌って、軽食とドリンク摘みながらお喋りを楽しむ。
上鳴は先程言ったように積極的に万偶数羽生子さんに話かけまくり自己アピール。そのグイグイとくる姿勢に男慣れしてない彼女は困っているようだ。
そして天喰先輩、彼を気に入ったカタツムリのイトウさん(一応女性)と足の生えた鯛であるタンノさん(一応女性)に迫られ両側は塞がれていた。
「もう格好良くてさらにビッグ3なんて環様って素敵よねー」
「さらにインターンでも活躍してるのでもうプロヒーローじゃない、将来性も抜群ね」
右側を粘液塗れ、左側を生臭くされ、天喰先輩の目は増々暗くなっていく。
人って本当に絶望したらあんな顔になるんだな。
「個性は食べたモノの再現なんでしょ?
環様、私を食べて〜」
「アラ、イトウちゃん積極的〜。
なら私も。煮てよし、焼いてよし、タタキもワサビが染みるけど環様の為なら我慢しちゃうわ〜」
抵抗する気力も最早ないのか、天喰先輩はナマモノ達に纏わりつかれ引き攣った表情のまま硬直していた。
なお一人あぶれた物間は人の不幸は蜜の味と言わんばかりにシロップのかかっていないタピオカをひたすら食べていた。結構楽しそうだ、実害ないしな彼は。
「俺達は歌うか?」
「そうね勝己ちゃん」
その後カエルの歌を梅雨ちゃんとデュエットして過ごした。普通に楽しかったです。
話してみたら万偶数さん達も良い娘で友人としては楽しい娘達だったし。
後日談というか今回のオチ。
上鳴は普通に万偶数さんにフラれた。
積極的で怖かったらしい。
女の子の扱いがなっていないとクラスの女性陣プラスミッドナイト先生から説教くらっていた。
天喰先輩は熱狂的な追っかけがついてまわるようになったとか。
人物紹介。
イトウ カツユ。
パプワに登場するナマモノそのまんまな女子高生。
万偶数羽生子さんとは高校で知り合い親友に。
個性は分身。小型の自分を出産のように産み出し様々なサポートができる(なお食用も可)
大海 タンノ。
パプワに登場するナマモノそのまんまな女子高生。
イトウちゃんとの縁から万偶数羽生子さんと知り合い親友になった。なお今作では雌。
個性は不死身、但し調理された時限定。
一度オールフォーワンさんもチェックしたが一目で資料を廃棄したとか。
何気に二人共素の身体能力が高い無駄に強者だったりする。