「駄目だドク、当たらん」
「そもそもモデルガンだから弾出ませんけどねソレ。
なんで雄英入れたんだろこの人」
モデルガン(ドイツ的なアレ)の引き金をカチカチと引きながら首を傾げる色間君。いや普通の拳銃でもあの射線なら当たらないんですけど。
後ろに控えるドクと呼ばれる生徒も自分でモデルガンを渡したのに呆れ気味だ。
「なら仕方ない、大尉を呼ぶか」
「ハウンドドック先生ですね、今来れるかな?」
(((ソレ人狼じゃなく犬だから、あと単に先生に言いつけてるだけだ)))
自分では勝てないからと先生を呼ぼうとしている色間君だけど、雄英高校生山盛りのメイドカフェに先生がどんな反応するか正直気になるな。
「ソレはそうと色間だっけ?お前も相談にのってくれないか?」
マイペースだね轟君。
君と飯田君は周りの騒ぎブレずに文化祭の話し合いをしてたけどね。
「相談?出し物は何をするにしても経営科は利益のでるようにバックアップするつもりだが、流石に公開座学だと難しいが」
文化祭なのに授業参観。
やられたら他の先生方も困るだろうな、先生方も出し物やらブースがあるのに(相澤先生は警備やトラブル対処だから無い)
「ぶっちゃけやれること多くて決まんね、ウチのクラスメイトならなんでもできるから余計にな」
そうなんだよね。何気にみんな基礎スペックと学習能力高いから練習時間とれるならなんでもできるよ。
「ならばやりたいことから選べば良いが、それもここまで人材が多様だと絞れんか」
顎に手を当てて真剣に考えくれるのは有り難いけど、格好が格好だからシュールです(そして場所はメイドカフェ)
「B組は打倒A組と叫ぶうさ耳(まだ取れない)の仕切り屋がいたからすぐに決まったようだが、このクラスは強引な仕切り屋がいないのか」
「普段のまとめ役二人にやる気がなくてな。基本方針も決まらねえ」
目的がみんなで楽しむためだからね。
みんなとなら何しても楽しいから案なんてないよ。
勝己は仕切り屋になることに抵抗ある口だし。
「とりあえずクラスの特徴でもリストアップしたらどうかね?期限も近いしな」
「特徴か、分かった。
経営科からの要望はないのか?」
「むしろ無理難題を言って欲しいくらいだよ。
そもそも私達は今後のため君等と良い関係を築きたいし、ヒーローを支えるという経験をするのが目的なんだからね」
マウントレディの経理事務の人みたいな経験をしたいのか(あの人達は業界全体でもかなり過酷)
ヒーローの行動と生活の基盤を支える役割。
国家公認ヒーロー活動初期は公安が担ってた仕事だけど今じゃ個人事務所でやるのが当たり前だからね。ちなみにオールマイトは警官の塚内さんだからかなり特殊だったりする、普通は政府はここまでしないのだ。
「そこまで経営科は考えているのか」
クラスのみんなもそのスタンスには感心している。
ヒーロー科とは違う形の意識の高さだよね。
「今年は特別だよ。
ヴィラン連合の存在に、オールマイトの引退という社会の移り変わりに経営科も在り方を変えるべきなんだ。それに君達という当選確定な宝くじみたいな存在にアプローチを仕掛けない方がおかしいだろう」
一部生徒の血筋というネームバリューだけじゃなく、クラス全体のレベルが例年以上で実績もあるしね。さらにオールマイトの最初の生徒達というのもまた知名度に繋がるようだ。
金の卵という評価は既に不動のものらしい。
「気合を入れて出し物を決めさせて貰うよ。
君達の期待に応えるためにもね」
そう委員長である飯田君が話を締めた。
「楽しむのを第一にを忘れずにな。
さて私はこれからドクとメイドロボの話し合いがあるのでね」
そう言って色間君は奥の個室に向かっていった。
いや何をしに来たの君達。
なお後で知ったことだけど、割と密接だったヒーロー科と経営科の関係をぶった切ったのは実は相澤先生らしい。彼の方針である不適格な生徒の除籍が経営科からの交流を減らす要因になったとか。相澤先生の方針は生徒達の命を考えると正しいけど、周囲の影響が半端ないよね。