第1建築 〜開幕〜
母「レイン、、もう着くわよ。」
レイン「分かってるって。」
見渡す限り広がる海の上に小さな白い船が1つ、波に揺られていた。船内個室の机には古い本や色んな国の通貨。それと朝食を食べた後が雑に乗っていた。窓際に1人の少年が望遠鏡を構えて座り込んでいた。
レイン(見えてきた。あの島か、、。)
遠くに見えた島はだんだんと大きく見えてきた。近くなってから気付いたが、尖った鋭い山々や巨大なビルを中心にいくつもの建造物が並んでいた。
レイン(あれがこれから住む島か、、!楽しみだ!
「母さん!パスポートある、、」
その時だった!ドオオン!!と言う音が響いた。船体に何かがぶつかった。とてつもない衝撃だ。
母「レイン!大丈夫?!」
レイン「母さんこそ!大丈夫、、おわ!!」
船体に大量の海水が流れ込みレインは海に流し出された。そこからの記憶はない。
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第1建築 〜開幕〜
気が付くとそこはとても気持ちのいい海岸だった。ヤシの木が数本、イスや屋台等が並んでいた。まだ海開きの季節ではないので人はいなかった。
むしろプライベートビーチだ。
ビーチ沿いには高いビルが建ち並んでいた。
レイン「ここ、は、、?そうだ!船は、母さん!どこだ!」
周りには何も無かった。船の残骸どころかゴミのひとつも見つからなかった。
レイン「どうしよう、、船もない。母さんは無事なのかな、、。ひとまずここの人に頼ってみよう。もしかしたらここがその島、アイランドかもしれない。」
レインは服に付いた砂を払った。どうやら長い時間気を失っていたらしく海水で濡れた服は既に乾いていた。足取りはおぼつかないがビル街に向かって歩き出した。
ビル街は驚く程に発展していた。人が行き交い、街灯も整備されていた。
昼間は付いていない。恐らく「日照センサー」で夜間のみ点灯するようになっているのだろう。道路は綺麗に整地されビルとビルは通路で繋がっていた。「ガラス」張りのビルや「レンガ」造りのビルもあり、一際大きなビルが「黒曜石」によって建てられていた。
レイン「お、大きい、、。す、すみません、、」
通行人「?どうかしましたか?」
レイン「ここはどこですか?」
通行人「ここはアメリカエリアだよ。君はアメリカエリアは初めてかい?」
レイン「ま、まぁそんなところです。人を探してるんですけど、、」
通行人「それならあそこのビルに行くといい。センタータワーってところだよ。」
そう言うと忙しそうに交差点を渡って行ってしまった。
レイン「あ、ありがとうございます!、、さて、センタータワー、、か。」
教えて貰った通りレインはセンタータワーに向かった。
センタータワーと呼ばれる建物は1番大きな「黒曜石」のビルで中はとても広かった。床1面が「クォーツ」でとても上品だ。2階部分は吹き抜けで3階に上がる階段が見える。奥に受け付けが見える。
レイン「すみません。ちょっといいですか?」
受付員「こんにちは!ようこそセンタータワーへ!お名前とご要件をお願いします!」
受付員はとにかく可愛かった。明るい笑顔がたまらない。
レイン「名前はレイン・タイズライトです。え、と、助けて欲しくて、船でこの島に来たんですけど、事故にあって、その、俺は海に流されて、気付いたらすぐそこの浜辺に流れ着いていたんです。母さんも船も心配で、、。」
緊張して上手く話せなかった。でも要件はしっかり話せた。が、受付員は首を傾げた。
受付員「お客様、、?一体何を?」
レイン「え、ですから、船で来て何かにぶつかって、それで、、」
受付員「と、とりあえず手の空いてるプレイヤーをお探しします!一旦捜索内容は母親のみにさせていただきます、!」
レイン「母さんだけってどういうこと、、?待ってプレイヤーって何?」
受付員「もしかして、、レインさんって、本当に島の外から?」
レイン「そ、そうですけど、、」
そう言うと受付員が慌てだした。
受付員「信頼できるプレイヤーを仕事に当てます。それと島の外から来たことはくれぐれも内緒で、お願いします!」
レイン「は、はい、分かりました。」
あまりの気迫に人を紹介してもらってすぐにセンタータワーから出てしまった。
レイン(しまった、プレイヤーが何か聞くのを忘れてた。紹介してもらった人に聞いてみるか。確か、今は任務終わりでそこのビルを曲がったところに、、)
ドンッ!!っと何かが肩にぶつかった。
レイン「ってぇ!」
それは黒い服を着た男性だった。何やら急いでいるようですぐさま薄暗い路地に入っていった。それを追いかけるように男性が飛び出した曲がり角
から慌てている様子の女性が現れた。
女性「その人!ひったくりです!!」
レイン「ひったくり、、?あいつか!」
レインは顔つきが変わると男性を追いかけて行った。
男性「はぁ、、はぁ、、ここまで逃げればもう大丈夫か、、?!」
男性が安心していると遠くからレインと思われる足音が聞こえてきた。
男性「くっそ、、追っ手か?!」
レイン「待て!!そのカバン!返してもらう!」
男性「なんだガキじゃねぇか!あまり調子に乗ってると痛い目にあわせるぞ!俺はこの街でも有名な武装組織タルタ、、聞いてねぇし!全力でこっちに走ってきやがる!何だこのガキ気持ち悪ぃ!!」
男性は再び走り出した、が行く先は行き止まりだった。
レイン「追い詰めたぞ!ひったくり!」
男性「はぁ?ひったくり?何言ってるか知らねぇけどこれ以上近ずいたらただじゃおかねぇぞ!」
男性はポケットからナイフを取り出した!
レイン「そ、そんなもん出したって見逃さねぇぞ!」
男性「おら!!」
男性が襲いかかろうとしたその時、上から人が落ちてきた!
男性「ぐはっ!!」
落ちてきた人、その子供はレインと同年代のような小柄さで男性の上に飛び降り、頭を地面に叩きつけた。
落ちてきた少年「話は鉄格子の中でな、、。」
レイン「す、すげぇ!」
落ちてきた少年「怪我はないか?民間人。」
レイン「だ、大丈夫です!あの、俺、レイン・タイズライトです!君の名前は?」
落ちてきた少年「お前がレイン・タイズライトか、話は聞いている。俺の名前はエンラックだ。」
レイン「エン・ラック?」
エンラック「区切らなくていい。そういう名前だ。」
レイン「奇妙な名前だね。」
エンラック「お前の母親の捜索を担当するようセンタータワーから指示があった。早速向かうぞ。それと、島の外から来たことは誰にも言うな。」
レイン「その事なんですけど、なんで言っちゃダメなんですか、、?」
そういうとやはり他の人と同じようにぽかんとした顔をされた。
エンラック「何言ってんだ?お前もしかして、本当にこの島のこと何も知らねぇのか?」
レイン「知ってるわけないだろ!さっき来たばかりですよ。」
エンラック「百聞は一見にしかずだ。ついてこい。」
エンラックはそのまますぐ横のビルの非常階段をカンカンと足音をたてながら登って行った。もちろん後を追う。屋上の眺めは最高だった。少し風が強いくらい。
エンラック「見ろ。」
エンラックが指をさした海の方角、そこには目を疑うような光景が広がっていた。何やら神秘的なモヤのようなものが島を覆うように膜を貼っていた。
レイン「な、なんだこれ?!」
エンラック「【雷籠システム】だ。」
レイン「イカズチ、、カゴ、、?」
エンラック「正確には【電膜式国家加護システム】。略して【雷加護システム】だが、ここの人間は皮肉も込めてそう呼ぶ。あの電膜はありとあらゆる物質を通さない。この島は30年前から他国との接触を禁じている。理由は国王のみぞ知るってとこだ。」
レイン「おかしいよ。じゃあ俺はどうやって、、?」
エンラック「それが分かんねぇからから今のところは誰にも言うな。さっさと母親見つけねぇと面倒な事になるかもしれねぇ。」
レイン「急ごう。よろしく。エンラック君!」