第23建築 〜マジ勘弁〜
こんにちは。シェルスです。
私達は国王の計らいで国外に旅行に行きました。
帰ってからというもの、皆はこんな状況です。
エンは机に顔を伏せずっと寝たまま。剣二先輩は座布団を並べて寝転がっている。いつもは注意するはずの赤護先輩も机の上でふ抜けている。
肝心のレインは家で寝ている。昨日の放課後の剣術練習も休んで帰ったらしい。仮病なのか寝坊なのか、、。
皆旅行が終わってなんとなく抜けているらしい。
倒斧先輩は深緑先輩とクロス様を連れて任務だし、怒る人が居なくなると、、。
スタアァァァアンッ!!!
勢いよく障子を弾き出てきたのはコイズ先生だった。
コイズ「依頼だよ!!」
ーアメリカエリアにてー
エン「んでガキの失くしたバスケットボールなんて探さなきゃなんねぇんだよ。」
シェルス「いいじゃん暇してたんだし。」
エン「にしてもケンは来ても良かったのかよ。」
天紫「召集されたら直ぐに戻るけどね。」
シェルス「一応赤護先輩は待機だけど、、。」
天紫「とりあえず情報収集だね。あそこの子達に話を聞いてみようか。」
天紫「おーい。」
子供1「あ、天紫さんだ!」
子供2「本当だ!」
子供が3人集まってきた。
シェルス「みんな自己紹介できる?」
ジョン「僕はジョン!」
マック「俺はマック!」
アレックス「僕はアレックス。」
天紫「君たち、昨日ここでバスケしてたかい?」
ジョン「うん!」
シェルス「変わった事は無かった?」
ジョン「知らないお兄ちゃんが昨日一緒にバスケしてくれたんだ!」
エン「それはいつ頃だ?」
マック「夕方だよ。」
エン「顔は?」
アレックス「よく覚えてないんだ。暗かったし見えなかったんだ。」
シェルス「君たちのそのボールは?」
ジョン「お兄ちゃんがくれたんだ。上手くなれよって!」
シェルス「いいお兄ちゃんだね。ありがとう。」
少年達「じゃあね!!」
エン「そもそも依頼主が非公開の時点で依頼として成立してねぇだろ。」
シェルス「あの子達は関係ないんじゃないかな。」
天紫「もうちょっと情報集めようか、、ん?」
横を見ると薄暗い路地で見た事ある後ろ姿がゴミ箱を漁っていた。
???「ん〜、どこ行った、、ったく。」
エン「おい。」
シェルス「何してるの?」
2人「レイン。」
レイン「ふぉあ?!お前ら、なんで?!」
シェルス「こっちのセリフだよ。学校来ないでこんなところで何してるの?」
レイン「いやぁ、ちょっと用があって、、。」
天紫「、、。」
エン「どうした?」
天紫「ちょっと急用。また連絡するよ。」
エン「、、。」
シェルス「それでレインはこんなところで何を探してたの?」
レイン「俺は、その、学校行く途中で家の鍵落としちゃって、、」
シェルス「学校反対の方向でしょ?」
レイン「あはは、そだっけ?それでみんなは何探してたの?」
シェルス「依頼主非公開の依頼だよ。」
レイン「俺も捜し物だし付いてくよ。」
シェルス「心強いね。」
天紫「戻ったよ。」
レイン「あ、剣二先輩。」
天紫「一応昨日の晩にここを掃除した人に話を聞いてみたけど、、」
バスケットコートの管理人
「あぁ?ここの掃除した従業員?そいつぁもう帰っちまったぜ。」
天紫「そうですか、落し物とかなかったですか?」
管理人「落し物だぁ?汚ぇバスケットボールがあったって言ってたがあまりにも汚ぇから処分したって言ってたぞ。探してぇなら急いで行った方がいいぞ。もうすぐ業者がゴミ袋の回収に来るからな。」
天紫「そのゴミ箱ってどこですか?!」
管理人「バスケットコートのすぐ隣だよ。さっさと行きな。」
天紫「だってさ。」
レイン「隣のゴミ箱って、言ってるそばから回収されとる!」
大きなゴミ箱の中の黒い袋をいくつもゴミ収集車に乗せている最中だった。ゴミ袋の中には明らかに丸い物が入ったゴミ袋があった。
レイン「行くぞ!シェルス!」
シェルス「ガッテン承知だよ!」
エン「追いかけるか?ケン。」
ゴミ収集車を追いかける2人を見ながら天紫はエンに言った。
天紫「いや、先回りしよう。それに、まだ気付いてなかったら破門だよ。」
エン「気付くも何も、バレバレじゃないですか。」
ーゴミ処理場にてー
運転手「それじゃゴミ下ろすから後ろ見てくれ。」
従業員「うっす。」
従業員が車を降り後ろに回ろうとした時、遠くから声が聞こえる。
従業員「なんの声だ、、?ん?!」
レイン「待ってぇ!!!」
シェルス「捨てないでぇ!!」
従業員「あ、アニキ!!後ろから見たこともない形相でガキが2人こっちに来てます!!」
運転手「ん、?しかもよく見るとこの前の大会に出てたプレイヤーじゃねぇか?!」
従業員「アニキ何やらかしたんですか?!」
運転手「何もしちゃいねぇよ!!」
現場は落ち着くと天紫達も合流した。
シェルス「それで、、そのゴミ袋に入ってる物を渡して欲しいんです。」
従業員「燃やす前で良かった。ここに着くまでに気付かなくてごめんね?」
シェルス「いえいえ。」
天紫が剣を作り袋に剣先を刺し破いた。
中からはとても汚いバスケットボールが出てきた。
レイン「あっ、、。」
エンは何も言わずにバスケットボールをレインに渡した。
シェルス「どうしたの?」
エン「シェルス。今日の依頼を俺達は受けて無かったことにしろ。」
シェルス「??どうして?そうすると依頼だけが残っちゃうんじゃ、、?」
天紫「その心配は要らないよ。依頼は取り下げるから大丈夫。だよね?レイン。」
シェルス「レイン、、、あ、そういう事か!」
レイン「え、もしかしてバレてる、、?」
天紫「気付いてたよ。実はあの時皆から別れて管理人さんに会いに行ってただけじゃないんだ。あの子供達を追いかけてー
数十分前
天紫「待って!」
ジョン「どうしたの?」
天紫「少し聞きたいことがあって。君達、前に使ってたバスケットボールってどうしたの?」
マック「実は昨日暗い時間にバスケしてたからボールがどこかに消えちゃって、、。」
アレックス「諦めて帰ろうとしてたら知らないお兄ちゃんが来て遊んでくれて、」
天紫「その時お兄ちゃんはなんて言ってボールをくれたか詳しく教えてくれないかな?」
ジョン「僕たちが困ってるのを見て、ボールをやるからバスケしようぜって。」
天紫「、、繋がった。」
アレックス「なんて?」
天紫「いいんだ。こっちの話だよ。ありがとう。」
現在
天紫「彼らはお兄ちゃんの顔が暗くて分からなかったって言ってたからもしかしたらこの依頼主は夜に暗闇でボールを見失った事を察して彼らの代わりにボール探しを依頼したんじゃないかなって。」
レイン「それがどうして俺と繋がったんだよ。」
天紫「いやー、勘かな。昨日の訓練を休んだのと、朝から何かを探してたり、そもそも依頼主が非公開だから怪しいなって。」
シェルス「私達が依頼受注をキャンセルしてレインが依頼を取り下げればバレずに済むって事!」
レイン「みんな、、どんだけ頭いいんだよ、、。」
エン「お前が甘ぇんだよ。帰るぞ。」
天紫「そうだね。訓練サボったのは2日分明日に詰め込めばいいことだしね。」
レイン「え?!マジ勘弁、、。」
シェルス「あ、そういえばだけどなんでレインはバスケットボールなんて持ってたの?」
レイン「え?あぁ、、。あれは、みんなでバスケットボールとかして息抜き出来たらなぁって、初めて国王から貰った任務の報酬でボール買ったんだよ。」
天紫はそれを聞くと深く考えるように眉間に皺を寄せたあと、レインのボールを掴むと最後にこう言った。
天紫「明日の訓練はやっぱり無し。みんなでバスケしようか。」