フランスエリア ー地下水道にてー
ポタリ、ポタリと雫の落ちる音がする。あたりは薄暗くとても湿度が高い。石レンガには苔が生え、恐らくしばらく誰も通ってない通路にはホコリが溜まり、2人の足跡を僅かに残していた。
レイン達は来た道を忘れないように壁掛け松明に火を灯して行った。
フェンリル「お、おいレイン。オバケとか出ねぇだろうな、、、?」
レイン「ば、バカ言うな。おおおれがオバケなんか信じると思ってんのか?、」
フェンリル「ガックガクじゃねぇか!」
レイン「ち、ちげぇしな!こ、これはその、武者震いだ!」
フェンリル「誰と戦うってんだよ!」
レイン「そりゃあ、あ、アレだ!オバケだ!」
フェンリル「信じてんじゃねぇか!」
ザリッー
レイン フェンリル「イギャアアアァァ!!!!」
くだらない事を話している2人の後ろで明らかに足音がした。
フェンリル「レイン!早く鉄剣を!!」
レイン「分かってる!てか敵どこだよ!」
フェンリル「匂いはしねぇ!」
レイン「って事は、、、」
2人は顔を見合わせると顔面蒼白になり一目散に逃げ出した。
アメリカエリア ーとあるカフェにてー
シェルス「そういえばレインは?」
エン「さぁな。極秘任務ってさっき連絡来たけどその後は返信ない。」
シェルス「ふーん、、誘ってくれればいいのに、」
エン「極秘っつったろ。」
店員「お待たせしました。オリジナルパフェです。」
シェルス「うわぁ!美味しそう!」
エン「太るぞ。」
シェルス「任務で痩せるからいいの!あ、エン。スマフォ鳴ってるよ。」
エン「あぁ、もしもし。俺だ。すまん席外す。」
シェルス「うん。」
エン「会計は済ませとく。 え、あぁ今シェルスと居る。あ?す、すまん。」
エンが電話相手に戸惑いながら店を出ていく。
シェルス「相手はアメリカエリアのセンタータワー受け付けの子かな?ルーシュちゃんだっけ、次に会った時に軽く謝罪しよう。」
フランスエリア ー地下水道にてー
レイン「はぁはぁ、、、。」
フェンリル「ここまで来りゃ大丈夫か、レイン。松明を出せ。暗くて何も見えねぇ。」
レイン「はぁ?お前が松明持ってんじゃないのか?」
フェンリル「最初からレインが持ってたろ。」
レイン「いざって時の為に物資を運ぶのはフェンリルの役目だろ?」
フェンリル「あんな状況で松明拾ってたらお前と離れちまうだろ?!」
レイン「そもそもなんで松明1つしか持ってこねぇんだよ!」
フェンリル「地下水道っつっても照明くらいの設備はあるって思ってたんだよ!あの松明も一応シェルスに渡されたやつだぞ!」
レイン「お、おいフェンリル暴れるなって!!おわっ!」
バシャァアンッ!!
真っ暗な地下水道の中でレインはフェンリルに押され足を滑らせ、脛の上あたりの水位まである下水道に落ちた。
レイン「てめぇ、いい加減にしろよ!帰ってからお前のご飯があると思うなよ!」
フェンリル「悪かったって!そこまで怒ることねぇだろ!」
レイン「だいたいお前はいつも、、」
???「誰だ?!」
レインとフェンリルは声のした方を見ると向こうの水路の方から明かりがこちらに近づいていた。
レインはすかさず立ち上がり臨戦態勢に入った。
???「そこに誰かいるのか?」
フェンリル「お前は誰だ?」
声の主は2人の前に現れた。その人物は男で伸びきった髪と髭は真っ白でその背格好から歳をとっていることは分かる。服もかなり汚く、ダウトのような着崩した感じではなくツギハギだらけの汚れた布を被っているようだった。
???「ワシはアンダー・サマールだ。オヌシらは?」
レイン「俺はレイン・バルライトでこいつが、」
フェンリル「フェンリルだ。」
アンダー「ほぅ。喋る犬かこの歳まで生きると不思議な物が見られるな。フォッフォ。」
レイン「あんたはここで何を?」
アンダー「監視じゃよ。立ち話もなんじゃ、ワシの家に来るといい。明かりも無いしここは出口からも遠い。少し休憩に来なさい。」
レイン「で、でも俺達用事があって、」
アンダー「いい紅茶を手に入れたんじゃ。フェンリルも飲むかい?」
フェンリル「俺はミルクで頼むぜ。」
アンダー「ちょうど良かった。ミルクも新鮮な物があるぞ。」
レイン「って話聞いてねぇし、、、。」
フランスエリア ー水車塔管理施設にてー
レイピア「やぁ皆お疲れ様。」
職員「レイピア様。本日はもう帰られたのでは?」
レイピア「?まぁいいよ。今日の報告を。」
職員「はい。本日は変わりなく水車の稼働を確認。その他の報告は以前より目立っていた内部発電装置の劣化をメンテナンス致しました。それとご存知かと思いますが、プレイヤー総本部よりフランスエリアの遺産見学として新1年生生徒を地下水道に招待しております。予定時間としては4時間程度だと事前に報告を頂いていたのであと3時間後です。以上が本日の活動報告です。」
レイピア「ありがとう。見学、ねぇ、、、。」
レイピアは少し悪そうに笑みを浮かべると、職員は少し不思議そうな顔をした。
フランスエリア ー地下水道奥部にてー
アンダー「着いたぞい。」
レイン「家って、、、。」
フェンリル「ゴミ溜めじゃねぇか!!」
レイン「お前、失礼だろ、、、。」
連れてこられた場所はとても汚くUの字になっている地下水道の上に板を置き様々なゴミを集めて休める場所を作ってある。
アンダー「無理もない。自由にくつろいでくれ。」
そう言うとアンダーはゴミ溜めに擬態していた冷蔵庫を開けミルクを取り出し、これもまたゴミ溜めに擬態していたコンロでミルクと水を温めだした。
レイン(電気は通ってるのか。)
フェンリル「アンダーのじーちゃんがここを作ったのか?」
アンダー「そうじゃよ。ワシは食料類を仕入れる時以外は外には出ないんじゃ。だから流れ着いた物だけで生活するんじゃよ。」
レイン「服もか?」
アンダー「あぁ。ワシらアンダーの一族の宿命だ。」
レイン「宿命?」
アンダー「昔話をしよう。その昔、、、」
アンダーは温まったミルクを皿に移しフェンリルに出し、紅茶の茶葉を冷蔵庫の隣のやや斜めに倒れかかっている棚から出しティーカップに紅茶を作りながら語った。
アンダー「この国が建国された時、この国は戦争に参加していた。とある戦いじゃ。それは後に最後の戦争と語られるもの。その戦いにおいて、ワシらアンダー一族は最後の戦争にて、国王に参戦を拒否したのじゃ。」
レイン「最後の戦争って聖戦の事か。」
アンダー「そうじゃ。あの多大な犠牲を出した無意味な戦争じゃ。ワシらアンダー一族は最初から戦争に参戦する事を拒んでおった。その事を国王に伝えた後、国王様はワシらにとある物を来る時まで預かるよう命じたのじゃ。」
フェンリル「それは?」
アンダーはソファの後ろにあるガラクタをかき分けるとその中から見覚えのある怪しい光を放つ石を取り出した。表面にはルーン文字が書かれていて周りの物質と接触しない反作用が働いている。
それは紛れもなく
レイン「ネザースター?!」