レイン「いいかグラトニー!絶対にここから動くんじゃねぇぞ!」
グラトニー「私も1つの生命体だ。行動を制限したいなら首紐でもつけることだな。」
シェルス「レイン!集中して!もうエン達は裏に回ってるよ!わた、、僕達のする事は分かるよね?!」
レイン「陽動だろ?分かってる!俺達が正面から気を引いて剣二先輩達に裏から一気に制圧してもらおう!」
シェルス「それじゃあ行くよ、、!」
レイン「よし、グラトニー、ちょっと待ってろ、、っておい?!」
グラトニー「何をもたもたしている。目的が陽動ならこのまま入ればいいじゃないか。何のための入り口なんだ?」
レイン「なんでお前らは大人しく出来ねぇんだよ!!」
強盗犯A「何だこのガキ?」
強盗犯B「逃走用の車はまだかよ!」
強盗犯C「プレイヤーをよこすならさっさと車を持ってこい!さもなくばこのオオカミを!」
強盗犯A「ってなんでオオカミがここにいるんだ?」
強盗犯B「知らねぇ!ほっとけ!」
グラトニー「フェンリル。こっちに来い。」
強盗犯C「仲間か?なら渡せねぇな。」
フェンリル「グラトニー!大人しくしてろ!」
強盗犯C「これ以上近付くな!」
強盗犯Cの持っていた拳銃がフェンリルの頭に向けられた。
レイン「グラトニー!フェンリルを助けろ!!」
グラトニー「了解した!交戦を開始する!」
グラトニーは背後からのレインの指示に従った。グラトニーは自分の左腕を強盗犯Cに向けた。失われた腕からは汚い黒いモヤのようなものが吹き出し強盗犯Cを包んだ。
強盗犯C「どうなってやがる?!なんだコレ!くそっ!!」
グラトニー「捕食【プレデーション】!」
その瞬間バツンッ!!と音を立ててモヤはグラトニーの腕に収まっていった。
フェンリル「ご、強盗は、、?」
グラトニー「捕食した。これよりフェンリルを助ける命令の下、危険要素と成りうる残る強盗犯を制圧する。」
強盗犯A「こ、このガキ!プレイヤーだ!!」
強盗犯B「舐めやがって!!」
ジャカッ!
フェンリル「ま、マシンガンだ!」
グラトニー「私の後ろに!」
グラトニーは腕を振りモヤを盾のように前に振りまいた。
ガガガガガガガガッ!!
タタタタタタタンッ!!
強盗犯A「やったか、、?」
強盗犯B「な、なに、、?!」
グラトニーとフェンリルはあの至近距離で銃撃を受けたにも関わらず無傷だった。
グラトニー「備蓄捕食【ストックプレデーション】!」
グラトニーの腰に付いていた試験管のようなガラス管が逆さを向き上に射出された。空中で中に入っていた目玉がガラス管から外に出たがグラトニーはそれを迷わず食べた。
フェンリル「な?!」
グラトニー「捕食模造【プレデーションミミック】!」
グラトニーは少し苦しそうな表情を見せた。左腕からモヤが大量に出たが少しずつ腕としての形を見せた。できた腕は少し灰色で手のひらには気持ち悪い口のような穴が空いていた。
強盗犯A「構わねぇ!やっちまえ!」
強盗犯B「悪く思うな!」
フェンリル「やべぇ!逃げるぞ!」
向けられた銃口に一切怯まずグラトニーは穴の空いた手のひらを相手に向けた。
グラトニー「【モデルガスト】」
その時誰もが予想してなかった爆発だった。
パンドラ銀行のガラスを全て弾き割り、グラトニーの背後にいたフェンリル以外の至近距離にいた人、2人の強盗犯は跡形もなく肉片となっていた。
フェンリル「うp、、。」
レイン「大丈夫か?!」
フェンリル「レイン〜、、。」
レイン「こっちに来い!」
シェルス「この爆発は?!」
レイン「相手がやったのか?!」
フェンリル「違う!」
グラトニー「私がやった。」
レイン「は?」
次の瞬間グラトニーは何かを感じ取りレインの背後に灰色の腕を向けた。
が、グラトニーは銀行の外に一瞬で吹き飛ばされていた。恐らく何者かがグラトニーに攻撃をし、それに対応する形でグラトニーが爆発をさせたのだろう。
爆煙で何も見えないレイン達だったがとても素早い何かが目の前を横切ったのは分かった。
爆煙から飛び出しグラトニーに襲いかかったのは天紫だった。
グラトニー「備蓄捕食【ストックプレデーション】捕食模造【プレデーションミミック】!【モデルウィザースケルトン】!!」
ガキィンッ!!
天紫「名前と能力の開示を要求する!さもなくばこの場で処分する!」
キンッカンッガキィィンッ!!
グラトニー「私はグラトニー。能力は、、?!」
天紫との壮絶な斬り合いに集中していたスキを突かれた。グラトニーの背後に回り込んだエンが全力でグラトニーを天高く蹴り上げた。
グラトニーはまともに受けた訳ではなく、背後を取られた瞬間に剣でガードしていた。
エン「追撃する!隣のビルだ!」
天紫「了解!」
エンは打ち上げられたグラトニーと同じ高度にテレポートし隣のビルへ吹っ飛ばした。窓ガラスを割りビルのフロアに転がり込んだグラトニーの天井が大きな衝撃で破壊され何かがグラトニーを何フロアも床を破壊し下に叩き落とした。
グラトニー「くっ!!」
天井を破壊したのは倒斧だった。
倒斧「オラァッ!!」
力強い斧の横振りを剣を垂直にして受けたグラトニーだったが剣がバキンッ!と破壊される事を見越して背後に回避していた。
グラトニー(もう一度捕食を、、!)
【モデルスケルトン】
トシュ!トシュ!トシュ!
倒斧(近距離戦に持ち込ませない気か、、頭の回転が早いな。本当にガキか?)
倒斧はグラトニーを中心に円を書くように走りグラトニーの放つ矢を回避した。
倒斧「ケンッ!!!」
天紫「りょーかいっ!!」
背後から現れた天紫がグラトニーの弓を弾き飛ばす。グラトニーはすぐにステップで距離を開けた。
グラトニー(備蓄捕食 捕食模造、、)
グラトニーが試験管から射出された目玉を食べようとした時、エンがそれを別の方向に蹴り飛ばした。
エン「させねぇよ!」
グラトニー「違う。それはブラフ。村人の目。」
エン「?!」
グラトニー「狙いは、、」
【モデルクリーパー】
ドカァァアンッ!!
エン「危ねぇ、、。」
天紫「いい判断速度だよ。」
倒斧「惜しかったな。」
エン「でも、もう能力は使えないハズです。」
グラトニーの腰にはもう試験管は1本もなかった。
天紫「今なら手荒な真似はしないよ。大人しくしてくれるかい?」
煙が晴れると中からボロボロのグラトニーが出てきた。
恐らく左腕を爆発させる能力のせいで至近距離で爆風を受けたのだろう。
グラトニー「カッ、、ハッ、、」
レイン「待って!待って!!ストップ!!」
倒斧「なんのつもりだ。1年。」
レイン「コイツは悪いやつじゃない!」
天紫「でも、登録されていないプレイヤーだ。拘束する権利はある。」
レイン「違うんだ!これは、極秘の任務で、、。」
天紫「レイン。仮にその子が、この国の人を傷付けたらどうなると思けう?」
レイン「それは、、。」
天紫「登録されていないプレイヤーは捕獲しなきゃならない。それに、それを隠蔽した人も罪に問われる。」
レイン「でも関係ない!プレイヤーかプレイヤーじゃないかなんてそんなに重要?!この子はまだ誰も傷付けていない!この先誰かを傷付けたとしても、それはきっと誰かを守る為だ!」
天紫「、、。」
天紫は少し考え込んだ。
天紫「、、なら、、。」
エン「レインを信じよう。」
天紫「正気かい?」
エン「アイツには確実に悪意は無い。疑うだけ無駄だ。」
倒斧「どうでもいい。」
天紫「もー分かったよ!レイン!その子を救急搬送してあげて。」
レイン「良かった、、。」
グラトニー「何も良くない。まだあの3人を制圧できてない。」
レイン「グラトニー!!勝手な行動はもうするな!」
グラトニー「しかし、、」
レイン「フェンリルを助けてくれたのは感謝してる!でも今みたいに俺じゃどうしようも出来なくなる時がある!俺にはお前を助けられる限度がる!だからもうこれ以上勝手な行動はするな!」
グラトニー「す、すまなかった。」
レイン「、、。さっさと病院行こうぜ。おぶってやるからよ。」
エン「どう報告する?」
天紫「まぁビルとパンドラ銀行の修繕費は、国王に請求しよう。あの子の1件も、多分国王の差し金だろう。」
倒斧「おいガキ!」
グラトニー「私か?」
倒斧「楽しかったぜ。またやろうな。」
天紫「お、えらく気にいられたねぇ!」
グラトニー「どういう意味だ?」
レイン「褒めてくれたんだろう。」
グラトニー「なるほど、賞賛の言葉、感謝する。」
レイン「んしょ、、。救急車の所まで行くか。」
サイレンが鳴り響く崩れたビルの中で、レインはグラトニーをおぶりながら救急車の元まで歩いていた。
レイン「重症だな、、大丈夫か?」
グラトニー「気遣い感謝する。回復には時間がかかるが問題ない。」
レイン「おぉ、そ、そうか。」
しばらく沈黙が続いた。
レイン「フェンリルの事、改めてお礼を言うよ。ありがとう。」
グラトニー「そういう命令だ。」
レイン「命令なんて言うんじゃねぇよ。お礼に、帰ったらドーナツ買ってやるよ。」
グラトニー「それはありがたいが、今は別の物がいい。」
レイン「?なんだ?」
おぶられているグラトニーはギュッとレインにしがみついた。
グラトニー「もうちょっと、ゆっくり歩いて欲しい。」
レイン「わ、分かった。」
グラトニー(暖かい。おぶられているこの時間が、長く続けばいいのに。)
グラトニー ギューッ
レイン(力強、、苦し、、)