Minecraft storys   作:舞倉 創

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第31建築 〜フィンブルヴェトル〜

チュンチュン

鳥の鳴き声と共にホワイトシティに朝の日差しが差し込む。

レイン「ふぁ〜、、良く寝、、」

ガシャァン!!

レイン「朝からなんだよ!」

フェンリル「コイツが俺のご飯を食べやがったんだ!」

グラトニー「このオオカミが私の枕を寝てる間に奪ったんだ!」

フェンリル「元々俺の枕だろ?!」

グラトニー「昨日の晩に私の寝具を取り決めたじゃないか!」

フェンリル「それが俺の朝ごはんを食べていい理由にはならねぇ!」

グラトニー「枕を明け渡した代わりだ!」

フェンリル「お前は今日から暴食じゃなくて強欲だ!」

グラトニー「あんな奴と一緒にするな!」

レイン「静かにしろぉ!!!」

俺はいつの日からか、静かな目覚めを忘れてしまった。

 

プレイヤー総本部にてー

レイン「おはよー。」

シェルス「レインおはよう!」

エン「遅いな。」

シェルス「グラトニーちゃんがフェンリル抱えてる!かわいい!」

グラトニー「レインの手を煩わせる訳にはいかない。これくらいは私が持つ。」

フェンリル「俺は物じゃねぇぞ。」

シェルス「それにお洒落してる!」

グラトニー「どうやらあの服だと悪目立ちするらしい。」

エン「コイツはどこで育ったんだ?」

ウィズ「皆さんお揃いで。」

シェルス「ウィズさん!」

レイン「国王に呼ばれたんだ。」

国王「噂をすればの国王だよ!!」

シェルス「遅いかな?」

レイン「遅刻だぜ。」

エン「遅い。」

国王「これは手厳しい。」

レイン「それよりなんで今日は学校じゃなくてプレイヤー総本部に集合なんだ?」

国王「要件は2つ。1つはチーム名を決めて欲しい。」

レイン「チーム名?」

シェルス「部隊の名前だよ。何人かのプレイヤーで部隊を作った時に部隊を派遣する時に扱いやすくする為だよ。」

レイン「へー。じゃあ剣二先輩達にもチーム名ってあるのか?」

国王「彼らのチーム名は、決まった拠点を設けず、助けを求める人の為ならどこにでも駆けつける、そんな意味を込めて【旅団(キャラバン)】という名前だよ。」

レイン「かっけぇ!!」

エン「チーム名はそのプレイヤー達の評判にも関わる。」

レイン「えー、レインと愉快な仲間たちじゃダメなのか?」

エン「いい訳ねぇだろ!」

国王「まぁすぐには決めなくてもいいよ。あと一人メンバーが増えるからね。」

シェルス「増える?」

国王「それが2つ目の要件。国王直々の依頼だよ!今回はボルボカロンドに行ってきて貰うよ!」

レイン「もう騙されねぇからな!」

エン「まずは経緯を説明しろ!」

シェルス「隠し事はなしだからね!」

グラトニー「彼の信頼度はどれほど低いのか。」

フェンリル「気にしなくていいぜー。」

国王「まずは時系列順に、少し前にクリスタリアという国で暴動があったのは知っているかな。」

レイン「なんだそれ?」

シェルス「、、。」

エン「国家転覆だよ。聖戦後、国を統治していた王が実は王族じゃなかった。それを知った国民が暴徒化して国王と国王の娘を殺害したそうだ。」

レイン「物騒な話だなー。」

エン「まぁ、正確には国王は国民には殺されていない。」

レイン「どういう事だ?」

エン「実は国王とその王妃は実の娘に殺されたって言われている。」

レイン「な?!なんだその話!」

エン「真相は知らん。」

国王「実はその時のはぐれた暴徒が1人ボルボカロンドに居たらしくてね。クリスタリアの国民はその暴徒を躍起になって探してるらしいんだ。」

レイン「なんでだよ。」

国王「それがちーと重要人物でね。あとは分かるね?」

エン「そいつをここに連れてくりゃいいんだろ?」

レイン「簡単じゃん!」

国王「しかし!今回はボルボカロンドには連絡していない!」

レイン「はぁ?」

国王「要するに!バレないようにボルボカロンドに行き、クリスタリアより先に見つけて連れて帰る!もちろんこの事は君達1年生とウィズと私とそこの犬を抱えた少女しか知らない。」

フェンリル「犬じゃねぇ!なんで今の話の流れで俺をイジるんだよ!」

レイン「にしてもどうやっていくんだよ!」

国王「それはコレを使う!ジャン!」

レイン「なんだコレ。コンパス?」

国王「ちっちっちっ。それはアイランドの技術の結晶体!テレポートコンパスだ!って言っても決まった座標にしか行けないんだけどね!」

レイン「不便すぎるだろ!」

国王「まぁまぁ。あ、あと往復分しか使えないよ。」

レイン「紛れもないゴミ!」

エン「雑に運ばれないだけマシだろ。」

レイン「お前は今までどんな運ばれ方してたんだよ!」

国王「はい!全員分あるから!それじゃ、任せたよ!」

レイン「了解!じゃあ行ってくるぜ!」

 

 

ボルボカロンドにてー

とてつもなく広い草原と鬱蒼とした森林の間に3人は居た。大陸と言われるだけあって水平線どころか海すら見えない。

エン「やけにあっさり来れたな。」

レイン「着いた瞬間クラっとしたけどね、、シェルス、ずっと黙ってるけどどうしたんだ?」

シェルス「う、ううん!なんでもないよ!早く探そう!」

エン「、、。」

レイン「久しぶりの森だ!」

エン「お前はこっちの方出身だったか?」

レイン「出身っつっても街には行ったことないぜ。ちょー田舎の森の中で育ったからな。」

エン「それじゃ案内は期待できねぇな。シェルス。地図は?」

???「その必要はないよ。」

レイン「誰だ?!」

シェルス「、、!!!」

???「僕の名前はアルス。アルス・ベンダー。」

エン「やっぱりな。」

レイン「アルス・ベンダー、、ベンダー、、ベンダー?!ベンダーってもしかして、、?!」

アルス「久しぶりだね。お姉ちゃん!」

レイン「お姉ちゃ、、んあ?!」

シェルス「これには、、訳が、、」

レイン「はぁぁぁあ?!?!」

 

アイランド ープレイヤー総本部にてー

国王「君はついて行かなくて良かったのかい?」

グラトニー「私が同行すると任務が増えるとレインが言っていた。」

ウィズ「賢明な判断です。」

国王「まぁいい。フェンリルも付いているしアイランドに残ったからと言って厄介事は起きなさそうだね。」

グラトニー「そこでお前にお願いしたい。」

国王「なんだい?」

グラトニー「この犬を預かっていて欲しい。」

フェンリル「誰が犬だ!」

国王「1人で何かするのかい?」

グラトニー「大したことではない。すぐに済ませる。」

フェンリル「トイレか?」

グラトニー「トイレ?、、は存じ上げないがそんなところだ。」

国王「まぁフェンリルは自由に本部内をうろつけるように手配してあるし、用が済んだらフロントで館内放送を流してもらうといい。」

グラトニー「感謝する。」

フェンリル「何すんだろうな。」

 

アイランド ー人気のない本部の地下通路ー

グラトニー(ここなら誰も来ないか。)

グラトニーは周囲を警戒しながら何か本のような物をカバンから取り出した。その本を広げると中は高度な技術を使った機会だった。その機会は奇妙な音を立てると光りだし、電波の波長のようなものを表示した。

グラトニー「こちらグラトニーだ。備蓄(ストック)を全て消費した。至急補填を頼む。」

???『ザザーッ了解した。今送る。』

本から声がすると開いた本の上に角魔力で武器が作られるように10数本の試験管が現れた。

グラトニー「感謝する。ではまた近い内に報告する。」

???『その必要は無い。』

グラトニー「何、、?」

???『君には失望したよ。このシナリオに深く関わるなとあれほど忠告したのに。』

グラトニー「しかしシナリオの変更は起きていない。それに現在の段階ではレインの死に繋がる要因は何も無い。」

???『今も目標と同行していないのにそれが断言出来るのか?』

グラトニー「それは、、」

???『1つ報告しておくことがある。近い内にお前の所有権をあの御方が破棄されるそうだ。』

グラトニー「?!」

???『もう要は無いと仰られていた。しかしシナリオに介入してしまった以上、ここですぐに消えられるとどんな変更が起きるか分からない。なのですぐには破棄されないそうだ。しかしこちらとしても役立たずを放置する訳にはいかない。なので備蓄の補填は今回が最後だ。』

グラトニー「それでは、、!」

???『これは決まった事だ。君の処分については功績を収めるとすぐには破棄されないだろう。死にたくなければ頑張れ。』

グラトニー「しかし補填がなければ、、」

???『黙れ。今回の補填で強力な物を1つ送った。それを使って最後まで任務に励め。以上だ。』

話が終わると本は光を失い音を立てなくなった。

グラトニーはしばらく光のなくなった本を見た後、険しい表情でその本を左腕から出した煙に喰わせた。ガリガリと音を鳴らしながらフロントに向かった。

 

ボルボカロンド ー森林の中にてー

レイン「なんかこの感じ懐かしいなー。」

アルス「その表情、さしずめボルボ出身だろ?」

レイン「そうだぜ!ボルボカロンドで育ったんだ!」

アルス「ここは東の方だから街も近いよ。」

レイン「本当か?後でみんなで行こうぜ!」

シェルス「任務を忘れないの。こうしてる間も危険なんだよ?」

アルス「着いたよ。ここが僕の家さ。」

レイン「家って言うか、、」

シェルス「本当にここに、、?」

エン「ただの落ち葉集め、、」

アルス「ま、まぁ、、僕には建築の才能は無かったんだよ。それに、この家は僕が来た時だけ家になるのさ。」

レイン「どーゆー事だ?」

アルス「見てて。」

そういうとアルスは手のひらを地面につけた。するとレインの首元に冷たい風が通った。

レイン「冷た!」

風が落ち葉を巻い上げながら氷が地面から突き出しそれは結晶を集めて作った鎌倉のようになった。

レイン「すげー!!」

エン「氷を扱う能力か、、」

アルス「正解。僕の才能は氷を操る。作った氷でも、既にある氷でもね。」

エン「話は中に入ってからにするぞ。」

レイン「へいへぃ。」

アルスは得意げに扉を開いて3人を招き入れた。

しかし少しシェルスは浮かない顔をしていた。

 

ボルボカロンド ーアルスの自宅にてー

レイン「んな事よりなんで嘘ついてたんだよ!」

シェルス「んえぇーと、これには深い訳があってね、、。」

レイン「別に怒ってねぇけどよ、、。」

シェルス「実は私はアイランド出身じゃないの。私はクリスタリア女王シェルス・ベンダー。元だけどね?」

レイン「女王?!」

エン「どういう事だ?」

シェルス「ま、まぁ色々あって、、行く宛を無くした私を国王が拾ってくれたの。でもアイランドが私を匿ってるってクリスタリアに知られるとまた聖戦が起きかねないの。だから私は男のフリをしたの。そうすればプレイヤーになるにも好都合だったしね。」

エン「確かに、プレイヤーは男じゃないと不満を持つ連中も居るしな。」

レイン「だから男のフリをしていたのか、、いや待てよ、確かアクルーシルに行った時、、!」

エン「あ?」

レイン「お前シェルスと一緒に風呂に入ってたじゃねぇか!」

エン「入ってねぇよ!!」

シェルス「ごめんアレはその場しのぎの嘘で、、。」

エン「一応言っておくが俺は最初から女だって分かってたぞ。」

レイン「は?いつ?」

エン「1番最初に取り押さえた時にな。」

レイン「あの時か、、!」

エン「お前こそあれだけ近くにいて気付かなかったのか、、?!」

レイン「いや、男にしては綺麗な顔だとは思ったよ?!」

シェルス「そんな褒めないでよ!」

アルス「よそでやってくれないかな?!」

レイン「そ、そうだ。俺達は君を連れてくるように言われたんだ。」

アルス「んーっ、、君のとこの国王には感謝してるんだけどなぁ、、。」

レイン「行きたくないのか?」

アルス「なら賭けをしよう。」

レイン「何言ってんだこんな時に。」

エン「すぐにでもここが見つかるかもしれないんだぞ?」

アルス「クリスタリアか、ボルボカロンドか、どちらが先に僕達を見つけるか。」

シェルス「ボルボカロンドってどういうこと?」

アルス「今日の朝に街に買い出しに向かった時にやけに騒がしくてね。さしずめクリスタリアが僕を追ってボルボカロンドまで来た事に感づいたんだろう。フィンブルヴェトルが来たと自警団まで出来ていたよ。」

レイン「フィンブルヴェトルって?」

アルス「僕の名前さ。旅している時にこの名前じゃ目立って仕方ないよ。他の旅人のように偽名を使うのが1番いい。」

レイン「それがなんで賭けになるんだよ。むしろ今すぐここを離れるべきだ。」

アルス「そんな事はない。彼らは僕よりも先を求めている。目的はお姉ちゃんだ。僕はそのヒントってわけ。」

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