ボルボカロンド ーとある森にてー
ガキィンッ!ギンッ!ガキンッ!!
エン『一度下がれ!』
レイン『こんなんじゃいくら鉄の剣があっても足りねぇ!』
鶴橋(いきなり無口ですね、、あのフードを被ったおかげで意志を疎通してそうですね。)
鶴橋が振り下ろし地面に力強くツルハシを突き立てた。エンはすぐにはその武器を振れないと読み一気に距離を詰め体術戦に持ち込む。
エンとレインの攻撃を見事に振り払うがやはりレインの鉄の剣には注意を払っているようだ。
レイン『作戦がある!』
エン『聞かせろ。』
レインが思いっきり剣を振りかぶった時、鶴橋は地面に突き立てていたツルハシを力いっぱい引き抜きアッパーのようにレインを吹き飛ばした。
そのタイミングでエンも距離を置きお互いが間合いを保つ。
エン『いい案だ。乗った。』
レイン『帰ったらメシ奢れよ!』
エン『勝てればな。』
レインが先程より攻撃的なスタンスになった。エンはそれの補助のような戦い方だ。ツルハシを受けた反動で鉄の剣は破壊されレインは後ろにバランスを崩したが、エンがレインの背後に瞬間移動し、レインの背中に自分の背中を合わせスイッチする。レインを弾いたツルハシを片手で抑え、反対側を蹴り上げツルハシを奪おうとしたが、その足をツルハシの反対側で横に逸らした。エンは瞬間移動で姿を消すと背後で鉄の剣を新しく作っていたレインが切り込む。この連携に焦った鶴橋はすかさず距離を置こうとするが、背後には姿を消したエンがいた。
エン「どこ行く気だよ。」
鶴橋「そんな動き出来るんですね、、!」
鶴橋は身を守るため、レインが切りつけてきた方向にツルハシの金属部分、弧になっている方を防御目的として向けた。レインは剣の軌道を上に持ち上げるとそのままツルハシの持ち手になる木の棒の部分を叩き切った。
レイン「天紫流【尖光】(せんこう)!」
数日前 ーアイランド日本エリアにてー
天紫「闘技を学びたい?」
レイン「そーそー!俺も剣二先輩みたいになんかこう、ズバってなる技が欲しいんだよ!」
天紫「レインには必要なくない?複数の能力を持ってるだけで脅威だし、それに闘技を扱うのは角魔力のコントロールをある程度できるようにならないと。」
レイン「仕組みくらい教えてくれたっていいじゃん!」
天紫「仕方ないなぁ、、。なら僕の技をひとつだけ教えてあげよう。できるようになったら次の技を教えるよ。」
赤護「ケチだねぇ。」
天紫「一気に色々教えるよりいいだろう?」
レイン「それで何教えてくれるんだよ!」
天紫「まずはヒット判定をずらす技を教えよう。」
レイン「ヒット判定?」
赤護「攻撃の瞬間に角魔力を流して、ダメージを増やすの。角魔力を流すタイミングや力を変えることでヒット判定のダメージ発生をずらすのよ。」
レイン「えー。難しそう。」
天紫「教えるの辞めるよ?」
レイン「嘘嘘!嘘だって!」
天紫「普通は攻撃を当てる瞬間に角魔力を流すんだけど、その流す量をあえて少なく流すんだ。その直後に斬りかかった剣を切り返して二撃目に一気に溜めた角魔力を流すんだ。フェイントにも角魔力を流して一撃目に反応させるのがポイントだよ。」
現在
エン(まさかこの短期間で闘技までできるようになるとはな。)
レイン「よし!壊した!」
喜ぶレインの腹部を蹴り飛ばし、鶴橋は急いで距離を離す。
鶴橋「たかが一度ツルハシを壊した程度で喜ばないで欲しいですね、、!」
鶴橋がすぐに武器を補填しようとしたが何故かツルハシを作れない!
鶴橋「まさか、そういう作戦ですか!」
エン「成功だ。」
レイン「やりぃ!」
レインは何度も鉄の剣を壊させることで周囲の角魔力を枯渇させた。そのタイミングでツルハシを破壊させる事ですぐに武器を補填させない作戦だ。
鶴橋「少しはできるようですね。さすがあの御方に気に入られている訳ですね。少し、本気を出させて貰いますですね。」
神降具魔力解放【戦鎚ミョルニル】
その武器はもはやツルハシと呼べる見た目ではなかった。
形やシルエットは似ていてもハンマーに近い形だった。
レイン「こんなに角魔力の無い状態でどうやって、、!!」
エン「恐らく、さっきの壊されたツルハシを依り代に神降具を顕現させたんだ!」
確かに言われてみるとツルハシの持ち手を壊されたように、持ち手側が少し短い気がする。
レイン『どうする?!あんなの俺たちじゃ勝ち目ねぇよ!』
エン(ちっ、、元々ある武器を依り代にしても神降具を顕現させたことには変わりねぇ、、あえて角魔力を枯渇させたのもあるし、いつ俺の瞬間移動が使えなくなるかも分からねぇ、、これは詰みか、、?)
鶴橋「時間が無いですね。すぐに終わらせますですね!」
ー一方アルスとシェルスはー
アルス「その程度かい?」
桃診「フィンブルヴェトルの名前は伊達じゃないね、、。そっちの可愛い子もなかなかやるじゃん。」
アルス「上を飛んでる人はやる気なさそうだけど、、降参する?」
桃診「アイランドに行きたいし、降参するのもひとつの選択肢だけど、ここで終わっちゃうなんて、勿体ないじゃん!☆」
神降具魔力解放【無要醸造台ヘルメス】
アルス「使えるのか?!少し甘く見ちゃったかな。」
シェルス「アルス!こっちに!」
アルスは桃診を警戒しながらすぐにシェルスのそばに移動した。
桃診「これ使うと疲れるんだよねぇ☆飛んでる人には申し訳ないけど、手伝ってくれないからいいよね!」
神降具権能【トリスメギストス】
桃診の手元に浮遊する醸造台から作られた特殊なポーションを桃診が上空に投げた。すると上空から永遠と、謎の雨が降り注ぐ。
シェルスはこの違和感にすぐに反応し、自分とアルスの上に小さな屋根をすぐに作った。
アルス「その雨は、、」
桃診「この雨は私が作ったポーションだよ。神降具の権能を使ってる間は常に振り続けるよ。」
アルス「この雨に濡れるとデバフを受けるって事かな?」
桃診「察しがいいね。この雨は指定したプレイヤーが触れると体力を回復し続け、攻撃力が上昇するの。でも、指定されたプレイヤー以外が触れると持続ダメージと移動速度の低下、後は視界不良のデバフがかかるよ。」
アルス「ペラペラとまぁ、すぐに手の内を明かしてくれるね。」
桃診「隠してたって意味ないもん☆それに、君達ならすぐに対策だってするよね?って言っても出来ないのか!君の扱える氷は比較的小さい物。私の上を覆うようにおっきな氷は作れないんでしょ?」
アルス(まずいね、この状況。完全に不利だ。)
桃診「早く帰りたいし、決着つけちゃおっか!」
桃診がスプラッシュポーションをアルスに向かって投げた瞬間、どこからか矢が飛んできて空中で破壊した。
ライム「俺様のいない所で楽しそうな事してんじゃねぇ!」
ー一方レインとエンはー
エン「レイ、、ン、、。」
満身創痍のエンは暗闇に向かって手をのばすが、その先には倒れてピクリとも動かないレインがいた。
エン(しくじった、、。神降具を顕現した段階でシェルス達と合流もしくはレインのみをシェルスの方に向かわせるべきだった、、。)
鶴橋「とても楽しめましたですね。あの御方にはとても申し上げにくいですが、お気にされる程度ではなかったと報告しておきますですね。ではさようならですね。」
鶴橋がミョルニルを振り上げたその時だった。
天紫「全く、人使いが荒いよ。」
エン「?!」
鶴橋「援軍ですね?」
天紫「うちの国王には1度でいいから痛い目にあって欲しいよ。」