天紫「おー!こんなところに居たんだね。」
エン「遅せぇよ、、。」
レイン「あ、剣二先輩、、。」
シェルス達と合流する為に撤退していたレインとエンの前に、天紫が鶴橋の首根っこをつかみながらやって来た。
天紫「プレイヤーが相手だとやっぱり疲れるねぇ。」
レイン(口調が戻ってる、、。)
エン「ソイツはどうすんだ?」
天紫「連れ帰って安全な場所で拘束する。その後でギルマギアのケルベロスに送るよ。」
エン「助かった。ケンが来なけりゃ危なかった。」
天紫「なんでレインはビクビクしてんだ?」
レイン「な、何もありませんっ!」
エン(あいつさっきのケン見てビビってんな、、。)
エン「それよりシェルスとアルスが危ねぇ。すぐに増援に向かわねぇと。」
天紫「今のクロ達が行っても足引っ張るよ。代わりに向こうにも増援が向かってるから安心しなよ。」
レイン「増援って?」
ー一方シェルス達ー
桃診「なんだか飽きてきちゃったなぁ〜。ねぇ〜もっと楽しませてよ?」
シェルス「アルス!起きて!早く!」
アルス「逃げて、、お姉、、ちゃん、、。」
シェルス「アルス!ダメ!逃げないと、、!」
桃診「もー、雑魚なら最初から大人しくしてれば苦しまずに殺してあげたのに!じゃあ、バイバイ!☆」
【無限調造】ダメージスプラッシュポーション!
桃診が【トリスメギストス】で調造したダメージのスプラッシュポーションをアルスとシェルスに1つずつ投げた時、森の中から二本の矢が飛んで来て空中でスプラッシュポーションを撃ち抜いた。
桃診「もう!誰よ!いい所だったのにぃ!」
???「悪いな。俺様はまるで自分が強者見てぇな面(ツラ)してる奴が1番嫌いなんだよ。」
シェルス「この声は!」
桃診「名前も教えず邪魔だけするなんて女の子に対して失礼よ?」
???「俺様の名前はライム・クロスだ!俺様以外の名前を全て忘れてでも覚えやがれ!」
桃診「私の名前は桃診癒快☆ 貴方をぶっ殺すアイドルよ!あなたは自分の名前を忘れてでも覚えなさい!☆ ちなみに私は私の邪魔をする人が1番嫌いよ。」
桃診はスカートの中と【トリスメギストス】から大量のスプラッシュポーションを取り出し大量に投げ込む。
クロスは最初から姿を森から現さず常に隠れながら行動していた。
桃診(弓を使う系の才能かな?さっきのは隠れて私が投げるタイミングを伺っていたのか、どっちにしてもかなりの技術を持ってるわね。でも、この量は捌けるかしら?)
クロスは一切矢を打たずに森に投げ込まれるスプラッシュポーションを躱し続ける。
桃診(打ち返さないって事は、弓かしら。打つ前に貯める必要があるから連続で攻撃されると反撃する時間が無いのね。なら先を読んで、、!)
桃診は攻撃を辞めた途端に一つだけスプラッシュポーションを投げ込んだ。もちろんクロスはそれを打ち返し、スプラッシュポーションは空中で爆散した。が爆散したスプラッシュポーションの中からスプラッシュポーションが飛び出してきた。
クロス(2つ連続で投げてたのか、、?!)
クロスが右に移動を始めた時、その少し先にスプラッシュポーションが投げ込まれていたのが見えた。
クロス(先を読んで、、!くそ、、常に1歩先を、、!この状況を打開するなら、どっちかのポーションを破壊しねぇと、!)
桃診(って思ってるんでしょうね。あれほどすぐに対応できる相手には考えさせる隙をあげない戦術の連撃が効くのよね。どっちに逃げるにしろどちらかのスプラッシュポーションを撃ち抜かなきゃいけないから、今ここで最大火力の調造をしたスプラッシュポーションを、真ん中に投げ込む!今なら撃ち抜くために矢を引いているはずだから必ずダメージを受けるはず!)
すると桃診の予想とは全く違う結果になった。
桃診が予想した数テンポ早い段階で森から矢が飛び出し右のポーションを空中で破壊した。
桃診(予想より早い、?!)
最大火力のダメージスプラッシュポーションを躱し森から矢先の光が微かに見えた。
桃診「少し早く矢を引けたくらいで調子に乗らないで!!」
クロス「誰が俺の武器は弓だっつった?」
クロスは落ち着き、移動する体制ではなく、身体を完全にその場に固定した。片足を立て左膝を立て、左の腕を膝に置くことでクロスボウを安定させた。今ダメージスプラッシュポーションを投げ込まれると交わすことは不可能だろう。
桃診(まさか、、クロスボウ?!)
桃診「これで終わりよ!」
桃診はクロスの方にダメージスプラッシュポーションを投げたがそれはやはり空中で撃ち抜かれた。桃診が次のダメージスプラッシュポーションを【トリスメギストス】で作成し始めた時、右肩に激痛を感じた。
桃診「痛っ!!!」
桃診(矢を打った直後にもう1発?!いや、まさか!)
クロス「貫通のエンチャントだ。」
桃診「私が、あなたなんかに負ける訳ないでしょ?!」
桃診は右肩を押さえながらひざまづき、クロスを見上げる。
クロス「雑魚が。俺様に勝てると思ってる時点でお前は負けてんだよ。」
桃診「くっ、、!鶴橋!私を助けて!早く!助けに来て!」
天紫「あー、そいつだけど、、。」
天紫は桃診の前に引きずってきた鶴橋を放り投げた。
桃診「あ、あぁあ。」
天紫「ん?空が。」
その時、さっきまで薄暗かった空が明るくなった。
エン「こいつらを倒したから妨害エリアが無くなったのか、、。」
シェルス「早く帰ってアルスの手当をしないと!」
天紫「そうだね。まずは国王に報告を、、
天紫がスマフォでアイランドに報告しようとした時、背後から鶴橋のツルハシが天紫の首めがけて迫ってきた。
レイン「先輩!!」
ブシュッ!!!
天紫「ク、クロス!!!」
クロス「グッ、、!!」
クロスの左胸にツルハシが突き刺さっている。
クロスは誰よりも早く鶴橋に気付き、天紫を庇った。鶴橋を抑え込むようにエンが上に乗り手錠をかけた。
エン「チッ油断した、!」
天紫「大丈夫か!クロス!!返事しろ!」
クロス「俺様とした事が、ドジっちまったぜ、、。」
レイン「クロス、、先輩、、。」
クロス「様はどうしたよ、、?」
レインは顔を袖で拭っていた。シェルスもその痛々しい状況を見ることができずうつむいていた。
天紫「すぐに、、すぐに手当を!」
クロス「これは、、もうどうにもなんねぇよ、、。」
天紫「そんな事言うな!すぐに帰って手当を!シェルス!帰投の準備を!」
クロス「もういい、、。」
天紫「いい加減にしろ!」
クロス「俺様を見ろよ!」
天紫は苦しそうにクロスの傷を見る。脈に合わせて血が流れ出る。
クロス「辛いことから目を背けてちゃ俺様みたいに強くなれねぇぜ、、、。」
天紫「強ぇ奴は今俺の前に倒れたりなんてしねぇよ、、、!!」
クロス「はは、、、そうかもな。少し起こしてくれ、、、。」
レインと天紫がクロスを近くの木まで運びもたれかけさせた。
クロスは少しの衝撃で眉間にシワを寄せとても痛がる。その度に天紫が大丈夫か?と心配する。やっとの思いでクロスを落ち着かせるとクロスはとても大きいため息を着くように体の力を抜く。
レイン「帰投するための回収班よりも先に医療班をシェルスが手配してくれた。」
クロス「さすが俺様の弟子だぜ、、、。」
天紫「怪我の具合はどうだ?」
クロス「どうって事ねぇ、、、いや、これが最後の任務かもな、、、。」
クロスの周りの土が血を吸い赤い泥のようになった。
クロス「レインは、、、そこにいるか?」
レイン「聞いてるよ、、、。先輩。」
クロス「少しこっちに来い、、、手を出せ。」
レインが恐る恐る近づき手を差し出したところ、クロスが精一杯の力でレインの手を力強くガシッと掴む。その時、レインは何か硬い鎖のようなものがガチンッと繋がるような感覚が体に走った。
クロス「お前の才能は他のプレイヤーと接触する事でコピーするんだろ?俺の能力を持っていけ、、、!」
レイン「でも、、、死ん、いなくなったプレイヤーの才能が残るかどうかはまだ分かんねぇよ、、、。」
クロス「死ぬかどうかは関係ねぇ!お前が!俺様の事を!忘れなきゃいいだけだろ!」
レインの曇った目が何か、晴れたような気がした。その途端我慢ができず、レインも涙をこぼす。
クロス「俺様は死んでもお前を信じる!俺達の戦いの先に何があってもだ!だから!お前は俺様が死んでも、自分が、死んでも俺様を信じろ!」
レインは顔を拭い力強く返事をする。
レイン「はいっ!!」
クロス「そうだ、、、その顔でいい、、、。ゴホッ、!ゴッ!」
天紫「大丈夫か?!」
クロス「さ、最後に、、、お前に言って、、、おくことが、、、。」
天紫「最後だなんて言うな!なんでもいい!言ってみろ!」
クロス「お前の追っていた女、、、は、、、この島に、、、居る、、、。」
天紫「?!それは、、今どこに?!」
クロス「中、、、国、、、エリアに、、、。すまねぇ、、、ここまでしか、、、。」
天紫「、、、それだけ分かれば十分だ。ありがとう。」
クロス「よかった、、、。これで借りは、、、返したぜ、、、。」
ふと、天紫の脳裏に幼少期の記憶が走る。それはクロスとの最初の思い出だった。
天紫「んでそんな事覚えてんだよ。」
クロス「、、、ぁあ。寒いな、、、。あれ、お前ら、、どこ行ったんだ?」
クロスはもう目に光がない。首を振ってあたりを見渡しているようだが、天紫達から見れば僅かに首が震えているようにしか見えない。
クロス「、、、また、1人じゃねぇか、、、。」
天紫「、、、ここに居るぜ。ずっと、俺達は一緒だ。」
クロスは既に息をしていなかったが、その顔付きは一人きりで寂しがっているようではなかった。
天紫「帰ろう。」
レイン「、、、あぁ。」