DMMO-RPGを支える、ハードウェアに焦点をあてた、オバロ二次小説   作:タイタンの掟

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 異世界転移した場合、DMMOシステムとの関係が、どのようになるかというのを考えてみました。



YGGDRASIL 起きてしまった、異世界転移事情

 

 時刻表示のデジタルカウント、(とき)(きざ)まれて、すこしづつ終焉に近づいていく。

 

「11:59:56」

「11:59:57」

「11:59:58」

「11:59:59」

「00:00:00」

「00:00:01」

「00:00:02」

「00:00:03」

 

 そして、世界が、変わった。

 

 時間が過ぎていくが、消えていく世界は、消えることなく、玉座に座る自分がそこに居た。

「ん、サーバーダウンが延期になったのか」

 モモンガ君のつぶやきが、刻を動かした。

 コンソール操作をしようとして、コンソールが出なかった。

「どういうことだ、これは」

「モモンガ様、何かございましたか」

 アルベドが、傍に寄ってくる。

「いや、アルベド」

 寄ってきたアルベドの腕を、モモンガ君が掴んでしまうと、アルベドが痛みの表情を見せた。

(何が、起きた、ぶくぶく茶釜さん。いますか)

(え、居るけど、GMコールが利かない、メール等もアウトね。アルベドの様子がおかしいよ、モモンガ君)

(え、痛み、なんで)

(なんだろ、あッ。ネガティブタッチじゃない)

 痛みを堪えているアルベドは、艶やかに美しく、美人って、どんな表情でも美人だよなぁって、私が実感してしまった。アルベドの反応は、私の反応パラメータを、アルベドに合わせて微調整したものが使われている。

(あぁッ、切らないと、でもコンソールが、あれ、切れた?)

アルベドの表情が、艶やかな笑顔に戻る。

(切れたの、大丈夫、モモンガ君)

(えぇ、自分の意識で魔法そのものは、使えるみたいです、でも、なんでアルベドに)

 フレンドリーファイヤ防止が、働いていないってこと。

(それって、マズイッ、マズイよ、モモンガ君)

(茶釜さん)

「アルベドッ。急ぎ、全階層のギミックを停止。最優先命令よッ」

「ぶくぶく茶釜様、それでは、侵入者が」

「いいの、侵入者対策は、別に対応する、急げッ。また、全階層守護者、領域守護者に伝達、味方であっても触れちゃダメッ」

「はッ、でも、どうして」

「緊急事態ッ、最優先命令ッ、アルベド、急ぎ連絡して」

「はッ、はいッ」

 アルベドが、急ぎ玉座を離れて、連絡に走っていった。

(茶釜さん、どうしたんですか)

(フレンドリーファイヤが防止できなければ、味方が触れても、今のようにダメージになる、今のはアルベドなら、痛み程度で済むけど、一般メイドなら、動けなくなるわよ、モモンガ君)

(あ、それッ)

 そうだ、ルベド、居るの?

『はい、お母様、傍に』

 アルベドと同じ顔のホムンクルス、少し年下で幼い感じのルベド(ガラテア)に、私は触手を伸ばして、信号で通信する。

『何か、変わった、ルベド(ガラテア)

『はい。DMMOシステムとの接続が切断され、記憶領域の半分が使えなくなりました』

『そう。DMMOシステムが切断された。サーバーそのものはダウンしたってことね』

(茶釜さん、それって、どういうことですか)

モモンガ君が、聞いてくる。一体化している状態だと、モモンガ君に通信内容は伝わる。

『“YGGDRASIL”のサーバーはダウンしたけど、私達の意識が、Nazaricに居るってことね』

 ルベドが近づいてきたことで、柑橘系の甘い香りがしてきて、モモンガ君が気づいた。

(良い匂いって、匂い)

『え、柑橘系の匂いって、ルベド(ガラテア)

『ルベドとしては、朝、スパを利用していますから、この匂いは多分、コンディショナーの匂いです』

『つまりは、匂いのフィードバックが、成立しているってことね』

『はい、間違いないと、思います』

(んーと、電脳法違反よね、流石に、タブラでも刑務所には入りたくないでしょうし、エロ莫迦な愚弟じゃ、考えもしないわね)

 メッセージ

『愚弟、居るッ』

『え、姉さん、どうしたの』

『愚弟が居るのは、第二階層の死蝋玄室ね』

『あぁ、シャルティアが寝てる、ほんとに可愛いんだ』

『惚気は、良いのッ。今の時間は判るッ』

『えっと、あれ、零時まわってる、延期になったの』

『はッ、そんな単純じゃないッ、愚弟は、シャルティアと外を確認、支援にセバスと戦闘メイドを送るわ、周辺の状況確認と、侵入者対策ッ、緊急事態なのッ、ボケっとして内でちゃっちゃっと動くッ』

『えぇッ、そんなぁ、毒沼デートなんて』

『デートはデート、行きな、愚弟』

(モモンガ君、セバスに、愚弟の支援をお願い)

(うんッ)

「セバス、今、シャルティアとペロロンチーノさんに、周辺状況の確認に行かせた。ペロロンチーノさんの支援、戦闘メイドを1名連れていけ。ただし、Nazaricから1キロ以上離れるなッ」

「はッ、ナーベラル」

「はいッ」

 二人が、玉座を離れていく。

「戦闘メイドプレアデスは、第九階層に上がって、侵入者が来ないか、確認せよ」

「「「「「はッ」」」」」

(間に合うと良いけど)

(何がですか)

(だって、NazaricのギミックやNPCって、即死効果を持つNPCも多いじゃない、死んだりとかしたら嫌だなって。これからは、炎対策しないと、「紅蓮」と遊んだりって、できなくなるのよ)

 ギミックの解除、周囲の調査か、、、

「ペストーニャ居る?」

 ペストーニャが傍にやってきて、

「はい、です・・・わん」

(ペストーニャが喋った、とってつけた語尾仕様って、フレバーテキストよね、モモンガ君)

(そうですね)

「ゴメン、飲み物の用意、オレンジジュースが良いな、ルベド(ガラテア)貴女自身(ペストーニャ自身)のもね」

「はい、了解しました・・・わん」

 しばらくすると、メイドがワゴンを引いて、オレンジジュースの入った、ピッチャーとグラスを用意した。

(飲ませて、モモンガ君)

(うん、判った)

 オレンジジュースを飲む。美味しい、本当に、美味しい味がする。一体化しているモモンガ君にも、味が伝わり。

(ほんとに、美味しいです、ぶくぶく茶釜さん)

(そうね、Narzaricで食事できるなら、リアルを捨てれるわね)

 味覚のフィードバック、完全な電脳法違反というか、このままだと帰りたい気分はなくなるわね。

『美味しいです、お母様』

『そうね、タブラには、連絡できそう』

『色々と、試してみましたが、DMMOだけでなく、一切の信号が反応しません。すべてのネットワークシステムから、切り離されたと思います』

 さて、何が起きた。

 

 

 

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 ここに居る私は、誰?

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 慌てたように、メッセージが飛び込んできた。

『姉ちゃん、凄い、外は夜空だよ、すっごい綺麗なんだ、シャルティアと一緒に、こんな夜空が見れるなんて』

『愚弟、煩い、星空って、月もあるの』

『んっと、月も在るしスッゴイ明るいよ、第六階層の夜空みたいだよ、姉ちゃん』

(モモンガ君、外が第六階層と同じ様な、夜空が広がってるって、愚弟が言ってる)

『え、ペロロンチーノさん、夜空って、ほんとですか、毒沼はッ』

『あ、モモンガさん。うん、毒沼とかは全部消えて無くなっているよ、周囲は草原だし、空には星空が広がってて、ブループラネットさんが居たら、感激で気絶するんじゃないかな』

『ペロロンチーノさん、周囲に話のできる相手が居たら、できる限り穏便に連れてきてください。ただ、Nazaricから離れないように、一キロくらいで探索願えますか、セバスとナーベラルを支援に送ったんで、一緒に行動してください』

『ええぇ、手分けして、周辺探索するよ。行こ、シャルティア』

メッセージの向こうでは、愚弟が嬉しそうに、二人で歩くのが、目に浮かぶ。

『敵対行動は控えて、敵対行動となった場合、撤退優先、セバスとナーベラルを連絡に玉座の間に戻して、第二階層死蝋玄室で迎撃。良いですね、無理はしないでください』

『あぁ、大丈夫、大丈夫』

 暢気な雰囲気が、こっちにも伝わってくる、愚弟、後で〆る。

 

 

 

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 ここに居る私は、誰?

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 アルベドが戻ってきた。

「ギミックの解除および、守護者達への連絡が完了しました、グラントの子供が一人、怪我をしましたが、傷は軽傷、回復治療も必要ないとのこと」

「そうか、アルベド、よくやってくれた」

「もったいない、お言葉、ありがとうございます、モモンガ様」

「グラントには、謝っていると、伝えておいてくれ」

「モモンガ様、そのようなことは」

「私が、もう少し早く、行動できれば、グラントの子供が傷つくことはなかった、謝罪を伝えよ、アルベド」

「は、はいッ」

(Nazaricが、不明の地に飛ばされた、これは事実みたい、モモンガ君、どうする?)

(そうですね、まずは、階層守護者を集めます。場所は、玉座で、良いですかね)

(そうね、良いんじゃない、領域守護者は良いの、モモンガ君)

(え、まずは階層守護者で、ぶくぶく茶釜さん)

メッセージ

『アルベド、聞こえるか』

『はい、モモンガ様』

『グラントへの連絡が、済んだら1時間後に、第四階層と第八階層を除く、全守護者を玉座の間に集めてくれるか』

『はい、ですが、シャルティアがペロロンチーノ様と、外の調査に出ていますが』

『シャルティアとペロロンチーノさんには、私から伝える』

『了解しました、モモンガ様』

私は、モモンガ君へ

(あの子には、私が伝えるよ)

(すみません)

(もう、いい加減、諦めたらいいのに、結構可愛いんだよ、パンドラズアクターって)

(そんなこというの、ぶくぶく茶釜さんだけです)

 あらあら、ほんとに可愛いのに。

メッセージ

『パンドラズ・アクター、聞こえる』

『これは、偉大なる、至高のお母様、私に何用でございましょうか』

『Nazaricの資産および支出状況の確認と調査、Nazaricの防衛用ギミックは全部解除したから、支出は減ったと思うけど、現状でどのくらい維持できるかを報告してくれる』

『はい、このパンドラズ・アクターにお任せください、すみやかに確認調査をおこない、報告書を作成いたします』

『うん。報告書は、今から30分と区切って、できる範囲で確認して、できたら玉座の間で待ってる』

『このパンドラズ・アクターに、お任せあれッ』

 そういえば、パンドラズ・アクターには、舞台稽古の練習にも付き合わせたのよね。アドリブや演技は、ダメダメだったけど、入りのタイミングは絶妙で上手かったから、よく頼んだのを思い出したわ。

 

メッセージ

『ペロロンチーノさん、聞こえますか』

『おぉ、モモンガさん、外には誰もいないし、大型の動物くらいでNazaricへの危険性なし、狩りはできたよ。建物みたいな人工建造物も無いし、草原が広がっているだけみたいだ』

『わかりました、1時間後に階層守護者を、玉座の間に集めます。ペロロンチーノさんも来てください』

『ん、わかった。セバスとナーベラルは、どうする』

『セバスとナーベラルには、ナザリックの周辺警戒を継続してもらいます』

『わかった』

 

(完全に、違う場所に来たって感じね、モモンガ君)

(はい。こんなことあるんでしょうか)

(これが、死後の世界って、言うのなら、楽しい世界よね)

(死後の世界ですか)

(死後ではなく、異なる幻想世界で、同じ夢を見ている、モモンガ君と私。愚弟は余計だけど)

(もう、ペロロンチーノさんは、良い友人ですよ)

(モモンガ君は、優しすぎ、あいつがこのNazaricに戻った理由、必死で運営に懇願してたの、知ってるんでしょ)

(はい、まぁ)

 サーバーダウン24時間前であれば、倫理規定違反でも垢BANされても、サーバー自体が終了するから関係ない。ほんと、エロ莫迦な愚弟だわ、今もシャルティアと二人で、異世界デートとか言って、お花畑を歩いてるわね。私の言葉は、聞き流すようにスルーして、モモンガ君は、

(守護者達への説明は、どうしましょ)

(まぁ、状況を整理するよ。

 午前零時過ぎ、ルベド(ガラテア)から、ネットワークシステムからの強制的な切断が発生、Nazaric内については、3時間くらい前までは、昨日との変化なし。

 「紅蓮」と第八階層で触れたけど、フレンドリーファイヤが解禁にはなってなかった。

 罠によるギミックでの事故が、グラントの子供だけだとすると、解禁になったのは、強制的な切断以降だと思う)

(召喚とすれば、召喚者が居ることになるけど、Nazaricごとの召喚って、可能なのかな)

(そうねぇ、DMMOシステムを構築して、VRとARを融合させて、“YGGDRASIL”という世界を創ったように、現在私達が存在する世界を創ったモノが居たら、召喚できるかもね)

(神ですか)

(私達だって、守護者やNPC達からすれば、創造主なんだから、神様みたいなモノでしょ)

(そ、そうですね。まずは、情報収集ですね)

(周辺の地理とかの調査は、守護者への説明が終わったら、アウラとマーレと一緒に、周辺調査に出るわ)

(俺も手伝います)

(ダメよ、モモンガ君はギルド長だから、Nazaricに居てくれないと)

(えぇッ、外に出たい、楽しみじゃないですか、ほんとに異世界に来たなら)

(じゃぁ、周辺調査を一緒に行く?)

(はい、アウラとマーレが一緒なら、楽しいですよ)

(Nazaricの隠蔽もしないと、アリアドネに触れるのは怖いから、後でマーレに確認してみて)

(わかりました)

 ペストーニャから、

「シャルティア様とペロロンチーノ様が、参られました」

「入って貰って」

「了解しました」

 愚弟とシャルティアは、控えの間から入ってきた、こいつ、RoAOGで転移したな。RoAOGの基準位置「ホーム」は、円卓の間になってるから、そこから、裏に回って来たのね。

「これは、至高の御方、モモンガ様、ぶくぶく茶釜様、第一第二第三階層守護者、シャルティア・ブラッドフォールン参りました」

 跪いて、応えるシャルティアに

「うん。愚弟は、玉座の後ろ、シャルティアは下で控えてね」

「はい」「え、姉ちゃん」

「ぺロロンチーノさん、2対1です」

「え、あぁ、わかった」

 現在のギルドメンバーは、3名、私にモモンガ君が賛成すれば、2対1。

 シャルティアが、階段を降りていく。

「アウラ様、マーレ様が、参りました」

「通して」

「はい」

 玉座の間の扉が開き、アウラとマーレが、二人で入ってくる。いかん、可愛いぞ、ほんとに。

(か、可愛いッ、ほんとに可愛いッ)

(茶釜さんッ、落ち着いて)

(わ、わかってる、でも、可愛い)

(触手、触手が出てます、茶釜さん)

 あッ、アカデミックローブから、ピンク色の触手がわらわらと、伸ばされ蠢いていた。

(あぁ、戻さなきゃ)

 触手を戻して、アウラとマーレを見ていると、萌えちゃうので、モモンガ君に支配権を移す。

 玉座の間で、シャルティアが跪いているのを右手の端として、多分コキュートスの位置を間に開けて、二人が跪く。

「コキュートス様が参られました」

「通して」

 玉座の扉が開き、コキュートスが、入ってくると、シャルティアとアウラの間に跪く。

「守護者統括アルベド様、デミウルゴス様が参られました」

「通して」

 玉座の扉が開き、デミウルゴスとアルベドが入ってくる。デミウルゴスが、コキュートスの左に跪く。アルベドが、全守護者より、少し前の中央に跪いて、応える。

「第四階層ガルガンチュア、第八階層ヴィクティムを除き、守護者一同集合いたしました、忠誠の儀を」

 アルベドの言葉を開始として、まずシャルティアが、

「第一階層、第二階層、第三階層守護者、シャルティア・ブラッドフォールン、御身の前に」

 つづいて、コキュートス

「第五階層守護者、コキュートス、御身の前に」

 続くのが、アウラとマーレ、

「第六階層守護者、アウラ・ベラ・フィオーラ」

「同じく、第六階層守護者、マーレ・ベロ・フィオーレ」

「「御身の前に」」

 守護者の〆は、デミウルゴス、

「第七階層守護者、デミウルゴス、御身の前に」

 守護者達は、全員が跪いて、深々と頭を下げていた。

 最期に、アルベド、

「守護者統括アルベド。御身の前に、

 第四階層守護者ガルガンチュア、第八階層ヴィクティムを除き、各階層守護者、御身の前に平伏し奉る。

 ご命令を、至高なる御身よ、我らの忠義、全てを御身へ捧げます」

玉座の間にピリピリとした雰囲気が、緊張感と共に、張り詰めていく。

(カッコいいッ、凄いッ、凄いよ、モモンガ君)

(うん。ほんとですね、あぁ、嬉しい)

 モモンガ君が、泣きそうなくらいに、嬉しそうだ。かつてのNazaricで、玉座の間が、このような謁見に使われたことは無い、ギルドメンバー41名では、広すぎる玉座の間は、ギルメンたちが正式な儀式でしか使われなかった。モモンガ君が、熱に浮かされたように語り、絶望のオーラが闇の揺らめきのように溢れていた。

「素晴らしいッ、本当に素晴らしいぞ、守護者達、面をあげてくれ」

「「「「「「はッ」」」」」」

 守護者達と正面から向き合う、本当に嬉しそうな笑顔が、並んでいる。

「よく、集まってくれた、感謝しよう」

「感謝なぞ、とんでもない。我ら至高なる御方に忠義を捧げ、全てを捧げた者達、至極当然のことにございます」

 本当に嬉しそうに、自分達の忠節を誓ってくる。その姿に、モモンガ君が、感動して、目に涙が浮かぶのを、必死で堪えている。

(ぶくぶく茶釜さん、俺、)

(ギルド長、失敗したっていいよ、彼らに応えてあげて)

(は、はい)

「嬉しい、そして、ありがとう。お前達とであれば、どんな世界であろうとも、一緒に生きていきたい、本当に本当に、ありがとう」

 黄金の輝き、モモンガ君にとってのAOGは、ギルドの仲間達みんなで、すべてを賭けて築き上げた栄光でもある。リアルでの自分が、“YGGDRASIL”という世界で、すべての夢を見せてくれた、そんな世界が、消えると言われた後で、巨大なダイヤモンドの結晶のように輝いて、今もこんなにも素晴らしい形で残っている。そんな、モモンガ君の想いが、私に響いてくる。

「だが、心して聞いて欲しい、Great Tomb of Nazarickは、現在、原因不明の事態に陥っている」

 守護者達は、真剣な表情で、モモンガ君の言葉を傾聴していた。

「何が、原因かは不明である、Great Tomb of Nazarickは、草原へと転移したのは間違いない。誰か、前兆のようなモノを思い当たる者はいるか」

 アルベドが、ゆっくりと、肩越しに守護者を見て、返事を受け取って口を開く、

「いえ、申し訳ありません、特に思い当たることは、ないかと」

「各階層守護者に訪ねる、自分の階層で、何か異常事態が発生した者はいるか」

「第七階層に異常はありません」

「第六階層もありません」

「お姉ちゃんの言う通りです」

「第五階層モ同ジク、異常ヲ認メラレマセン」

「第一から第三階層も、特に異常はありんせんでありんした。モモンガ様に命じられ、ぺロロンチーノ様と、周辺の草原を巡りんしたが、動物が居たくらいでありんす。強力なモンスター等は発見できんした」

「そうか。今も、セバスとナーベラルに周辺調査を行って貰っている」

「「「おぉぉ」」」

 守護者達は、真っ向勝負で無類の強者であるセバスを、斥候という役につけたことで、モモンガ君の警戒心を理解していた。

 そこに、メイドから

「パンドラズ・アクター様が参られました」

「「「「「?」」」」」

 Great Tomb of Nazarickの宝物殿を預かる、領域守護者パンドラズ・アクターであるが、宝物殿から出ることが無く、あまり守護者達には知られていない。玉座の扉が開き、パンドラズ・アクターが入ってくる。

「おぉ、これは、皆様、至高なる御方々、このパンドラズ・アクター、このような重責を担う場所に、呼ばれて恐縮でありますが、至高なる御方、母上様の命にて、ご報告へ参りました」

 芝居のように、花道から登場する歌舞伎役者のように、歩いてくるけど上手くないし、ドン引きする感じの役者みたいに登場してきた。あっ、モモンガ君が、嘆いている。

(大丈夫、良い子だよ、モモンガ君)

 慰めるけど、効いてない。言葉を、私が引き取って言った。

「報告なさい、パンドラズ・アクター」

 ぶくぶく茶釜としての声で話す。アウラとマーレが嬉しそうにしている、こっちは本当に可愛い。

「はっ、Great Tomb of Nazarickでは、すべての罠を稼働させるギミックを解除し、侵入者への対策が低下している状況にあります。しかしながら、結果として、Great Tomb of Nazarickの維持費用はかなり抑えられ、現状で三十年ほどであれば、維持運用できる状況にあります」

「逆にいえば、三十年で、財政状況は悪化するのね」

「はい。かつての大侵攻が生じた場合は、一度につき三年分の運用コストが消費されます」

 大侵攻は、複数のギルド連合が結成され、Great Tomb of NazarickにプレイヤやNPCを含めて1500名の襲撃を受けた時、第七階層まで突破され、最終防衛ライン第八階層で撃破した。

「正確な財政状況の報告書作成にかかる時間は」

「は、3時間もあれば」

「無利しちゃダメよ、明日の昼12時までで好いわ、報告書を作成してね」

「はい、それでは、守護者の皆様方、至高なる御方、お母上、お父上、これで失礼いたします」

 うーん。演技は、やっぱり、ダメよね。母上に父上か、そっちにはルベド(ルベド)とアルベドが反応している。

「お母様、」

「だめよ、ルベド(ガラテア)、下がりなさい」

「はい」

 メイド長であるペストーニャと同じ位置に、ルベド(ガラテア)を下がらせる。この玉座の間が正式に使われたのは、私とモモンガ君が、ペア・ワールドエネミーを倒した、宴会の時と、タブラ・スマラグディナが三姉妹との宴を上げた時だけだ。私とモモンガ君の時は、祝勝会と残念会のどっちかで、オフ会までの大宴会だったから、ギルドメンバー全員が、参加してくれたけど、タブラの時は、急ぎだったから、ギルドメンバはあまり集まらなかった。宴会にしてもオフ会にしても、垢BANの謝罪という意味合いの方が強かったし、ギルドメンバーもそんな感じで受けていた。

「皆に伝えます、知っている者もいると思うけど、ニグレドとアルベドは、タブラ・スマラグディナと私の娘、ルベド(ガラテア)は、私とモモンガの娘です」

「「「「「おおぉっ」」」」」

「アウラやマーレも、私が創り上げた子達であり、Great Tomb of Nazarickの皆を愛しています」

「「「「「「「「おおおぉ」」」」」」」」

 ルベド(ガラテア)やペストーニャを含め、控えていたメイド達からも、大きな声が上がった。

「わたしも、Great Tomb of Nazarickの皆を愛している」

「「「「「「「「おおおぉっ」」」」」」」」

 一段と大きく、声が上がっていく。

 

 





 原作一巻の状況を、ハードウェア面から考察した結果だと、こんな感じでどうでしょうか。
 Great Tomb of Nazarickって表現されいて、Nazarickの方が正しいのかな?どっちなのかが、確認できませんでした。どなたか、教えていただけると幸いです。
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