黒霧の乙女達   作:にかんちょふ

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初めまして。
頭で考えていたことを文字にしたくこの場に現れました。

まだ決められてはいませんが定期的に投稿していきたいと思います。


プロローグ 黒霧の乙女達

 

 

真っ赤に燃え盛る首都東京。

シンボルである東京タワーの3分の2は崩れ落ち無くなっていた。ほかの高層ビル群も半壊、全壊とかつて栄えていた東京とはまるで真逆であり、見る影もなかった。

人無と呼ばれる人型の怪物たちが現れてから役半世紀。

日本は既に国土の3分の1を失っていた。

首都東京を中心に札幌、名古屋、大阪、福岡と日本を代表する都市は全て人無の手によって壊滅し、仙台が首都の代わりを担っているのだが壊滅するのも時間の問題であろう。

 

唯一の救いと言えば主要都市以外は標的にならないと言う事だけだろうか。

 

人無は知性、理性無き獣の様な存在であり、手当たり次第に人を殺める怪物。

そんな怪物に唯一対抗出来る手段が存在している。

特別な力【魔除】を持った人間である。

この力の発症は現在になっても定かではないが、ある特定の人間達は生まれ持ってこの力を所持していることが判明している。

そして一番関係しているのが血液であることも。

魔除の力を持った人間の血を体内に摂取する事でその力を行使出来ることも判明し、今の日本がギリギリを維持できている。

 

しかしこの力は女性にしか行使できない。

故に力を行使し人無と戦う女性達の事を人々は【魔除の乙女】と呼んだ。

 

そんな乙女達の戦いの物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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季節は8月。

暑い日差しに照らされながら近本美桜は対人無特別部隊訓練校通称魔除の乙女訓練所のグランドを走っていた。

群馬の山奥にあるこの訓練校は避暑地にあるものの猛暑日であり、とても外に出て走り込むのには適していなかった。

滝のように汗が出る中水分も取らず何故彼女は走っているのか?

答えは罰走である。

人無相手に自分の身を守りそして住民の身も守らなければならない魔除の乙女は相当な訓練が必要であり、基準に満たない者はそれを超えるまで己を鍛え上げなければならないのである。

魔除の乙女は多彩な武器を扱う為、国家に定められた資格を持たなければならないと言うのもこの罰走に込められている理由でもあろう。

決して軽くはない防刀弾チョッキを身にまとい、今にも倒れそうなくらいフラフラと走る彼女を横目に真っ白なTシャツに軍指定の長ズボンをまとった女性がクスクスと笑いながら彼女を嘲笑していた。

 

「あの子また走ってるよ。見てるこっちも萎えるからもう居なくなればいいのに」

 

するとその女性の横からまた違う女性が現れた。

その女性は大和撫子を絵に書いたような容姿の女性で、嘲笑していた女性をギロりと睨んだ。

睨まれた女性は後ずさり、舌打ちを残して校舎の方へと逃げるように向かって行く。

 

「美桜。あと何周残ってるの?」

 

彼女はフラフラな体で膝に手をつく。

話しかけている女性を見ることすら出来ないくらいに疲れきった彼女は息を切らしながらも答えた。

 

「優華…ちゃん…。あど、おぇ。あと、5しゅ…5周…」

 

「そう。水飲む?」

 

「だ…だめ…おぇ…だよ…。うぷ…ゴホッゴホッ!…ゆう、かちゃ…が罰受け…ちゃうから」

 

嗚咽を我慢しながら喋る彼女の目は既に半開きで今にも倒れそうだった。

 

「私は別に構わないのだけれど」

 

「がんば…るって。決めたから…おぇ…」

 

「そう。じゃあこの水は走り終わってから飲みなさい」

 

話を聞き終わる前に彼女は再び走り出し、優華の声など届いていなかっただろう。

優華はため息を漏らし、持っていたペットボトルをその場に置いた。

本当は今にでも助けたかったが魔除の乙女になる以上、泣きごとなど言っていられない。優華は美桜の意思を尊重しその場から立ち去ろうと校舎の方を振り向くと同じ訓練生である篠塚杏香が頭の後ろで腕を組みその様子を見ていた。

 

「見世物じゃないのだけれど?」

 

「いや、なんでこの訓練校の底辺と天辺が仲がいいのかなって思ってさ。幼馴染なんだっけ?」

 

「そうよ。だから何?」

 

杏香を軽く睨みつけ校舎へ戻ろうとする。

だが腕を掴まれそれを静止させられた。

 

「たかが幼馴染にそこまで肩入れするのはなんでだい?このご時世、自分の身を守るのに精一杯だろう?」

 

「別に貴女に話す義理はないわ?」

 

「まぁまぁ、そう言わずにさ」

 

優華は逃げられないと察し、ため息を着く。

 

「普通に心配だからよ。それ以上でも以下でもない」

 

ふぅん、と言葉を返したが杏香は信じきれてない顔をしていた。

優華は掴まれた腕を無理やり振り払い校舎へと向かっていく。

その後ろ姿は何故か悲しそうに見えた。

 

杏香もその後ろについて行き、二人は校舎へと消えていった。

 

時刻は12時50分。お昼休みが終わるまで残り5分。

 

 

暑い日差し、空気を読まずに鳴き続けるセミ達。

そして日本が再び地獄に落ちるまで

 

残り3日と5分。




駄文失礼しました。
こんな感じで書き続けられたらいいなと思っております。

よろしくお願いします。
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