虹色クリスタルスカイ   作:通りすがりの邪教徒

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はんぺん出てきます。

それではどうぞ!


EP28 迷い猫とかすみん奮闘記

 

 

 

 スクールアイドル同好会が廃部になったと突然の出来事に信じられずにいた俺は中川さんと一緒に生徒会室へと向かっている。

 

 それにしても廃部だなんて……いったい同好会で何があったというんだ?もしかして先週みんなの元気が無かったのはこれのことだったりして……だとしたら俺はとんでもない勘違いをしていた。

 

 何がライブ前だから緊張してるだよ……でも過ぎたことを悔いていても仕方ない、今はこの置かれた状況をなんとかしないと。

 そうだ!先ずはかすみに聞き出そう!あいつなら何か知って……。

 

「うおっ!」

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

 俺は考え事に夢中で階段を降りる際に踏み外してズルっと転びそうになった。

 

「平気っす。つい考え事を」

 

「はぁ……ちゃんと前を向いて歩かないと危ないですよ?気を付けてくださいね!」

 

「はい、すんません……」

 

「あの、その考え事とはスクールアイドル同好会のこと……ですか?」

 

「はい、さっき中川さんが「廃部になりました」って言った時は驚いちゃいました。いったい何があったんだろ……」

 

「同好会は優木さんとの話し合いの結果……廃部になりました(ごめんなさい……星野さん)」

 

 話し合いって……これ正体が知られちゃってたらその訳は通用しませんよ。

 暫く歩いて俺と中川さんは生徒会室に着いて会計の仕事をもらった。

 

「それでは、お願いします」

 

「分かりました。それでは……」

 

「あの!星野さん!」

 

「どうしました?」

 

「今日は一緒に帰ってくれますか?この後は予定も無いので……GAMERSにでも行こうかと思いまして」

 

 中川さんは生徒会室に移動してた時は曇った表情をしていたが今は明るい笑顔になっていた。

 

 俺を心配させない為だろうか?その笑顔が作り笑いに見えてしまい俺は心のどこかで寂しさを感じた。

 俺は純粋で無邪気に心から笑う中川さんの笑顔が好きなのに……。

 

「良いですよ。俺もちょうど阿波連さんの新巻が出たので買いに行きたかったので」

 

「そうですか、じゃあ早速行きましょうか!」

 

「はい!」

 

 俺と中川さんは学校を後にして一緒にお台場のGAMERSへと向かいそれぞれ目的のものを購入した。

 

「阿波連さんとライドウくんが水遊びをする表紙が可愛いですね」

 

「ふふっ、そうですね!」

 

 何があったかはまだ知らないけど俺はできるだけ中川さんの近くに寄り添おう。余計なお世話かもしれない、でも彼女の心の支えになれればと思った。

 

 そして俺は廃部の原因をかすみ達に聞き出して貴女を絶対にスクールアイドルに戻してみせるとここに誓おう!

 

「それでは、また明日」

 

「遊星さん、おやすみなさい」

 

 

 

 ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

 衝撃展開から1日が経ち俺は現在、大親友の璃奈と駄洒落ギャルでお馴染みの愛さんとお昼ご飯を食べていた。

 

「ねぇ、遊星くん……相談があるんだけど」

 

「実は愛さんからも、りなりーと同じお願いがあるんだ!」

 

「お?良いぞ。力になれるならできる範囲で協力するよ!それに愛さんからも相談とは珍しいですね」

 

「ありがとう。でもご飯食べ終わってからでも良い?」

 

「うん、分かった!」

 

 その相談ってもしかして璃奈が座ってる隣に置いてあるキャットフードとお皿と関係があるのかにゃ?

 璃奈は飼育係でも無いしそもそも学校には動物を飼育してる場所もなかったけど……まさかとは思うけど何処かで猫を飼っているとかか?

 

 弁当を食べ終わって俺は2人の後をついて行き着いた場所は中庭であった。

 

「はんぺーん!」

 

 璃奈がそう叫ぶと茂みの中から白くて小さい子猫が鳴きながら姿を現した。

 そして子猫は飛びついてきて璃奈が手に持ったキャットフードとお皿を置いて子猫を受け止めた。

 

「相談したいのってこの猫のことか?」

 

「うん、学校の近くで捨てられてて……私のマンションじゃ飼えなくて……因みに名前は「はんぺん」だよ」

 

 捨て猫か……全く!酷いことをする人もいるもんだね!命はちゃんと大切にしなきゃ駄目だよ。それにまだこんなに小さいのに……可哀想だ。名前はきっと白いからはんぺんなんだな……黒だったらキャルって付けてたわ。

 

 俺がはんぺんの顎をゴロゴロと撫でると気持ちよさそうにする……癒されるわ〜。

 

「成程な。愛さんは……飲食店だから無理ですね」

 

「そうなんだよね〜。そこでほっしーの家で飼えないかな?」

 

「すみません……家のマンションもペットは飼えないんですよ。残念ながら……」

 

「そう……なんだ」

 

 璃奈はお皿にキャットフードを入れてはんぺんに食べさせる。

 璃奈の表情は相変わらず変わってないけど残念な気持ちが伝わってくる。

 

 かと言ってこのまま内緒で放し飼いをしてると、いつかは生徒会に見つかる。校則で放し飼いはダメって書いてあったからな……って俺生徒会の一員だったわ。

 

「なぁ璃奈、この件について会長に相談しても良いか?」

 

「えっ!?生徒会長に?」

 

「ああ、いつ目を付けられてもおかしく無いからな……なるべく早くこの子の件に関して何とかしないとだし」

 

「大丈夫……かな?」

 

「大丈夫だよ!中川さん初見は怖いイメージあったけど凄く優しいからさ!俺が補償するぜ?」

 

「ほっしーを信じてみよ?りなりー」

 

「うん、分かった。私、遊星くんを信じるよ!」

 

「よし、じゃあ早速中川さんを呼ぼう!」

 

「「今から!?」」

 

 俺はポケットからスマホを出して中川さんに連絡をとった。

 

「なるべく早くって言っただろ?……もしもし中川さん、中庭に来てくれませんか?頼みたい事がありまして」

 

『分かりました。直ぐそちらに向かいますね』

 

「ありがとうございます。それでは……中川さん直ぐに来るってさ」

 

 そして俺と璃奈、愛さんの3人ではんぺんを愛ながら待ち暫くすると中川さんがやって来てくれた。

 

「こんにちは、中川さん」

 

「こんにちは、星野さん、それと情報処理学科1年の天王寺璃奈さんに同じく2年の宮下愛さん……それで相談の件は?」

 

「あれ?会長って愛さんたちと会うの初めてだよね?」

 

「生徒の名前全員覚えてるみたいです。実はこの猫に関してなのですが……」

 

 はんぺんを璃奈に渡して立ち上がり、ちょっと離れた場所でことの事情を全て話した。

 飼ってやれないのは悲しいけれど小さな命でも救ってやりたいんだ。

 

「成程……事情は分かりました。飼うのは本来であれば駄目ですが特別に許可しますよ。学校の一員として迎えるのは校則違反ではありませんしね」

 

「本当ですか!ありがとうございます!(屁理屈には聞こえるが良い屁理屈だな)」

 

「それでは私はこれで、あの猫さん可愛がってくださいね」

 

「了解です!」

 

 中川さんは俺との話し合いをすませると校舎内へと戻って行き俺は璃奈と愛さんの元へと戻っていった。

 

「どうだった?」

 

「ふっふっふっ……はんぺん、おめでとう!君は今日から生徒会お散歩役員だよ!」

 

「てことは……!」

 

「学校で飼って良いってこと!?」

 

 俺が無言で頷くと愛さんは「ヤッター!」と大きな声で喜んでおり璃奈は、はんぺんをそっと下ろして俺に思いっきり抱きついて来た。

 

「ありがとう……ありがとう!遊星くん!」

 

「良いってことよ。中川さん良い人だったでしょ?」

 

「うん!」

 

 俺は璃奈の頭を撫でていると昼休み終了前のチャイムが鳴った。

 

「それじゃ教室に戻るか、はんぺんまた会おうな」

 

 最後にはんぺんの頭を撫でて俺たち3人は自分達の教室へと向かった。

 

 

 

 そして、はんぺんの件から時間が経ち午後の授業が終わると生徒達は鞄を持ってそれぞれ教室を出て行った。

 

「ねぇ遊星くん、今日のお礼したいんだけど一緒に帰れる?」

 

「そうだな……ん?」

 

 俺が璃奈と話しているとスマホから通知音が鳴りスマホを見るとかすみからだった。

 内容は「今から会えないか?」というものであり俺も今ちょうど会いたかった所だ。

 

「ごめん璃奈、ちょっと野暮用が出来たから今日は帰れない」

 

「そう……なんだ」

 

「ごめんな。じゃあお礼はまた今度でも良いかな?」

 

「分かった。約束ね」

 

 

 

 ーー ζ㎗òヮóリーー从||>ᴗ<||从 ーー

  

 

 

 俺は足早で教室を出てかすみが待っていると言っていたコンビニ前へと向かった。

 目的地に着くとかすみが暗い顔で俯きながらスマホを触っていた。

 

「かすみ?」

 

「ゆー介……会いだがっだー!」

 

「うおっ!よしよし……」

 

 かすみは俺に会えて一安心したのか泣きながら思いっきり抱きついて来た。おいおい人の目もあるんだぞ!その他の男子からの目線が痛い……。

 俺たちは取り敢えず別の場所に移動して2人でベンチに座る。

 

「落ち着いたか?」

 

「グスっ……うん……」

 

「昨日さ中川さんから同好会が廃部になったって聞いたんだけど……何があった?」

 

「は、廃部!?暫く活動休止にするって言ってたのに……何で廃部に……」

 

 かすみの話によると先週の月曜日にお披露目ライブへの練習をしていると思わぬ方向性の違いでせつ菜さんと口喧嘩になってしまい、同好会は活動休止になり、そしてケジメをつけるとして先週末のライブを一人でやると言ったらしい。

 

「だからあの時のライブは1人だったのか」

 

「ゆー介、ライブ見に行ったんだ」

 

「それより、何でこのこと言ってくれなかったの?」

 

「それは……ゆー介がライブ凄く楽しみにしてたし、ショック受けたら嫌だなって思って言いづらかったの」

 

 そうなのか、俺の為に……ってことはエマさんもしずくも彼方さんもそれに中川さんも俺に気を遣ってこの事が言えなかったんだ。

 でもここで考えまくってたら立ち止まるばかりだ……ここは切り替えていかないと。

 

「かすみ、ひとつ質問していいか?」

 

「ふぇ?」

 

「お前は廃部って聞いてこの後はどうするの?このまま諦めるか?」

 

「ううん、諦めない!かすみんは世界一可愛いスクールアイドルになるって夢があるもん!ここで立ち止まったら……今までが無駄になっちゃうから」

 

 本気だ……本気の目だ。俺はかすみの夢を手助けしてやりたい、だから俺は……。

 

「じゃあさ、ここからまた始めてみないか?協力させてくれ」

 

「えっ!良いの!?」

 

「前に言っただろ?スクールアイドルの凄さを実感したら同好会に入るって……俺にかすみの夢を応援させてくれ……俺がかすみの最後の希望だ」

 

「ゆー介……うん、そうだね。またここから始めよう!」

 

「それじゃ覚悟を決めたかすみにこいつを渡そう」

 

 俺はポケットから音楽データの入ったUSBメモリをかすみに手渡した。

 

「これはもしかして……かすみんの曲!?出来たんだ!」

 

「おう!歌詞も全部できたからあとで持ち帰って見てくれ!」

 

「ありがとう!頑張って練習するぞー!」

 

「そういや、言い忘れた事があった」

 

「何?」

 

 今は同好会が廃部になってしまったのでドアプレートは現在生徒会長が座ってる椅子の引き出しに入っていると教えた。

 

「じゃあ先ずはドアプレートを取り戻したい!」

 

「それなら良い作戦があるんだけど……乗ってくれるか?」

 

「もちろんだよ!」

 

 

 

 こうして俺とかすみの同好会復活作戦が始まった。悪いなはんぺん今回の作戦はお前に協力してもらうぜ……。

 

 

 





はい、という事ではんぺん問題を早くも解決させちゃいました。
これぞ生徒会の一員で璃奈の親友だからこそできる行動なんじゃないかと思いました。

そして遊星くんはかすみに口論の内容をまだ聞いてない

それではまた次回!

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