Parallel Star Arise   作:小鳥遊銅拍子

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この物語には、作者の捏造設定がそれなりに登場します。
何でも許せるカービィファンの方向けの作品です。
なお、星のカービィ本編(初代〜ディスカバリー)のネタバレを相当に含みます。ご注意ください。

………
それでは ご覧ください!!


第一章 星の盟友を探して
第一話 銀河の声と黒いハート


 俺は…。

 

 俺は…ともだちになりたかった…。

 

 羨ましかった…。

 

 だけど、俺には力しかなかった…。

 

 みんなを傷つける、力しか…。

 

 カービィ…。

 

 キミには……。

 

 

   ⭐︎⭐︎⭐︎

 

 

 俺は剣士ダークマター。

 

 遠い昔、宇宙のどこかで生まれ、少し昔にこのポップスターに訪れた。

 

 侵略しか能がなかった俺は、カービィのあつめた「きせき」の一つである「虹の剣」によって敗れ、侵略以外の生きる道…ともだちになること、を知った。

 

 その虹の剣は、今は俺が持っている。

 

 このポップスターにまた悪いやつが襲い掛かった時、かつての俺のように侵略以外の生きる道を教えるためだ。

 

 もっとも、大抵俺より先にカービィが全て解決してしまうわけだが。

 

 

   ⭐︎

 

 

 そんなある日、あきれかえるほど平和な日々を送っていた俺の耳に、とある声が聞こえた。

 

 『ずっ……と…ぁ……キ………ミを…』

 

 一度だけだが、ハッキリと聞こえた。

 

 何を言いたいのかはよくわからないが、一つだけわかることがあった。

 

 この声は、同族の声によく似ている。

 

 同族…つまり、ダークマター族のことだが、こんな声の者は知らない。だがはっきりとわかる。絶対に聞いたことがある。

 

 なんとなく、このことはカービィに任せてはいけない気がして、俺はその声を探すことにした。

 

 なんだか、ものすごく久しぶりにこいつを触ることになる。

 

 …虹の剣を背中に構えて、俺は家を出た。

 

 

   ⭐︎

 

 

 家を出てすぐ、後ろから声がした。

 

 「ダークマター…そんな物騒なものを持って何をするするつもりだ」

 

 …メタナイトだ。

 

 ポップスター随一の剣士で、カービィのライバルの筆頭。

 

 「…どこからか、声が聞こえた。……そらからだ。これは…ダークマター族の問題だ」

 

「そうか。…実は私も、一つ気になる声を聞いた。だが今はこれを詳しく調べようと思う。何か協力できそうなら、セイントスクエアーズに来てくれ」

 

「…頭に入れておこう」

 

 そしてメタナイトはどこかに去っていった。

 

 …メタナイトにしては、やけに社交的だった。彼も声を聞いたと言っていたが、まさか…?

 

 そんなことを考えながら歩いていると、いつのまにやら森の中に迷い込んでいた。

 

 …なにやら、黒い気配を感じる。

 

 気配を辿って少し開けた方へ進むと、ウィスピーウッズがいた。

 

 昔からこの森に住まう、いわば森の番人。

 

 …だが、さっきの黒い気配はこのウィスピーから感じる…。

 

 「ウィスピーウッズ、どうやら森の様子がおかしい。キミは大丈夫か」

 

「…ャマ……」

 

「…?」

 

 声をかけるも、うわ言のようなつぶやきが聞こえるだけだ。

 

 もう少し近づこうと、距離を縮めた時。

 

 「ジャマ…ジャマジャマァァァ!!」

 

 突然ウィスピーが叫びだし、目の色を変えて襲いかかってきた!

 

 …体中から黒紫色のオーラが見える。

 

 やはり同族が何かしら関係しているのか…?

 

 「すまない、ウィスピー。キミに罪はないだろうが、プププランドの平和は守る」

 

 俺は虹の剣を構え、ウィスピーのリンゴ攻撃や空気弾攻撃を避けて近接攻撃をしかける。

 

 …まあウィスピーはもともと好戦的な性格ではないし、戦う術も限られている。

 

 何より俺の虹の剣は対ダークマター兵器。

 

 ウィスピーを鎮めるには攻撃を数発当てればすぐに終わる。

 

 「一閃…!」

 

 

 「……あ、あぁ…ダークマター…何の用だい…?」

 

「いや…ウィスピー、キミ、そこの黒いハートに見覚えは?」

 

「…ん…?…そこに落ちてるハートのことかい?」

 

「それはさっき、荒ぶるキミを鎮めたときにキミの体から出てきた。おそらくキミが暴れていた理由がコレだろう」

 

「……数日前、一瞬だけそれを見た気がするよ。そこからの記憶がないんだ」

 

 …やはりか。

 

 「…わかった。俺はこの黒いハートの謎を突き止めなきゃいけない」

 

「どうしてだい?カービィに任せておけば」

 

「おそらくこれは、俺たち、ダークマター族の問題だ」

 

「なるほど、そうなのかい」

 

 と、黒いハートが突然動き出し…虹の剣に吸い込まれていった。

 

 「虹の剣…?」

 

「おおー、その剣、黒いのを吸い取ってくれるみたいだね」

 

 …気のせいだろうか、少し虹の剣の輝きが薄れてきたような…?

 

 「……まあいい。…しかし手がかりに欠けるな、このままポップスター中を回るのは非効率だ」

 

「役に立つかはわからないけど、今プププランドに珍しいお客さんが来てるらしいよ。エフィ……エフィリス…?だったかな」

 

 …珍しい客…カービィの知り合いだろうか。

 

 「わかった、ありがとう……ではな」

 

「今度は何でもない時に遊びに来てね〜」

 

 まったく…あれがかつての侵略者に対する対応か…。

 

 もっとも、そんな空気だから俺も居着いてしまったのだが…。

 

 

   ⭐︎

 

 

 プププランド。

 

 カービィの家まで来たが、どうやらカービィは留守にしているようだ。

 

 「あれ…キミは…」

 

 後ろから声がした。

 

 振り返ると、緑色の…なんだこれ、ハート型のような、片耳が欠けた生きモノがいた。

 

 「誰だ…見ない顔だな…」

 

「ごごご、ごめんなさい!」

 

 …やってしまった。つい威圧的な態度を…。

 

 「すまない、怯えさせる意図はなかった。お前はカービィの知り合いか?」

 

「…カービィを知っているのかい!?…あ、ボクはエフィリン!よろしくね!」

 

「俺は剣士ダークマター…お前は…」

 

「ダークマター…くんって言うんだね。ワドルディのまちも快適だけど、この町も素敵なところだね!…それで、カービィに用があったの?」

 

「いや…エフィリス、キミに用がある」

 

「え、ボクに?…あー、あと、ボクの名前はエフィリン……うーん、まあどっちでもいっか!」

 

「……キミは、ダークマターと呼ばれる種族について詳しく知らないか」

 

「ダークマター?うーん……」

 

「なんでもいい、俺は自分の種族についてもっと調べなくてはならない」

 

「……あっ、ちょっと待って……何か思い出せそう…」

 

「本当か」

 

 必死に考え込むエフィリン。

 

 少しして、エフィリンは呟いた。

 

 「ハルカン…ドラ」

 

「なに?」

 

「ハルカンドラ…エッガー…」

 

 そこまで呟いて、エフィリンは大きく深呼吸した。

 

 「…ボクに思い出せるのはここまでかも。ごめんね…役に立てたかな?」

 

「ハルカンドラ…ハルカンドラ……何故だろう、その響きに何かを感じる」

 

「正確にはボクの記憶じゃないから、ボクがお手伝いできるのはここまでかな…ゴメンね」

 

「いや、十分だ。ありがとう」

 

「よかった!それじゃあボク、カービィに…あれ?家にはいないのかい?」

 

「あぁ、俺がここに来た時から留守だったが…」

 

「ふーん…珍しいな、どこいっちゃったんだろう…まあ、そのうち帰ってくるよね。カービィだもん」

 

「そう、かもな」

 

「…そういえばダークマター…くんは、カービィのともだち?」

 

 少し考えて、答える。

 

 「あぁ、ともだち、だ」

 

 

   ⭐︎

 

 

 ハルカンドラ。

 

 ハルカンドラ、ハルカンドラ…。

 

 何故だ、この名前が頭から離れない。

 

 そういえば、かつてメタナイトは冒険の途中、ハルカンドラという土地に寄ったことがあると言っていた。

 

 ということでメタナイトの住むセイントスクエアーズにやってきたのだが…。

 

 「黒い気配」を感じる。ウィスピーの森の時と同じだ。

 

 「メタナイト、いるか」

 

 声を出してみたが、反応はない。

 

 奥に進むと…。

 

 「来たな!カービィ!今日こそ決着をつけてやる、来い!」

 

 文字通り「目の色を変えた」メタナイトが襲いかかってきたのだった……!

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