Parallel Star Arise   作:小鳥遊銅拍子

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第二話 騎士道と浮遊大陸の心のカゲ

 「メタナイト!正気に戻れ、俺はダークマターだ!」

 

「カービィ…カービィィィ……」

 

 完全に正気を失い、全力で剣を振り回すメタナイト。

 

 そこに騎士道や剣士としての矜持は既になく、宿敵への敵対心があるのみだ。

 

 …今は鎮めるしかないが、狂っていても相手はプププランド随一の剣士…。

 

 「ハァァッ!!」

 

「ハッッ!!」

 

 黒紫に染まったギャラクシアと、輝きが欠けた虹の剣がぶつかり合う。

 

 …やはり、虹の剣のキレが悪くなっている。なんだか…重い。

 

 メタナイトはこのセイントスクエアーズを飛び回り、剣からの波動を飛ばしてくる。

 

 ……反射を狙うべきか。

 

 そう、あれは俺がカービィに負けた理由の一つ…。

 

 虹の剣には反射能力がある。

 

 まずはなんとか近距離戦をいなし…。

 

 メタナイトは空に飛び上がり、風を起こして大量の岩を浮かせ、降らせてきた。

 

 …そこだ!

 

 降ってくる岩に合わせ、反射斬りが決まった。

 

 「アァッ!」

 

 渾身の大技を全て反射されたメタナイトは流石に効いたようで、ついに体から例の黒いハートが飛び出した。

 

 「…メタナイト、わかるか」

 

「ダークマター…?……これは…」

 

「そこの黒いハートの影響だろう。それからは俺たちダークマターと同じものを感じる」

 

「…私は…。……フッ、なるほど…見苦しいところを見せたか?」

 

「記憶があるのか」

 

「いや、無い。だが……うむ、やめておこう」

 

「どういうことだ?」

 

 そんなやりとりの中、またも虹の剣は黒いハートを吸収し、より剣は黒ずんだ。

 

 「そんなことより、君がここにきた理由を聞こう」

 

「あぁ。メタナイト、キミは…ハルカンドラについて何か知っていることはあるか?」

 

「ハルカンドラ…。かつて少しだけ訪れたことがある」

 

「詳しく聞きたいのだが」

 

「それは構わないが…あの場所にはもう行けない。行けないし、もはや何も残されていないような気もする。あの地は、一言で言うなら廃墟だ」

 

「『声』の手がかりにはならなさそうか…」

 

 二人で頭を抱える。

 

 しばらく沈黙が続いた後、二人の横に何かが凄い勢いで落ちてきた。

 

 ドォン…!

 

 「何事だ!」

 

「これは…?」

 

 何やら丸い…岩のようなものが降ってきた。それも、幾つも。

 

 やれやれ、また岩の雨か…。

 

 「何だこれは…メタナイト、知っているか」

 

「これは…いや、わからない。どこかで見たことがあるような…」

 

 その時、上から声がした。

 

 「ちょっと待ってほしいのね〜!!!あーれー!!!」

 

 岩に次いで、今度は蜘蛛のような青年が降ってきた…。

 

   ⭐︎

 

 「失礼したのね。ワタシはタランザというのね、浮遊大陸、フロラルドで調べ物をしているのだけど……」

 

「フロラルド…とは、何だ」

 

「えぇ?フロラルドをご存じないのね?」

 

「浮遊大陸フロラルド…だろう。私も訪ねたことはないが、話には聞いたことがある」

 

「その通りなのね。ワタシはそのフロラルドの偉〜い人なのね」

 

「…それで、お前は何故空から降ってきた」

 

「…あぁ、それは失礼。そこのガラーガをうっかりフロラルドから落としちゃってねぇ」

 

「ガラーガ?」

 

「トグ・ロ・ガラーガという名の蛇ね。ワイルドワールドで調べ物中に……」

 

「蛇なんてどこにもいないだろう」

 

「いやいや、この岩を…全部繋げると、蛇になるのね」

 

 そう言って岩を六つの手でなんとか抱えるも、持ちきれずにこちらを見つめてきた。

 

 「そ、その……ちょっと手伝ったりしてくれないかなぁ…?」

 

 思わず顔を見合わせる我々。

 

 「…タダ働きか?」

 

「私たちも暇ではない」

 

「うーん…そうねぇ……あ!だったら、フロラルドにご招待して、秘蔵のオタカラも見せてあげるのね!」

 

「オタカラ…」

 

「待て、マター。あまりに胡散臭いというか」

 

「メタナイト。情けは人の為ならず、だ」

 

「…仮にも元侵略者とは思えない物言いだな…まあ仕方ない、付き合ってやろう」

 

 我々は石を抱えて、タランザに連れられ浮遊大陸へと向かった。

 

   ⭐︎

 

 フロラルド。

 

 「はーい、剣士二名様ご招待なのねー!」

 

「それで、オタカラ、というのは…」

 

「まあまあ、そう焦らないのね。まずはこちら、オールドオデッセイからの絶景なのね!」

 

「…なんなんだ、この茶番は…」

 

 しばらくフロラルド観光に付き合った。

 

 

 しばらくワールドツリーを登り、いよいよ頂上らしき城に辿り着いた。

 

 「そして最後に、ここ、ロイヤルロードなのね!」

 

「オタカラは…」

 

「もちろんここにあるのね」

 

「何だか嫌な予感がするのだが…」

 

 ブツブツと呟くメタナイトは放っておき、タランザについていった先には…宝物庫のような場所に出た。

 

 「さあ、これがオタカラなのね。ディメンション・ミラー!」

 

 そう言って灯りをつけたタランザ。

 

 そこには金色の大きな鏡があった…が。

 

 「これは…酷く割れていないか」

 

「う…そ、それは…」

 

「こっ…この鏡は…!」

 

「…どうした、メタナイト」

 

「何故お前たちがこの鏡を…」

 

「な、なんでもいいのね!はい!とにかくこの鏡がオタカラ!キレイだねぇ」

 

 なんとなく気になって鏡を覗き込む。

 

 「待て、マター!そいつは…」

 

「なんだ?割れてはいるが、美しい鏡だ」

 

「そ、そうなのね!これ、復元するの頑張ったのね…」

 

「いいから離れるんだ!その鏡は危険だ!」

 

 メタナイトが何やら叫んでいたのでもう一度よく鏡を見てみると、何やら自分の姿が歪み始めた。

 

 「…これは…」

 

「その鏡は写したものの心の闇を増幅させる!私は昔、その鏡に苦渋を飲まされた…何か、来るぞ!」

 

 そして鏡から現れたのは紅く紅く大きい、目玉の球体……。

 

 「これは…ダーク……マインド…」

 

「DX版なのねぇ!?」

 

 ダークマインドDXだった…!!




著者はタランザが好きなのね。
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