【ダークマインドDX】
かつて鏡の大迷宮を襲った恐るべき支配者。
マスターソードにてカービィたちに敗れるも、長い時を経てダークマターのカゲとして復活を果たす。
物体と精神…どちらに勝機は傾くのか?
「こいつは…」
「ダークマインド…その強化版と言ったところか…フッ……かつてカービィが4人がかりでようやく倒した…そんなバケモノだ」
「下界の勇者が4人!?そ、そんなの勝てるわけがないのね…!?」
「…だがここには3人いる。それほど絶望的な対面でも無いはずだ」
「どうやら御宅を並べている暇はなさそうだ、来るぞ!」
「…え?それボクも入ってんの!?」
ダークマインドは小さな鏡を飛ばしてきたり、純粋な体当たりをしかけてくる。
「クッ…虹の剣の輝きが……」
虹の剣はウィスピーやメタナイトの黒いハートを吸収し、すっかり輝きを失っていた。
「重い…体が、思うように……ッ!」
「マター!そいつ、マインドはお前を狙ってる!なんとか私とタランザで攻撃を仕掛ける、時間を稼いでくれ!」
「むむむ無茶言わないでほしいのね!?」
「……わかった、そちらは任せるぞ」
…とは言ったものの、なかなか苦しい立ち回りを強いられているのも事実。
せめて虹の剣が輝きを取り戻してくれれば…と、悔やんでも仕方はないのだが。
「ダークマインド…というらしいな。お前の目的はなんだ。侵略か?支配か?破壊か?」
「…………」
返答はなく、攻撃の手は休まらない。
攻撃をかわしつつ、語り続ける。
「俺は最初、友好のために侵略行為をはたらいた。おかしな話だが、そうするより他はなかったのだ」
「…………」
「だから俺は、お前が誰で、どのような目的で今我々と敵対していようとも、お前のことを軽蔑することはない。戦う他に道がないと思い込んでいるのなら、存分に戦おう…!」
「行くぞ、今だタランザ!」
「ええぃ、こうなりゃヤケなのね!!」
「「「どおおりゃぁあ!!!」」」
メタナイトのアッパーキャリバー、タランザのスーパーバースト、そして俺の渾身の振り下ろしがヒットした。
「……流石は、あのカービィ4人がかりが必要というだけある…ということか」
だが……。
ダークマインドDXは、まったく倒れてなどいなかった。
「あれほどの攻撃を受け、尚これか…」
「わわワタシはもう…」
少し消耗した我々の隙をマインドが見逃すはずもなく…。
マインドは、一枚の大きな鏡を創り出した。
「なんだ…あれは」
「まずいな…!」
「もしかしてぇ…!?」
マインドの鏡が眩く光り、地獄のような攻撃が辺りに降り注いだ……。
「……これは…」
「どうやら、私たちの攻撃を何倍にもしてはね返された…ようだ」
「こんなの聞いてないのねー!!」
宝物庫がガラガラと崩れ去ってなお、ダークマインドDXは当然のように破壊行為を続けていた。
…どうやら、先のマインドの攻撃によってディメンションミラーが完全に割れてしまったようだ。
「オタカラが…」
「木っ端微塵、だな……」
「…お前えぇぇっ!!」
突如、タランザが顔色を変えて起こり出した。
「その鏡は…その鏡はボクがセクトニア様のために必死で探して、必死でプレゼントしたものなのねっ!!」
「タランザ……」
「今となっては、セクトニア様の大切な大切な思い出の一つなのね!!それを意味もなく壊すなんて、許せないのね!!!」
「……いい叫びだな。…だが、何か切り返し手段が無ければジリ貧というやつだ。タランザ、何か打つ手は無いか」
「…ひとつだけ、あるのね。二人とも、ボクを信じてくれるね?」
「どのみち、他に手段はない。私はそれに賭けよう」
「あぁ。任せたぞ」
そしてタランザは、紫に光る蜘蛛の糸のようなもので俺の体を包み…。
「メタナイト!その剣を貸して欲しいのね!」
「承知した。我が化身ギャラクシア、一時的にお前たちに託す!」
宝剣ギャラクシアを受け取り、そのままタランザの糸に身を任せていると…。
自分の体とギャラクシアが、黄金に輝き出した…!
「これは…この力は……」
「これが三位一体の力!『マスター剣士ダークマター・リベンジ』なのね!」
「行けるぞ!今その剣は『マスターソード』だ!マインドを目玉から切り裂け!!」
「これで決める…マスター!斬!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ……。
ダークマインドDXは、マスターソードの光によって、夢散した…。
⭐︎
タランザの糸が切れて、謎の力は消え、マスターソードはギャラクシアへと戻った。
「あんな技が使えるのなら、最初から使うべきだっただろう」
「あんな命削る技、最後の最後まで使いたくないのね!もう二度とこんなことはごめんなのね!」
「まあ、結果オーライということにしよう。……だが、この鏡は再び復元しようものならまた同じことが起こる危険が」
「……封印、しようと思うのね」
「タランザ……」
「…辛いけれど、この鏡は災いを呼ぶことがしっかり証明されてしまったのね」
「……」
「きっとこれは、セクトニア様から、前に進めって、そう言われてるのね…。きっと。ボクもいつまでも執着し続けてるわけにもいかないのね…」
「…俺は、タランザ、キミに何があったのかは詳しく知らない。だが共に戦った友として、これからもともだちでいることはできると、そう思った」
「ダークマター…」
「そうだな、私も…今追っている件がひと段落ついたら、再びこの浮遊大陸を訪ねることにしよう。その時は…もっと詳しく、この地を案内してくれ」
「メタナイト…二人とも、ありがとうなのね……本当にありがとうなのね…!!」
どうやら、なんとか丸くおさまったようだ。
「それじゃあボクは、この鏡を封印してくるのね…!……あ、そうだ……キミたちに、渡したいモノがあるのね…!」
「渡したいもの?」
そういうとタランザは、どこからか小瓶を取り出し、渡した。
「これは、このフロラルドにだけ自生する『きせきの実』のタネ、なのね。…ともだちの証、なのね!」
「ともだちの証、か…」
「なかなか洒落たことをするんだな」
「へへへ……あ、プププランドへは、ワールドツリーを道なりに降って行けば着くのね……それじゃあ、またねっ!」
そしてタランザは照れたように笑って、そう言ってワールドツリーの上へと登っていった。
「あぁ。また会おう」
「今度は平和に会いたいな」
「全くだ」
⭐︎
「マター、その虹の剣、輝きを取り戻してないか?」
メタナイトに言われ、虹の剣を確かめるが…。
「本当だ。マスターソードの輝きを分けてもらったのだろうか」
「まあ理由はともかく、これでまた存分に戦えるな」
「あぁ…。……ん?あれは…?」
ワールドツリーから、空を飛ぶ謎の乗り物を見つけた。
「船…か?」
「あれは…まさか……!」
メタナイトは目を見開いて、船に向かって飛び始めた。
「メタナイト、あの船はいったい何だ」
メタナイトは答えた。
「天翔ける船、ローアだ」
TDX回でした。どうしてもマターとメタナイトだと会話に緩急をつけづらいのでタランザのようなキャラクターは貴重ですね。
このお話の中では、タランザは前に進めたようで良かったです。
それでは次回、Wii編にてお会いしましょう!