Parallel Star Arise   作:小鳥遊銅拍子

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【決戦艦ハルバード・スーパーレインボーモード】
 トラウマを乗り越えたプレズスージーが時空転移プログラムを起動させ、戦艦ハルバードを召喚。虹の剣の輝きも借りて、無敵となった戦艦。
 煌めく3人の力が、暴れ狂う骸を止められる確率は…!?


第二章 黒きハート信ずる者たち
第八話 氷華の三魔官/色褪せたカゲ


 「まもなく着陸体勢に入る。注意しろ」

 

 ハルバードは謎の要塞に到着した。

 

 「…さてしかし、どうしたものか」

 

「ひとまず、進んでみよう。話ができそうな相手がいればいいのだが」

 

   ⭐︎

 

 「……静かだ」

 

「あぁ…かえって不気味だな」

 

 要塞内を歩くが、誰の姿も見えない。

 

 「……なんだろうな、あの扉は」

 

「…青い炎の蝋燭が灯されているが…」

 

 歩いていると、前方に青い扉が見えた。

 

 「入ってみようか」

 

「そうだな、誰かいるかもしれない」

 

 我々は扉を開けて、中に入った。

 

   ⭐︎

 

 「……これは…」

 

「酷いな…」

 

 扉の先の部屋は、何かに切り付けられたような跡が数多く、全体的に部屋はボロボロだった。

 

 「何故こんな…?」

 

「…この跡…明らかに剣によるものだな…。それも、私のギャラクシアに近い……」

 

 訝しげに部屋の中を探索するメタナイト。

 

 「…なんだ、これは…?」

 

 メタナイトが何かを発見した。

 

 「どうかしたか」

 

「この穴……これは一体…」

 

 そして部屋の隅に、青く丸い、どこかに通じていそうな穴を見つけた。

 

 「…この先はどうなっているのだろうか」

 

「私もそれは考えたが…飛び込むのは危険ではないか」

 

「それはそうだが…他に道はなさそうだ、この部屋の奥にもう一つ扉こそあったが、魔力によるロックがかかっていた」

 

「…ふむ……。…仕方ないか、では飛び込んでみよう」

 

「あぁ。誰かいるといいのだが」

 

 そして我々は穴に飛び込んだ…。

 

   ⭐︎

 

 目の前が真っ白になるほどの光を抜け、眼前に広がっていたのは…。

 

 一面灰色の闘技場のような場所だった。

 

 「なんだ…ここは」

 

「ここは…!まさか……!?」

 

「どうした、メタナイト」

 

「フロラルドにディメンションミラーがあったな。あれは鏡の国へ繋がる入り口でもあるのだが……」

 

「まさかその鏡の国とやらが…」

 

「まさしく、ここだ…。ここはカービィと、『ヤツ』が決戦を行なった場にあまりに酷似している…」

 

 そう、何故か要塞にあったワープホールらしき穴は、鏡の国の最深部に繋がっていたというのだ。

 

 「ヤツ…とは、誰のことだ」

 

「…それは…」

 

 その時。

 

 「…そこに、誰かいるんですか?」

 

 いきなり後ろから声をかけられた。

 

 「誰だ?」

 

 瓦礫の向こうから、大きな斧を持った青髪の女性が現れた。

 

 「…ヒッ!」

 

 女性は、何故かひどく驚いている。

 

 「…あの、大丈夫か?」

 

 メタナイトが声をかけると、やっと落ち着いたようで話しをはじめた。

 

 「……失礼。…ジャマハローア、ワタクシは、暗黒要塞ジャマハルダを指揮する『三魔官』がひとり…フラン・キッスと申しますわ」

 

「…ジャマハルダ?」

 

「三魔官だ…?」

 

「…えっと、実は今はそれを説明しているどころではなく…」

 

 …たしかによく見てみると、身なりはボロボロだし、声にも力がない。…初対面のためよくわからないが、かなり追い詰められていそうな印象すら受ける。

 

 「…あぁ、俺は剣士ダークマター。こっちは」

 

「メタナイトだ。質問したいのだが、何故あの要塞内に鏡の国に繋がる穴があったんだ?」

 

「…鏡の国…?…いえ、実はワタクシもここがどこかわかっておらず困っていまして…」

 

「どういうことだ…?」

 

「…ある日、突如要塞内に一つの穴が開きました。そしてその穴からは、一人の悪しき剣士が飛び出てきたのです、丁度…そちらのメタナイトさんのような…」

 

 視線を送ると、メタナイトは目を細めて言った。

 

 「そいつは十中八九、ダークメタナイトだろう。理由はわからないが、ここ鏡の国とあの要塞…ジャマハルダと言ったか。その二点を繋ぐワープホールが生まれてしまい、ダークメタナイトがジャマハルダに現れた、と」

 

「えぇ、おそらく…?」

 

「それで、どうしてあんたはここにいるんだ」

 

「…要塞内で暴れ回ったダークメタナイトは、我々の軍を容易く蹂躙し、そして我々が大切に集めていた『ジャマハート』を根こそぎ奪っていってしまったのですわ…ですからワタクシは、ジャマハートを取り戻すべく単身、ここに乗り込んだのですが…」

 

「…敵わず途方に暮れていた…といったところか?」

 

「…情けない話ですわ」

 

 そこまで聞いて、俺は一つ疑問点を伝える。

 

 「…さっき、自分のことを『三魔官』と言ったな。だとするならば、あと二人はどこにいるのだ」

 

 キッスは答えた。

 

 「…一人は少し前から行方不明、もう一人は……つい先日、遠くの惑星に現れた謎の怪物と戦ってるらしい、ですわ…」

 

 助けは期待できそうにない、か…。

 

 何やら辺りを見回していたメタナイトが口を開いた。

 

 「…ん…?ここに来る時通ったあのホールは…」

 

「そのホールはどうやら一方通行みたいですわ。…何にしても、あのダークメタナイトとやらを倒さないと…」

 

「…我々も、迂闊だったな」

 

「あぁ…だが、私のカゲを無視することもできん。ヤツは何故復活した…?」

 

「…ワタクシもアナタがたも、目的は同じはずですわ。…一緒に戦ってほしい…ですわ」

 

「あぁ、もちろんだ」

 

「今度こそ、私たちの手で決着をつけてやる!」

 

  ⭐︎

 

 「いましたわ…!」

 

 キッスが指差した先には…。

 

 仮面が傷だらけの、黒いメタナイトがいた。

 

 「あれが…ダークメタナイト」

 

「あぁ…。……行くぞ!」

 

 「…………」

 

 ダークメタナイトとの戦いが始まった!!

 

 虹の剣、ギャラクシアの横で、フラン・キッスは斧に氷を付与させて振り回す。

 

 「豪快だな」

 

「ふふ……氷漬けにさせてあげますわ!」

 

「頼もしいな…っ!」

 

 出だしこそ好調に思われたが……。

 

   ⭐︎

 

 …強い……と言うより、なんだ、あの体力は…。

 

 戦闘開始から数時間が経つと言うのに、全く相手の体力の低下を感じない。

 

 「くっ……一時、引くぞ!」

 

「ワタクシも、そろそろ体力が…」

 

「……いや、待て!…おそらくこいつには…もはや、自我がない…!」

 

「なに…?」

 

「さっきから、全く感情や意志の力を感じない…!剣筋や戦闘スタイルこそ私の模倣だが、剣士としての矜持を、こいつからは感じない!」

 

「…つまり、体力の概念すらないということか…?」

 

「あぁ。言ってしまえばこいつは、ハリボテの模造品だ…!」

 

「ですが…そうだとしたら倒す手段はあるのかしら…」

 

「…問題はそこだ…。何か、一撃でこいつの存在ごと打ち砕けるような…」

 

 その時だった。

 

 フロラルドでタランザより受け取った、「きせきの実のタネ」が光り輝き出した!

 

 「なっ…!これは…」

 

「その光は…!?」

 

 タネから放たれた光は、キッスの斧へと向かった。

 

 「…ワタクシの、オノが…!?」

 

「…間違いない、そのパワー…デデデ大王のハンマーと同じだ!」

 

「その斧を振り下ろせ、フラン・キッス!!」

 

「いきますわ、えーいっ!!!!!」

 

 全力で振り下ろされたフラン・キッスの斧は、ダークメタナイトの脳天に直撃し、そして…。

 

 バリンッ!!!

 

 粉々に砕け散った…!

 

   ⭐︎

 

 「ハァ…ハァ……」

 

「素晴らしい一撃だった」

 

「感謝する。よく決めてくれた」

 

「こちらこそ…ですわ。…ん?アレは…」

 

 フラン・キッスの目線の先に、大量の黒いハートと……色を失ったモノクロのディメンションミラーがあった。

 

 「あの黒いハートは…!」

 

「あれがジャマハートですわ。ワタクシたちは銀河に散らばったハートを集めて…」

 

「…なんだ、このディメンションミラーは…」

 

 …なんだか情報が渋滞してきた。

 

 「あのハートは…俺の虹の剣が吸収してしまう…」

 

 俺が言ったそばから、黒いハート…ジャマハートは俺の側に寄ってきた。

 

 「させませんわ!」

 

 そう言ってフラン・キッスは、ジャマハートを全て抱え、こう言った。

 

 「はやくこんなところから出ましょう、ワタクシは早く戻ってやるべきことが…」

 

「あの鏡から戻れるのか」

 

「おそらく、な。…まずは、戻ろう」

 

 そうして我々は、ディメンションミラーを潜った。

 

   ⭐︎

 

 ジャマハルダ。

 

 「戻ってこれた…のか」

 

「ようやく帰ってこられましたわ…!」

 

 ふと後ろを振り返ると、メタナイトがミラーを見つめていた。

 

 「こんな偽りのディメンションミラーは…壊してしまおう」

 

「メタナイト…?」

 

「あんな灰色の世界は、ここで壊すべきだ」

 

 少し荒くなっているメタナイト。

 

 「…あの、これはジャマハルダで責任を持って処分致しますわ」

 

 そう言うフラン・キッス。

 

 「だが……」

 

「ワタクシたちも、その鏡の世界によって酷い目に遭いましたわ。…信じてくれないかしら」

 

「……わかった、後は任せた」

 

 「それと…もう一つだけ…」

 

「…なんだ?」

 

「ルージュちゃんを…行方不明中のもう一人の三魔官を見つけてくれないかしら…」

 

「……そう言われてもな…」

 

「ルージュちゃんは惑星エッガーズ訪問を最後に消えてしまった…ワタクシの親友を、助けてくれないかしら…ワタクシはこの要塞を整えなくちゃならないし…」

 

 こいつのともだち、か…。

 

 「…メタナイト、行こう」

 

「…しかし…」

 

「キッスも、共に戦った戦友、だ」

 

「…それもそう、か」

 

「…ありがとう…!」

 

 暗黒要塞・ジャマハルダと、三魔官…。

 

 なんとなくだが、あの銀河の果てからの声に…近づいてきている、そんな気が、した…。

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