人とは何ぞや   作:オオタ キム

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19. 集結

 「それで瞬、今日は当然()()()の立場として

来たんだろ?」

 カノンさんが天宮に話しかけると、天宮が頷く。

 「詳しくはジュリアン達が来たら詳しくお話します。

 そのために露払いをお願いしましたし」

 ジュリアン様にすら敬称付けないのが何かもやもやする。

 思いっきり睨みつけてやった。

 「悪いけど、今は君とやり合う暇がとれないんだ。

 教練という形でなら、日を改めて海底か聖域なりの訓練所でやれるけど」

 涼しい顔で天宮は俺に言う。

 「これ以上仕事を増やすな」

 ラダマンティスさんに叱られてやがる、ざまあみろ。

 「貴様も誰これ構わず喧嘩売ろうとするな。

 瞬がああいう性格でなかったら、ミンチになってるぞ」

 カノンさん、本当に強いんですか。

 

 また二つ、大きな小宇宙。

 純粋に強い感じと、きれいで透明感のある感じ。

 その主は天宮と同い年ぐらいの奴と、金持ち風の美女だ。

 天宮が二人に小走りで駆け寄る。

 「沙織さん、ありがとうございます。

 星矢も付き添いで来たんだ」

 「よお瞬、昨日はお疲れさん。

 最近激務だろ、無理するなよ」

 「そうですよ瞬、苦も皆で分け合えば軽くなります」

 「はい、そう言って頂けるだけでもありがたいです」

 天宮の友達と上司でいいのか?

 

 沙織さんと呼ばれた美女がカノンさんの方を見ると、カノンさんがその集団に近づいていく。

 「カノン、瞬、あなた方に命じます」

 呼ばれた二人は美女の前に跪く。

 もう一人の奴はその美女の斜め後ろで守護するように立っている。

 美女はともかく、男三人はラフな格好なのに海外ファンタジードラマのワンシーンみたいだと見とれてしまう。

 そして気が付けば、天宮の小宇宙もカノンさんと同程度の大きさまで膨らんでいる。

 マジで強かったのか、スミマセン天宮さん。

 「ただ今から二人は聖闘士としてではなく、各々が守るべき立場で働きなさい」

 「はっ」

 二人が返事する。

 このやり取りからして、多分あそこにいたのが聖闘士かな。

 じゃあそれを遠目で見ているラダマンティスさんは何者なんだ?

 

 カノンさんが俺たち海闘士達の所に戻ってきた。

 「まずは電化製品の電源を落とせ。

 壊れて困るものは封印箱に片づけるように」

 指示通り、俺や周りの人達は慌ててスマホを自分のロッカー内にある封印箱に移動させにいった。

 「よし、皆片づけたな。

 ジュリアン様はもうすぐこちらに来られる。

 その後に起こる事は他言無用だ」

 厳しい顔で俺たちに釘を差した。

 天宮さんもラダマンティスの所に戻る。

 お嬢様の所も何やら話し込んでるようだ。

 

 指定された17時から15分ほど過ぎた頃、ジュリアン様がテティスさんと共に現れた。

 「皆、待たせて済まない」とジュリアン様。

 「鼠を追い出す時間が出来ましたので、むしろ好都合でした」

 カノンさんがそう伝える。

 

 何か覚悟を決めた顔で天宮さんがジュリアン様を見た。

 「ではジュリアン、よろしくお願いします」

 ジュリアン様にそう言うとジュリアン様は頷き、揃ってポセイドン神殿への階段を上り始める。

 一瞬そちら方面が光った瞬間、階段を上る二人と、見守っている美女から発する強大で神々しい小宇宙。

 多分天宮さんは小宇宙の質そのものもさっきと違う気がする。

 そして衣装も二人は変わっているじゃないか。

 ジュリアン様は入社の時と青白いローブ。

 天宮さんの方は吸い込まれるような漆黒のローブ。

 二人に目が釘付けになってしまい、後ろを振り向けないが、あの美女も多分服装が変わっているだろうな。

 という事は、神様レベルが三人もいる??!

 頭がくらくらしてきた。

 

 「今から冥王としてこの場を地上から隠します」

 頭に響くその声は、さきほどの天宮さんと同じはずなのに何者も逆らえない威厳を感じる。

 神の瞳をしたジュリアン様が手にしている鉾に、同じく目の色が変わった天宮さんも握る。

 鉾先から青と黒が交じわったような光が上の海に向かって伸びると、一気に海全体へと広がる。

 天宮さん、いや冥王がもう片方の腕を前に伸ばす。

 その近くに楕円形の黒い鏡のようなものが出現した。

 吸い込まれるような碧い瞳の冥王の声が続く。

 「冥府の降りてきた魂があなた方にどうしても報告があるとの事なので、特別に仲介役を引き受けます」

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