人とは何ぞや   作:オオタ キム

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3. の続き
 あの技が身につくのか?


4. その男 研修生

 「もしもし母さん、この前に言ってた会社に決めたよ」

 テティスさんにテレポートで学校前まで送ってもらったあと、寮に戻るとすぐ電話を入れた。

 女手一人で育ててくれた俺が独り立ちするのだ、早く連絡を入れたかった。

 「そうさね、それは良かったわ。で、どんな所なんさね」

 「俺もよくはわからないんだけど、先輩たちは良さそうな人だと思った」

 といっても、喋ったのは二人だけ、あとは俺より弱そうな感じの人が沢山いたが、きっと彼らも普通よりは強いんだろうな。

 「…ま、まだ若いけど無理はせんようにね、それじゃ明日も仕事だから休むわ、おやすみ」

 そう言って電話は切れた。

 俺も明日から研修生として週末通うように言われたのだ。

 ちなみに給料も出るらしい。

 なので早めに寝なくては。

 

 翌日、またテティスさんと待ち合わせた。

 今日はスポーティな格好だが、そちらもかわいい。

 テレポートで移動した後、今日は色々な説明をするとの事だった。

 「この場所は君が想像してる通り、海底よ。ただ、海中水族館みたいに建造物で海から地底の空間を切り離している訳ではないけど」

 「じゃあ、どのように…?」

 「それはポセイドン様の結界によるものよ」

 何? いきなり結界だのギリシャ神話の神の名前が出てくるだの、ファンタジーな雰囲気なのか?

 テレポートがありえる時点で、超能力も存在するし、色々常識を変えなきゃなのか、俺。

 

 テティスさんから聞いた仕事内容はなかなかハードなようだ。

 毎日どこかしらで事故は起こり、小さな漁船の転覆も見つけて救ったりするようだ。

 世界最大の海運業者はやはり、何らかの監視システムを持っているんだろう。

 でも、ありがとうと言われるときは毎回気持ちが良いものよ、とにこやかい言うテティスさんの顔もきれいだ。

 

 「ジュリアン様、今日はこちらにおいでなさったのですか?」

 人影に気づくと、テティスさんが恭しく跪く。

 この人は資料で見た。確かソロ海運の若きCEO、って大ボスじゃないか。

 慌てて俺も跪く。

 「初めまして、ジュリアン様。私は東海洋です。今日から研修に入らせて頂きました」

 「ああ、テティスから聞いてるよ。是非正式な仲間になってくれると嬉しい」

 圧倒的大物感のこのオーラはなんだ、立ち去った後も立ち上がれなかった。

 

 「大丈夫? ジュリアン様に圧倒されたのね。」

 手を取って立ち上がらせてくれた。

 「会社の経営者としても、神としても王の風格が漂っておられるもの」

 神とか言ったけど、宗教的な会社なら辞退した方がいいのか?

 「ジュリアン様は基本的に業務の合間に来られるから、なかなか君とは会えないけど、いざというときは直接指揮に入られるのを覚えておいて頂戴」

 「ジュリアン様も、強いんですか」

 「それは今は言わないけど、いずれ分かるわ」

 とても気になる言い方だ。

 

 カノンさんとその後合流した。

 上司候補の人を紹介してくれるらしい。

 「今日は海将軍(ジェネラル)が全員集まっているから、紹介しておく」

 ジェネラルとか軍隊用語が出てきた、やはりPMSCっぽい。

 「片目がつぶれている男がアイザック。北氷洋を担当している」

 「インド人がクリシュナ。インド洋を担当」

 「目つきが悪い男がバイアン、北太平洋を担当」

 「あのチリ人がイオ、南太平洋を担当」

 「姿勢が悪い男がカーサ、南氷洋を担当」

 「優男風なのがソレント。南大西洋を担当」

 各々が会釈してくれたり、見定めるように俺を見てきたりしている。

 全員からテティスさん以上の力を感じる。

 かなり強そうだ。

 「そして俺がカノン、北大西洋を担当している」

 

 

 「君、学んでもないのに小宇宙(コスモ)を燃やせるなんて、教えがいがあるな」

 アイザックと紹介された人が俺に話しかけてきた。

 「俺はバイアンの下についてもらおうと思うんだがな、日本出身だから北太平洋はちょうど良いだろうし」

 とカノンさん。

 それを聞いたバイアンさんが手を挙げて、よろしくというように手を振ってくれた。

 「やはり担当海域があるんですよね、家から近い方が」

 「まずは今日中にテレポートを身に着けてもらう。何、小宇宙の使い方次第だ。いつまでもテティスを煩わせるわけにはいかないからな。俺が直々に教えてやる」

 

 母さん、俺、超能力者になれるようです。

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