不死の吸血鬼と神喰いの狼   作:雲海月

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実地検証と温度差

 

 脚を砕かれ尾を断ち落とされたオウガテイルが、幾らかの砂煙と共に乾いた大地へと倒れ込む。コアの統合が緩み崩壊しながら流れ出る体液が、色も性状も異なるというのにまるで生物の血の様に見えた。

 〝普通の〟生命体であればまず間違いの無い致命傷。しかし、いっそ芸術的な程の緻密さでコアを外された傷では、アラガミにとってはまだ辛うじて再生が叶ってしまうものだ。――だからこそ、逃れる事は出来なかった。

 

 

 

「一応言われた感じでやってみたけど……これで大丈夫かな?」

「ああ、ありがとう」

 

 ぶん、とオウガテイルを裂いた兇器を一振りして後、半歩退いたユウに答え前に出る。『小型アラガミを活動停止させずに行動不能にして欲しい』等という無茶な要望を、きっちりと叶えてくれたその手腕は流石だ。弱点もコアの位置までも知り尽くした彼等の助力は、素直にありがたかった。

 そして……ここから先は、自分の出番だ。

 

「大丈夫と思うが、一応離れててくれ」

「……わかった。無理はしないようにね」

 

 どこか案じる様な視線を向けながら、それでも迷いなく離れて行く気配を背後に感じつつ、瀕死のオウガテイルにしっかりと向き直る。……遠くに切り飛ばされてしまった脚と尾は、コアの呼び掛けも虚しく戻る事無く霧散している。それでも尚諦めず、無機質な様でいてどこか生物じみた視線が真っ直ぐに向けられていた。意外な程に敵意が薄く感じるのは錯覚か、或いはこの身が受け継いだ、彼等の王足り得た印を認識しているからか。……これではまるで、捧げられた生贄に手を伸ばす邪神か何かにでもなった気分だ。

 

 それでも、業を背負い立つと決めた。手向けとさえ言えない身勝手だろうと、その力を継ぎ進む事を何度でも誓う。……最期まで、決して投げ出したりはしないと。

 

「――始める」

『了解した』

 

 倒れ伏すその傍ら、互いの爪牙が容易く届く距離で片膝を付いて右腕を軽く後ろへ引き絞る。それと並行して眼に力を込める事で、朧げながらコアの位置が把握出来た。――そして。

 

 

「許してくれとは言わない」

 

 

 橙色の光を宿す其処へ向けて手を突き込み、鷲掴む。血のように吹き上がる体液を無視し、僅かな抵抗を力で捩じ伏せ、引き千切る様にして引き摺り出す。――途端、ばづり、と掌から前腕を裂いた黒く硬質な触手を、溢れ出た赤が染め上げる。

 それは最後の抵抗。例え適合率を満たし資格を持つとしても、己より弱い個体に喰らわれる事を良しとしないバケモノの本能が、喰らい返して新しい器にせんと牙を剥く。それも、始めから分かっていた事だ。

 

「……」

 

 最早自分の力と呼べる程に使い慣れた、青い焔を呼び起こす。貫かれた左掌へ向けて肩から腕を這い進み、黒い触手を逆流する様にして握り込んだコアへと流し込む。――相手の情報を読み取り自分が適合すると同時に、相手を冒し此方へ適合させる。

 それはある意味、力を示す事で従属を強い、あるいは強きが弱きを喰らう古い獣の理であり。そして、世界へ還元されない力を溜め込み続ける不自然の極致だ。

 

「……、………」

 

 抵抗は、僅か数秒足らずで消えた。掌を貫き腕を這い上がって侵喰しようとしていた黒棘が、逆再生するかのようにコアへと戻って消える。それに合わせて、最後の仕上げとばかりに左手へと力を込めた。――直後、ばきりと何かが割れる感触と微かな音、そして手元を一刹那隠す程度の光と共にコアが砕け散った。

 

 

 ――ブラッドコード 【オウガ】 取得。

 

 

 身体のどこか奥深く、小さな血ではあるけれど。……確かに一つ、新しい力が宿ったのを感じた。 

 

 

 

 

 

 

「終わったみたいだな」

 

 完全に崩壊して崩れ去ったオウガテイルの居た場所を前に、付いていた片膝を伸ばして何という事も無いように手を振ってくるその姿にほっと息をついた。

 

「神骸の乱れも、無い様だな」

「……はい。オラクルの面から見ても、とても安定しています」

「何よりね」

「……そうだな。力を使わずに済んで、良かった」

 

 血英や神骸といった物を、既に幾つも幾度も取り込んでけろっとしている姿を確かに知っている。ましてや今回は、監視者2人にブラッド達を総動員して、更にヤクモ自身を含めて手が空いた面々が集まっての実地検証だ。加えて、実際にやるのは小型アラガミ相手だ。……正直、過剰な位の対応だと言って良い。

 大丈夫だと信じていたし、そう信じられるだけの根拠もあった。――それでも、僅かなりとも痛みを伴う行為なのは変わり無い。何より、何か得体の知れないモノに喰われかけているかのような光景は、何度見てもあまり慣れそうになかった。

 

 

「……いや、うん。本当に、何も無くて良かった」

「どうした?」

 

 重々しい安堵と、どこか疲労を滲ませた声に視線を向ければ、神機使い達の空気が予想以上にどんよりとしていた事に気が付いた。傍らに引き寄せた神機を握り締める手には未だに過剰に力が入っている上、ぐったりと肩を丸めた姿は極度の緊張状態だった証だ。――まるで今にもアラガミが急襲してくると構えていたかのような姿に、疑問と心配が同時に顔を出す。

 あいつ……レイが、バケモノを含めた多種多様な因子【コード】に適合できる事は既に周知されていた筈だ。とは言え、まあ、見慣れない事を言葉で聞かされただけで受け入れるのは難しいだろうとも思う。再生1つで傷を消せる吸血鬼だからこそ平然としていても、掌を思い切り貫通する傷は普通に重傷だ。

 他の吸血鬼連中もごく当然といった様子で、早速本人に感覚や状態について問い詰めている。漏れ聞こえる話を聞くだけでも、この次や応用について既に考え始めているらしい。

 なんとも楽しそうだと、何より自分も参加してみるかと思ってしまうあたり、自分も随分毒された上にすっかり同類なんだろう。――それも、悪く無い。

 未だに顔色が微妙な神機使い達を気にしながらも、好奇心は抑えきれなかった。

 

 

 

 

 

 

 その後。

 

「―――意外に、遠距離用の錬血が多い。実体系だから消費も嵩む。……マスタリー化は出来そうだけど、あまり使えないかもしれない」

「1種で錬血数個だとすると、総数はかなり多いな。神属性やアラガミ特有のパッシブ錬血があると助かるんだが、ある程度絞った後は総当たりするしかないか……」

「攻撃型の錬血なら、結構分かりやすいんじゃない? ハンニバル……だっけ、アレなら火球あたりになりそうだけど」

「……ハンニバルのコードは【ハンニバル】として独立するのか、それとも【スルト】に統合されるんだろうか……?」

「さあ……?」

「俺としちゃ、武器用の錬血があると助かるな。いや、そっちはいっそブラッドアーツあたりから借りた方が良いのか?」

「そうだな――――」

 

 わいわいとそれぞれが好き勝手に言葉を投げて、議論とも言えないやり取りを交わしていく。アラガミという多様な相手から得られる力の可能性と、その扱いの難しさ。そして、そこから有用なものを探し当てる為の道のりの遠さを再確認。分かっていた事とは言え、漸くスタートラインに立った程度なのだと理解する。――それでも、スタートにすら立てず停滞し続けていた時期を思えば何という事も無い。

 新しい力と可能性。……高尚な目的や覚悟なんかは置いておいて、単純に新しい事や可能な事が増えるというのはどこか気分を明るくさせた。

 

 神機使い達が、アラガミの進化に合わせて防壁や神機を進化させて来たように。アラガミ自体の力を出来れば、アラガミが更に進化しても全くついて行けないという事は無いだろう。

 仲間を、瀘過器や変換器じみたものとして扱う事に、何も思わない訳では無い。それでも、本人が受け入れてくれる限りは頼らせて貰うと決めた。――ただ1人にだけ背負わせはしないという誓いを以て、その力を貰い受けて共に人を外れる覚悟を決めた。どうせ身体的な逸脱は今更だ。心さえ人として在れるなら、行けるところまで行くのも良いだろう。

 そしてアラガミだけでなく、ブラッド達や今だからこそ存在する実力者達の力も可能な限り取り入れられたなら。――変わらない事を根幹とする自分達も、停滞せずに追いかける位は出来る筈だ。

 

 

 何時とも知れない終わりの日まで、進み続けるその為に。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 安全が確認されるや否や、何の迷いも恐れもなく相手の元に向かっていった吸血鬼達の背を見送って深く息を吐く。緩めることに難儀する程に強く握り締めていた神機。その柄からやっとの思いで手を離して周りを見回せば、似たような状態の仲間達が複数視界に入った。……自分1人では無かったのだという安堵と一緒に、感覚を共有しきれなかった吸血鬼達との差異を思った。

 

 

「……本当に、心臓に悪いな」

 

 概要だけは、今回の作戦前に確かに聞いていた。

 〝アラガミの因子【コード】を手に入れる為に、コアを直接取り込ませて欲しい〟……という、何か明らかに可笑しい頼み事から始まった検討と検証。いきなり何を言い出すのかと聞けば、今のやり方では得られる筈の物が得られていないから、やり方を変えてみたいという答えだった。

 

 ヴェインに封じられている3体のバケモノ。古いアラガミでもあるそれらからさえ、レイは因子【コード】を得られていた。――ならば、進化してはいても元を同じくするアラガミのそれにも適合し吸収する事が出来る筈だった。

 しかし極東に来てからこちら、それなりにアラガミと戦い討ち倒しても、新しい因子【コード】は1つも入手出来ていない。入手自体に確率があるとしても、小型まで含めればそろそろ100に届く討伐数で0なのは流石に可笑しい。そもそもアラガミ自体がヴェインのバケモノとは大きく違ってしまっている可能性もあるが、やり合った感覚としては取っ掛かり自体はあると言う。――だとすれば、何かが足りないかズレているかなんだろう。

 

 そんな事を言い出した検証班に他の吸血鬼達も同意し、何より渦中の本人が検証と解明を希望した為に始まった1つのプロジェクト。

 ヴェイン側のバケモノのサンプル採取や、同神属だと思われるアラガミとのデータ照合。果ては神機使いや吸血鬼、そして堕鬼や人型アラガミのデータまで浚い、そして1つの仮説が立てられた。

 

 〝アラガミから因子【コード】を得るには、そのコアから直接奪う必要があるのではないか〟

 

 古い時代の個体である上、コアという概念が崩れて生じる堕鬼の要素を受け継いだヴェインのバケモノは、ある意味ではその身を構成する細胞全てがコアに近い。故に、戦闘中の冥血の吸収や吸血によって取り込まれた体液や細胞を通してでも、十分な情報が流れて因子【コード】を入手出来た。

 反面、アラガミには明確なコアが存在し、その他の部位がコアの性質を同時に発現する事は無い。その体液細胞は体液としての、腕の細胞は腕としての役割に特化して疑似分化しており、情報の集積や処理はコアが担っている。……そして、コア自体が素材として有用であると説明していた事と吸血鬼達に捕食能力が無い事から、これまでの討伐で彼等がコアを丸ごと使う機会は無かった。――故に、ヴェインの個体と同じやり方では、錬血等の力として発現する程の因子【コード】を得る事が出来なかったのでは無いか、と。

 

 その仮説が提唱されてからは早かった。

 コアの摘出と適合、そして吸収と解析による因子【コード】の獲得を目標とした実地検証の提案。サカキ支部長でさえ微妙に逡巡した許可を、当人の意思とヴェイン時代の実績を元にもぎ取ったのが約10日前。せめてもの安全策として、オラクルや自我の暴走感知や抑制に力を発揮するであろうブラッド達と、極東支部の精鋭を同行させる事を提示し、ヴェイン側が了承。そこからそれぞれの出撃や出張予定を調整して臨んだのが、今日の実地検証だった。

 

 

「コアを素手で掴むのは、流石に予測外だった」

 

 引き摺り出された橙色のコアと、それを無造作に掴む掌。血飛沫と共に突き出して侵喰を進めんとした黒い棘。……まるで迎撃するかの様に現出した青い焔が、僅かな拮抗の後に押し返すまでの数秒間は、本当に生きた心地がしなかった。

 目の前でアラガミ化するのでは無いかという仲間に対する焦燥と心配、そして万が一アラガミ化した場合生じるであろう脅威に対する警戒と恐怖。……それは、神機使いという存在であれば当然の感情だった。

 ましてや今回のこれは、腕輪の破損や偏食因子の不足といった不慮の事態による悲劇では無く、自分達の感覚としては最もあり得ない〝馬鹿〟な行動によるもの。……アラガミそのもののコアに神機等を介さず自らの手で触れるという、人も神機使いも問わない禁忌の実行。――これで、警戒するなと言う方が無理があるだろう。

 何故か例外が数人実在しているとは言っても、アラガミ化は基本的に不可逆の現象だ。ちょっとした対策や備え程度でどうにかなるのなら、今に至るまでの悲劇の何割かは減らせていた。……ブラッド達の力で抑え込むとしても、時間稼ぎ程度が精々でしか無い可能性の方が高かったのだ。

 加えて今回、万一の場合にアラガミ化するのは吸血鬼達の王とも呼ばれる青年だ。――あらゆる因子に適合し、遍く力を使い得る存在。そんな人物が万が一にでも暴走したら、一体どれ程の脅威となっただろうか。

 何より。この検証が成功しなければ後が無いと言うような危機的事態でも無い状況で、何故ここまでやろうとするのか。――何故、そこまでして並び立とうとしてくれるのか。……その疑問を直接投げかける事は、まだ出来そうに無い。

 

 

 

「棘の散弾、でしょうか。……オウガテイルのアラガミバレットに、似た物がありましたね」

 

 複雑な思いを込めた視線が複数向けられる先、見慣れない筈なのに既視感のある錬血が青年の手から放たれて虚空に消える。それは、今回の目的を確かに果たせた証だ。……自身を構成するオラクル細胞を、棘として射出するオウガテイルの攻撃。それを、冥血という液体だけでどう再現しているんだという疑問は、彼が展開する真白い棘を思い出せば言うだけ無駄だなと音になる前に消えた。あれが出来るのだから、大抵の事は何とかなるだろう。

 そのまま続けて3種類程の錬血が放たれては、地面や崩壊しかけの建物に突き刺さり、幾らかの時間を置いて消えていくのが見える。どうやら、純粋なアラガミが放ったものに比べると結合力は低めらしい。……思い切り空いた穴を見る限り、あまり慰めにはならない情報だろうけれど。

 

 

「多分、またやるんだよな?」

「だろうな」

 

 これまでのあれこれを考えれば、吸血鬼達がまた突き進むだろう事は簡単に想像が出来た。それこそ手当たり次第にアラガミを狩って、適合して、吸収して、還元して。そうして自分達が気付いた時には、きっと凄まじい事になっているだろう。――出来ない事や危険な事を強行する様な気質では無いが、逆に可能と分かれば躊躇いも無く強行軍で邁進するのが彼等だ。かなりの無理をしている様に見えても、本人達はぴんぴんしていて。何より、参加するのはあくまで個人の意思次第で、更にきちんとお互いの負担や状態を把握した上で行うものだから、止める理由がこちら側の気持ちだけという事になりやすいのが難点だった。

 しっかりとした食事もまとまった睡眠も必要無い関係から時間が余りがちで暇なのだと言われてしまえば、強く止める事も躊躇われてしまった。

 

「手、痛く無いのかな」

「痛覚はあると聞いている。……痛みは、ある筈だ」

 

 掌から腕を貫いていた黒い棘。適合と同時に消えたソレは勿論、ずたずたに裂けていたその掌も、いつの間に再生していたのかすっかりと元通りになっていた。――再生1つで、致命傷さえも跡形無く消える吸血鬼の身体。ならば残っていない今までの時間に、一体どれだけの傷を塗り重ねてきたのだろうか。

 

 

「………ま、俺等がここで悩んでても仕方無い。やれるだけの事をやる。手伝える事は手伝う。それでやってくしか無いだろうさ」

「そうですね」

 

 重く凝りかけた空気を無理矢理良い感じにまとめたリンドウに、便乗して幾つかの声が上がる。例え今は空元気と虚勢でも、貫き通せばきっといつかは本当になるだろう。……出来るだけ早く。自分達が彼等と一緒に戦えている時期内には、そうなりたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 そんな、シリアルとシリアスが隣り合う微妙な空間は、しかし長くは続かなかった。

 

 

『中型及び大型アラガミの接近を感知しました! 数は確認出来た範囲でそれぞれ6と2。約7分程で、ほぼ確実に当該エリアへ侵入すると思われます!』

 

 ヒバリからの通信に、分離していた空気感がカチリと噛み合い鋭さを増した。アラガミという共通の敵に対して、自分達の役目は皆同じだ。

 

「今のここにくるなんて、敵さんもツイてないよなー」

「うん、確かに」

 

 一度手離していた神機を、再びしっかりと握り直して持ち上げる。ぶん、と一振りして構え直した神機が明らかに軽く感じるのは、仲間に向ける必要があるかもしれないという重圧が無くなったからだろう。……地を這う程に落ちていたモチベーションが跳ね上がった影響なのか、若干いつもより上がりすぎている気がしなくも無いが些細な事だ。

 

「明らかに過剰戦力ですね」

 

 精神状態は良好。その上で、極東でも屈指の戦力が数部隊以上集まっている。……その気になれば、1部隊で余裕を以てアラガミ群を討伐出来る者達ばかりなのだ。最早、接敵から5分保つかも怪しい。

 

【【穢血の護り】】

 

 そんな事を考えていれば、こちらも戦闘態勢を取ったらしい吸血鬼達からの掩護が飛んで来た。現状の戦力を考えれば、正直それさえ必要か?と思う程だが、戦場での万が一を防げる保険は確かに有り難い。

 何より。何となく区切りが悪くて検証後もここに留まっていたが、良く考えなくても議論や考察はアナグラに戻ってやれば良いのだ。この襲撃を凌いだら、そのままの流れで帰投へと持っていけるだろう。――戻ったら、自分達も彼等の話に加わってみるのも良い。さっきはなんだかんだと離れたまま考えてしまっていたが、自分達だって気にならない訳じゃ無いのだから。

 

 

「……後1つ位、毟っていくか?」

「…余裕があれば……で良いのでは無いでしょうか」

「コアの詳細位置が分からない上に複数戦だ。今回は、運良く取れたら位にしておいてくれ」

 

 ……何だか不穏当な会話が聞こえて、若干集中が途切れかける。何と言えば良いのか、取り敢えずそのチャレンジ精神なのか勿体ない精神なのかなんなのかは、そったしまっておいて頂きたい。コアの位置だのアラガミの部位だのの詳細は、サカキ支部長に聞けばきっと喜々として講義してくれる。

 

 

 

「じゃあ、皆で無事に、アナグラに帰ろう!」

 

 

 

 尚、若干の増援も含めて襲撃してきたアラガミ達は、大抵の予想通り5分と保たずに壊滅した。

 そして、どさくさに紛れて大型種のコアを回収して適合まで終えていた1人の吸血鬼によって、吸血鬼達は1つの壁を越える手掛かりを得る事となった。

 




相変わらず温度差のある吸血鬼と神機使い達。
ヴェインの環境が色々な意味で悪かった上に、新しい事よりも現状維持に尽力していた事などから、単純に新しい事への挑戦や考察が楽しい吸血鬼達。
神機使い達への情や、世界や人の守護意識なんかも勿論あるのだが、1/3位は自分達の為。ただ、神機使い達も極東の精鋭組=世界基準からの逸脱者(色々な意味で)なので、他からみれば正直皆可笑しい。

そして、無印や2軸でのクロスオーバーを断念したCV主人公の特殊能力というか体質。
深層のバケモノと同じ様に、アラガミのコードも普通に取り込めて扱える完全適合性。記憶の返還が出来るあたり、他人の記憶(≒情報)を保管したり取り出したり出来る。ついでに神骸の権能もある。
→つまりほぼ特異点なので、無印や2軸に居ると高確率でストーリーが歪んでいた。




◆以下補足の様なもの(読まなくても無問題)

※世代交代を繰り返しつつ、知識と理解と技術の進みによって組織や神機使いという全体の強化や継承を行っていくGEサイドと、同一個体の個人があらゆる物を取り込み記憶しそれぞれ強化され続けるCVサイドのすれ違い。
そもそも、個人で組織や種族の進歩や進化についていこうと考えている時点で可笑しいのだが、本人達は気が付いていない。

※動けないとは言え、まだ生きて(?)いるアラガミに腕を突っ込んでコアを引き摺り出した上に喰われかけたのを意に介さず制圧し返して取り込むCV主と、直に吸収は出来なくても吸血鬼や堕鬼やバケモノ相手に吸血して冥血を取り込んでいる上にCV主ノ行動も見慣れていた(?)せいで感覚がズレ気味な吸血鬼と、腕輪さえ通さずに適合していない神機を鷲掴むような暴挙を唐突に見せられてドン引きした神機使い達。
因みにCV主がオウガテイルにやった事のイメージは、継ぐ者たちENDでシルヴァから髄骸をぶっこ抜いた時のアレ。アラガミよりはマシかもしれないが、堕鬼化している相手から素手で抉り出してるあたり、かなりの力が必要だった筈→結合力の低い低級アラガミならやれるのでは?

※侵喰のイメージは、GE2REでリヴィが他人の神機に適合しようとしている時のアレ+CV本編で血英や神骸を取り込む際に出していた?青い焔。
適合失敗での暴走や侵喰では無く、同族間の喰うか喰われるかのやり取り&全く違う因子でも適合出来るので、ある程度の前提条件がある神機の適合とは少し違う。アラガミをそのまま貪っていたシオに近い。

※アラガミのコードで手に入る錬血は、アラガミバレットにそっくりなものが多い。
+でピターやマルドゥーク、マガツキュウビ等の活性化時に特徴のある個体から補助や強化錬血、サリエル種等から状態異常や罠系の錬血が手に入り易い。

※尚、維持と再構築を主体とするBOR寄生体に進化と捕食を主体とするオラクル細胞をがっつりとコアごと取り込んだ事で、BOR寄生体が若干であるが進化。
ゲーム的に言えばレベルキャップ解放が発見される切っ掛けとなった。

※CV主が適合してブラッドコードとして取り込む→吸血鬼規格になり錬血として定義されたアラガミの力をCV主から抽出する→錬血のマスタリー素材とすることで他の吸血鬼達も取得可能になる→吸血鬼達全般の人外化(≒アラガミ化)が進む。
全適合可能+取り込んだものを還元したり出来る特性から、瀘過器や変換器の様な役目を見出した主人公。

※アラガミ由来の錬血はカスタムの自由度が低いというか面倒なので当たり外れがあるなーとか思っている吸血鬼サイドと、捕食したものを一次保存しているのでは無く自分自身を通して都度生成している≒ほぼアラガミな様子に違和感がヤバかった神機使いサイド。
尚、旧第1部隊面子は自分自身から武器等を作り出すシオやリンドウという存在に近い為かなりマシな方。他の上位陣も暫くしたら慣れた。
その後、絶対にフェンリル本部や他の支部には知られてはいけないという見解で一致した(そしてフェルドマンの胃がやられた)。

※吸血鬼の使う用語が時々妙にゲームちっくなのは、メイン組はイオ以外旧世代の人間≒旧世代の娯楽(ゲームアニメ漫画その他)等を知っている為。多分現代の我々に近い感覚で諸々を扱っていた。
変に凝るより分かりやすい方が良いだろうという感覚。
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