不死の吸血鬼と神喰いの狼   作:雲海月

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GE3軸(GE2RBの13年後説を採用)
時期はエルバスティのあれこれが落ち着いた後(ED1後)
2軸より更にあらゆるものが捏造マシマシなので何でもいける人向け


霧と血と灰と
灰の猟犬と霧の吸血鬼


 

 

「参ったわね……」

「航行には辛うじて支障無いが、観測や実験用の資材がここまでやられるとはな……」

 

 想定外のトラブルに、予想以上の損害が生んだ損耗。それらは予備として持ち込んでいた資材までもを消費させ、結果として多くの不足と障害を生み出した。……船の航行にこそ辛うじて問題は無いものの、今回ここまで出張ってきた理由の大半が無駄になりかねない事態に船橋を重苦しい空気が包んでいた。

 

「ダスティミラーの本拠になら、幾らか備蓄はあるんだがな……」

「此処まで、となると数日はかかるわね。クリサンセマムの方が近いけれど船もハウンドもここだし、何よりこの資材の備蓄は無いわ」

 

 ハウンドを擁するクリサンセマムは新進気鋭のミナトだが、人員や資材等と言った地力という点ではダスティミラーが圧倒的に上だ。だからこそ今回、資材はダスティミラー側が、そして護衛戦力としてクリサンセマム側がと役目を分けていた。

 誰にも、どこにも不備は無かった。……ただどうしょうもなく、運と流れが悪かっただけだ。

 

「仕方が無い、今回の調査はここまでだ。残った資材を船の修復に回して、ミナトへ帰還する。……また機会があれば、頼めるか?」

「ええ」

 

 だから、アインがその決定を下すのに長い時間はかからなかった。資材の損耗も機会の遺失も確かに痛手ではあるものの、幸い人的な被害は殆ど出ていない。無理なものを強行して無駄な損害を出す位なら、自分達の健在を幸いとして撤退するのが最善だ。

 

 

 

 

(あいつ等の予定が次に空くのは何時になるか、確認しておくか)

 

 それなり以上に戦えるという自負はあるが、今のこの身は曲りなりともミナトのオーナーであり、あまり無茶は出来ない身だ。だからこそクリサンセマム……正しくは其処に身を寄せているハウンド隊は、現状灰域を広く探索する際には必要不可欠な戦力となっている。最近益々名が売れて忙しくしている彼等の協力を得られる機会は、きっとこれから減って行くだろう。――仕方が無いとは解っていても、もどかしいという思いは捨てきれなかった。

 

「……ままならないな」

 

 イルダと別れ、ただ見るだけで終わる事となった周囲を、僅かの未練と共にゆっくりと歩き回る。いくらレーダーに反応が無いとはいえ、危険である事は承知の上だ。それでも、最後に少し位は見ておきたかった。

 

「…………」

 

 ふと見遣ったのは東の空。今、ここら一帯の灰域のレベルは薄く安定しており、ここ数年では珍しい程に遠くの空まではっきりと見通す事が出来た。――その先に、見える筈が無いと分かった上でかの地を思う。

 東の果て。海を越えたその向こう。碌な連絡も取れないままに断絶した古巣と、そこに生きる仲間達。そして西の果てから訪れていた筈の同盟者達。……彼等は今、どうしているだろうか。

 災厄の中心となった欧州でさえなんとか持ち堪えている状況ならば、必ず無事だと信じている。……何なら、此方が思いもよらない奇策と技術によって、何という事も無く過ごしていたとしても驚きはしない。対アラガミ災害という点においては、あの場所以上のものは未だお目にかかった事は無い。

 

 人の領域を僅かなりとも広げる橋頭堡を。……そして叶うならば、かの地へ至る手立ての欠片なりとも得られたら。

 それが、今回の遠征に賭けた一つの願いだった。

 

「……戻るか」

 

 そこまでを考え、直後には頭を振って感傷を振り払う。……ただの後悔や感傷だけで現実は変わらない。今回が駄目だったのであれば、考えるべきは次を成功させる為の方策であり、それ以前に欠ける事無く帰還する為の計画が必要だ。

 

 明日からはまた、休み無く動く事になる。妙な感傷に浸っている暇は無いと踵を返しかけた、その直後だった。

 なんの気まぐれか偶然か。強く吹き抜けた風が、ほんの一刹那だけ喰灰を吹き払っていく。元より薄かった灰域がその瞬間だけ更に希薄化し、嘗てに程近いレベルにまで収まった。……それは本当に僅かな時間であり、本来ならばただ一時の現象に過ぎなかった筈のそれは、しかしその時ばかりは違っていた。

 

 

 嘗てと変わりない程に正常化した〝屋外〟で、常ならば忙しなく動き回っていた〝彼〟が、一所に留まり空を見遣る。それだけならば珍しくもない筈の行動と現象が、遠く離れたとある場所でその時丁度行われた〝ソレ〟と、その瞬間がちりと噛み合った。

 

 

 ―――見つけた

 

 

「ぐっ…、砂が……、………?」

 

 突風と言って良い程のそれに巻き上げられた砂塵が視界を奪い、轟と唸った風の音がその中に混じった異常を隠して吠え哮ける。

 それは時間にして十と数秒の空白。空いた空白に喰灰が流れ込んでくる感覚に、船へ戻らなければと抱いた思考は、しかしその直後には消し飛んでいた。

 

「っ風が、強い」

「本当ね。それに、随分と灰が濃いみたい」

「……確かに」

「数年ぶりだったが、上手くいった様だな」

「……、は?」

 

 それは二重の意味で聞こえる筈の無い声が、当然の様に聞こえたからだった。

 此処は航路を遠く外れ、高濃度の灰域とそれに順応した高位の灰域種の縄張りを越えた先。近くには当然ミナトも無く、自分達以外の声がする筈が無いと言う事が一つ。――そしてもう一つは、ある筈の無いその声に、確かな聞き覚えがあった事。

 困惑を置き去りにして風が収まり、砂塵が晴れていく。漸く開けた視界の先に、つい先程までは確実に居なかったと言い切れる複数の人影を見つけ、今度こそ完全に思考が停止した。

 

「ああ、そこに居たか。――久し振りだな、ソーマ」

 

 酷く懐かしい呼び名と共に。最後の記憶と微塵も変わらない姿をした〝彼等〟が、唐突にそこへ現れていた。

 

 

 

 

 

 

「アイン。随分と遅かったけど何かあっ……たの、か……? ………??」

「え、誰だよそいつ等。つか、どっから来たんだよ?!」

「ええと……部外者を立ち入らせるなら一言教えて欲しいのだけど?」

 

 踏破船クリサンセマムの入口に、何とも言えない表情がずらりと並ぶ。そこに宿る色は、その大半が不審と警戒だ。……無理も無い。ほんの僅かな気晴らしにと船外へ赴いていた責任者の片割れが、突然見知らぬ男女を引き連れて戻れば誰でもそうなるだろうと理解は出来た。

 だからこそ、アインは率先して前へ出た。

 

「古い知り合いだ。敵対する相手で無い事は俺が保証する。説明もするつもりだが……此処で聞くか?」

 

 低濃度灰域とは言え、船外が喰灰に包まれた空間である事に変わりは無い。同時に、船内に素性の知れない相手を入れたくないというイルダの意見も分かっていた。

 説明そのものはそう長くかかるものでも無い為、イルダ達には通信を通じて参加して貰うのもありだろう。ちらりと背後を見遣れば、来訪者達は〝任せる〟とでも言いたげに肩を竦めるだけだ。……彼等が灰域に耐性を持っていることは、先程軽く聞いた。どの程度のものかという詳細は知らないが、船外に居て平然としているあたりそれない以上の強度ではあるのだろう。

 話をする時間程度は、外でも問題が無いからこその余裕。だから決定権は、自分とクリサンセマムの乗務員達に託されている。そして、船があちらの物である以上、決定権の大半はあちらに譲るべきだろう。

 

「……悪いけれど、流石に船橋には通せないわ。後部コンテナを開放するから、まずはそこで話を聞かせて頂戴」

「イルダ、良いのか?」

「ここでこうしていても仕方が無いでしょう。保証人として、アイン以上に確かな人もそうそう居ないのだし」

「感謝する」

 

 

 ――――――

 

 

「なぁ、どー思う?」

「さあな。……情報が少な過ぎる」

 

 ぞろぞろと船内を通ってコンテナへ向かいながら、近くに居たジーク達と言葉を交わす。話題に上がるのは、当然つい先程見かけた謎の4人組について。……だが、自分にどう思うと聞かれても、現状は分からないとしか返しようが無い。

 ややこしいとか、複雑過ぎるとかそんな問題では無く。ただ単純に意味不明な唐突さのせいで、考えるとか悩むとかそれ以前の問題だった。

 

「アインさんの知り合いって話だけど、こんな所でばったり出会うのは変…だよね」

「うん。……近くに船とか施設なんて無いのに徒歩。しかも殆ど汚れて無いなんて、やろうと思ってもまず出来ない筈」

 

 敵とか味方とか、何ならその素性だって極端な話どうでも良かった。

 方々に顔が利いて人脈の広いアインの知り合いなんて、どこに誰が居ても不思議では無いしそれ自体は気にする事でも無い。……問題は、敵でも味方でも関係なく、こんな所で打ち合わせも無く遭遇したっていうこの異常事態そのものだ。

 変わらずレーダーには何も映らないこの場所で、まるでふらりと散歩に出た位の気軽さで、昔の知り合いに遭遇する? ――そんな話、信じられる筈が無い。加えてクレアの言う通り、何処かから歩いて来たのだとするには、余りにも小綺麗過ぎたのも気にかかる。

 

 

 まるでつい先程まで、〝設備の整った室内に居たかのような〟その姿は。砂塵や喰灰にまみれたこの世界では人と仲の良い通常アラガミ並みに異質なものだった。

 

 

「まずは話してみよう。取り敢えず、敵じゃ無いらしいからな。……ただ、警戒は忘れるなよ」

「「「了解」」」

 

 会話の終わり際、丁度辿り着いたコンテナへの入口前で、再度認識と対応の確認を終える。……幸い、神機の携帯さえ許可されているのだ。数で上回る現状、最悪でも取り押さえる事は可能だろう。

 

 

 そうしてコンテナへと踏み込んだハウンド達と、先に訪れ待機していたアインの前で、遂にその時が訪れた。

 

 

〈時間です。……後部コンテナ、展開始めますね〉

 

 軋むような音を立ててコンテナが展開し、外が見えるようになっていく。灰域踏破船のサイズを考えれば当然だが、その位置はそれなり以上の高さにある。今更ながら、どうやってやって来るんだと……まさかよじ登ってくるつもりなのかと、ふと気になった。

 

「なあ、本当にこれだけで良いのかよ? ほら、縄とか梯子とかさ」

「いや、あいつ等なら問題は無い」

 

 だからジークの疑問と提案は当然で、なのにそれを一蹴したアインを……不審に思う間も無かった。

 

「……ああ、来たな」

「え?」

 

 くつり、と喉奥に落ちた低い笑いを問う暇も無い。頓狂な声が多重に上がり、けれどもお互いにそれを気にしている余裕は誰にも無かった。――何せ全員が呆け、そして混乱していたからだ。

 

「は?!」

「?!」

「んなっ!?」

「これは……」

 

 あまりにも当然の様にアインの眼前にぽつりと置かれていた白い〝花〟。あまりにも作り物じみた質感と色合いを持つ、全てが石膏の如き硬質な白で構成されたソレを、唐突に火の粉に似た光が包んだ。

 そして。

 

「? ……ああ、すまない。驚かせたか」

「そうみたいね。――説明してなかったの?」

「ここはあそことは違う。それに、実際に見せたほうが早いだろう?」

 

 聞き慣れない声が2つ、その場に似合わない程の落ち着きで響く。さっきまで確かに誰も居なかった筈のそこに立つ2つの人影は、少し前に外で見かけたそのままだ。

 あまりにも唐突な登場と、アインとの間で交わされる代名詞だらけの何も分からない会話に、何が起きた、何だこいつら、と思う間もない数秒後、更にふわりと火の粉が舞う。

 

「……船、と言うよりは移動拠点っぽいか?」

「だろうな。……道理で、視え辛い筈だ」

 

 声と人影が、更に2つ。……今度はもう少し、視認する事が出来た。

 ざらり、と。外から一筋滑り込んだ火の粉が白い花の周りで渦を巻き、次の瞬間には人の形へと変わる。それはまるで、消えゆくアラガミを逆再生した様な光景で。それに対する警戒さえ上回る驚愕がコンテナを支配する中、その当人達とそれを招いた本人のみがひどく平静だった。

 

 

「紹介しよう。特級監視区域〝霧の都〟……〝ヴェイン〟の管理者であり、〝フェンリル極東支部〟の同盟者、吸血鬼【レヴナント】だ」

「よろしく頼む」

 

 どこか芝居がかったアインの紹介に応え、1人を代表とした4人組の不審者達が簡易的な礼を取る。対するクリサンセマムの面々は啞然と警戒の表情で、つまりはあまり友好的とは言い難い態度ではあったが……それを向けられた当人達は特段気にした様子もないのがアンバランスであった。

 

 そんな、どうにも引き籠もりがちな吸血鬼(不可抗力)と死線の上で生き急ぐ猟犬達(不本意)。対アラガミ戦力としての最古参と最新参とも言える彼等の繋がりは、なんとものんびりとしたやり取りから始まった。

 

 

 尚、驚愕と警戒の只中にあったクリサンセマムサイドに対し、見開かれたままの瞳の乾燥と開けられたままの顎の心配を吸血鬼側が密かにしていたと分かるのは、もう暫く後の事だ。

 

 

 ――――――

 

 

 何やかんやの後、場所はエントランスへと移っていた。

 

 

「アラガミも灰域も寄せ付けない領域に、神機使いとは異なる起源の……その、吸血鬼? 本気で……言っているみたいね」

「そちらのとは別の方法でバケモノ……アラガミに対抗するため造られたのが、吸血鬼【レヴナント】の始まりだ。数年足らずで外と隔絶されていた上、出てきた後も極東としか交流していなかったから、殆ど知られてはいないと思うが」

「いえ、それだけでは無いのだけど……?」

「ふふ、まあ気にしないで。それに、そういうものだ、としか説明出来ないから」

「細かい資料が必要であれば、後々用意する」

「今回は急だったから、持ってくる暇が無かったのよね」

「…………お願いするわ」

 

 イルダと微妙にズレた会話をしているのは、ルイとカレンと名乗った男女。特に隠すつもりもないのかぽんぽんと情報を明かしていく2人に、普段頼れる年上としての面が強く見えるイルダが困惑している様子は少し新鮮だ。

 2人の外見年齢はユウゴと同年かやや上で、イルダよりは下だろうと思える程度。東洋の血が濃いのか正確な所は分かりにくいが、そう大きく外れてはいない筈なのだが……その言動の所々に僅かな違和感が付き纏う。決して嫌なものでは無いのだが、何かちぐはぐな印象が拭い切れないのだ。

 そして、輪をかけて不審な者達がもう一組。

 

「それにしても、珍しい顔ぶれで来たな」

「こいつは経路確保目的での同行だが、あの2人に関しては手が空いていた奴等の中で、比較的説明に向いた奴を連れてきただけだ」

「ああ……なるほど」

「納得するのか」

「なら、説明してくるか?」

「……遠慮する」

「相変わらずだな」

 

 アインと話しているのは、ジャック、レイと名乗った2人組。元より知り合いだとは分かっていたが、それなり以上の親交があったのだろうと分かるやり取りがアインとの間で交わされている。……こちらにもまた、謎の違和感が付き纏っていた。

 どうやらアジア系らしき先の2人に比べるとまとう雰囲気も相まってこれまた年齢が判り難いが、それでも流石にアインよりは下だろうと思える姿。アイン自身がが相当な若作りらしい事を考えれば、実際の年齢差は10歳以上だろうか。それにしては酷く馴染んでいるような……等と、益体も無い思考の最中にふと気付いた。

 ――ああ、そうだ。年齢だ。

 この不審者4人を初めて見た時からずっと感じていた違和感。その半分程の原因がすとんと判明する。レヴナント、と名乗ったこの4人、外見から判断できる年齢と纏う気配や言動が、どうにも噛み合っていないのだ。

 

「後で、どこか落ち着いた場所を教えてくれ。……ヤドリギを繋げられれば極東とのやり取りも出来るし、他の皆も来れるようになる」

「資材も食料も、今の極東であればある程度は供出可能だ。それに、吸血鬼側も今の世界であれば運搬要員として役立つだろう」

「それは有り難いな。ダスティミラー……こちらでの拠点に着いたら頼む」

 

 単純に大人びた若者だとか、年寄り臭いとか達観しているというのとは少し違う。ただそう……〝同年代かあるいは年下〟を相手にするようなアインとのやり取りが、あまりにも自然過ぎるのだ。

 

「……実はあいつ等もかなり若作りとか?」

「年齢の定義が崩れるな」

 

 だが、そんな事〝あり得る筈が無い〟。

 20の前半か半ば、上の方に見積もって20の後半程度にしか思えないその外見で仮にアインと同年代か年上だとすると、最早年齢を考える事自体が馬鹿らしくなってくる。……そもそも、アイン自体が謎に包まれた人物なのだ。それなりに関わるようになった今でさえ、その素性も本心も分からない部分が多すぎた。

 

「腕輪無いし、何か変なトコから出てきたし、武器も持たないで灰域に居たし。そもそもヴェインとか始めて聞いたっての」

「たしかにな」

 

 ぶすりとしたジークの言葉に、ユウゴもまた同意する。

 その素性や関係性を抜きにしても、その存在は余りにも異質で話題には事欠かない。その両腕はどちらもすっきりと空いたままで、神機使いであればGEであれAGEであれ必ず存在する筈のモノが存在していない。ならば人かと思うが、いくら薄いとは言え灰域の只中で平然としていたあたりそれも違うと分かる。

 そう言えば、彼等は酷く身軽な格好で外に居た。仮に神機使いに近い存在だというのなら、無手でもそれなりにはやれるのだろうが、灰域抜きにしてもアラガミが跋扈する世界では考えられない程の無防備さだ。或いは、自分達に警戒をさせないために置いて来た可能性もあるが……既に船は出ている。流石に放置してきたとも思えないが、ならばどこに消えたのか。

 何より。水や食料といった必要最低限の物資さえ持たない、本当にふらりと散歩に出たかのような身軽さは、人間としても神機使いとしても異常でしかなかった。

 

 今更あちらの会話にも加わり難く、そんな益体もない考察じみた思考と雑談で暇を潰す。漏れ聞こえる内容だけでもその異質さと新鮮さは明らかで、何と無しに彼等とフェンリルのあれこれを脳裏に羅列し……ああ、そう言えばと、それを溢していた。

 

「神機使いが実用化される前に閉ざされた場所、か。だったら、あいつ等はその時に引きこもった人間の、子供か孫……ってとこか」

 

 三十と数年以上前に分かれたという、フェンリルよりも尚古い対アラガミ勢力。……イルダがさっき言っていた通り、フェンリル以外にそんな組織があった事自体は可笑しくも何とも無い。

 未知の存在だったアラガミに対する研究は、それこそ世界中で行われていた筈だ。最終的には三賢者と呼ばれた研究者達によって考案され、実用化されたGEとそれらを管理するフェンリルが主軸になったが、初めからそれ一つに絞られていた訳でも無いだろう。

 何らかの理由によって、早い段階で周囲から隔絶された研究所とその周囲。GEの実用化前に独自の方策を見付け、確立させた者達の子孫。……赤い霧とやらが人為的な障壁だというのなら、アラガミの討伐では無く防衛に特化して引きこもった者達が居ても不思議では無い。

 外を見捨てて自分達だけが逃げ込んだのか……と、勝手に脳裏で像を結んだ彼等の親だか祖父母だかな人々に、何とも言い難い感情を抱き始めた、その時だった。

 

「……勘違いをしている様だから言っておくが、俺達がその〝当事者〟であり〝引きこもり〟当人だ」

「………はい?」

 

 いつの間に近付いて来ていたのか、思っていたよりも近いその距離で淡々とそう告げたのはジャックだった。音も気配も薄い相手に警戒を抱くよりも早く告げられた言葉に、間の抜けた声が出る。……今、この相手は何と言ったのか。

 

「こいつらは全員俺よりも年上だ。確か……20は上だっ筈だな?」

「若干の誤差はあるが、確かに20は上と思って構わない。2050年代前半で、今とほぼ変わらない姿だったと思って貰えれば合っている」

「もっと具体的に言うと、今ここにいる私達なら実年齢は皆50の半ばから後半位ね。こんな姿だけれど、もうすぐおばあちゃんなのよ」

 

 遅れて合流した笑い混じりの声はアインのもの。続けて、イルダとの話が一段落したらしい2人も合流してとんでもない補足が飛んで来た。……アインのそれを珍しいと思う余裕も無く、増々混乱が助長される。

 アインよりも20以上は上だと言うのなら、確かに50は越えている。ついでに2050年代の当事者ならば50代後半で数字的には可笑しく無いが、それはあくまで数字だけを見た場合だ。――その数字に対して、余りにも外見が合っていない。

 

「えっと……その、随分と若作りなのね?」

 

 混乱の頂点で零れたらしいクレアの言葉に、とうとうアインが吹き出したのが視界の端に映る。当事者である吸血鬼4人は、苦笑したり驚いたり呆れてみせたりと様々だ。……やっぱりどこをどう見ても、30は行っていない歳にしか見えない。

 

「何故そうなる……」

「ここまで来ると、もう詐欺じゃないかしら」

「旧世代のCMか何かでありそうだな」

「……〝これで貴方も衰え知らず〟、〝吸血鬼になってから色んな人から若いねと言われます〟?」

「やめろ」

 

 彼等も混乱しているのかあるいは素なのか、返されるその言葉も中々にズレている。

 確かに20代にしては可笑しいと感じるが、じゃあ50や60の人間に思えるかと言えば絶対に違うと断言出来るその言動。〝年上〟である事に違和感はないが、〝年寄り〟とは思えない不可思議な雰囲気。……思わずまじまじと凝視すれば、この時世ではいっそ不自然な程に荒れの無い皮膚や髪が目に付く。良く出来た作り物のようにさえ思えるそれに、全く似ていない筈の、今は学校に居る人型アラガミ……フィムの姿がハウンド達の脳裏を過ぎっていった。

 

 ――〝これ〟は本当に人間か?

 

 そんな、うっかり漏らせば騒乱の種にもなりかねない思いに答えたのは、やはりその当人達だった。

 

「先に言っておいた方が良いか。俺達吸血鬼は確かに人を素体としているが、同時に変化というものが欠けている。経験や蓄積による能力的な強化はあるが、外見的な変化や身体的な成長、老いというものは基本的に存在しない」

「どーいう事だよ?」

「この姿は、2050年代に吸血鬼として目覚めた時のまま……という事だ。若作りというよりは、若い時期のまま止まっている形だな」

「はァ??」

 

 思わず声が低くなったジークの問いかけに、ごく軽い調子で説明とも言えない説明が返される。……実年齢を考えるとその態度は流石に失礼なんじゃないかという考えより先に、その内容に揃って絶句した。

 だって、それは、つまり。

 

「……まさか、不老不死だとでも?」

「不死、とは言い切れないが……そろそろ実年齢で90近い吸血鬼が衰えていないから、不老であるのは確かだと思う。この先数十年や数百年が経っても同じかどうかは分からないが……」

「少なくとも今の所はな。……吸血鬼の根幹となっているBOR寄生体にもし寿命があれば、それが終わりになるだろう」

「私達は吸血鬼の中でも古参でより姿と実年齢の乖離は進んでいるから、余計に違和感があるかもしれないわね」

 

 それは、最も古く、そして最も永く在り続ける遠い同朋。――最も新しい部類になるAGEが、無理を通す為に一般のGEよりも尚短命となりがちである事を考えれば……それは酷い皮肉のように思えた。

 

 

 

 

「まあ、素性や情報については後々聞かせてくれたら良いわ。船への同船前に、最後に一つだけ教えてくれる? ……〝極東支部〟や〝霧の都〟から、ここをピンポイントで探し当てられた理由と、どうやって此処まで来たのか教えて頂戴」

 

 色々と突っ込みたい所はあるが、現実的かつ即時的に必要な情報はやはりイルダが問いかけた〝それ〟。――〝フェンリル極東支部〟と〝霧の都〟は、どちらも海向こうに存在する。其処からやって来た少人数が、一体どうやれば此処までピンポイントに合流する事が出来たのか、だ。

 ここがどこかのミナトなり、せめて一般的な航路や作戦エリアでの遭遇であれば、どんな幸運だと思いはしてもまだ理解出来た。しかし、繰り返すようだが此処は航路から外れに外れた辺境だ。アインというそれなりに有名な存在を目的としていたとしても、初手で選ぶ捜索先では無い。普通であれば、ダスティミラーから連絡が来てそこから合流の手筈を整えていくものだろう。

 ましてや吸血鬼達は、船も何も無く突然現れた。吸血鬼達を船内へ迎える前に、ルカが感応レーダーで再度確認した上で見つからなかったのだから間違いは無い。……更に言えば、つい今朝がたまで、この近辺で彼等と思しき反応は検出されていなかった。

 ステルス系統の技術かとも思ったが、簡易的な身体検査においてもそれらしき道具は見付からなかった。

 

 

 つまり、現状の情報だけで考えた彼等は。

 だだっ広いこの灰域に覆われた荒野の中から、船の感応レーダーに頼る事無く特定の人物をピンポイントで見つけ出して、更には100マイル(約160Km)以上離れた遠方から徒歩で、半日とかからず此処までやって来た事になる。――何をどう考えても、人に出来る所業では無い。

 何なら、アラガミであったとしても相当に異常と呼べる移動速度と隠密性だ。

 

 

 場合によっては、気付かない内にミナトや船の奥深くに入り込まれてしまうのでは無いか。彼等の実力は分からないが、銃弾1発ナイフ1本で人は殺せるのだ。……ミナトとそこに生きる人々を預かる身として、流す事は出来なかった。

 加えて、アインからの説明が無かった事も気にかかった。……今更アインを疑う訳では無いが、吸血鬼達の存在や不可解な動きについての情報が秘匿されているのは事実だ。当然の様に受け入れているあたり、本人が知らなかったという事は無いだろう。

 

 そんな警戒と疑念と不信をブレンドされた視線を受けて、アインの表情が僅かに曇る。クリサンセマムやハウンド達の態度に対する物ではなく、どこか悩む様なそれ。どこか案じる様な視線を向けた先は、こちらも何やら身内で視線を交わし合っていた吸血鬼達だった。

 

「そうね。その辺りも説明しておきましょうか」

「……良いのか?」

「大丈夫よ。それに…コレを隠した状態で信じて欲しいって、大分無理があるんじゃないかしら。あなた達の所に行った時より、大分派手にやってしまったもの」

「それなら、実際に見てもらった方が早いだろう」

 

 アインの心配を受け流して、答えるカレンとやや手持ち無沙汰そうなレイを残し、ルイとジャックの2人がブリッジ内に散開する。何だ何だと思い視線を向ければ、何やら釘の様な物を取り出したルイがそれを自分の腕に突き刺し……その直後にざらりと霧散。ぎょっとする間も無く、気が付いた時にはカレンのすぐ隣へとその姿を移していた。

 

「「「?!!?」」」

「吸血鬼の基本的な能力……というよりは特性だな。ある一定距離内に条件を満たした吸血鬼が居れば、【友誼の血針】という物を使う事で、その相手の所へ移動する事が出来る。吸血鬼でなくても、相手にこの【ヤドリギの花】を持っていて貰えば可能だ。この船に乗り込む際にも、これを利用させて貰った」

 

 これ、と両掌に乗せて提示されたのは、十数センチはありそうな錆色の釘と、コンテナでも見かけた掌に乗る程度の真白い花の様な物体。何だか良く分からないそれよりも、正直、いきなり腕に釘を刺すその姿と、人が形を崩した後に平然と現れる方が衝撃なのだが、あまりの事に言葉さえ出ない。

 

「これはどの吸血鬼でも出来るのだけれど、特定の相手や道具が必要だし、距離も限られるわ。……あなた達の疑問の答えになるのは、彼の方よ」

 

 そうこうしている内に話は進んでいく。タイミングを示す様に向けられた視線を受けたジャックが、直後、特に何の予備動作も無く〝誰も居ない〟上に〝視界に入っていなかった〟筈の場所へと移動してみせた。……先の説明を信じるなら、座標として必要だという吸血鬼や花が全く存在しない場所へ、だ。

 

「は? え???」

「今の所、ジャックのみが可能な方法になる。――はっきりと視た事がある物、場所、或いは人物を目印として必要とするが、距離や対象の特性を問わずその元に移動出来る、というものだ」

「つまり……アインを目印にして、極東だかの方から直接近くまで来たって事か?」

「そういう事ね。吸血鬼なら数人は連れて行けるから、こうして私達も此処に来る事が出来たの」

「今になってやって来たのは?」

「ここ十年近く灰域関連の案件で手を取られていた。……それに加え、灰域内部が視えにくい事とアインを最後に視たのが数年前だった事も要因だ」

「なるほど……?」

「十年ぶり近くになる上、前は隻眼じゃなかったからな。探しにくくても仕方無いだろう」

 

 返された答えとその内容に、思わず普通に質問や考察を挟んでいた。……あまりにも非現実的過ぎて、逆に警戒心が湧かないという経験は中々に不思議だった。

 説明を受けて思い出したのは、少し前に彼等が交わしていた会話だ。――此処へ来た顔触れとその選定理由をアインと話していたのは、確かにジャックだった。

 そしてそれを思い出せば、残る疑問がもう1つあった。

 

「レイ……さん、に関しては?」

 

 軽く倍は年上だという相手に、口調は手遅れとしても呼び名を迷いつつ問いかける。先の会話では、カレンとルイの2人は説明役として、そしてレイは移動経路の確保としての理由があげられていた。その中で先の2人に関しては、これまでのやり取りで確かに必要だったと実感出来ている。……しかし、目印さえあれば距離や相手を問わないジャックが居るのであれば、彼等の移動は困らないのでは無いだろうか。

 

「吸血鬼の長距離移動には、他にも種類がある。……吸血鬼全員が可能な、ヤドリギを介した移動。それを行う為の前提になる【ヤドリギ】を、こちら側に生成するのが役目だ。……後、呼び方や口調は気にしなくて良い」

 

 灰域踏破船に居る今は実演出来ないが、と淡々と返されて返答に困る。何と言うか、態々説明を任せる為に2人も連れてきたその理由だけは分かった気がした。――こちらの2人、説明そのものが下手というより、聞き方を考えなければ説明内容が端的過ぎるのだ。お互いにある程度情報を共有していれば良いのだろうが、全くの初見でやり取りをするには根本的に向いていない。……説明よりも先に実演を選ぶ辺り、説明役の2人も上手いかと言われると微妙だがそれでも大分マシだった。

 取り敢えず、最後の許可だけは有り難く受け取っておこうと思う。……確かに、外見的にはほぼ同じというかまず確実にリカルドやアインあたりより若いのだから、変に口調を分けるのも可笑しいだろう。

 

「ヤドリギは……そうだな、吸血鬼だけが使えるテレポートゲートや転送装置……と言ってももう伝わらないか。ATM……も少し違うし……説明が難しいな」

 

 ルイが口にしては濁すその言葉に、分かるような分からない様な心地で首を捻る。いや、何となく言いたい事は分かるのだが、具体的なものが想像しきれないせいで像がぼやけてしまう。

 

「……物凄く乱暴な言い方になってしまうが、吸血鬼を電波やデータとして、発信機や受信機、あるいは情報端末の役目を果たすもの、と思って欲しい。それがあれば、吸血鬼は世界のどこへでも瞬時に移動できる」

「―――は?」

 

 何か、とんでも無い話を聞いている気がした。

 

 

「これに関してはもうそういうものだと思ってくれ。……正直、俺達自身もどうやってそれが成り立っているのかわかっていない」

「双方にヤドリギが存在している事が前提条件になるけれど、その条件を満たせば吸血鬼にとって距離は意味をなさなくなるわ。それこそ、数十秒あれば星の裏側にだって…ね」

「ヤドリギがあれば、その地点同士であれば吸血鬼の移動に制限は無くなる。間に海や灰域や赤い霧があったとしても、だ。ヴェインは兎も角…極東と繋げて技術交流や情報の伝達、物資のやり取りが出来れば、やれる事も増えるだろう」

「「     」」

 

 あまりにも衝撃的な内容にクリサンセマムの面々が言葉を失うなか、吸血鬼達はあまりにもあっさりと自分達の手札を開示していく。

 それは、世界最速の移動手段。

 灰域により分断された今はもとより、アラガミによって寸断されるその前の世界でさえ叶わなかった程の高速かつ長距離の移動術。

 扱える存在が吸血鬼のみに限られるという制限こそあるが、ヤドリギとそれを繋ぐ地脈が届く範囲においてその途上にある全てを無視することが出来る。

 距離も、海も、アラガミも……灰域さえも。

 

「物資のやり取りって……」

「吸血鬼の特徴としてこのように非生物を粒子化して自身に取り込み、運搬する事が出来る。それに、ヤドリギが繋がっていればそれを簡易的な倉庫として運用する事も可能だ」

「は?? ………は????」

 

 このように、というその言葉に合わせてざらりと舞った火の粉が片刃の赤剣を形作り具現化し、ひらりと振られた手の動きに合わせて再度霧散する。かと思えばバスケットに入れられたパンケーキと水筒というピクニックにでも使えそうな一式が現れ、それが消えたと思えば座り心地の良さそうな座椅子が姿を現す。

 明らかに隠しようの無い大きさと質量と数をまるで手品の様に出し入れして、最終的には小山を築いたルイはどこか満足気にひとつ頷いてみせた。

 ――ここまでくると、その内容に突っ込む気もいきなり断り無く武器を出すなという警告も明らかに異質な相手への警戒さえも消え失せた。

 

「吸血鬼は既に極東に根付いた。ジャックと違って定点移動にはなってしまうんだが、ヤドリギの利用は全ての吸血鬼が使えるから、戦闘にあまり向かない者達も輸送員や連絡員として人数を出せる。ある程度の戦闘力がある者なら探査や調査目的でも――」

「ルイ、ルイ。そのくらいにしておきなさい。細かな部分は資料を渡してからにしましょう?」

「……なんというか、サカキのおっさんに似てきたな」

 

 立石に水と言わんばかりの説明をカレンが遮り、それにアインが苦笑している。あまりの情報量とその内容に、いい加減右から左に流れつつあったクリサンセマムの面々が思わず息を吐き、流石に気不味そうに口を閉ざしたルイをジャックとレイが呆れ気味に見遣る。

 何とも微妙な沈黙が場を満たすが…同時に警戒や緊張といったシリアスな空気も消し飛んでいた。 

 

「まぁ、そうだな。取り敢えずこちらの事情はそんなところになる。その、資料はまた後で提出する」

「ひとまず、そちらが懸念しているだろう拠点内への無差別転移は、一般的な吸血鬼には不可能だという事は告げておく。そして俺もそんな事をする気などない」

「それを信じろって?」

「信じるも信じないも自由だが……こちらにはそんな事をやる理由も時間も無い」

 

 取り付く島もないとはこの事だが、心底面倒だと言わんばかりの表情と口調にその言葉が本心なのだろうとは素直に信じる事が出来た。

 彼等以外の吸血鬼や人が治めているのだろう〝極東〟とやらがどうかはまだわからないが、少なくともこの4人の吸血鬼達に人同士の権力や利権の争いをするつもりは無さそうだ。

 

 それならもう、それで良いではないか。

 何かおかしな事をやらかすようなら、紹介者であるアインにクレームを入れて何かしらを毟り取ってやろう。

 

 そんな、疲労と呆れと思考停止の中で、その日の会合はお開きとなった。

 

 

 

 なお、徹夜など気にも留めぬ吸血鬼の姉弟によって簡易的に纏められた(本人談)資料の束を渡されたクリサンセマム組が翌日に再び遠い目になるのだが、それは余談の類だろう。

 




毎度お待たせし過ぎで申し訳ありません
自分はもう順序良く書くという事が出来ないとわかったので、書けた部分だけ投げていくスタイルでいきます

以下簡易設定

■吸血鬼
極東勢と協力しながら当時のままの姿で鋭意活動中
CV本編勢はそろそろ50代を越えているが姿は変わらずノリもあまり変わらずなので、実は地味に精神的に影響を受けてたりするが本人達は気にしていない
今回はエルバスティの奇跡で一時的に灰域が薄まった中で外をうろついていたアイン(ソーマ)を運良くジャックが発見して他の3人を引き摺りやって来た
その能力があるのに何故再会がこの時期になったのかはまた別話にて投稿予定

■極東支部
当時の異端児にして異変の中心点であり、ある意味では現在唯一フェンリル時代そのままを残している組織
今話では出ていないがあれこれの事情により恐らく現状最も生存者が固まっている地域となっている
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