不死の吸血鬼と神喰いの狼   作:雲海月

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毎回毎回お待たせして申し訳ない
前話から続く話となります


異端なりし者達

 

「これがオーディン?」

「なんだろー、でっかい神機兵?」

「零號神機兵を思い出しますね」

「ああ、大枠はその流用だろうと考えている。それも初期の……負荷の重い型のものだな」

「これ、動力はどうなってるんだ?」

「特性の巨大なコアを起動させて賄うが、正直あまり効率は良くない。動かすだけでもコストが重い代物だ」

「特級ウロヴォロス位のコアがあれば足りそうだけど?」

「この辺りでウロヴォロス種は確認されていない。それに大きさの問題というよりは、起動と活性化維持の為にエネルギーを注ぎ続ける必要があるという意味でのコストだ」

「なる程、それで自分達に」

 

 格納庫に封じられたオーディンを前に進む会話。まるで新しい玩具か道具でも見たかの様な反応だが、その内容は随分と吹っ飛んでいる。

 そもそも特級のウロボロスがいたとして、そのコアを入手する事自体が相当な難易度なのだが……そこはそれ、極東討伐部隊では珍しくも無い事なので誰も気にはしていない(なにせ、ちょっとした小遣い稼ぎに禁忌種を狩る場所だ)。それで足りる宛があれば、極東ならば即座に任務が組まれていただろう。

 

 だから彼らの興味は、それでさえ賄えないというその動力と仕組み自体へと向いていた。

 

「喚起能力で起こして、ジュリウスの統率で維持したらいけるかな?」

「コアがあるならそれで行けるだろ。神機兵を遠隔で自律させるよりは楽なんじゃないか?」

 

 

 

「そういう事だな。それに、もう一つ問題がある」

「?」

「オーディンには、神機兵の様な外部武装が存在しない。唯一にして最大の攻撃手段が捕食能力だが、これの起動及び制御が最大の難物でな」

「オーディンは、AGEや人型アラガミを触媒として組み込む事で起動するんだ。感応能力でオーディンと同化するみたいにして、コアの活性化と制御を担う。……そして、触媒になったAGEは命を落とす事になる」

「!」

 

 ちらりと向けられた視線に応えてキースが説明を引き継いだ。それは、特にAGE達にとっては思い出したくも無い事柄だ。AGEであると言うだけで、人の為世界の為に犠牲になれと強要され、危うく家族を失いかけたあの日。結果としては無事に済んだとは言え、その傷は早々癒えるものではない。

 それでも、いや、だからこそ。リスクは正しく確実に伝えておく必要があった。

 

「……無人神機兵の制御に、黒蛛病患者の因子を使っていたのと似た原理か」

「いや、もっと直接的だな。有人神機兵の操作者が、神機兵そのものと成って動かす様な物だ。当然、融合が進めば剥離は不可能となる」

「またなんて物を……」

「本当に初期の神機兵稼働実験みたいですね」

 

「なんか、伝わってるっぽいんだけど?」

「いや、あれは伝わってるって言っていいのか? 寧ろ、こっが何を言っているのか分からないんだが」

「神機兵?」

 

 しかし彼等はAGEでは無く、オーディンさえ初めて知った状態だった。故に、その性質を自分達の経験に当て嵌めて認識を進めていく。幸いと言うべきなのか、彼等にはそれに似たモノを知っており……何より運用した経験さえあった。

 

 ―― 神機兵。

 

 それは嘗て、神機使いに代わって人々を護る存在たれと望まれたモノ。有人型から無人型へ、そして最終的には再び有人型へと至った、ヒト型の特殊兵器。現在でも極東では現役で使われているそれは、サイズこそ違えどその性質はオーディンに似通っている。……そして、ブラッドと呼ばれる彼等は、その始まりから終わりまで関わっていた。実際にテストパイロットとしてや緊急事態に動かした経験すらある為、その利点欠点その他は良く知っていた。

 

 

「間近の暴走が分かりきった状態で、棺を作る事のみを目的に継承者を作るようなやり方ね」

「その例えはどうなんだ?」

「まあ、言いたい事は分かるが……」

 

「こっちはこっちで何か謎の話してるし」

「棺とか継承者って何だよ…」

 

 そして、神機兵についてのあれこれを知らない吸血鬼達は、また別の観点から考察を行う。彼等が思い浮かべたのは、犠牲を以って力とし形を成すモノ。。継承者が眠る為の場所としてだけで無く、その形や自由度を以て護りとするべく組まれた棺。白い血の聖堂や棺の塔に代表されるそれらは確かに有効だが、それを生み出す為だけに神骸を継承させるのは外道だろう。……そもそも本人の意思が伴わなければ、僅かと保たずに暴走するのだからそれ以前の問題なのだが。

 

 

 

 そんなやり取りから更に十日後、ついにその日がやってきた。

 

 

 

『それじゃあ、始めよっか』

 

 

 送られてきた映像に視線が固定される。荒野に屹立するのは、あの日絶望と共に見上げた巨人。今改めて見ても良い感情がわく筈も無いそれを、これだけ早く見る事になるとは思っていなかった。

 そんな、緊迫した状況に似合わない落ち着いた声が場に落ちる。それに各々応えるのは揃いの隊服を着た6人の男女。オーディンの頭上に各々で突き刺した神機に手を置いて、彼等はその力を開放する。

 

〈ブラッドαより、血の力の発現を確認。オーディンαの反応確認。喚起率上昇……起動します!〉

 

 途端、オーディンを光が取り巻く。赤く紅く輝くそれは、視認できる程に高密度の感応波そのもの。作戦エリア全域を容易く覆う程の量が一点に収束していくのに従い、オーディンの眼窩に光が灯っていく。……その腹には誰も乗っていない、何も積んでいない筈のオーディンが目覚めていく。

 

〈喚起によるオーディンの起動成功。続けて、統制による制御を開始〉

 

 何の機材も準備も無く、ただその意思でもって行使され発現する特異なりし力。

 2つの大きな力を中心として5つの力が共鳴する。……それは、星の行く末さえ左右する力。形無き偏食場パルスをノヴァと成し、終末捕食を留保し変質させる、ある意味では原種たるアラガミさえも超えて従える、王たる力。

 

〈統制による制御、規定値へ到達しました。状態、安定しています〉

 

 アラガミに対抗する為に生まれた他のGEとは異なる、ある意味ではアラガミ化しアラガミを統べる事さえもを前提とした異質な存在。感応種への対抗策として生み出されたのではなく、感応種と同じ特性を与えられた結果としてその対抗種となった異端の神機使い。

 オラクル細胞への対抗手段として生まれたGE、灰域に適応するために生まれたAGE。それらはどちらもアラガミの領域に踏み込み討伐を可能とする存在として造られた者達だ。

 対してブラッドは、GE側の感応種にも例えられる存在だった。フィムがより【ヒトへ近づいたカミ】であるのなら、彼等はより【カミに近づいたヒト】と言っていいだろう。

 

 ――神が人と成るか、人が神と成るか。

 

 嘗て極東の観測者が唱えたその言葉の、その後者に最も近い存在の一つ。対価どころか相手の意思さえも必要とせず、仲間と認識した存在全てへとその恩恵は施され、アラガミへさえも干渉する。量産性の一切を度外視したその力は、他の妨害を貫通しねじ伏せて場を満たしていく。そして、それだけの事を行ってもデメリットの無いその出力こそ、彼等の特性であり最大の異能だった。

 

 

 

 そして更にもう一つ。其処には星に選ばれし女王の骸を継いだ者達と、その候補者だった者達が存在している。

 

〈こちらの干渉強度も問題無い〉

〈…この位なら、片手間でも十分処理できる。オーディンそのものに抵抗の意思は無い〉

〈鎮静化程度だったら私の〝歌〟でも大丈夫そうね。ただ、処理…まで考えるのならいっそ組み直した方が良さそうだけど〉

 

 その巨体と形状故に、比較的広々とした背に乗るのは3人の吸血鬼達。

 オーディンの中枢部とブラッド達を視界に納め確認しながら、現在の足場でもあるそこへ意識を向ける。滑らかに駆け出したそれは、アラガミと同じく高密度かつ多量のオラクル細胞の塊だ。

 だが、そこに個体の意思は存在しない。……それはつまり、彼等にとっては終末の棘と呼ばれたそれと然程変わりが無かった。

 

〈こちらブラッド。結構がっつり力を使ってるけど、そっちは大丈夫?〉

〈大丈夫よ、ありがとう〉

〈さすがだねー〉

 

 【吸血鬼】。それは人の肉体を失い、人としての時間を失くしても尚人の意志を宿す者達の総称。ある意味では、人型アラガミの身体に人の記憶を移し替えたとさえ言える彼等の中で、尚【カミ】に近しい権能を宿すのが継承者達だ。

 神骸の継承者たる彼等が持つのは、権能と意思によりオラクル細胞の塊を改変し再構築し形と役目を書き換える力。嘗ては棘を元に棺を造る為に使われていたそれの本質は、数多を束ねて一つとし、その役目を書き換え整え終末の母体【ノヴァ】へと変える為の力。

 呼び集め喚び起こし、総て起動させる者がブラッド達ならば、彼等はその礎にして母体たる器を組み上げ、そしてあるべきカタチへと再生する核たる者。確かに今カタチとしてあるモノを、望むそれへと組み変えて維持する力。

 その特徴は、二十年以上もの時を越えて一時の休息さえ無く力を及ぼし続ける程の安定性と持久性。それを支えるのは、権能を宿せる程の適合率と、力を使いこなす強い意思。

 

 

 役目を終えて尚残り続けたその力は、干渉という枷を外れてただ力となった。

 

 

〈1基だけなら、鎮静化していれば私達でもどうにか出来そうね。……どうせ廃棄するのなら、防壁の素材にでもしたらどうかしら〉

〈良いね!あ、けど荒野のど真ん中に壁だけ作っても勿体ないかも?〉

 

 更に離れて数人が、岩壁の上からそれを眺めていた。

 干渉の意識を伸ばし確認しながら、いっそ呑気にも聞こえる程の平静さで会話は進んでいく。

 

〈使ったヤツの処理じゃ無く、使わないヤツの処理先なら良いんじゃねぇか?〉

〈それも勿体無いわね。それに今は、使ったオーディンの処理先が先決でしょう?……どうせ荒野の真ん中に放置するのだから、簡易シェルターにでもしておけば良いと思うわ〉

 

 彼等は嘗ての継承者と、その候補者達。役目を解かれて自由となった後も、その意思と研鑽によって幾らかの権能を保つ者達。嘗て程の大規模な操作能力こそ無いものの、徹底的に磨かれて研鑽を積んだその力は、船一つ分程度であれば十分に干渉が可能だった。

 

〈……暴走しないに、越した事は無いのですが……〉

〈その辺りは彼等次第ね。私達じゃ、そもそも動かせないから〉

 

 背に乗る3人と、そして離れて見守る吸血鬼達の役目は、〝最悪の事態〟に対する保険。――万が一にオーディンが暴走し、更にブラッド達では対処が困難となった場合。オーディンそのものを解体、もしくは根本から作り変えて無害化するのがその役目。……ただ多いだけの物質を操作し組み変えるという、彼等の最も基礎にして得意とする力を基盤とした役割だ。

 

 

 

 そしてそれらは、ヴェインと極東という西と東の海の先にある地以外では、未だ存在さえ認識されていなかった力でもある。

 

 

 

〈流石に、極東と同じ事は出来ないからな〉

〈あそこは例外だ〉

 

 未遂を含めれば5度の終末捕食を越え、聖域という存在を有する極東支部。そこへヴェインを形作り維持し続けた吸血鬼達が加わり、その特異性は更に加速した。そして更に、お互いにそれを当然として過ごした十と数年。加えて、厄災と灰域という脅威を前に全てを晒して立ち向かった連帯感と実体験に基づく経験と情報と技術。……様々な騒動や対応の為に手を取られながらも、一時たりとも立ち止まる事の無い研鑽の先に今がある。

 それは彼等自身の力と同時に、その特異性を受け入れた柔軟性を持つ者達、そしてその力を最大限に活かし得る舞台が揃っていたからこそだ。

 

〈許可が降りれば、やっても良いけど!〉

〈素材が足りねぇなぁ〉

〈それに、作ってもらってもあまり役に立たないよ〉

〈棺って継承者がそれ用によっぽど気合を入れないと血界以外の気密性ゼロだからね。対アラガミは兎も角灰域とは相性悪いよねー〉

〈やるなら〝エイジス〟レベルでやらないと駄目でしょうね〉

 

 吸血鬼と神機使い。継承者とブラッド。

 異なる起源を持つ遠い同朋にして、同族の中でも尚突出した力と異端を宿し扱う者。幾つもの騒動と危機をその力でもって乗り越えて来たからこそ、自分達の力と異質さと危険性は誰よりも理解していた。

 無人型神機兵、終末捕食、聖域といった明確かつ大きな事件に深く関与しているブラッド達は当然として。継承者達の力……神骸もまた、地形を変え都市を閉ざす程の力を示し、何より暴走すれば最古の脅威を再誕させかねない不発弾であることに変わりは無い。

 努力や経験だけではどうにも出来ない、才能とでも呼ぶべき特異な力と、それが齎し得る惨劇。それを認識し使い続けてきた身として、今更異端として距離を取られ区別される事を気に病みはしない。

 それでも、あるがままに振る舞い力を使う事を許され受け入れられる場所は確かに拠り所だった。――それこそ、持てる力の全てを使ってでも保ち護りたいと願う程に。

 

〈そもそも、極東のあれは聖域を抱えていた上、かつてのエイジスという土台があり更には数年をかけてヴェインと地脈が繋がっていたからだろう〉

〈棺の材料になる棘の確保もそうだけれど、ヤドリギの浄化も停滞の領域も無しだと、少し頑丈な建物にしかならないものね〉

〈建物部分だけなら兎も角、流石に全ての再現は無理だ。……それに、〝何かよくわからない怪しい建物〟を警戒しない人間は早々居ない〉

 

 細かな前提条件やそもそもの難易度に加えて実行者達の負担等問題は多々あるが、この地での活動を制限する最大の要因は異端への隔意だ。

 〝AGEさえ〟区別し差別するミナトやそこの大人達では、ブラッドや吸血鬼を受け入れる事はまず出来ないだろう。どう表面上を取り繕ったとしても、根本的な考え方や認識が変わらなければ然程も保たずに破綻するのは確実だ。〝たかが〟偏食因子が違う程度であれ程の軋轢を生むのならば、それ以上の異端は考えるまでもない。

 ほぼ感応種そのものであるブラッドの力とその実績、一種の人型アラガミにも近い吸血鬼という存在、そしてオラクル細胞を人為的に組み替えて造り上げる継承者達の棺。……当人達にそのつもりが無くとも、実際に活用され有用だと示されていても、その力が並の神機使いを遥かに超えている事もその存在がアラガミにより近いものである事も確かなのだ。……〝多少〟アラガミに近いと言うだけでAGEを別種の如く扱うこの地なら、ほぼ確実に〝人型アラガミ〟として分類されるのだろうとは容易に想像が出来た。

 

 まあ、極東支部があそこまで異端へ寛容だった理由が、実力があるのならば嫌でも共闘しなければ命の消し飛ぶ魔境だったという事を考えると、同じ事を求めるのは些か厳しいだろうとも思う。吸血鬼達に対しても、嘗ての……今よりは幾分かまだマシだった時期に出会えたからこその受容だったのだろうとは分かっている。

 それでも、この地のAGEを取り巻く環境は予想以上に悪過ぎた。仕方が無いと諦めてはいても、隔意を嫌だと感じる心が無いわけでは無い。……極東にも余裕が有り余っている訳では無いのだから、アインの事が無ければきっと好き好んでここへ来ようとは思わなかった。ましてや、ミナトやグレイプニル等とは関わろうともしなかった筈だ。

 

 

 

 それでも今、何処の誰に知られるとも判らぬ状況で、こうして惜しげも無く力を奮うのは。

 

 

 

〈これで灰域をどうにか出来る様になったら、ソー……じゃないや、アインさんも極東に帰れるよね?〉

〈だなー。クレイドルの人達も防衛班の人達も支部長達も皆心配してたし、早く繋がると良いよな!〉

 

 それは、かつて結び、そして切れる事の無かった絆の為。遠く切り離されてしまった一人を迎えるその為だけに、彼等はここ迄やって来た。

 一度場を結べば距離を苦としない吸血鬼達はまだしも、一歩間違えば同じく此方側に取り残されるブラッド隊までも、だ。

 

〈極東の皆が来れるだけでも、こちら側の改善には繋がりそうだ〉

〈だね! AGEの人達にも、出来立ての聖域カレーとか食べて欲しいなー〉

 

 和気藹々とした空気感と口調のまま、絶望視されていた筈の未来と希望を語る。この生がある内にそうなればと希望を抱き、それでもなお困難だと覚悟していた計画が急速に前倒しされていく。

 彼等自身と、そしてかの地の気質と能力と実績を知り、そして信じるからこそ、それが夢物語では無いと知っている。――かつて以上に力と規模が物を言う世界だと言うのなら、認められるに足るだけの力を示せば良いだけだと、きっと笑っている事だろう。何ならば、グレイプニルそのものとやり合う事さえ覚悟の上だろうとさえ思う。……少しばかり獰猛さのあるそれを危惧しないでも無いが、彼等は基本的に攻撃をされなければ無害そのものだ。

 

〈ヤドリギが俺達も使えたら、本当に良かったんだけどな〉

〈極東の技術でも、流石に無理がありましたね〉

〈いや、仮にも人間のお前達に出来たら、流石に怖いと思うが……〉

〈人型アラガミになればワンチャンー?〉

〈……試すなよ?〉

〈試さないよ!?〉

 

 相変わらず緊張感の欠けた物騒な会話が通信を流れていく。ヤドリギとは吸血鬼達が移動に使っている謎植物だが、ブラッド達はあんな得体のしれない物を試そうとしたのか。そしてもし万が一にでもそれが使えていた場合、どう反応すれば良いと言うのか。

 

 そんな周囲の困惑も心配も置き去りにして、彼等はただ自分達の望みを語る。

 

 自分達が危険視されるだろう事も、異端と差別されるだろう事も、命を狙われるリスクさえも承知の上だった。万が一には力でも過去の実績でも権威でも使って鎖を振り解き、最悪にはグレイプニルと敵対する覚悟さえもって此処へ来たのだ。

 

 だからこそ。灰域を排し、路を拓く可能性あるオーディンの起動実験に一も二もなく頷いた。

 安全確実な帰還手段の確保。更には彼の抱える心残りを一挙に解消して、ついでに自由な往来の実現を。それに加えて、この地で結んだ絆の先に居る彼等の助けになれるなら。――それを果たす力が、自分達にあるのならば、と。

 

 

……………………………

 

 

 

「本当に、動かしやがった…」

 

 どこか呆然とした言葉に応える者は居ない。……皆、思いは同じだった。

 ルカの操作とシエルの感応能力を直結し、より広範囲かつ詳細に表示されるレーダーに映る光景に息を飲む。荒野を軽快に走り回るオーディンと、その頭上で何の痛痒も見せずに過ごす7人と背に乗る3人の姿。……それは、オーディンという存在とその代償を知る者達にこそ、衝撃と違和感を伴う光景だ。

 

「アイン。……あんたは、知っていたのか」

「可能性としては、な。……だが、あの時提案出来るものでは無かった。吸血鬼達の情報は秘匿されていた上、海と灰域の先に閉ざされた極東へ辿り着く為には、それこそ灰域への対策が必要だった」

 

 代償を必要とせず、装置による操作さえ必要とせず。ただ感応能力だけでオーディンを起動し、自在に駆けさせる事を可能とする神機使い。そんなものが居たのなら、知っていたのなら。……こうして迷い無く協力を取り付けられる位に親しかったのなら何故。今ではなくもっと早くに頼めていれば、という思いを込めた問い。それに返るのは、自責と悔悟の入り混じった言葉。

 それは、誰よりもアイン自身こそがずっと心に秘め続けた事だった。

 

「結果として、あいつ等は自力で此処へ辿り着いた。だが本来なら、その道を拓く事自体にオーディンが必要となる筈だった。……そして、オーディンの暴走への対策も、だ」

 

 広大な灰域と海を越えた先にある古巣と、そこに在る力と知識、そして技術。唯でさえ往来の困難なその場所は、灰域の発生によって完全な孤島と化していた。

 欧州地方の島国に根ざすヴェインはまだ近くに在ったが、それでも海の向こう側である事に変わりは無い。何より、赤い霧を開ける存在が居なければ、あれは絶対的な拒絶と安定を誇る防壁だ。近場にあったヤドリギも神機使いや人間に使える筈が無く、やがては灰域に呑まれて消えていった。

 だから、極東もヴェインも、ヤドリギを通じて世界中を移動できる吸血鬼達ならばまだしも、一介の神機使いでしか無い身では届かない筈の場所だった。通信の手段さえ無く、そもそもの無事さえ確認は取れていなかったのだ。

 

 彼等がこの程度で崩れる筈が無いという信頼以外、何も持てずにここ迄来た。

 

 オーディンの存在とその操作方法を知ってから、彼等が居ればと何度思っただろうか。AGEどころかアラガミのそれさえも凌駕する程の感応能力と、それを扱いきれるだけの制御能力。嘗て、終末補食にさえ干渉し書き換えたその力があれば、と。

 そしてもう一つの対応策として、大都市とその周辺を纏めて覆う霧を年単位で維持し、巨大な建造物を生み出す事が可能な吸血鬼達の力があればと、何度。

 

 

 そしてそれを阻んだのは、何も地理や状況的な不可能だけでは無かった。

 

 

「……それに、だ。当時あいつらを呼び寄せる事が出来ていたとして、グレイプニルが黙ってはいなかっただろう」

 

 きっと、グレイプニルが強い影響力を持っていたあの頃でも、頼めば迷う事なく力を貸してくれただろうとは分かっている。例えそれで、彼等自身にどんな目や言葉が向けられたとしても、だ。

 いっそ心配になる程〝身内〟には甘いブラッド達に、隔絶された地での経験によるズレに加えその実年齢からか神機使いさえ庇護対象と認識している吸血鬼達だ。ただ流され良いように使われないだけの軸や灰汁はあるものの、本質的には〝気にしない〟事で周りの悪意を受け流す傾向が強い。……直接的な害に対しての自衛はしても、相手の悪意や隔意に関してはそうなるのも仕方が無いと一定の理解を示して放置が基本だ。

 それでも、心無い言葉に傷付く心は、確かにある。

 だから。彼等自身が気にしないのだとしても、彼等をこの地の偏見や軋轢に巻き込みたく無かったという事が一つ。

 

 そして、もう一つ。……感情的なものを除いて考えれば、こちらのほうが単純かつ明確に深刻だった。

 

「そしてもし、グレイプニルと対立する事になった場合、あいつ等は躊躇う事なく反発し敵対する。無駄な騒動や犠牲を好む様な奴らじゃ無いが、一度覚悟を決めれば迷いは無い上、何より力がある」

 

 ただの誹謗中傷や形の無い悪意だけに収まれば良い。自分達の力と存在の異質さを理解している彼らは、多少の隔意や差別程度なら今更気にも止めはしない。

 だがもしも、彼等のその力を把握したグレイプニルやミナトの大人達が一線を越える行動に出たならば。AGEに対してそうした様に、強権を振り翳してその意思や命を脅かすような暴挙に出てしまったなら。彼等の家族を、害してしまったならば。……彼等は、途端にその牙を剥き出して抵抗する。それは仮定や可能性では無く、そうなればそうなるという確定された未来の惨劇だ。

 

 彼等は、基本的には善良でお人好しで温厚であり、不要な騒動を自ら招く様な性格では決して無い。……無いが、ならばただ大人しく従順なだけの存在かと言えば絶対に違うと断言が出来る。

 仲間を、そして何より家族と呼ばう互いを護る為ならば。彼等ブラッドは、他者どころか組織そのものと敵対する事も、それを実行に移す事も迷いはしない。――他人を使い潰し、世界に反旗を翻してでも、家族を護る。家族の意思を護る為ならば、終わりさえ歪めて世界を護ってみせる。

 それは、嘗てのその時からブレる事の無いブラッドの軸。そしてそれを、口先だけの妄言や脅迫等ではなく、実行出来る事実力があるのは勿論……実行した事さえある行動力と覚悟そのものが問題だった。

 

 

「アラガミの群れさえその意思を捻じ曲げて従える程の力だ。最低でも船の感応レーダーは無力化される上、低めに見積もってもオーディンを強奪してグレイプニルの本拠地を更地にする位しかねん。周囲の被害を度外視するなら、無差別にアラガミを呼び寄せるというやり方もある。……最悪は、灰嵐を呼び起こしてぶつける事も、出来なくは無いだろうな」

 

 不可能である事と、可能な上で実行しないという事は、結果は同じでも意味合いが全く違う。――そしてブラッドと吸血鬼達は、紛れも無く後者に属する存在だ。

 

 例えば、今実演してみせている様にオーディンやその他オラクル兵器を奪取、使用しての破壊。例えば、高濃度の灰域に引き込んだ後に感応レーダーを狂わせての事故の誘発。……例えば、アラガミの群れをけしかけての蹂躪。

 ナナの力を他6人で底上げし灰域種を複数体呼び込めば、どんなミナトもグレイプニルも落とせるだろう。ハウンド達とて、自分達の生存確保だけなら可能かもしれないが、その少人数で数十数百を越えるアラガミから拠点を護り切るのは不可能だ。――人災と呼ぶには余りにも凶悪で極悪な、けれども人為的としか呼び様の無いアラガミ災害の誘発。討伐者というよりも本質的には教導者としての側面が強いブラッドは、多対多でこそ最も真価を発揮する。……そして、その味方となるのは神機使いだけではなくアラガミであっても変わらないのだ。

 単独や少数で複数の大型アラガミに対抗出来る神機使いを、両手足の指でも尚足りない程の数抱えていた極東と、どうしてもバラけてしまうこの地では条件が違う。……否、例え極東であっても、その防衛の軸になる幾人かが敵対に回るのだから、それなり以上の被害は免れ得ないだろう。

 活性化や強化をアラガミ側に、そして妨害を神機使い側へと向ける事さえ、彼等はその意思1つで幾らでも変えられる。……最悪、対話による弱体化や妨害を向けられ、探知によって動きを把握され、慈愛によって約2倍のタフさとなり喚起・鼓吹によって強化されたアラガミ群が統制によって組織立った動きで進軍してくる事になるのだ。

 

 ブラッド達の性格上、そんな事態にはそうそうなりはしないだろうが……やろうと思えば確実に実行出来るともまた断言できる。

 そして、明確な目的と意思を以て向けられるそれは、ある意味ではヴェルナーが引鉄となったかの大灰嵐にも似た……そしてそれ以上に明確な人災だ。

 

 

「ましてや今は、吸血鬼達が合流している」

 

 それでもまだ、ブラッド隊〝だけ〟であればある程度の抑えは効いただろう。

 特有の偏食因子を必要とするブラッドが極東を遠く離れて活動するには、必ずどこかのミナトなり組織なりに身を寄せる必要がある。フライアが小型船である以上、持ち込める物資にも限りがあった筈だ。如何に極東支部が可笑しくとも、遠く離れてしまえばこの地の方が影響力は強い。食料や水の備蓄とて、この乾いた灰の大地ではやがて尽きるだろう。

 赤の女王の最後の様に、全てを捨て去り相打ちに持ち込むつもりならば叶うだろうが、極東という家と互いという家族を持つブラッド達がそれをする理由も無い。そんな危険しか無い状態なら、そもそも極東から出てくる事もしなかった筈だ。

 

 

 だが、そこに吸血鬼達が同行しているならば話は変わる。

 

 

「拠点奥深くへの侵入と破壊、離脱への適性。そして何より、物資の調達や輸送を確実かつ迅速に行えるその特性は、今この世界だからこそ有用であり……脅威だろう?」

 

 単純な膂力や耐久性の〝平均値〟こそ神機使いに劣るものの、人とは比較にならない程の力を誇る吸血鬼達。その能力上完全な武装解除は困難な上、唯の人を殺すには十分過ぎる能力の数々。殺す方法があるとは言え、人に使える程度の火力では相当の腕か幸運が重ならなければ届かない程度の死ににくさ。そして、視線と風が通ればほぼ遮られる事の無い動線。……対人の暗殺者や破壊工作員として、これ程長けた存在も早々居ない。

 一般の吸血鬼でさえ、拠点の奥深く、神機を持たない神機使いや唯の人間相手ならば力の上下は反転する。脱出経路を潰して施設を崩壊させたとしても、彼等だけならば何の支障も無い。何なら爆弾を大量に懐へと隠し、手ぶらで侵入して機関部にでも爆弾をぶちまけ、本人はただ近場のヤドリギへ戻るだけで大打撃をあたえられるのだから手に負えない。

 ましてやその上位陣は、長い時間をかけて経験を積み続けた者達ばかり。豊富な経験と蓄積により強化されたその体は、それだけでも神機使いに比肩する程に強靱だ。しかもその比較対象は、世界に名だたる極東支部の討伐部隊達。短期殲滅を前提とする討伐戦ならばいまだ幾らか劣るとしても、陽動や持久戦となれば最早その上に立てる者は居ない。

 挙げ句一体どうやったのかAGE並の灰域耐性までもを備えた現状、リソースの削り合いで彼らを上回る事はほぼ不可能となった。

 加えて、三十と数年を戦い続けて摩耗する事の無いその自我は、今更敵対者が増えた所で揺らぎはしないだろう。

 

 そして何より問題なのは、吸血鬼達が持つ粒子化による非生物の運搬能力と、ヤドリギを介した世界最速の移動手段。

 個々の重量やサイズこそ吸血鬼達個人の能力に依存するが、おおよそ1個あたり数百kg前後を上限の平均値とする膂力がある以上、制限はかなり緩いと言っていい。

 そして保有可能な総重量は大型コンテナ複数を軽く越え、粒子化し取り込んだ物質は再度具現化するまで劣化する事が無い。……それだけでも、小型船である筈のフライアの積載量は何倍にも膨れ上がる。そこに、定点同士とは言え、その中間の距離や障害の一切を無視し出来るその移動能力が合わされば、どうなるか。

 

「極東支部……アナグラと常時行き来が出来、物資の運搬が可能なあいつ等が居れば。……もしブラッドがこの地で完全に孤立したとしても、物資の不足や整備不良に悩む必要は無い。何より、その気になればヴェインに逃げ込む事も出来る」

 

 聖域という鬼札を抱え、継承者達が作り上げた棺である〝エイジス〟とその周辺施設を備えた極東は、今や世界に並ぶものの無い安全と生産能力をそなえた究極のアーコロジーだ。

 潤沢な資源と食料に支えられ、高速で灰域やアラガミを物ともせずに移動する水陸両用の踏破船に乗り、世界随一の技術と人材を誇る遠方の支部と自在に補給路を繋ぎ、感応能力や固有能力に特化した少人数。……そんなものが敵にまわったら等と、考えるだけでも頭と胃に痛みが奔る。

 仮に追い詰める事が出来たとしても、一息に勝負を仕掛けて無力化しなければ容易く逃げられる。極東から此処まで独力で辿り着けたのだから、距離としては近場となるヴェインへの到達も難しくは無い。吸血鬼達が同行しているならば、彼等にとってあの赤い霧は拒絶の障壁では無く絶対防護の城塞へと変わる。

 更には、吸血鬼達の一部が持つ能力まで考えれば、それは自由意志で動き突撃してくる分、もはや大灰嵐や灰嵐種よりも質が悪いナニかだ。――オラクル細胞に由来する質量物を自在に組み換えるその力は、人々が拠って立つ基盤そのものを破壊して死の灰域に放り出す事程度は容易くやってのけるだろう。

 

 

 そもそも、だ。〝あの〟極東で十年以上最前線に立つ神機使いと、累計で最大三十数年の戦闘経験を誇る不老不死の吸血鬼など、特殊能力を抜きにしても相手になどしたくは無い。

 

 

「やべー奴等じゃん!?」

「味方である限りは、これ程頼もしい相手もいないさ。だが、俺達へ協力してくれる事と、グレイプニルとやり合わない事……抑えが利くかどうかは別問題だ。元々フェンリル時代から極東支部は本部との折り合いが悪い上にブラッドはさらに特殊な立ち位置で、吸血鬼達はそもそもルーツ自体が違う」

 

 ブラッド達は基本的にとても善良であるものの、その強い情は時に組織よりも個人を優先して発揮される。家族を守る為ならば死病に冒された人々を利用してクーデターを起こし、世界を呑む終末捕食の危機に対してさえ家族を助け迎えに行くというスタンスで臨んだ程なのだから、その根幹を書き換える事は不可能だ。――同じ孤児院を出た者達だけでなく、関係が薄かった筈のヒロやギルバートでさえ変わらないのだから、最早ブラッドはそういうものなのだと考えて良い。

 更に言えば、彼等は〝フェンリル極東支部所属の特殊部隊〟のままである。フェンリル本部が壊滅している現状その指揮系統の最上位は極東支部とその支部長であり、グレイプニルは当然として他のミナトにもアインにも、その権限は一切無い。――指揮権を持ち、更には偏食因子の供給さえも極東支部が担っている以上、自分達に出来るのは対価を払っての依頼か、或いは嘗ての誼を通じた願い程度だ。

 

 逆に吸血鬼達は、小を切り捨てて大を救うという意識が強く覚悟も固い。だがその〝大〟は個人や組織レベルでは無く文字通りの【世界】や【人類】そのものであり、〝小〟に自分達自身を積極的に当て嵌めて実行するあたり、やはり一般的な組織とは根底が異なっている。故に、世界の為にというその名目は認めても、AGEや人型アラガミに負債を押し付け払わせようとしたグレイプニルやミナトとは、致命的な程に噛み合わない。――必要であれば〝全て〟を犠牲にしてでも果たすというその覚悟には、当然彼等自身も含まれている。

 災厄の欠片を自らに封じ、人どころか凡そ生物に相応しくない環境に身を置きながら、年単位で耐えてみせる壮絶な覚悟。そして、定めた目的を果たすためならば、情も命も尊厳も全てを捧げて進み続ける鋼の精神。それだけの覚悟を可能とする意思は、同時に強い情をも宿す。冷徹なまでに判断を下し分けながら、同時に誰かの為に命を賭して奇跡を成し遂げもする。……それこそ可能でさえあれば、自分こそが最も重い荷を背負おうとするのがその本質だ。

 

 それに、だ。そもそも彼等吸血鬼は、神機使いとは別枠の技術と特性を根幹とする別存在だ。〝フェンリル極東支部〟と誼を通じていたからこそアインを通じてダスティミラーやクリサンセマムと協力関係にあるだけで、指揮系統は全くの別物。元よりフェンリルそのものに対してほぼ無関係であり、グレイプニルに至っては最早ただの他人でしかない。

 

 

 全く異なる命令系統下にある、自己意思と覚悟の下に選択と行動を行う実力者達。――抑える事など、出来る筈が無い。

 

 

 個人の気質と、特異的な環境で育まれた在り方による溝。そして、無理を通せるだけの能力と実績。……本当に、味方としてならば何よりも頼もしい存在なのだ。最低限の礼を尽くし、その異質さを受け入れて仲間となれれば、彼等は必ずそれ以上の物を返してくれる。

 ただ少し、譲れない部分の硬さと、思い切りというか覚悟の丈が突き抜けているだけだ。

 

 

「あいつ等は基本的に専守防衛だ。妙な事をしなければ、いっそ軟弱とも取られる程度に行儀も良い。……それに騙されてちょっかいを掛けかねない奴らが力を持っていた時期に呼んでどうなってたかなんて、考えたく無いだけだ」

 

 

 そんな彼等の胃痛と頭痛を置き去りに、モニターに映る異端者達は、何時もと変わらず朗らかに非常識を重ねていた。

 




実はブラッド達によるオーディンの起動と操作は、コードヴェインとのクロス以前にGE2とGE3の設定を捏ね回している時期に思いついた事だったします(神機兵やノヴァの操作出来るならいけるんじゃないかと)
ただその時は「操作は出来るだろうけど暴走リスクはあるだろうし、暴走を無理矢理抑えるのも負担が大きそう」でいざという時の最後の手段には使えるんじゃないかなという結論だったんですが、コードヴェインとのクロスにあたり比較的安全な兵器に出来そうだなという思いでこの流れとなりました

AGE達がちと空気ですが、終末捕食に干渉したり都市レベルの範囲に影響したりしてみせているとんでも共が可笑しいだけで平均としてみれば彼らも普通に強いです
というか再現性無くて個人に依存しまくってる時点で兵器や兵士として見るとブラッドや継承者達はある意味欠陥品とも言えるのではないかなというのが個人的な思いですね
少なくとも世界中に配備する兵士としての完成度は一般的なGEやAGE達の方が上じゃないかなと
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