ありふれてないアークスはその力で何を守護るのか   作:時空 雄護

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ようやくここまでたどり着いた……こっからはほぼオリジナル展開になりますので、よろしくお願いします。


旅の準備、そして敗者との再会

~ハイリヒ王国 王宮内の一室~

「きゅ、急に何を言ってるんだ二人とも!?」

防音魔法によって外に声が漏れないようになっている部屋で、光輝が声を荒げる。

「落ち着け、これにはわけがあるんだ。」

「落ち着いてられるか!なんで、旅にでようとするんだ!」

理由をどうしても聞きたいのだろう、累斗の服の襟を両手で掴みかかる光輝。

「だから落ち着けといってるだろう。これは俺たちにとって重要なことだ。というか清水ならわかるだろう?」

「……あー、異世界系でよくあるあれか。」

「「「あれ?」」」

?マークを頭に浮かべる三人に説明をし始める清水。

「えぇとな、ますこういう異世界転移系のラノベってのは強すぎるやつにいちゃもんつけて追放したりするんだよ。なんでかってのは強すぎると反逆されたときに手に負えないからとか、そういう身勝手な理由なんだ。それを回避する、というか関わってくるのが嫌だから旅に出るんだろ?」

「まぁな。」

「そういうことなんだぁ……」

清水の説明でなんとなく理解したのだろう、香織と雫が頷く中光輝は苦い顔をしている。

「こればっかりは仕方ない。もうメルドさんには言ってあるから今更キャンセルはしないぞ。」

「動くの早!……俺が着いていくのは、だめなんだろ?」

光輝の問いに大きく頷く累斗。

「よくわかってるじゃないか。お前には王国内でクラスメイト達を率いてもらうつもりだ。雫にも頑張ってもらうぞ。」

「嘘でしょ、私にもやらせることあるの……?」

雫がほんの少しげんなりする中、清水が意外な発言をする。

「なぁ累斗、廻斗。俺は着いてっていいか?」

「「「え!?」」」

「は?」

清水の発言に流石の累斗も困惑する。

「待て清水、何を考えてる?確かにお前には何も言ってないが「累斗、その目は何だよ」…!」

清水からの言葉で、今の自分が光輝達にどんな目を向けていたかに気が付いた。

「累斗から見たら俺たちは空想の存在(そう)かもしれない。でも今、俺たちは空想の存在じゃない(生きてる)んだ。頼む、俺たちをちゃんと見てくれ。」

清水の言葉に、累斗は言おうとした言葉を抑える。

「……一本取られたな。」

「全くだ。前に言っただろう、その目はやめろと。」

「いやぁ、こればっかりは前世の記憶があるから…。」

「あー……それで、俺はいいんだよ、な?」

清水の言葉に仕方ないといった感じで頷く累斗。

「構わないが……俺たちに着いてくるってことは、、それ相応の強さを持ってもらうぞ?」

「あたぼうよ!アークスになれるんなら本望だぜ!」

「お、おう…」

清水の押しに少し困惑する累斗。

「ンンッ!兎に角、光輝はしばらくの間クラスの方を頼む。それを雫が龍太郎と一緒に補助、香織は南雲が戻ってくるまで一緒にいること。必ず戻ってくるからなあいつは。そして清水!お前は明日の朝に適性検査をする、遅れるなよ。」

「わ、分かった!」

 

 

 

 

 

 

~翌日の朝~

「いやー、朝から色々騒がしかったなホント。」

「主に二人のせいだぞ、愛子先生に反対されても押し切ったのはすごいけど。」

「あの程度で押し切れないわけがない。マトイに言われていたら迷うかもしれんが。」

「分かる。」

「えぇ……。」

王宮がある土地の一区域で、累斗・廻斗・清水がいた。

そう、彼らが旅に出ることをクラスメイト達に話した結果、皆から行かないでくれといった声が上がったのだ。無論畑山先生も「危険すぎる」と言い、三人を止めようとするが、そこにメルドが現れ、二人が旅立つ理由を説明した。それでも、と尚も説得しようとした愛子先生に対して、

「先生、今のクラスの状態は危険すぎるんです。なんせ俺と廻斗に頼りっきりになってるんだ。」

「それでいいじゃないですか!わざわざ離れて危険な旅をしなくても「私たちはやることがある」…廻斗君?」

「先生、私たちにはやるべきことがある。その先に、クラスメイト達が必要な場面があるんです。だが私たちが付きっきりでいると、皆頼りにしてしまう。私たちがいないと何もできない状態になってはいけないんだ。」

「そのために俺たちはいったん離れる。あ、清水も一緒だ。」

「すいません先生。でも、俺は二人に着いていくつもりです。」

「清水君……。」

こんな会話があり、三人は漸く旅の準備をするところであったのだ。

「さて………いるんだろ?敗北者(エース)・・・じゃなかった敗者(ルーサー)。」

「なぜ間違えた。」

「はぁ、はぁ…敗北者?」

「反応するな、話がそれる。」

「「あ、はい」」

三人がコントしている間に、三人の共に一人の男が現れる。

「やぁ守護衛士(ガーディアン)君、【仮面】(ペルソナ)君。こうして会うのはずいぶん久しぶりだ。」

「ようルーサー、相も変わらず胡散臭い動きしてたな?メルドさんにお前のことを聞いたら苦い顔してたんだが?」

「ふむ、別におかしなことはしてないんだがね…あぁもしかしたら、君たちが来る前に迷宮に入る時、私もついていって色々調べてたからかな?」

「余計なことを…清水、見ての通りこの男は敗者(ルーサー)。お前の知ってるルーサーだ。」

廻斗の言葉に清水の目が輝き、ルーサーを見る。さすがのルーサーも少し困惑している。

「…彼はなぜ僕をあんな目で見てるんだ?」

「俺と同じ。」

「あぁなるほど……はじめましてだね、清水君。僕は敗者(ルーサー)、君の知っている僕そのままだと思ってくれて構わない。」

「ほ、ほほほほほ本物だぁ…!あ、ドーモ ルーサー=サン 清水幸利 デス」

「ニンジャスレイヤーやめい」

「なんだいそれ?」

「日本のアニメのネタ枠だ。詳しくは地球に戻ってからだ。」

「いいだろう。」

「んんっ!」

このままだと話がそれまくってしまうので、一度咳ばらいをする累斗。

「ルーサー、さっそくで悪いが他の面子はどうした?」

「ふむ、【巨躯】(エルダー)【若人】(アプレンティス)【双子】(ダブル)だね。少し待ちたまえ……【巨躯】(エルダー)の場所はわかるが、残りの三人はわからない。申し訳ない。」

「ルーサーが謝るの新鮮だなぁ。リアルだと中の人」

「「それ以上はいけない」」

中の人ネタは限度をもってしましょう!

「それで?ゲッテムはどこにいるんだ?」

「彼はここから離れた町にいるようだ。どうやらオメガでの僕のように、貴族がいる街だね。」

「貴族ってことは……ブルックの街か?あそこで冒険者をやってるのか、はたまた貴族の護衛とかやってるかだな。」

「奴の性格上、護衛などやらんだろう。」

「「確かに、ゲッテム(ハルト)はそんなのやらないな。」」

「プックク…彼が聞いたら怒り狂うだろうね。」

「「「確かに」」」

ゲッテム君はイジリ枠です(by投稿主)

「それで、君たち二人はともかくとして、清水君はアークスではないのだろう?」

「これからアークスにさせるんだよ。もう覚悟は決まってるみたいだしな。」

そう言われ、清水の顔が強張る。

「ふむ、ならクラスは決まっているかな?君がやってみたいものでもいい、僕たちの編成を見て考えるのもいい。」

「そう言われるとなぁー…累斗と廻斗は全クラスできるのずるいぜ。状況ですぐ変われるんだし。」

「リキャストは流石にあるぞ?と言っても1秒もないが」

「ちくしょう強い!さてはエンドコンテンツも最後までクリアした廃人だったな!?」

「よくわかったな。って待て俺は廃人じゃないエンジョイ勢だ!」

廃人発言に異議を示す累斗。筆者もエンジョイ勢です(鋼の意思)

「落ち着けお前たち。廃人だろうがエンジョイだろうがどうでもいいだろう。」

「「どうでもよくない!」」

「……そうか。」

「ツッコミは君に任せるよ」

「ルーサー貴様ぁ!」

 

 

~閑話休題~

 

 

「さて、結局はメインにレンジャー、サブにフォースって構成になったが、どうだ?」

少し時間が経ち、アークスになった清水に調子をうかがう累斗。

「テクニック使えるだけで元の職業の力使えるの便利。」

「そこか…まぁ分かる。」

「なるほど、こちらの世界の職業によっては、テクニックで代用が可能と。」

「そういうことだ。俺たちは魔道戦士って奴だ、フォトンが魔力に置き換わってただけだったがな。」

「ほぉ?それはまた興味深いね…。」

ルーサーが興味を示しだしたところで、一度話を戻すように咳払いをする累斗。

「ンンッ、清水の準備もできたし、そろそろ飯とか野宿の用意をしないとな。」

「飯は最悪そこら辺の木の実でも食べれば…。」

「なんなら魔物の肉でも食べてみるか?」

「死ぬんじゃなかったっけ!?食ったら!」

「「俺たちは問題ない。」」

「ちくしょうそうだったダーカーの肉食ってんだったなぁアークスって!」

「あれの肉を食べてたのかい……?」

「よく知らんが浄化はされてたな。」

「よく知らんが!?」

「得体のしれない食べ物への抵抗感はすでに無くなっている……。」

「あ……。」

廻斗の過去、というより黒歴史のようなものの一部に気付いた彼らであった……

 

 

 

 

 

~数時間後~

「ヨシ!これで野宿になっても心配はないな。」

「アークス様様だよな、これ……ポーチに大きさ関係なく何でも入るのって。」

そう言いながら、ポーチへ食材や調理道具をしまい込む清水。その隣でルーサーも自身が買ったものをポーチ内に仕舞っている。

「ふむ、こうして考えると、つくづくこの世界の技術が進んでいないことに少し違和感を抱くね。」

「「「それはある。」」」

「というか、累斗はその理由知ってるだろ?」

「まぁな、だがまだ言う気はない。」

このトータスの科学技術の進み具合の遅さにとある神が関わっていることを知ってはいる累斗。

(ここでんなこと言ったら使徒が来る可能性が高いしな、あのクソ神はヘルアンドヘブンで消してやる)

この男、神とはいえ生身の人間にとんでも技をやる気である。慈悲などないが

「まるでFF10だな。」

「それは言える。」

 

 

 

 

 

「それじゃあ、行くわ。」

「あとは頼んだぞ、お前たち。」

ブルックの街、というよりライセン大峡谷の方面への道の入り口で、四人はクラスメイト達とまた会っていた。

見送りだと本人たちが言っていたことから、今更引き留めに来たわけではないようだ。

「……南雲のことと、檜山のことで、皆心が揺らいでる。畑山先生が抗議してくれたおかげで希望しないクラスメイトの一部は畑山先生についていくになったり、城下町で暮らすことになった。」

「……………。」

「希望したメンバーだけで今後は訓練をすることになった。……これで、よかったのかな?」

「……………。」

光輝からの報告で今のクラスメイト達の状況を聞く累斗たち。

「……そもそも、この世界から見て俺たちは異物(イレギュラー)なんだ。どんなことをしたって、己を決めるのは己の心だ。」

「でも!」

「でもじゃない!…情けない顔をするな、光輝。」

「っ……。」

累斗からの指摘に慄く光輝。

「今のリーダーはお前だ。リーダーのお前がそんな顔をしてどうする?」

「……俺は……俺は…っ!」

悩みに悩み、思考の海に落ちそうになる光輝。

「…あーもう!うじうじ悩まないの!」

「ぐへっ!?」

見かねた雫が、光輝の後頭部をはたく。

「いい?累斗たちがいなくなるってことになるこれからは、あんたが皆を引っ張っていかなきゃいけないの!そのあんたがそんな顔してたらみんなが不安になるでしょ!」

「雫……。」

雫からの叱咤に少し顔が良くなる光輝。

「ねぇ三人とも、戻ってくるのよね?」

「だいぶ先、だがな。」

雫からの問いに答える累斗。それを聞いて安心したのか顔が緩む雫。

「ほら、戻ってくるとは言ってるでしょ?なら今を頑張るわよ!」

「………分かった。必ず、戻ってきてくれ。」

「あいよ………じゃあな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

こうしてアークスたちは旅立っていく……次に彼らを待ち受ける運命は、錬成の魔王との出会いであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、道中はどうやって移動するんだ?」

「「走る」」

「……僕は科学者なんだけどね?」

「「知るか」」

 

 

 

 

 




変なところで切りましたが、ひとまずはここまでです。
でもここからが問題で……南雲が奈落に落ちてから、ユエと一緒に地上に出るまでどんぐらいかかってるのかわからないんですよ()
原作小説を読むと1ヶ月以上はかかってる気はするんですけどねぇ…そこらへんはあんとか数えてみるしか…

ということで次回をお楽しみに!
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