ありふれてないアークスはその力で何を守護るのか 作:時空 雄護
南雲ハジメに待つ運命が、ついに動き出す……
次の日、累斗達は【オルクス大迷宮】の正面入り口の前の広場に集まっていた。
クラスメイト達はゲームなどで見る洞穴のようなを想像していたようだが、実際は博物館のようなゲートになっており、受付窓口もあり、制服を着ている女性が笑顔で出入り口をチェックしていた。
どうやらここでステータスプレートをチェックすることで迷宮への出入りを記録し、死亡者を正確に把握しているとのこと。戦争を控えているからか、死者を多く出さないための処置なのだろう。入口付近には露店等が所狭しに並び建っており、お祭りのような賑わいがある。
メルド団長に付いていきながらも、気になっているのか周りをキョロキョロしているクラスメイト数名を片目に、その後ろを歩く累斗と廻斗。
~迷宮内~
迷宮内に入ると、そこは外の賑やかとは離れたものであった。
縦と横で5m以上はあるだろう通路が、緑鉱石と呼ばれている特殊な鉱石によって薄ぼんやりと発光している。
この緑鉱石の鉱脈を伝って掘られたのがこの迷宮だそうだ。
一行は隊列を組んでゾロゾロと進んでいく。しばらくの間は何事もなく進んでいたが、ドーム状の広場に出ると、先頭に移っていた累斗の目が鋭くなる。
「………数が多い。10は超えてるな。」
そう言い、腰に携えていたカタナを抜刀する。すると、壁の隙間という隙間から灰色の毛玉が出てくる。
「あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、たいした敵じゃあない。冷静に行けよ!まずは光輝たちから前に出るんだ!」
メルドの説明の後、その通りにラットマンが素早い速度で飛び掛かってくる。
それを見た累斗は瞬時にカタナに魔力を流す。すると、刀身に魔力が走り淡い赤色に光る。
累斗・廻斗が持つカタナの形をしたアーティファクト「ハルサクラ」、「ナツウツギ」。なんでも魔力を流すことによって刀身を強化。そこから魔力の刃を出したりできるアーティファクトとのことだ。因みにこれを見たとある二人は「レーザーブレードじゃね?」と言っていたがそこはよしとする。
こちらに飛んできている数体のラットマンに対して、横一文字にハルサクラを振る。
すると、一秒も満たない時間だけ魔力の刀身が伸び、ラットマンを二分割にする。
常に伸ばしているとそれだけ魔力を無駄に消費することを経験から分かっている累斗。某世界の引き金の世界の技の一つのように起動時間を少なくして、魔力の消費量を少なくしているのだ。因みに射程は限界まで伸ばすと地球の直径を超える長さまで伸ばせるとのこと。どこの最強最速の光の巨人だ。
それに続いていく光輝たち前衛陣。聖剣、拳、刀擬きによって半分ほど倒され、そこに詠唱を終えた香織、恵理、鈴の魔法が残っていたラットマンに直撃し、広場のラットマンが全滅する。
「……あぁうん、よくやったぞ!次はお前等にもやってもらうからな、気を緩めないように!」
生徒たちの優秀さに苦笑いしつつも、散漫しないように注意するメルド。それでも浮かれ気味なクラスメイト達に仕方ないといった顔をする。
「それと…今のオーバーキルだからな?これは訓練でもあるし、実践だと魔石を回収するからな。」
メルドのその言葉にギクッとする魔法女子三人。少し顔を赤らめる。
(恵理の赤面、プライスレス!)
ただ一人、赤面してる恋人に対して心の中で喜ぶ光輝であった。
以下、ダイジェストでお送りする道中でございます。決して描写したくないとかではないのです!ホントなんです!信じt(ry)
~第五層~
「「遅い!!」」
「やっぱ凄いなぁあの二人…ってやばい!?後ろに!?」
「ディフェーンド!からの首狩り!」
「錬成にはそんな使い方があるのか……。」
~第十層~
「十層にもなると魔物も強くなるぞ!十分n」
「八つ裂き…だとコンプラ的にダメだからウルトラスラッシュ擬き!」
「「凄ぇーーーー!!」」
「なんだそれ!?」
「詳しく言うと長くなります。」
~第十五層~
「俺だってやってやる!エクス……カリバァーーー!!」
「うん、ちゃんと制御できてるな。」
「いや待てどうやって剣刃から魔力の放流を出せるんだ!?そんな使い方もあるのか!?」
「これも長くなります」
~第二十層~
そんなこんなでたどり着いた二十層。この階層で一流の冒険者かどうかが区別されるらしい。
最高到達階層は65だが、それは100年前の話とのことだ。超一流で40、20で一流で扱われるようだ。
累斗達は異世界から来た存在だったためあっさりとこの階層まで降りることができたのだ。
とはいえここまでスムーズに降りれたのは騎士団員たちによるトラップの発見である。
「よし、お前たち聞いてくれ。ここから先は魔物が一種類だけでなく複数種類現れ、連携も取ってくる。油断せずに気張れよ?ここを攻略したら今日の訓練は終了だ!」
メルドの声が響き、一同の雰囲気が締まる。
そのまま一同は奥へ進んでいき、鍾乳洞のようにツララ状の壁がせり出している部屋に付く。
すると、先頭組が立ち止まる。訝しむ後方のクラスメイト達だったが、累斗とメルドの声が響く。
「擬態型か。数は……そこまで多くはないな。」
「累斗の言う通りだ、擬態してるのはロックマウント!剛腕な腕に注意しろ!」
その言葉が響き渡り、光輝たち前衛が武器を構え、F〇14で言うタンクである龍太郎が飛び交ってくるロックマウントの剛腕を
龍太郎という壁を突破できないと考えたのか、そのまま下がるロックマウントが大きく息を吸い、
「GuuuuGAaaaaaa!!!!」
部屋全体に響く咆哮をする。ロックマウントが持つ固有魔法“威圧の咆哮”である。言うなればモン〇ンの咆哮(小)であろう。
咄嗟に自身に魔力の膜を張って防いだ累斗だが、彼以外の前衛三人はまんまと食らってしまい一瞬とはいえ硬直してしまう。
その隙にロックマウントが近くにあった岩を魔法支援組の方に投げる。避けることができないため、それを迎撃するために杖を構える支援組だが、次の光景に驚愕する。
その岩もまたロックマウントであり、その剛腕な両腕を開き支援組へ迫る。
「ふんっ!」
しかしそれを予知していた廻斗が香織たちの前に立ち、ナツウツギを振るいロックマウントを断ち切る。
「落ち着け、飛んでくるのは俺がy「許さない…」…ゲッ」
「俺の恵理に手を出そうとしたな……ゆ”る”ざ”ん”!”」
某てつをのように怒る光輝がその手に持つ聖剣を光らせ、聖剣を上段に構え振り下ろす。
「万翔羽ばたき、天へと至れ――天翔閃改め、エクス、カリバァーー!!」
「あ、おいやめろ!」
メルドが止めようとするも虚しく、放たれた光の奔流が残っていたロックマウントを消し飛ばし、更に奥の壁に直撃し一部を破壊してしまう。
ヨシ!と言いたげな顔をして後ろを振り向く光輝だが、廻斗が左腕をブンブン回しているのを見て顔を青くする。
その光輝の後ろで、南雲に何かやらせようとする累斗。
「よしハジメ、岩盤擬きの用意だ。」
「オッケー、お約束だね。」
ほとんどの人は何のことかと頭に?マークを浮かべるが、龍太郎・雫・香織・恵理・清水、そしてこれからそれを食らう光輝は分かっていた。
(お約束って…あー、あの動画のやつか?)
(前に見てた動画のかしら…?)
(岩盤…?あ、もしかしてあの動画のかな?)
(光輝…ご愁傷さまとしか…)
(ブロリーMAD恒例の岩盤浴ktkr!)
(待 っ て ! ? よりによってそれなの!?)
「ディフェーンド!それでちょっと形整えて…オッケーできたよ!」
「ヨシ!(現場猫)廻斗やれ」
「うむ。」
「あー……やりすぎるなよ?」
「メルドさん!?」
唯一の回避策も消えた光輝の顔が絶望に染まる。
「この…馬鹿ヤロォーーー!」
「ふぉぉ!?」
キィーーーン、ドォーーーン……
「迷宮が崩壊したらどうするんだお前。」
「ずびばぜんでじた……。」
((((((なんで岩盤に叩きつけたんだ?))))))(括弧省略)
無事光輝への制裁(お約束)も終わり、今一度空気が軽くなる一同。
すると、光輝の攻撃で崩れた壁を見ていた香織が声を出す。
「……?あれなんだろう…青い、石…?」
一同が香織の見ている壁を見ると、壁から青白く発光する鉱物が花の芽生えのように生えていた。宝石のように輝くそれに、女性陣は目を奪われていた。
「珍しいな。あれはグランツ鉱石、大きさも中々だな…。」
「確か、指輪とかのアクセサリー系統に使われる宝石の原石…だったかな?」
「お?そんなことも調べたんだな?物知りになったな、坊主。」
ハジメが知識を披露したことでメルドがそれを褒める。それを見て嫉妬を感じる女子が…
「あとで頭撫でたりしなさい。」
「うん!」
どうやら落ち着いたようだ。
「だったら俺が回収してくるぜ!」
唐突にその声が響き、鉱石が生える壁を上る男が出る。無論
「っち、面倒なことを」
と言いつつ、無理やりにでも剥がす意思を醸し出したまま壁に向かう累斗。
そして、累斗に付いていったメルドが団員の一人にフェアスコープを使って罠がないか確認させた時、団員が声を張り上げる。
「団長!トラップです!」
しかしもう遅く、檜山が鉱石に触れた瞬間、鉱石を中心に魔法陣が現れる。まるで、クラス全員で転移させられたあの日のようなものが。
そのまま魔法陣が部屋全体に広がり続け、メルドが撤退を指示するが……遅かった。
部屋全体に光が満ち、彼らの視界を白に染める
~???層~
彼らが転移された階層は。異質な空気が漂っていた。転移されたことで、尻餅を突いたりするものがいるが、騎士団や光輝の前衛陣、そして累斗と廻斗・南雲はすぐに立ち上がり、周囲を警戒する。
彼らが転移されたのは巨大な石造りの橋の上であった。橋の下は奈落といっていいほど何も見えず、誰もが危険だと判断していた。
それを確認したメルドが険しい表情をしながら指示を出そうとした瞬間、彼が示した階段のある橋の入り口前に魔法陣が現れ、骨が剣を持つ魔物「トラウムソルジャー」があふれるように現れ、通路側にも魔法陣が現れる。
その魔法陣はどんどん大きくなり、m単位の大きさになると、そこから一体の巨大な魔物が現れる。
その魔物を見た騎士団はそれに対して呆然とし、それを知っているメルドが呟いた言葉が全員の耳に響いていた。
「まさか…ベヒモスだというのか………!?」
(ここまで来た、か……)
(……すまない南雲、本当ならお前を救いたい…だが、ここでお前が
(……せめて、お前を陥れるあいつだけは〆るからな……!)
邪悪な思いを持つ青年の近くに、「何か」が追従するように出てきた。しかしそれは透明になっており、目の前のことにしか目を向けていない彼はそんなことにも気づかず、邪悪な思いを募らせていく。
それを、透明な何かが
To be continue……
遅れて本当にすいませんでしたorz
大学が始まったり、執筆にノリが乗らなかったりとなっており、こんな遅くになってしまいました。
つ、次は早めに投稿するつもりです…