俺の鬼狩りは間違ってない   作:大枝豆もやし

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三対一

 

 深夜のとある森。

 そのある個所だけ明るく、そして騒がしかった。

 

「でやあ!」

「ふん!」

 

 気合の声と共に、互いの武器をぶつけ合う。

 ガキィンと、金属を力強くぶつけるが響く。

 その度に激しい火花が飛び散り、その周囲を照らした。

 

 奏者は四人。

 鬼殺隊員の比企谷八幡と三体の鬼である。

 八幡は日輪刀でなく鎖鎌を使って戦っている。

 

 

【血鬼術 喧鈴】

 

 

 鬼の一体が血鬼術によってけたたましい音を出した。

 鈴虫のような羽と、異様に長い脚。

 まるで鈴虫と人型を無理やり足したかのような姿である。

 

 

【雷の呼吸 壱の型・崩し 轟雷】

 

 

 強い踏み込みによって、雷鳴のような轟音が響いた。

 音は鈴虫鬼のかき消し、その血鬼術を無効化させた。

 彼の選択は正解である。何故ならこの音には仕掛けがあるから。

 

 鈴虫鬼の鳴き声には催眠効果がある。

 聴覚を通して脳に作用し、意識を奪うのだ。

 八幡はそのことを知らないが、今までの経験からタダの鳴き声でない事に気づいた。

 本来なら血鬼術を使う前に仕留めるか、術を邪魔したかった。だがその隙がなかった。

 故、強烈な足音で消す事を選んだのだ。

 

「!?」

 

 八幡がその場を横に跳ぶ。

 途端、土の中から鬼が飛び出した。

 土竜のような手と、異様に長い脚をした鬼。

 まるでケラと人型を無理やり足したかのような姿である。

 この鬼は地中の振動によって八幡の位置を特定し、不意を突こうとしたのだ。

 だが、振動によって相手の位置を確認したのは、この鬼だけでない。八幡も同様だ。

 音と匂いによって存在を感知し、先程の強烈な足音で襲撃のタイミングを見抜いて、回避したのである。

 

 

【血鬼術 電光石火】

 

 凄まじい速度で木々の間をすり抜け、八幡に襲い掛かった。

 棘の生えた手足に、異様に長い脚をした鬼。

 まるでキリギリスと人型を無理やり足したかのような姿である。

 

 単純に速度のみで八幡に襲い掛かる。

 いつもなら容易く返り討ちに出来るが今回は複数。

 八幡がケラ鬼の対処をしていた隙に襲ってきたせいで、反撃のチャンスを逃してしまった。

 

「死ね鬼狩りめ!」

 

 螽斯“キリギリス”鬼の連打。

 昆虫のような外骨格に覆われた手足による連続攻撃を、八幡は鎖鎌で受け流す。

 

「このッ!」

 

 背後から再びケラ鬼が襲い掛かる。

 螽斯鬼の連撃を捌いている際中に。

 ケラ鬼は勝利を確信してほくそ笑む……。

 

 ガキィン!

 

 八幡は鎖部分でケラ鬼の手を受け流した。

 同時に手首を鎖で瞬時に縛り、自身の前面に引っ張り出して楯にする。

 

「ギャア!?」

「兄弟!?」

 

 螽斯鬼の拳がケラ鬼の身体を貫く。

 同時、八幡は鎖から鎌を即座に取り外し、身体を回転させながら鈴虫鬼の方へ向く。

 

 バンバンバンッ!

 いつの間にか引き抜いた銃で早撃ち。

 瞬く間に鈴虫鬼の羽と首を撃ち抜いた。

 しかし、相手は鬼。銃では死なない。

 だがソレでいい。コレは牽制なのだから。

 

 

【雷の呼吸 壱の型・崩し 轟雷】

 

 一体目。

 先ずは螽斯鬼の首。

 強い踏み込みの勢いを斬撃に乗せる。

 八幡の技は固い外骨格に覆われた首を易々と切り裂いた。

 

 

【水の呼吸 壱の型 水面斬り】

 

 二体目。

 次はケラ鬼の首。

 鎌を翻して横一閃に首を刎ねた。

 

 

【風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ】

 

 

 三体目。

 最後は鈴虫鬼の首。

 振り向き様に逃げようとする鬼目掛けて投擲した。

 凄まじい勢いで竜巻の如く螺旋状に回転しながら、その首をスパッと刎ねる。

 

「なかなか面白いな、こういう武器も」

 

 暗闇の中、腐った目を妖しく光らせながら、戻った鎌をキャッチした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「弓矢は威力こそあるが、敵の大きさに強く依存する。鎖鎌も便利だが普段の戦いは刀が望ましい。使うとしても補助用の武器である…っと」

 

 三体の鬼を倒した後、俺は武器の感想を書いた。

 

 今回使った鎖鎌。

 甲さんが作った日輪刀の試作品の一つだ。

 で、俺はそのテスターとして今回使用し、そのデータを取っている。

 前回の蝉みたいな鬼に使った弓矢や短刀、ワイヤーとかも試作品だ。

 その時のデータもちゃあんと送信済みだ。

 まあ、アレは普通の鉄で出来ていたがな。

 

「八雲、コレを甲さんに持って行ってくれ」

「ああ、いいぞ」

 

 さて、次はどんな試作品を持ってくるのだろうか。

 

「ああそうだ。次の任務だ。手紙に書いてるから普段使ってる日輪刀持ってさっさと行きな」

 

 クソ、休ませてくれないのか。

 

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