俺はこの世界をどうしたいのか……   作:岬サナ

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4話目!
先言っとくと、作者は森崎のことは大っ嫌いです。

ので今回の話は個人的にはスッキリとして楽しかったです♪


仮面ライダーグリス

「な、な、何なんだ!それは⁉️」

 

仮面ライダーグリスに変身した俺に森崎は叫びながら聞いてくる。

 

「詳しく教えてやるわけないだろ。……まぁ名前くらいは言ってやるよ」

 

俺は自身の両手を広げながら名乗る。

 

「仮面ライダーグリス……それがこの姿の名だ」

 

「そんな物で⁉️」

 

森崎はリクが変身したグリスの姿を見ても結局は虚仮威しだと思い直して魔法を再発動させてリクに向けて放つ。

 

(はい。人生御愁傷様~~)

 

「あ⁉️」

 

リクは森崎を内心でバカにしながらその場を動かずにいたら誰かが声を出す。

 

「フン!」

 

「なっ⁉️」

 

「嘘⁉️」

 

「あり得ない⁉️」

 

グリスに撃ち出された魔法は軽く薙ぎ払うように拳にぶつけて消し飛ばした。

その光景に森崎や他の一科生たちは驚きを隠せなかった。

 

そして、グリスは森崎に近付いていき左の拳を握り締める。

 

「仕置きだ」

 

「グブッ⁉️」

 

俺は森崎の腹をドスッ!と音がなるくらい左の拳で打ち上げるように殴って森崎の身体を浮かせた。

 

「オラァァ!」

 

バキッ‼️

 

「ガハッ‼️」

 

浮かせた森崎にすぐさま俺は殴った左とは逆の右の拳で森崎の顔面を殴って地面に叩きつけた。

その拍子に森崎の歯は何本か抜けるのが見えた。

 

「な!あっ!」

 

「嘘でしょ……」

 

「あわわわわ⁉️」

 

あまりにも瞬殺劇でもあり蹂躙劇でもあった。圧倒的な実力差を見せ付けられて意気消沈する一年生の集団。

 

「………」

 

「……お兄様」

 

その光景を見た達也は深雪を後ろに下げ庇える立ち位置に動かす。深雪もそれが分かっているからか素直に移動して兄の心配をする。

 

「これで少しは懲りたか」

 

俺はスクラッシュドライバーからロボットスクラッシュゼリーを引き抜いて変身を解除する。

 

『…………』

 

あまりの光景に誰も口を開くことが出来なかった。

 

「貴方たち、何をしているの!」

 

その時、その場の誰でもない声が聞こえてきて硬直した雰囲気が消える。

そこに現れたのは生徒会長の七草真由美と風紀委員長の渡辺摩利の2人であった。

 

「君達は1-Aと1-Eの生徒だな。何があったか話してもらおうか」

 

虚偽は許さないといった雰囲気を言外に伝える渡辺摩利は醸し出している。

それにしてもよく全員のクラスが分かるよなとリクは思ったが、すぐに傍観してる時に調べたのかと察した。

 

「話しならそいつらだけにしてくれますか?こっちは絡まれただけなので」

 

「……何」

 

俺の言葉に渡辺先輩の眉に険しくなるのが見てとれる。

 

「というか、俺が間に入る少し前辺りから見てましてよね」

 

「……」

 

「無言は肯定と一緒ですよ」

 

「そうね。否定はしないわ」

 

そうなのだ。この2人はリクが介入する少し前くらいから、この2人は騒ぎを遠巻きから見ていたのだ。

リクはそれに気付いていたために森崎が魔法を撃った後から森崎を殴るまでの間の感覚を空けて2人がすぐに止めれるように配慮していたのだが結局は来なかったのだ。

生徒会長の七草先輩はリクからの問いを肯定して答えた。

 

「風紀委員に配属されるこいつが犯罪を犯したんですからそれなりの罰は降りますよね?」

 

他人に対して自衛以外での魔法の使用は基本的に禁止されているために無断での使用は犯罪となっている。

隠匿に長けた存在や後ろに強力な後ろ楯があるのならば隠れて使用している奴もいるらしい。

その為に今回の問題の発端を起こし、更に他人に自衛以外での魔法を使用して問題行動をした森崎は一校の退学や酷ければ魔法連盟関係からの除籍や家の取り潰しがされる可能性もある。

 

(さすがに達也でもこの状況で全員に被害を及ぼさない手はないだろうな。有ったとしても森崎だけは必ず罰がいくように動くしな)

 

リクは内心でゲスいことを考えていた。転生する前の世界では森崎のことは嫌いな部類だったからだ。

 

「すみませんが」

 

「ん?」

 

「……はぁ」

 

論破してさっさと帰ろうとしたが、その前に司波達也が一声かけてきた。

渡辺先輩はそちらに振り向き、リクはタメ息は吐く。

 

それ故に俺と渡辺先輩は達也の方へと視線を向け何を言うのかと待つ。

 

「今回は些細な行き違いですよ」

 

「行き違いだと?」

 

渡辺先輩は達也の言ってることが理解できずに聞き返した。リクはそういう路線で話を逸らして問題を軽減させる方向に決めたようだ。

 

「えぇ。森崎の家のクイックドロウは有名ですからね。後学の為にも見せてもらおうと思いまして」

 

「それにしては件の森崎はそこの彼に再起不能にされているようだが?」

 

まぁ、そうだよな。と思うリク。

 

「ですから、些細な行き違いなんです」

 

「ならばどんな行き違いがあったのかな?」

 

「あまりにも迫真に迫っていたのを見て彼は危険だと思って介入したんでしょうね。それに驚いて反射的に魔法を撃ってしまったんでしょう」

 

「それはさ。森崎や自分達は悪くないけど勝手に割り込んできた俺が全面的に悪いって事かな」

 

ハッキリ言うならそうとしか聞こえないけど。

 

「いいや。生徒会長や風紀委員長が前から見てたなら魔法を直接撃たれたお前は正当防衛が成立されるから悪いとは言ってない」

 

「あっそ……これで話しが終わりなら俺は帰らせてもらうぞ」

 

「待て」

 

帰ろうと俺が踵を返した所で風紀委員の渡辺摩利は俺に制止の言葉を掛ける。理由も察せれてるからまともに答える気はないけど。

 

「……はぁ、何ですか」

 

「先程なっていた姿についての事を聞いていないのだが?」

 

「教える必要性あります?」

 

「こっちも詳しい状況を知りたいしね。出来れば教えてほしいかな」

 

明け透けにライダーシステムの情報の開示を求めてきてるな。出来ればなんて言ってるけど、どっかに拘束して洗いざらい吐かせるのが目に見えてるな。

 

「あの姿については教える義理も義務もありませんよ。今回の事に関しては、そこにいる司波深雪の兄や一行に話しを聞けば詳しく知れますよ。俺は途中からの介入だから詳しい説明は無理ですからね」

 

「だが…」

 

「それとも俺でないとダメな理由でもあるんですか?俺はCADを操作していないし、先程そこにいる司波の兄が言ったように正当防衛なんですけど」

 

確かにアキラは仮面ライダーに変身して森崎を殴りはしたが罪の重さで言うならば人に殺傷レベルの高い魔法を撃った森崎の方が断然罪は重い。

 

「ッ⁉️」

 

「………」

 

俺の言葉に渡辺先輩が驚いた理由は察している。俺の使っていたベルトがCADでないと言ったことであることは簡単に理解できる。

そして達也も俺の心意を知るためかこちらに視線を向けている。

 

「そうね。今回は特に貴方が介入した問題以外での事を強制する権利は私たちにはないわね」

 

「真由美⁉️」

 

流石は生徒会長で十師族の七草だとリクは思う。この場で無理な詰問は後の損害が大きいと判断したのだろう。

 

「それじゃあ、本当に俺は失礼させてもらいますよ」

 

そのまま俺はそこから離れて校門から出ていく。明日から面倒事が色々と起こるな~と考えながらワンダーワールドへと戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会長の真由美や風紀委員長の摩利は残ったメンバーに話しを聞くためにリクのことは後回しにして軽く事情を聞く。

他の面々もそれに合わせてリクの事は思考の隅に追いやっていた。

 

(奴は……何者なんだ)

 

ただ1人、リクが見えなくなっても鋭い視線をリクが消えた方に向けている司波達也を除いて。




取り敢えず、ストックはこれで使い切った……次にこの続きを書けるかは未定です。

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