本当の~~を知った戦士
プラント、嘗ての故国にアスランは偽名を使い、カガリ・ユラ・アスハの付き人として赴いていた。
最近、プラントに移民した元オーブ市民がプラントの軍次関連に関わっていると言う・・・・それが問題視されて、現議長との会談を求めた。そして、簡潔に言えば取り決め等は無く、難民となった同胞はあくまで自分の意思で最後の選択をしていると返され、まして今年度のザフトアカデミー首席卒業生は元オーブ市民の少年だと言う。
そこで、アスランは自分が直接、その少年に会うことにしたのだ。
「・・・・君が、今年度のザフトアカデミー首席卒業の元オーブ市民・・・・シン・アスカか?」
「はい」
「おれは『アレックス・ディノ』聞いていると思うが、オーブ代表が元オーブ市民の扱いについてプラント議長に物申してな・・・・その」
アスランとしては思うことが無い訳ではない、カガリの要求が通る事はたった二年の間に国から焼き出されて、移民した先の軍アカデミーを卒業した激動の日々を無とする事を意味するのだ。これは他の軍次関連に縁がない仕事に就いた元オーブ市民にも形を変えて言える事だ、最も、ギルバード・デュランダル現議長から指摘されてから気付いた自分達に何が言えるのかは答えは出ていないが。それでも話を進めてしまった以上は会わなければならない事態なのだ。
「・・・・」
「?何か・・・・聞く事は、無いのか?」
「そちらの話がまだ終わってないでしょう?」
「そ、それは・・そうだが(な、何だ?この落ち着き過ぎと言うより、機械的な態度は・・・・話によると、かなり気性が粗いハズ)」
アスランの得ていた情報は入学後間も無くの時期であり、頭角を現し始めたシンを妬む一部からのものだった。そしてシン・アスカが何故こうも大人をやれるようになっているかの理由にしてアカデミーで首席を取るまでの一因になったかに思いを馳せなかったのが、彼の過ちだった。
「失礼します。議長からの通達でシン・アスカの後継人が是非に話に参加したいと」
「後継人?そんな人がいるのか?」
「ザフトアカデミーの成り立ちについては、ある程度御存じでしょう?元オーブ市民が入るにはそれなりの人物がいるのが自然です。ああ、今到着したようです」
淡々と告げるのは、シンの同僚であり今年度次席卒業のレイ・ザ・バレルであった。
???「失礼します」
アスランは声を聞いた瞬間に心臓を掴まれ、喉元に刃を突き付けられた心境であった。
知っている!
自分はこの声を知ってるのだ!
「な・・・・あっ!?」
声の主が姿を現した瞬間、滝のような冷や汗が流れてしまう。
記憶にあるより、やつれている。その理由を自分は誰よりも知っている!深縁のウェーブが掛かった髪に年齢にそぐわない若さの見本のような顔立ち・・・・何よりも、自分がプラントにいた頃の無二の親友にして兄弟分であった少年の面影がある。
「初めまして・・・・『アレックス・ディノ』さん?私・・・・『ロミナ・アマルフィ』と申します。シン・アスカ君とは『前大戦で亡くなった身内』の残したものの処置について、奔走していた際に出会ったのが縁で親交を結び、アカデミーに入る際に後見人とならせて頂きましたが、何やらオーブの方の問題でお話があると聞きまして、ならば関係者である私も立ち会う必要があると思いまして、同席させて頂いて、お話を伺って宜しいですわね?『アレックス・ディノ』?」
アスランは事実を認められずに、理解出来なかった。
これこそがシン・アスカが大人をやれるようになった理由だった・・・・義理の母も同然の女性が味わった悲劇を聞かされ、例えばその女性の夫から願いを託されたアスランは何をしたか?真っ先にその願いを無視する形で始めた戦いの末に英雄視をされる形で終戦を迎えたが、その後は?今の自分が答えだ。自分以外の人が戦争でどういう事を味わっているか?それを考える事と耐える事を学んでしまったのだ。
アスランは自分が前大戦で右往左往してた時に逆戻りする以上の愚を犯し始めた事を気付くか否かの機会に最も厳しい形で直面したのだ。
原作後の二次ネタとしてはシンのプラントでの保護者や後継人として結構出てた御方のご登場・・・・なんだけど、本編開始直後辺りに知ってしまったアスランってのは知る限り無かったから試作したのだが、アスラン視点では恐怖なんてレベルじゃないなコレ。
サブタイの~~に入るのはご察しと思います。
て言うか、初期に改編されてシン達の味方のままになる場合ならともかく、知っていて原作基準のままだったら幾ら何でも気の毒だよなと思う今日この頃。