初感想の疑問にお答えしたいと思います。
ここの世界観はコロナ禍前の日本です。
現実と同じように某菌糸類及び型月作品が公開されていてstaynight、zero、Apocrypha、Grand Order、EXTRAなどFateシリーズも一般に見ることができ、フィクション扱いとされています。
もちろん魔術師もサーヴァントも現実通り居ないものとされています。
主人公は一般人の大学一年生、一般マスター(FGOプレイヤー)、季節は夏頃です。
-???side-
俺、いや私はSNSでfgo関連の投稿を見ていたのだが、そこで思いがけない収穫を得た。
ヤツだ、間違いない。
加工を施したとしてもあまりに自然体すぎる。
身バレをしたくないと思う一方で、ヤツがやっているのなら私が対抗しないという道理は無いと、つい昨日から出現した本能が騒ぎ立てる。
どうせなら、ヤツに提案をし、コスプレイヤーと称して現地で会ってみるのもまた一興。
この有品新太(ありしな あらた)が見定めてやろう。
-軽野朝日(かるの あさひ)side-
ぶぁくしょい!!
悪寒と共に俺の直感A+(自己申告)が灰色脳細胞を走る。
なんとなくSNSを見ると、まさに俺への対抗心を見せるかのように自信たっぷりの笑みを含んだアルジュナのコスプレイヤーの投稿がされており、そいつは俺のキモい文章付き投稿をリツイートしていた。
そしてダイレクトメールにヤツ、【アリシナ】からメッセージが届いていた。
ダイレクトメール欄
[こんにちは、《アリシナ》と申すものです]
[アルジュナのコスプレイヤーです]
[《カルノ》さんの投稿文を見て相方を志望しに来ました]
写真での表情は恐らく演技で良いやつなのかもしれない。
なので俺もこう返す。
[分かりました、これから相方としてお願いします。(相互フォロバ)]
[改めてこんにちは、《カルノ》です。]
[お互いに対等であるとして、これからはタメ口あるいは本来の口調で接して良いか?]
いきなり砕けた口調は不味かったか。
[《カルノ》、この《アリシナ》に貴様が気遣いをし丁寧に話すなど言語道断、イメージが崩れる。]
こ、こいつ!?ノリが良すぎる。
[《カルノ》、明後日このような催し物がこの周辺の地域で行われるようだ。どうだ?(画像とURLを添えて)]
しかも流れるようにコスプレ会場への案内、だが、近所だし断る理由もない。
[乗った、まさか貴様の方から誘いを出してくるとはな《アリシナ》。無論その誘い断る理由がない。]
このようなインド兄弟風会話カレー味が続き、当日の集合場所、日時、必要なもの、おやつにラーマのバナナは含めないなどとノリと勢いで決まっていった。
例の日まで2日程あるので、動画投稿をしてみることにした。
チャンネル名は『カルノチャンネル』だ。
シンプルイズベストと俺は聞いたことがあるのでこれにした。
大事なのは内容だと聞いたことがある。
動画は......まあ、チャイでも作りますか。
先程ラーニングして覚えた新霊衣、施しのバーテンダーなら違和感なく行えるだろう。
では早速...と思ったがマジで材料がない。牛乳くらいしかない。オワタ。
材料をメモして俺は施しのバーテンダー姿にフード付きパーカーを羽織って被り意気揚々に外へ出掛けるのであった。
必要な材料は紅茶、生姜、スパイス、家で用意できるものなら水、牛乳、砂糖なので残りを外で揃えることにした。
ネットで注文も悪くないかもしれないが、また油断して裸族スーパーインド人を配達員に見せてしまうかもしれない。
何故か寝て起きると基礎の姿、第二再臨に戻っているのだ。布団の穴が増えた。
近所にスパイス専門店があったことも幸いした。
買ったスパイスは全て原型が残ったブラックペッパー、グローブ、カルダモンだ。全部で2500円程。高い。
店主にチャイを作るときに使う紅茶はどんなものが良いか伺うと、茶葉の細かいもの、セイロンティーやアッサムティーがおすすめとのこと。
店主からやけに視線を感じたが、専門店を後にし、スーパーに向かった。
セイロンティーを安く仕入れるためだ。
バイトができない身のためお金が少ないのだ。
ってそうだ、折角だから、証明写真撮影機で撮ればいいんだ。
撮影機内でフードを取り、写真撮影をする。
今日は動画撮影をして、明日はバイトの面接に行く。いっそがしいなあ~。
歩きでスーパーに向かう途中も周囲のほぼ全ての人から視線を向けられていたにも拘らず俺は能天気すぎてある事実に気付いていなかったのだった。
スーパーの茶葉系のコーナーで無事セイロンティーを手に入れた。
合計90gで200円ほど、お手軽ぅ!!
会計のときレジのおばちゃんに言われたが
「お兄さん?お兄さんなのね、肌がとてもキレイで格好いいお姉さんかと思ったわ!不思議なメイクをしてるわね、もしかしてモデルの人??」
そんなこと言われたのは生まれて初めてだが、買った商品をリュックに入れるとき気が付いた、俺、フード被り忘れてるやんけ。
周りをなんとなく見ればスマホを構えた中高生の姿もチラホラ。ひょ、ひょえ~。
こ、これだからネット社会は恐ろしいんだ、早く家に帰って動画投稿しなければ(矛盾)
マッハでダイナミック帰宅した。
多分自動車より速かったかもしれない。
身体はほぼ疲れていないが、精神的に疲れたのでちょい寝してから再度活動した。
まず動画投稿をするなら挨拶をだな......う~ん。
そうだ!!挨拶は
「Hey YO!!カルノチャンネル!!」
にして挨拶パートは日本人アピールとして正座で始めよう。
手順を考えながら、スマホスタンドで丁度いい位置に置き、正座で録画を始めた。
「へいよーカルノチャンネル」
片手を挙げつつ言う。
「俺の名は《カルノ》、ただの施しの英雄だ」
にっこり
「今日から俺にできることを探しつつ動画を投稿していくつもりだ、よろしく頼む」
ペコリと頭を下げる。
一旦録画を停止してから、霊基を施しのバーテンダーにして台所に立ち録画再開。
射角は台所を奥に、横から映す感じだ。
「今日の動画内容は施しの英雄がチャイティーを作ってみた、だ!!」
材料と自身の姿を画面全体に映す。
「だが、見えたか?」
丸ごとのスパイスを近くに映す。
「これはただのチャイではない!マサラッ、チャイだ!!」
眼をクワッと見開く。
「では、工程に移っていくとしよう」
まな板を出し、生姜を出す。
「まず生姜を半かけ程潰す」
包丁で半分に切り潰そうとするが、力加減が上手くいかない。このままではまな板が壊れそうだ。
「少々手荒だがこの手でいかせてもらう」
素手で筋力Bを活かして潰す。
「次にブラックペッパーを6粒、クローブを2つ、カルダモンを2つ出す。その際にカルダモンは鞘を剥き、中と分離する」
カメラに視線を向け
「次の工程で分離した鞘は使うため捨てるな」
と注意を促す。
「これら生姜とスパイス達は袋麺を作るときに使うような小鍋で湯呑み半分程度の水を入れ火をかける」
ガスコンロで火を点ける、点ける、点ける、点かない。
どうやら力加減を間違えたらしい。
コンロのスイッチが完全に壊れてしまったようだ。
すぐにガスの元栓を閉める。
どうしようか。
いや、そうだ!!
「...どうやら今のままでは不足らしい」
炎を纏うようにして第二霊基に再臨する。
そして、槍を手に取る。
「我が父よ、赦し給え」
鍋敷きのように槍の円状部分と
「念には念だ、悪く思え」
盾代わりにもなる左右一対の黄金の鎧円状部分を重ねて置く。
「武器など前座、真の英雄は眼で灯す!!」
そのまま右眼からブラフマーストラを放ち、弱火(当社比)でじっくりコトコトし始めた。
「沸騰したようだ、用意しておいた茶葉を、ふむ、二人分、ティーパックの内容にして二人分程入れ蒸す。」
更に出力を絞り、弱火(真)にする。
「再び沸騰したら湯呑み8割程の水を入れ、更に沸騰させる」
沸騰職人ランチャーの火加減は最高。
「そして砂糖を加え、湯呑みへと急須で濾せば」
チャイティーにしては妙にジパングでインド神話的な場面が続いたが、
「本格的マサラチャイの完成だ」
湯呑みにチャイは間違っているか、否、お茶の一種だ、あながち間違いではないのだろう。
「さて、実飲とするか」
再び場面は切り換わり、霊衣はそのまま挨拶をしたときの居間に戻り正座で湯呑みを持つ。
我ながら非常にシュールだ。
「ではいただくとしよう」
両手で湯呑みを添え、いざ実飲タイム!!
「うまい、これは中々...うまい」
いや、普通にうまい。トラブルに度々あったが
「どうやら俺は恵まれているらしい」
今度アリシナを家に呼べたら是非ご馳走してやりたい程だ。
いや、待てよ。
「...ヤツならより上等なものを授かっているかもしれん」
いかん、アルジュナの格好に騙されている、アリシナは良いヤツ、ノリのいいヤツ。
「今回の俺の挑戦はここまでだ。
是非作るといい、皆がよりうまい物を知れたのなら我ながらに素晴らしく思う...思う。以上だ。」
動画の幕を閉じる。
録画を停止させ、スマホを使って編集。
字幕も頑張って付けて動画を完成させる。
そして、投下!!SNSにもURLを貼る。
さ~て、後片付け始めますか!!
-有品 新太side-
夏休みを利用して資格の勉強をしていると急にヤツ、
カルノがSNSに動画のURLを投下していた。
なんとか意識を勉強の方へと逸らそうとするが、
何だこのサムネイルの吸引力はッ!
くッ、目が離せん。
実に不快だ。だ、だが...。
〜数分後〜
「カルノァァァ、貴様ァァァ!!!」
最初から最後まで視聴してしまった。
私は意地になって低評価に手を伸ばすが、咄嗟のトラブルへの対処など眼を見張る所もあり、生涯のライバル(自称)として認めざるおえない。
結局高評価を押してしまった。
だが、貴様が動画投稿をするのならば、私はそれを越えるチャイティーを作る動画を出すまで。
決戦の日(コスプレ会場)までに貴様を越えて見せるぞ、カルノァァァ!!
まだ続きます。