この末期の世界に曇らせ好きの愉悦部が乱入した話。   作:ネマ

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勇者の回想において勇者は嘘を言ってません。
神樹の勇者は無垢な存在ですよ!!


愉悦部員が愉悦の種を蒔く章

 

 

やあみんな俺だ!愉悦部員だ。

前回、本当にこの世界300年後か?と疑ったが悪かった。

たしかに300年後だわ、この世界、しかも悪い方向に進んでる300年後とか最悪の想像に近いのは本当に笑えない。

 

(バーテックス…神樹結界………)

 

古文書という名の勇者御記は名前や日付、その他諸々の情報が消されているが文体や筆跡で何となく覚えがある。何が言いたくて、何を隠したいのか大聖としてあの時代を生きてきた俺にとっては丸わかりなのだ。

 

その中でも、300年のうちに変わったことは多い。

まずバーテックスが攻めてきた際そのまま勇者や大聖が撃退するのではなく、まずは神樹が用意した特別なフィールド、ここでは神樹結界と称するが特別な結界内に送られその間、現世の時間は止まる。

その間に勇者たちは結界内に送られ、バーテックスを神樹に接触される前に討伐する。

ただ勿論その難易度は大幅に落ちており、大型バーテックスが一体。多くても二体程度しか送り込まれてこない。

しかもその大型バーテックスというのも大聖だった俺がよくバラバラにした物の特徴がよく似ている。おっ。ヌルゲーか。やったぜ愉悦に集中できるfooooo!!

 

(と言いたいけど。)

 

ヌルゲー。勝ったな。消化試合にもならんな。

と言いたいが、どうにもこうにもそういう訳にはいかない。

自分の今の身体を客観的に想起する。はい。小学生の身体ですね。お疲れ様でした。どれほど勇者の力や大聖の力で後付けしたとしても、大聖時代と今の身体ではリーチ差も視野の広さも大きく違う。右ストレートを打つにも、中学3年生の肉体と、小学生になりたての差というのは埋められない。

 

(剣は…振れるけど……)

 

背丈が無くなって、回避や俊敏能力が上がったと思われがちだが、実際には大幅に衰えている。どこかの誰かが言うには力は重さと速さだがその両方が欠けているこの肉体では前世ほどの出力が維持できない。それはバーテックスを簡単に討伐する難易度が上昇していることに違いなかった。

 

「はー…………。」

 

誰が楽しくて縛りプレイ(強制)をするんだ。縛りプレイっていうのは自分からして楽しむ物だろうが。

しかも、バーテックスと言えど挙動や攻撃が前世と同じだと慢心も出来ない。

300年という月日は長いそう複雑にため息しか出てこないだろう

 

(さて。となるとどうするが正解だろうな。)

 

文章を見やすいようにと芯を出していないシャーペンを机に放り投げ、瞳を瞑る。

愉悦するといっても、やっぱりある程度根回しとシュチュエーションは考えておく物なのだ。

前回は種を蒔くだけ蒔いて、収穫はそこそこまでしかしなかった。

というか裏切りのエクスタシィに乗せられた。あの裏切られた時の絶望顔は素晴らしい愉悦だったがその後、ざけんなや 力がでえへん どぶかすが(字余り)という辞世の句の後、マイフェイバリット(愉悦的な意味で)☆幼馴染千景ちゃんの膝の上で息絶えた。文字で考え出してみるとひどいなこれ。盛大なマッチポンプやん。人の心とか無いんかと言われそうな気がしたが今世も似たようなことしたい。

 

とは言っても同じことはつまらんし、何よりも愉しくない。

まだまだ十にも満たないというのに、命の使い方だけを考えて生きるのは性根が腐ってしまう。それに今知っている勇者候補は“乃木園子”ただ一人だけだ。

園子は確実に勇者になれる資格はある。その根本は勇者向きだし、何より血縁が申し分ない。かつての初代勇者の中でも武闘派。更には俺を一度殺したのだ。その子孫と言えど、この純粋無垢の培養器の中の四国ならその精神性が保たれたままの可能性が高い。もし裏切って倒される可能性があるならばきっとこの子だろう。

まあ他に初代が転生していなければの話ではあるが。

……論ずるのならば他の勇者も気になる。世代によって人数は一定ではない。

初代のように五人いる時もあれば、三人の時もある。平均的に四、五人という見方で問題ないだろう。

そうなれば、園子以外に後三人から四人と見ていいだろう。

だが初代勇者の血脈の中に、同年代引いては勇者適正の有るような子がいると言う話は聞かない。

 

(勇者ねぇ………)

 

俺も人のこと言えないが初代勇者も大聖もそこまで名家の生まれの存在が多いかと言われればそうではない。千景なんぞ家庭環境は劣悪だったとも聞いている。

そう考えると突然変異が産まれないとは限らないが、やはり色々な側面と見るとそういう血の積み重ねが生み出すのだとも否定できない。

まだ今代の勇者は選定されていない。だがどんな子なのかはある程度想定つけることは可能だ。少なくとも巫女に近い存在、処女の少女を好むのは神の特性のような物だ。あとは、精神性が無垢な方が好まれやすい。まあ勿論、そんな子は巫女の適正の方が高いだろうが。

その理論で行くと、幼馴染のためだけに大聖の専属巫女になった奴も居るのだからあんまりそこら辺は信用しすぎてもダメなんだろうか。

 

「………ん〜?」

 

まだまだ脳の許容量が足りないからだろうか。

頭が凄く重たくなって、ズキズキと頭痛までしてきた。頭痛がし始めると視界にも異常を来たしてきたみたいに光が点滅する。

…………いや違う頭が重いのはなんか違うぞ。物理的な……

 

「そーちゃん?」

 

いつもなら俺の膝の上で猫の様に丸まっているのに、今日に限っては何故か俺の頭の上に自分の身体を預けて、リラックスしていた。そんなのでリラックスになるかどうか不明だが。

 

「おつかれ〜ひーくん。ちょっと疲れてるでしょ〜?」

 

「あはは。ちょっとね。」

 

なんでもない様に片手を振って、少し目を瞑って深呼吸する。

ダメだ。焦りすぎていた。こんな調子だと気持ちいい愉悦が出来ない。

もう少し、もう少し抑えていこう。大聖をやってた時の自分を思い出せ。

 

「む〜……はい!」

 

「え…そーちゃん?それって……」

 

…………いや?え?あの園子=さん?

たしかに、ひなたはよく勝手にしてくれてたけどね。どう考えても、そう言う発想が出る血縁だとは思わないんだが…いやでもこの園子から出てるゆるふわ感はひなたの………んんん?何処かで乃木の直系に上里の血でも混ざった?

 

「いーの!」

 

「いや…ちょっ…力強っ!」

 

いつもとは考えもしないほど強い力で俺の身体は動かされ一般的に言われる“膝枕”の体制にされる。精神的な年齢を入れたらこの構図は非常に不味い。自分の尊厳的に非常にまずい。………あっ。でもなんかすごい身に覚えのある落ち着かせる様にリズムよく身体を撫でるその感じ凄く身に覚えというか魂が覚えてる……

すごいてつきがひなたににて……( ˘ω˘ )スヤァ…

 

「くそう……」

 

やあ。みんな僕だ。愉悦部員だ。誰が(膝枕に)即堕ち0コマだって?畜生俺だよ。

絶対膝枕になんか負けたりしないキリッ→膝枕には勝てなかったよ…

ってそう考えたら俺前世とか前前世の威厳皆無じゃない?

まあ愉悦部員にとってそんな物屁にもならないがな!!

 

「でも気持ちよくしてたよ?」

 

「ぐう………うぬぬ……」

 

正しく、ぐうの音も出ないとはこの事だ。

側から見れば、ロリショタてぇてぇと見られるかもしれないが、その実、愉悦部員が幼女におぎゃってるだけだ。絵面を想像するだけで酷い。地獄とはこの事だ。

 

「……まあでもありがと。よく寝れた。」

 

「!…よかったよ〜!じゃあ交代ね?」

 

………ん?あの園子さん?なんでそんないい笑顔で…

ああ。交代って事ですね。分かりました。えっ?横になって腕貸してって?

まだ夜じゃない…というか夜いつもしてるじゃん…いま欲しい?

はいはい…お嬢様の言うとおりに……

 

 

 

〈時は過ぎ………〉

 

俺は、俺たちは小学6年生になった。と言っても変わらず園子と二人ぼっちではあるが。

仕方のないことではあるのかなと言う側面もある。ここ神樹館は大赦に勤める上流の家族が学業を収めている場合が高い。ごく一部を除いてだが。

それでも“上里”と“乃木”は一種のアンタッチャブルになっているのだろう。

大赦の中の一番上。それだけでも関わりたくないだろう。四国にとって大赦というのはおおよそ全てを管理している。何処が個人の勘に触るラインが分からないのだったら最初から関わらない方がマシという物だ。触らぬ神になんとやら。

当たり前ではあるが、やっぱり寂しい物はある。

 

「……おはよう。“鷲尾”さん?」

 

「おはよう。ございます…その上里くん?」

 

なのでとりあえず犠牲者さが……声掛けしてみようかな。

そしてその中でも、勇者候補が二人クラスメイトとして居ることを知っている。

情報とは持っていて損はない物だ。その中でも目をつけるのは“鷲尾須美”という少女だった。鷲尾家。300年前には聞いたこともない家名だが、大赦の中には事実名前が連なれている名家の一つだ。

そしてその中でも、鷲尾須美という少女は養子として引き取られている。

 

どういう子か先に見極めておくべきだろう。

 

「いや。君と話をしたかったんだ。同じお役目としてね。」

 

まだ授業開始まで時間がある。

鷲尾須美は大分早い時間から教室に居る。それを見越してわざわざ園子より先に出てきたのだ。今回の会話によってはどうするかの方向性が変わる。キチンと見極めないと。

 

「そうですね……その…上里くん…確かに話はしといた方がいいかもしれません」

 

勇者というお役目は元々大赦に連なる者に産まれた女児ならば聞いていると聞いた。

そして今回、勇者候補の中でバンビーは鷲尾須美の一人だけだ。

漬け込むのならばここが一番だろうとは簡単に想像がつく。

 

「ありがとう。でも呼びにくいだろうから聖でいいよ。」

 

どうも家名で呼ばれるのはなれていないしね。

そんな感じでしおらしくしておく。まあ苦手であることは間違いない。何が楽しくて前世の巫女の苗字と一緒なのか。産まれはランダムに近いがこことは自分も予想してなかった。

 

「……え?…でも………」

 

「大丈夫。無闇矢鱈に話そうって訳じゃないよ。」

 

今日はまだ掴みだ。

少しずつ少しずつ心の壁をこじ開けていく。必要なのは時間だが、それ以上に適切な間も存在している。まだ今代の巫女達がバーテックスの襲来を予期していないのならばまだ多少時間がある。それまでに親しくなれればいい。

 

 

全ては愉悦するため。さぁ。鷲尾須美。君はどんな曇り顔を見せてくれる?

 

 

 

 

「おはよう!須美ちゃん。」

 

「ええ。おはよう!聖くん。」

 

数週間後。園子には少し用事があると言って、朝は別行動をした。

まあその分帰ってからが酷いことになるがまあ許容範囲内だ。なんの問題もない。

数週間、つきっきりで雑談を交わした。総評すると大きく信頼は寄せてくれているという事だ。やっぱり養子になったというのもあるのか義家族とは話しにくい事も多いだろうし、やはりどれだけ取り繕ったとしてもお役目とは死と隣り合わせだ。怖くもなる。勿論、そういう弱音を聞いて全て肯定することは難しくなかった。

事実こういうことは、千景で一回通った道だ。なんの問題もない。

そうしていくと、次第に元の明るさを取り戻したのか、こういう喋る時だけ素の明るさを見せてくれる。そうなるとあとは簡単だ。

 

「……聖くんって怖くないの……?お役目」

 

「そうだね。どうなんだろう。」

 

そもそも勇者というのはそういうのも覚悟している者たちが集まっていた。

それは確かにおかしなことだ。二十歳にも満たない子がそういう覚悟で挑むのは正しく末法だ。そう考えると、千景や鷲尾須美は正しく恐怖しているということだろう。

 

「元々、名家の産まれはお役目の事を聞いているとは言ったよね?」

 

「ええ。それは聞いたことがあるけど……」

 

「それと一緒だよ。お役目はとても名誉なことだと教えられてる。」

 

しかも善意でね。ついでに言うと、どうしてここまで大赦が執拗にお役目のことを素晴らしいと褒め称えるのかは未だに分からない。

あの時代だと、確かに勇者というのはすごいという目では見られていたであろうがそれはあの白色の化け物の犠牲になる可能性が増えるとも一緒だ。

今となっては名前さえ確認できない天恐だって当時では社会問題の一つだった筈だ。

 

「それに僕は大聖だ。言いたいことは分かるだろう?」

 

「……逃げられないってことなの?」

 

「…………ふふふ。」

 

曖昧な笑みで返す。こういう時は言質を取らせない方が後々ありだ。

別に逃げられる方法はある。勇者の力を持って結界の外に逃げるとか。

ただそれをした瞬間、バーテックスと300年のうちに崩壊した文明の跡を見ることになるが。

 

「きっとお役目は辛いんだろうね。僕だって分からない。大聖の記憶を持っているにしてもその苦しみは分からない物だから。」

 

「………それは……」

 

「大聖の記憶って本当に情報だけなんだ。戦いの記憶、そしてどう殺せるために動くか。それだけ。」

 

「………………」

 

「だから分かんないや。」

 

この話を聞いて須美は涙を流していた。まあ感動する様にしたが、ここまでとは思っていなかった。

 

「うん…うん!決めた!」

 

「どうしたの?須美ちゃん。」

 

「私が守ってあげます!だから………!!」

 

 






上里 聖

幼女達を誑かすRTAはーじめるよー。尚、愉悦ができてないせいでテンションが少しおかしいのはご愛嬌。
とりあえず曇らせのためには手段を選ばない愉悦部員。
前半では園子を誑かし、後半では須美を誑かす…お前本当に節操なし。と叱ってやってください。尚、やってること。
相変わらず、自分がやっていることがどういう事なのか分かってないというのも問題だと思うんですよね。まあ愉悦部員は人の心が分からないとかなんとか。

ちなみに、今の勇者候補達は大聖の最期を明確に教えられています。

次回。「愉悦部員が鳴らす始まりの鐘」
そろそろお役目の出番。前世では脇役にもなってないバーテックスさんお時間ですよー!

感想、評価楽しみにしてます!


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