Amazing spiderman ーAfter his back from another universeー   作:あなたの親愛なる隣人

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※過去作のスパイダーマンシリーズのネタバレを含みます。


#1 帰還

 #1 帰還

 

「ワオ!」

 

 戻ってきた。

 最後に僕がいたタイムズ・スクエアのど真ん中に。今何時だ?最後にこの世界で時計を見た時は19時47分ー。

 今は19時48分か、よかった。いや、まだだ。時間と月日を確認しないと。最後にこの世界にいたのは2024年12月1日。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたくゴミ箱に新聞があるかと夜のニューヨークのど真ん中でゴミ箱を漁る。通行人にめっちゃ見られて恥ずかしいよ!

 

「よかったぁ・・・。」

 

 捨ててあった『デイリー・ビューグル』誌の日付はちゃんと今朝見たものと同じだった。僕の中では“今朝”でなく一週間前なのだが。

 

 『スパイダーマンまたも警察を妨害か』                                           

 

『デイリー・ビューグル』の編集長、J・ジョナ・ジェイムソンさんは、スパイダーマンを嫌っているが、見出しを飾っているスパイダーマンが警官を犯罪者の銃撃から救っているのを提供しているのが僕、すなわちピーター・パーカー、すなわちスパイダーマンだとは知らない。

 

 それにしても、さっきまでのことがまるで夢だったみたいだ。マルチバース、マルチバースの僕、死んだはずのマックスや他の世界から来た敵、魔術、そして今度は救えた命。その全てがなかったことのように、タイムズ・スクエアは平和にカップルや家族が歩いている。

 僕は今大学院を出てスパイダーマンをやりながらMITで遺伝子物理学の教授のアシスタントをやっている(!)それに加えてカメラマンとしてスパイダーマンを撮ってる。

 

 僕は向こうへ飛ばされる前に何をしていたかを思い出せなかったので、とりあえずうちに帰ることにした。今はメイおばさんの元を離れて一人暮らしで、ワンルームの小さなアパートに住んでいる。

 

 僕はタイムズ・スクエアのカップルたちを見ながら、亡きグウェン・ステイシーのことを考えていた。彼女は僕のベスト・パートナーで、ずっと一緒にいたい存在だった。でも僕が弱かったばかりに彼女を殺してしまった。本当は僕の親友だった大金持ちハリー・オズボーンが攻撃したのが悪いのだが、僕が彼の病気を治す手伝いをせず、スパイダーマンの血を与えてやれなかったから。だから僕のせいだ。ハリーは今レイブンクロフトという超厳重な警備の刑務所で服役している。

 グウェンが死んだあと、メリージェーンワトソン、MJという同じ歳の女性と付き合ったがグウェンのことが忘れられず、別れた。そういやピーター1の彼女もMJだったっけ?彼は全てのユニバースのピーター・パーカー、すなわちピーター1を知る者の記憶を消すことによって全てを収束させた。ピーター1を知るものの記憶を消して敵を追い出したけど、ピーター2と僕を知っている者はどうなるんだ?忘れるのか?メイおばさんは?記憶を消すとか物理法則を超越していることはわかるのだが、魔術があるんだ。きっとなんだってできるはずだ!

 

「早くいかなきゃ!」

 

 僕は大急ぎでメイおばさんの家に向かった。

 

 

「メイおばさん!」

 

「ピーター?どうしたの?」

 

 良かったぁ・・・。僕のところは大丈夫らしい。

 

「いや、ちょっと、元気かなって。」

 

「私は元気よ。あなたはどうなの?最近あんまり連絡くれなかったからちょうど元気か考えていたところなのよ。」

 

 おばさんは僕のことをよく心配してくれる。本当に優しくて良い“お母さん”だ。

 僕の両親は彼らの研究が彼らの勤めていたオズコープ社(亡きハリーの父の会社)にとって都合の悪いものだということを悟って僕をおじおばの家に預けて出来るだけアメリカから離れようとしたが、飛行機内で命を狙われ、墜落死した。だから僕はずっとおじおばの家で住んでいた。

 僕はオズコープでクモの力を得てスパイダーマンになり、犯罪者に殺されたベンおじさんの仇を取ろうとしたけど、それは違うとわかった。

 

「大いなる力には、大いなる責任が伴う」

 

 ベンおじさんの言葉で、僕はその言葉の意味を噛み締めて、今日まで闘ってきた。人を助けるために。それが自分に与えられた使命だから。

 

「彼女はできたの?」

 

 現実に戻った。彼女は、僕にはもうできない。たぶん。グウェンのことは一生忘れられないし、忘れる気もない。だから、MJみたいに他の女の子と付き合うのはその子に申し訳ない。だから彼女は作れないよ。

 

「ううん・・・。」

 

「そうなの。」

 

 おばさんは僕の暗くなっているであろう表情から察したようで、

 

「グウェン・ステイシーが忘れられないんでしょ?気持ちはわかるわ・・・。大切な人を失うのは辛いわ。でも前に進まなくちゃ。もうあの子が逝ってしまって10年経つのよ。そろそろ気持ちを切り替えないと。」

 

 それでもくらいままの僕を見て、おばさんは玄関先で僕の両肩を叩き、励ます。

 

「いい、あなたはいい男よ。一途で、みんなを大事にする。だからもう前を向いて、今の現実をしっかり受け止めて」

 

 僕は涙ぐんでいた。確かに、彼女が死んでから10年が経っている。でもいまだに過去を引きずっている。どうすればいいんだ・・・

 おばさんはそんな僕の気持ちを察したように、そっと抱きしめてくれた。

 

「ありがと」

 

 僕の目はもう涙でいっぱいだった。

 

 




新登場人物紹介

ピーター・パーカー:28歳で、スパイダーマンとして平和に貢献している。恋人だった亡きグウェン・ステイシーのことを忘れられずにいる。マサチューセッツ工科大学で大学の教授の助手をしている。

メイ・パーカー:ピーターのおばで、60を超えた今でも看護師をやっている元気な女性。ピーターとは母と子の仲である。いつもピーターを励ましてくれる。
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