R指定のソシャゲに転生しました   作:ash.w

5 / 8
序章塗りつぶされた世界の片隅で

暗い暗い暗い。

世界が暗い。

何がどうなった?

周囲が黒に染まり、もう何も認識できない。

ああ、自分は死んでしまったのか?

それならいい、そちらのほうがいい。

ねぇ様に迷惑をかけたくない。

 

「…………い」

 

「?」

 

何か聞こえた。

有りえるわけが無い。

ここは私のーー

 

「……ーい、きこえてるか?」

 

暗闇に、形が生まれた。

その姿に、私は

 

「何で私のそっくりさんになってるんですか?!」

 

そう、言わざるえなかった。

お前は、男じゃなかったのか?

そう聞きたい、私とこいつはつながっているのだ。

私の記憶はこいつの記憶。

こいつの記憶は私の記憶。

だから簡単に思い出せたし、理解も早い。

故に、ツッコミを入れざるえなかった。

だってこいつ男でしかも私と似ても似つかない容姿だったはずだ。

なのに今は、黒目黒髪とはいえ私にうり二つだ。

服装もそうだし、仕草以外は私とあいつに違いはほぼ無い。

 

「何がどうして、そうなったのよ?」

 

「何が、というよりは目覚めたのが俺が先でーー」

 

今は実験の真っ最中という言葉が続く前に、

 

「うん、わかった。ありがとう」

 

言葉を切った。

知っては、いるからそれ以上聞く必要が無いと判断した。

これから理解することになる事は分かりきった話だ。

もうすぐ私として目覚めるから。

 

「でもその程度でかわるの?」

 

「魂の大きさがね、俺とお前じゃ月と太陽くらい違う」

 

そんなにか、太陽?

魂の大きさがそれほどあるのなら、

 

「あー、お前は生まれたときの事情で力が使えない」

 

そのかわり、汚染が深まらないからいいんだけど、と呟いた。

しかしなら、

 

「知っているのに教えてくれないの?」

 

「教えたくない、今知ったらガチでヤバいからな」

 

まあとりあえず、

 

「人ともっとつながれとしか言い様がないな」

 

少しだけ寂しそうに言った。

その顔がなぜかずっと頭から離れなかった。

目が覚めるまでずっとーーーー

 

 

*******

 

 

ナビィ

「素晴らしいです、主様」

 

戦闘を終えたとき、ナビィが言った。

 

マスター

「そうかな、必死にやってるだけだけど」

 

ナビィ

「必死に何かをやったとしても結果につながらない事などままあります」

 

ナビィ

「コールドスリープに、入る前の主様がそうでした」

 

その顔が寂しそうな嬉しいような、一括りには表せない顔をしていた。

 

ナビィ

「主様の力は小さく、付与されたとて汚染と戦えるものではありませんでした」

 

ナビィ

「ただの延命に過ぎなかったのです」

 

ナビィ

「それを嘆き、しかしそれで何か変わるわけでもなく」

 

ナビィ

「主様は最後まであの方の死を悔やみながら」

 

横たわる少女、手をつないで

笑いながら、なにかを

しかしその体は全て黒に染まりーーーー

 

マスター

「ッ!!」

 

ナビィ

「主様大丈夫ですか?!」

 

ふらついた体を支えながら、ナビィが聞いてくる。

それに対して問題ないと立ち上がる。

 

ナビィ

「主様……」

 

スフィア

「……どうかしましたか?」

 

戦闘終了後偵察に出ていたスフィアが入ってきた。

 

マスター

「何でもない」

 

スフィア

「そうですか、でもつらい時は辛いと言ってくれた方がいいんですよ」

 

少しの後悔が混じったような攻めるような言葉だった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。