学校で今日ハロウィンだと言われて急いで書きました。
本編とはそこまで関係無い話なので矛盾があっても許して下さい。
ちゃんと本編も書きます。
「明日が何の日か知ってますか!?」
「サシャ?急にどうしたの?」
1日の訓練が終わり、誰もが疲れた様子で寝床に就こうとしていた時、水を浴びて来たのか髪が濡れたままのサシャが、勢い良く扉を開けて入って来る。
「明日はハロウィンですよ!」
「ハロウィン……?あぁ、お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ?ってやつか。2年前からシエラ商会がやり始めたんだったな」
「そうです!今日は仮装したらお菓子を沢山貰えるらしいです!私達は訓練兵でしたから参加出来なくて、今年を楽しみにしてたんですよ!」
サシャは興奮した様子で話す。
元々、ハロウィンと言う文化は無かったのだが、2年前からシエラ商会が子供にお菓子をあげると言う行事を始めた。
どうやら、サシャはその行事にとても興味があったらしいのだが、訓練兵だったサシャには自由時間が殆ど無く、泣く泣く断念したと言う経緯があった。
「でも、私達は新兵だし、そんな時間無いと思うけど……」
「大丈夫です!エルヴィン団長の許可は貰ってます!」
サシャの熱意に苦笑しつつ、クリスタは質問する。
クリスタの問に、サシャは待ってましたと言わんばかりの表情で、エルヴィンから許可を貰っている事を告げる。
「いつの間に……」
「実は今日の内に、ハンジ分隊長に話をしてエルヴィン団長の許可を取って貰ったんです」
「なら、いい機会だしやってみるか!この先、いつやれるか分からねぇしな」
「そうこなくては!皆にも話してきますね!」
「ほんとにいいのかなぁ……」
盛り上がる2人を見ながら、クリスタは不安そうに呟く。
「クリスタはトワ分隊長の仮装……見たくないんですか?」
「え……?」
サシャの言葉にクリスタの心が揺らぐ。
「そういや、初回だけトワ分隊長も仮装したんだったな。宣伝の為だとかで。凄い盛り上がったみたいだぞ」
クリスタの仮装を見たいユミルも嬉々として話に乗った。
「み、見たい……」
「ん?どうした、クリスタ?」
「私も見たい!」
「じゃあ、話は決まりですね!ミカサ達も誘いましょう!」
クリスタも参加する事が決まった所で、サシャはミカサ達も誘うために部屋を出て行った。
「話って……?」
何時ものように訓練に明け暮れていたトワは、急にやって来たハンジに担がれてエルヴィンの元に連れて行かれていた。
トワの前にはエルヴィンにリヴァイ、そして分隊長達が集まっていた。
「ハロウィンをやろうと思う」
「……は……?」
「私達も仮想をして新兵達にお菓子を配るんだよ」
突然の事にトワは疑問符を浮かべたまま固まる。
「私達はいつ死ぬか分からないからね。だから、こういう事はやっておくべきだと思うんだ」
「新兵達と交流の場とするには相応しいと判断した」
「リヴァイ……」
トワは1人離れて壁に寄りかかっているリヴァイに視線を向ける。
「エルヴィンの指示だ。従え」
「……衣装は……」
「ちゃんとエレノアちゃんから借りてるよ」
逃げ場の無くなったトワは、面倒くさそうに顔を顰める。
「私は……いい……」
「クリスタの仮想、見たくないの?」
「っ……」
しかし、ハンジの言葉でトワの心が動く。
ニヤニヤするハンジから視線を逸らし、トワはクリスタの仮想した姿を想像する。
「…………分かった」
「よし、決まりだね!新兵にはエルヴィンが用意するから、皆は部下の子たちに配るお菓子を用意しといてよ!」
「うわぁ〜!クリスタ、可愛いですよぉ!!」
「これは、男を近づける訳にはいかねぇな」
「ちょ、ちょっと、恥ずかしいから……」
ハロウィン当日。
クリスタは黒いワンピースに、頭に角をつけて腰に取り外し可能の羽が付いた、所謂小悪魔の仮装をしていた。
「サシャは狼女で、ユミルは……」
「幽霊だ」
サシャは腰に尻尾を付け、犬耳ノ付いたフードを被り、ユミルは白い服に上から白いフードを被った幽霊の仮装をしていた。
「そう言えば、私達は何もしなくていいの?」
ハロウィンはお菓子が必要なのではと、クリスタがふと疑問に思う。
「大丈夫ですよ。お菓子とかはエルヴィン団長達がやってくれますから」
「そうなの?」
「はい。なので私達はハロウィンが始まる夕方まで何もすること無いんですよ。だから、外に遊びに行きましょう!無料でお菓子を配ってる所も多いんですよ!」
クリスタは直ぐに食べ物の話になるサシャに、苦笑しつつ、それも楽しそうだなぁと思う。
「ほら、時間が無いんですから急ぎましょう!」
トワ達はハロウィンの会場として使う場所の準備を進めていた。
「……何で……この服……」
「何と言っても『銀聖女』だからね」
少し不満そうなトワの服は所謂修女服と呼ばれるものだが、その丈は短くなっていてデザインも可愛らしく作られている。
「ハンジは……魔女で、リヴァイは……何?」
「死神だ」
「……まぁ……確かに、似合う……」
ハンジは魔女、リヴァイは死神の仮装をしており、堂に入っていた。
「ちなみに、エルヴィンは吸血鬼だって」
ハンジの指差す場所を見て、トワは直ぐに目を背ける。
後日、「一番……はしゃいでた……」とトワは語った。
「ハッピーハロウィン!!」
ハンジの掛け声と共に、調査兵団のハロウィンが開始される。
衣装の枚数の都合上、今回仮装しているのは新兵とエルヴィン達幹部のみ。
他の兵士たちは何時もの戦闘服で参加していた。
「やべぇ……破壊力が、やべぇ」
まるで語彙力が無くなったかの様に話す兵士だが、誰もが同じ事を思っていた。
何時もより何倍も露出が多いトワの姿に、男達は目を奪わる。
「……かわいい……」
そして、それはクリスタも同じ。
クリスタは熱に浮かされた様にトワを見つめていた。
「クリスタ?」
「…………」
「クリスタ?」
「……え!?ど、どうかした?」
「いえ。トワ分隊長の所に行かなくてもいいんですか?」
クリスタはトワと過ごすと思っていたサシャは不思議そうに質問する。
「うん、後で会う約束してるから。トワは忙しいみたいで時間が取れないから、みんなと過ごしたらって」
「後で会うって事は、夜遅くになるな。そんな時間に何するんだか」
「べ、べつに何もしないよ!!」
「ほんとかなぁ?」
「ほんとだから!!」
夜遅くにと言う事に、ユミルがニヤニヤしながらクリスタを見た。
ユミルの顔を見て、何を考えているか察したクリスタは顔を真っ赤にして否定する。
「……?何の話かは分かりませんが、早く食べないと無くなっちゃいますよ?」
そんな2人の様子に首を傾げながら、サシャは口一杯お菓子を詰めて幸せそうだった。
「ほんとに、かわいい……!!」
「……それは、私の台詞……」
調査兵団で開催されたハロウィンも終わり、みんなが部屋で今日の事を話し合っているなか、クリスタは、トワに呼ばれて部屋を訪れていた。
トワとクリスタはお互いの仮装を見て、盛り上がっている。
「そうだ!トリック・オア・トリート。お菓子くれなきゃイタズラしちゃうぞ?」
今日の出来事を話しながら、時間を過ごしていると、クリスタがふと思い出した様にハロウィンの代名詞である言葉をトワに投げかける。
「……イタズラ……する……?」
「……もう!」
顔を紅くするクリスタに、トワは微笑みながらお菓子を渡す。
「あれ?これ……」
それはトワが皆に配った市販品のお菓子ではなかった。
「……買ってきたのもある……から」
「ううん!これがいい!」
トワの手作りのお菓子に、クリスタは自然と笑みが浮かぶ。
「美味しい……」
お菓子を1つ取り出し、大切に口に運ぶ。
本当に幸せそうに食べるクリスタを見てトワは少しイタズラ心が浮かぶ。
「……お菓子くれなきゃ……イタズラしちゃう、ぞ?」
「え……?わ、私、何も準備してなくて……その……」
何も準備しなくていいと聞いていたクリスタは、突然の事に戸惑う。
「じゃあ、イタズラ……しないと……ね?」
イタズラっぽい笑みを浮かべるトワ。
クリスタの頬に手を置いて、ゆっくりと顔を近づけていき……
「ト、トワ?まっ……!」
「悪い小悪魔は……聖女の私が……やっつけないとね……?」
そのまま、慌てるクリスタの口を塞いだ。
次の日、クリスタの様子を見て察したユミルによって、クリスタが1日中顔を真っ赤にしていたのはまた、別の話。
お菓子って言っても、砂糖とか高級品ぽいし、砂糖が使われてなくて一口サイズの安いものって思ってくれたら嬉しいです。