前回の投稿から間が空いて直ぐで申し訳ないのですが、次話は期末テストが終わり次第投稿しますので、3週間位後になるかと思います。
よろしくおねがいします。
「お前らは……補給の班だよな……?」
補給所に飛び込んだジャンは、机の下に隠れて震えている補給班のメンバーを見つけると、机の下から引きずり出して殴り飛ばす。
「よせ!ジャン!」
直ぐに近くに居たマルコがジャンを羽交い締めにして止める。
「こいつらだ!俺たちを見捨てやがったのは!てめぇらのせいで余計に人が死んでんだぞ!」
「補給所に巨人が入って来たの!どうしようも無かったの!」
「それを何とかすんのがお前らの仕事だろうが!」
補給班と言い争うジャン。
補給が出来ずに、ガスが切れたせいで死んでいった仲間達を見てきたジャンは、理由があったにせよ任務を放棄した補給班を許せなかった。
「ん?何の音──っ!?伏せろ!!」
そんな中、ライナーが何かの音を捉えた。
窓の外を見て、直ぐに床に伏せるように叫ぶ。
次の瞬間、壁が破壊され近くに居た兵士が吹き飛ばされる。
「しまった……人が集中し過ぎた……!」
ジャンが壊れた壁へ視線を向けると、2体の巨人が中を覗き込んでいた。
巨人は人が多く集まる場所に向かう傾向がある。
そして今、補給所には多くの兵士が集まって居り、周囲の巨人を引き付けてしまっていた。
「うわぁぁぁぁ!!」
「ミカサは何処に居るんだよ!?」
「とっくにガス切れで巨人に食われてるよっ!!」
突然巨人に壁を壊された事で混沌とする本部内。
「普通に考えれば分かる……こんなでけぇやつに……勝てるわけがねぇことくらい」
ジャンはいつの間にか、抜こうとしていたブレードから手を離していた。
「アルミン次は!?」
「ミカサは右の2体を!コニーとユミルは左の1体をお願い!正面は無視で!」
「分かった」
ジャン達が本部に到達する少し前。
アルミン達は奇行種を誘導するために、近くの本部の方向に居る巨人以外を討伐していた。
「よし!食いついた!」
アルミンの作戦の通り、奇行種は目の前の巨人を見つけ、叫び声をあげながら突進する。
「この調子なら何とか皆のガスも持ちそうだ」
ゆっくりとだが、着実と本部へと向かって行く奇行種に、アルミンはほっと息を吐いた。
アルミンの見立てに、他の者たちも安心した様な表情を浮かべる。
……そう、作戦の成功を目の前に気を抜いてしまったのだ。
「きゃあっ!!」
「クリスタ!!」
クリスタが1つの家の前を通り過ぎようとした時、凡そ6~7級の巨人が勢いよく家を破壊して飛び出してくる。
大型の巨人と小型の巨人。
単純な強さであれば、大型の巨人の方が上だが、厄介さに限れば小型の巨人の方が上だと巨人と戦った事のある兵士は言う。
大型の巨人に比べ、動きが速く、うなじが狭いため狙いにくい。
更に、市街地など建物が多い場所であればその小柄さから見つけにくく、突然目の前に現れ、対処出来ないままやられると言った事も多い。
屋根の上に居れば、届かない小型の巨人は無視して、手の届く大型の巨人にだけ気をつければいいと考える者も居る。
しかし、今、小型の巨人が家を破壊して現れたように、小型の巨人にも家の1つ破壊できる位の力はある。
つまり、小型の巨人相手だとしても、屋根の上が絶対に安全とは言い切れないのである。
そのため、巨人と戦う事の多い、調査兵団では、何処に居るか見つけやすい大型の巨人より、見つけにくい小型の巨人の方が厄介だと言われている。
〜閑話休題〜
破壊された家の破片がクリスタを襲い、反応出来なかったクリスタに直撃する。
幸いにも破片も小さく、そこまで勢い良くぶつかった訳では無かった。
そのため、大きな怪我を負うことは無かったが、バランスを崩したクリスタは、地面に向けて落下していく。
「っ……!」
クリスタは地面にぶつかる寸前、咄嗟にトワを庇うように抱きしめる。
「ぐぅっ!ケホッ…ケホッ……ハァ…ハァ……トワは……」
衝撃にクリスタは咳き込みながらも、何とか顔を上げてトワを探す。
「トワっ!!」
少し離れた所に、トワが転がっているのを見つける。
落下した事による怪我は無い様で安心したのも束の間、巨人がトワに手を伸ばすのを見て、クリスタは痛みも忘れて駆け出す。
「っ!早く逃げないと……っ!?何で!?」
間一髪の所で、クリスタはトワを抱えて転がる様に巨人の手から逃れる。
直ぐにトワを抱え直し、立体機動に移ろうとしたが、落下した時に壊れたのか、立体機動装置が上手く動かない。
「クリスタ!避けろ!!」
「きゃあっ!?」
ユミルの言葉に顔を上げると、巨人が手を振り上げていた。
咄嗟に横に飛び、直撃を避けるも、風圧によって吹き飛ばされ、勢い良く転がっていく。
「っ……あ……」
頭から血を流しながら顔を上げたクリスタは、地面を這いながらトワの元に近づいていく。
「……ハァ……ハァ…………トワ……」
後少しの距離まで近づいたクリスタはトワに向けて弱々しく手を伸ばす。
「……あ……」
しかし、足音を響かせて巨人がクリスタの側に近づいてくる。
そして、無情にもクリスタの目の前に立ち塞がり、クリスタに向けてその手を伸ばした。
「……わっ……」
「大丈夫!?」
馬に乗っていたトワは、暴れる馬に振り落とされる。
痛みに顔を顰めるトワの元に、金髪の少女が馬に乗って駆け寄ってくる。
「大丈夫……」
少女は少し後ろに体をずらし、馬の上からトワに手を伸ばす。
トワがその手を借りて馬に乗ろうとすると、それを嫌がるかの様に馬が暴れ出す。
「少しだけでいいから、トワと一緒に乗りたいの……駄目?」
少女が優しく馬を撫でてそうお願いすると、暴れていた馬が仕方が無いなぁと言った様子で大人しくなる。
「今日も駄目だったみたいね」
トワが金髪の少女の手を借りて馬に乗った時、黒髪の少女が苦笑しながら馬に乗って2人に近づいてくる。
「……動物に好かれるの……少し羨ましい……」
「トワって何故か動物に嫌われるよね」
「……何で嬉しそう?」
「え~?秘密~!」
「むぅ……」
何故か、トワが馬に乗れないことに嬉しそうな表情を浮かべる金髪の少女にトワは不思議に思う。
「トワの役に立てるのが嬉しいのよ。それにトワが落ちないようにするって口実でトワを抱き締める事ができるもんね」
「お姉ちゃん!?」
「……そうなの……?」
「あぅ……」
トワがはぐらかされ、不満げな表情を浮かべていると、黒髪の少女がその理由を説明してくれる。
その瞬間、金髪の少女は顔を真っ赤にしてトワの背中に顔を埋める。
「別に……口実が無くても……気にしないのに……」
「ほんと!?」
「うん……」
「何時でも!?」
「う、うん……」
トワの返答に、金髪の少女は嬉しそうにトワのお腹に手を回す。
「えへへ……」
幸せそうな少女を見て、トワも少し嬉しくなった。
「……疲れた……」
「初めて出来た友達だしね、トワと一緒に居るのが本当に幸せなんだよ」
木の下で休んでいたトワの横に黒髪の少女が腰を下ろす。
「まぁ……あの子がトワに向ける想いは友達の枠を超えてるけどね」
「……何か言った……?」
「秘密。こればかりは2人の問題だからね」
「……2人とも秘密ばっか……」
トワが不満気な表情を浮かべるも、少女はどこ吹く風で話そうとはしない。
その様子にトワも諦めて前を向く。
「ねぇ、トワ。私が居なくなったらあの子のの事、お願いね」
それから、何を話すでもなく、2人は馬に乗って遊ぶ金髪の少女を眺めていた。
少しして突然、少女は先程までと打って変わって、真剣な表情を浮かべてトワを見る。
「……言われなくても……絶対に死なせない……」
「う~ん……その答えだと及第点だね」
「……及第点……?」
トワの返答に納得いかなかったのか、少女は及第点だと告げる。
トワはその意味が分からず、少女に問いかけようとした。
「もう、お姉ちゃん!トワは私のだからね!とっちゃ駄目!」
「分かってるよ~!もう、怒った顔も可愛いなぁ~!」
「あはははっ!もう、お姉ちゃん!くすぐったいよ~!」
その時、木の下で休む2人を見て、金髪の少女が少し不満気な顔で近づいてくる。
「ちゃんと正解を見つけてね。トワなら出来ると信じてるから」
「…………どう言う……」
トワは遠ざかっていく2人を少しの間、呆然と見つめた後、答えの出ない考えを止めて立ち上がる。
「……行かないと」
そして、2人とは逆の方向へと歩いていく。
「5年ぶりだね」
柵から出た次の瞬間、2人の姿が消えて視界が切り替わる。
「……アウラ」
星が煌めく世界。
そこにトワと同じ銀色の髪を持つ少女が居た。
アウラ
銀色の髪を持ち、どうやらトワと面識があるらしい。この物語の鍵となる人物。
次回はほんの少し、トワの力について明かされるかも?