ソードアート・オンライン/コンプリート・ストラテジー   作:空素

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アルゴ&シノンパートは一旦、終了となります。

シノンがアルゴの部屋に訪れた理由とは…?


目的

その表情はかつて出会った一人の少女を思わせる。

 

「今のは聞かなかった事にしてあげる。それで死ぬって言うなら、所詮、私はその程度の人間だったってまでよ」

 

その少女は、死ぬ場所を求めて彷徨うように単身で迷宮区に潜っていた。

補給として街に戻る事もせず、何日も何日も、迷宮でモンスターを狩り続けた。

 

その少女程、自暴自棄ではないが、同じような危うい雰囲気をシノンにも感じた。

 

「……全く、どっかの誰かさん達みたいだナ…」

 

シノンには、何処となく、知り合いの片手剣使いと細剣使いを重ねてしまうところがある。

 

「何か言った?」

 

小さな呟きだった為、完全には聞こえていなかったようだ。

 

特に聞かれて困るような事ではないが、説明も面倒だったので水を飲んで誤魔化す。

 

「何でも無いヨ。それより、本題に入ろうじゃないカ」

 

そう提案すると、シノンの表情が変わった。

 

鋭く、冷たい、捕食者のような眼だ。

彼女が《山猫》と揶揄される事にも納得がいく。

 

「それもそうね。それで?どうだったの?」

 

シノンに依頼されたのは、とあるプレイヤーに関する情報だ。

情報屋とは言え、一個人のプレイヤー情報を勝手に商品として扱うことは良心的な問題で出来ない為、先方に情報販売の許可ついでに追加情報を探って来たのだ。

 

「一応、了承は得られたヨ。だから、シノっちが知りたい情報に応じて、金額を指定させて貰うヨ」

 

些細な情報ならば安く、踏み入った情報ならばそれなりの金額で取り扱っている。

 

「オーケー。でも、ぼったくったらーー」

 

シノンの瞳が一層、鋭さを増す。

 

それはまるで、獲物を威嚇するかのようだ。

 

「オレっちの情報は公平公正良心的な価格で交渉させて貰ってるヨー」

 

約1名、黒ずくめの誰かさんを除いて。

 

「なら、良いけど。先ずは見て分かる基本情報からお願い」

 

この程度の情報ならば、先方から余程の交渉がない限りは安く設定させて貰っている。

 

今回の情報の対象となる“プレイヤー達”を思い浮かべながら、口を開く。

 

「そのプレイヤーは先ず、“一人じゃなくて二人組”ダ」

 

アルゴの言葉に、シノンは対して驚きを示さないものの、興味深そうな表情をしていた。

 

「へぇ、一時的なコンビとかではなくて?」

 

暗に二人組のどちらかが調べたい情報の対象だと思っているようだ。

 

「そんなのシノっちくらいだヨ。後、どっちも女性だナ」

 

当然だが、女性の上位プレイヤーは、非常に希少だ。

有名なのは、それこそアスナや、まだ名は知られていないが、目の前のシノンとその二人組くらいだろう。

 

「女性プレイヤーの二人コンビでねぇ…。私が言うのもなんだけど、意外ね」

 

後は、ギルド所属になるが、アスナが所属するKoBに、それなりに両手槍の扱いに長けた女性プレイヤーがいると聞いたことがあるくらいだ。

 

「そうだよナー、しかもほぼ同じ時期に、シノっちと同じく“勢いのあるプレイヤーとして認知され始める”なんてナ」

 

「その二人組は今何処ら辺に居るの?」

 

「最新の情報はわからないが、オレっちが最後に調べた情報だと、シノっちと同じ74層に突入したところだったナ。だから、もしかすると主街区を探したら会えるかもしれないゼ?」

 

アスナでさえ、ギルド所属だと言うのに、ー目の前のシノンもそうだがー前線級の階層、それも迷宮区を攻略を少人数で攻略することは、自殺行為に等しい、かなりの危険を伴う行為だ。

 

だと言うのに、シノンも、その二人組も、そんな危険な真似をして生き残っている。

 

レベルでも経験でもまだ届かないだろうが、アスナ並みのプレイヤーである事は違いないだろう。

 

「……大分ペースが早いわね。私が前に聞いた話だと、1層分くらい離れてたのに」

 

1階層を攻略するのには、平均して約3週間程度掛かる。

これは未踏破かつフィールド・フロアボス攻略含めてであり、並行してレベリングやイベント、ダンジョンの攻略も行い、それが長引いた場合や、より慎重な攻略が求められる場合は、更に攻略期間は延びる。

 

しかし、シノン達の場合はフィールドやフロアボス戦も無く、ダンジョンも殆どが攻略済みである為、2週間、早ければ1週間前後で次の層へと到達する。

 

それでも、幾ら向こうは二人組とは言え、1階層分の離れた差を埋める事は容易ではない。

 

かなりの腕前を持つプレイヤーである事が推察できる。

 

「全くだヨ。オレっちからしたら、そんなプレイヤーが今の今まで何処で何をしていたのか気になって仕方がないヨ。シノっちを含めて、ネ」

 

これほどの腕前を持つプレイヤーであれば、もっと早く頭角を表し、攻略組の一角を担っていた筈だ。

 

「あら、それを聞きに行ったんじゃないの?」

 

サラッと流された。

どうやら言いたくないらしい。

 

「プライベートに関する事だからって丁重に断られたヨ」

 

言わないということは、知られたくないということ。

それを聞き出すような事はアルゴの流儀に反する。

アルゴは大人しく引き下がった。

 

「それは残念だったわね。最後に聞きたいんだけど、その二人の武装は?」

 

シノンの質問に、アルゴはニヤリと笑みを浮かべた。

 

 

 

 

「細身の片手直剣と両手用の大鎌だったヨ」

 




片手直剣使いと大鎌使いの少女…
イッタイダレナンダー
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