ソードアート・オンライン/コンプリート・ストラテジー   作:空素

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この先、砂糖に注意しろ。
だからこの先、覚悟が必要だ。

アスキリをご照覧あれぃ!!


仲間

ヒースクリフが姿を消した瞬間を見届け、武器を納刀し、振り返る。

 

ヒースクリフが居なくなった影響か、チラホラと麻痺から解放され、立ち上がるプレイヤー達の姿が目に入る。

ある者はボス戦の疲れがまだ抜けないからか座り込み、ある者は立ち上がって周囲を警戒し、ある者システムメニューを操作する者など様々だが、その誰もが複雑な表情をしている。

 

罪悪感から視線を逸らしたくなる気持ちを押し込み、彼らの元へ、歩み寄る。

 

だが、その途中で人影が立ちはだかる。

 

「……クライン」

 

その表情は心底呆れ切ったようなものだった。

その隣には両手用の大斧を携えた色黒の巨漢ーーエギルが並んでいる。

エギルの表情もクラインと似たようなものだった。

 

「ごめん、俺ーー」

 

言い切るより早く、クラインが待ったをかけるように手を突き出す。

 

「いや、謝らなきゃならねぇのは俺の方だ。感情的になって喚き散らして、お前一人に決断させちまった。本当なら俺たちが背負わなきゃあならねぇってのによ…」

 

クラインの発言に安堵を覚えると同時に、胸が苦しくなる。

クライン達ならば俺を責めることはないだろうと言う期待があった。

そして、それは実際に現実になった。

それが、今の俺にとっては、とても心苦しい。

 

「いや、それは違うよ。クラインが言いたい事を言ってくれるから俺は冷静に判断できるんだ。お互い様さ」

 

あの場面で俺一人だったならば、きっと、後先考えずに、ヒースクリフへと斬り掛かっていたかもしれない。

そして、見苦しい結末と、今以上の悪夢の始まりへと繋がっていたかもしれない。

完璧ではないだろう。

だが、出来る限り最良の結末を手繰り寄せられた。

そう思っても良いのではないかと思う。

 

「まっ、そういうこった。あの場面じゃあ、ああするしかなかった。だから、過去の事を気にしてもしょうがねぇ。これからの事について考えようぜ」

 

そう言って、エギルが俺とクラインの背中を激しく叩く。

その衝撃は、激しいながらも優しさが篭っており、エギルらしい励ましだと、苦笑した。

 

「さて、言いたい事も言ったし、俺たちはこの辺でお暇するぜ。後は若い二人で話し合いな」

 

エギルはクラインの首根っこを固めて離れていく。

その背中を眺めながら、若い二人?と疑問が浮かぶ。

 

その直後、ふと背後に気配を感じると同時に全てを察した。

これはお叱りパターンかな、と恐る恐る振り返る。

 

だが、想定と違い、その人物は優しく胸の中に入り込み、背中に両手を回す。

簡単に言えば、その人物ーー紅白の意匠の騎士装備に身を包んだ少女ーーアスナに抱き締められていた。

 

「あー…えーっと…アスナさん…?」

 

アスナは俺を抱き締めたまま、胸に顔を埋めていて表情が見えない。

その代わり、抱き締める力は締め付けるような強さだ。

 

「……………って………ね…」

 

どう弁明したものか悩んでいると、アスナの消え入りそうな呟きが耳に届いた。

聞き返そうと思い、視線を下げると、同時にアスナも顔を上げた。

 

「…死んじゃうかも、って心配したんだからね…!」

 

鼻が触れてしまいそうなほど近くにあるアスナの顔は、息を飲んでしまうような鋭い視線と引き締まった表情をしていた。

身長の差で、アスナの方が見上げる形にはなるものの、その迫力ある表情に思わず気圧されてしまった。

 

「あ…えと…ごめん…」

 

よく見れば、口元は強く結ばれているが、その内心の不安を表しているかのように震えていた。

 

俺がヒースクリフと対峙している間、アスナは身動きが取れず、ずっと苦しかった筈だ。

もし逆の立場だったら…想像しただけで胸が張り裂けそうだ。

 

「キリト君はいつも一人だけで背負おうとする…それについては私からは何も言わない…その代わり、私にも背負わせてもらうから」

 

そう言い、アスナは俺を強く抱き締める。

 

「…ありがとう…」

 

俺もアスナを優しく抱き締め返した。

 

「もう、一人になんてさせない。ずっと離れない。キリト君は私が守るから」

 

アスナの言葉が、冷たく凝り固まった心を温め、解きほぐしていく。

 

「俺も、アスナを守るよ」

 

アスナの耳元で、囁くように呟いた。

 

 

 




可愛いだけじゃない、アスナさん

書いていてアスキリてぇてぇと思いながらも、慣れないてぇてぇ描写に砂糖吐きそうになってました…
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