ソードアート・オンライン/コンプリート・ストラテジー 作:空素
次回からは、新章に突入して行きます!
キャラクターも増えます!
原作キャラはバンバン出して行きたいですねぇ
「あー、おっほん!おっほん!」
背後で大きな咳払いが聞こえ、俺とアスナはほぼ同時に肩を跳ね上げた。
「あー、お二方?出来ればイチャイチャするのは後にして頂けますかね?」
振り返った先には、呆れた表情のクラインとエギルが立っていた。
クラインの言葉に、俺とアスナは同時に見詰め合い、そして顔を逸らした。
アスナとはゲーム内システムで結婚しているものの、やはりお互いに、まだこう言った扱いには慣れない。
アスナは口元を「モニョモニョ」と歪ませ、耳まで真っ赤になっている。
顔の熱さから、恐らく俺も同じようになっていると思われるが、弁明するために首と手を振る。
「いや、別にイチャイチャなんて事はないから!全然!!全く!!」
背後から絶対零度の視線を感じる。
何故だろう。
「うるせぇ!俺から見たら、そうにしか見えねぇんだよ!良いから来い!これからについて話し合うからよ!」
怒りの感情のままに、荒っぽく首元を掴まれ、引っ張られる。
「いや悪いな。お二人さんの邪魔をしたくはなかったんだが、流石に二人抜きで話し合える内容でもないからよ」
怒り心頭なクラインに対して、エギルは呆れの溜息混じりではあるものの、冷静だ。
「……いえ別に…邪魔なんかじゃないですから…」
そういう割に、アスナは不服そうに頬を膨らませる。
視線が合うと、アスナは一瞬視線を鋭くして睨み、顔を逸らした。
なんでアスナは怒っているんだろうか…。
「やれやれ、若いねぇ」
大きな溜め息と共に、エギルの小さな呟きが聞こえた。
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光に包まれ、僅かばかりの浮遊感に身を委ねる。
ホワイトアウトする視界で、ふと直前の光景が目に浮かぶ。
浮かび上がるのは、《黒の剣士》キリトの顔だった。
不屈の堅固なる意志を宿す表情。
続いて、攻略組の面々、血盟騎士団のプレイヤー達を思い浮かべる。
彼らにはこの先、これまで以上の艱難辛苦が待ち受けている事だろう。
攻略が昏迷を極めることは必至。
だが、彼らならばきっとーー。
浮遊感が収まり、足下から固い地面の感触が伝わる。
身を包む光も収まり、目を開ける。
その先に広がっていたのは、黄金の海と星空だった。
だが、黄金の海に満ちるのは水ではなく、数え切れぬほどの数字だった。
同様に空に瞬く星々も、数多の数字で構成されている。
それらの数字は絶え間無く、目まぐるしく別の数字に移り変わる。
そんな世界で、ヒースクリフーー茅場は、透明な床の上に立っていた。
そして、その前方に、何者かが背を向けて立っていた。
「君はーーなるほど。その姿を見るに、“君自身”が私の邪魔をしてくれた訳か」
茅場の意味深な発言に、その人物は静かに振り返る。
雪のような病的なまでに白い肌、純白の絹を思わせる長髪、そして、血のように禍々しい深紅の瞳をした少女だった。
その表情は虚無であり、人形のような印象を与える。
その身に纏うのは、フード付きの、ドレスともワンピースとも取れる、丈の長い服装だった。
その服は、上に行くほど白く、下に行くほど赤く、黒くなっていく。
振り返った少女は、茅場へと数歩近付き、恭しく頭を下げる。
「差し出がましい行いである事は重々、承知しております。申し訳ありませんでした。罰するのであれば、何なりと」
その声は、鈴を転がすような、流麗な音色であり、その容姿と相まって、とても人間離れした魅力を感じる。
少女は茅場が応える間もなく言葉を続ける。
「しかし、あの場面でマスターの敗北を見過ごすことは出来ませんでした。それだけは、私は了承し兼ねます。どうかご理解下さいませ」
そう言って少女は顔を上げ、茅場を見詰める。
やはりその表情は無機質であり、何処か機械的だった。
だが、そこに惹き付ける何かがある。
「ふむ、それはつまり、私の敗北により、世界が崩壊すること、ひいては自分が消滅することが見過ごせないと言うことかね?」
目の前にいる存在はプレイヤーではない。
そうなれば、この世界の崩壊と共に、その存在はデータの海に消え、やがて完全に消滅するだろう。
「確かに、私には“この世界の維持”も組み込まれております。ですが、“然るべき流れでの消滅”であれば、私が介入することはありません。また、私は私の存在に執着致しません。マスターの為であれば、私は消滅することも厭いません」
やはり、第75層時点で、クリアされようとした為に、彼女は干渉して来たようだ。
「ほう、このゲームを創り出し、ゲームマスターを務め、最終ボスである私が、プレイヤーの健闘を称え、クリアの機会を与える事は“然るべき流れ”ではないと?」
茅場はあくまでも嫌味なく、興味深そうに訊ねる。
「いえ、そのようなことはございません。マスターがどのように考え、どのように行動するかは自由ですから。例え、その結果、この身が滅びようとも、マスターの意思を否定することは致しません」
少女は行儀良く姿勢を伸ばし、静かに手を胸に置く。
少女の真意を問うように、茅場は静かに紡がれる言葉を待つ。
「私はマスターに消えて欲しくありませんでした。私はマスターを愛していますから」
そう言って少女は初めて、静かに微笑んだ。
「……君と私は初対面な筈じゃあないかね?」
僅かばかりの困惑を表した茅場に、少女まるで聖女のような微笑みを湛えたまま言う。
「はい、仰る通り、初対面です。しかし、私はマスターの被造物。被造物は造物主を愛するもの。造物主は被造物を、そう作るものでしょう?」
原作には居ないオリジナルキャラ登場!
…かと思いきや、実は居るんですよね…。
姿形は全然違いますけど…。