彼女と仲良くなって、五つ子姉妹の可愛さを再発見しよう、さーれっつごー
内容は6人姉妹モノになります
ラブコメは書いてて楽しいねえ
アンチ・ヘイトは原作と変わるかもしらんからね、ほとんど保険です。
私は転生者♀である。
前世は片田舎に住んでいたただの高校生で、頭が良いわけでも悪いわけでもなかった。
趣味は創作、絵や小説といったものだった。何か功績を残せたわけではないけれど、絵はたまにいんたーねっとに載せ、それを探して自分の作品がぐーぐるの画像のところに乗っているのを喜ぶという遊びをしていた。
犬が自分の尻尾を追い回すようなことをしていたわけだが、趣味なのでそこはご自愛、ご自愛。
まあ、過去を想ってみても現状の性別も現実も変わらないわけである。私も今の性別を受け入れられた。
正しくは不思議現象だから分かんないけど、これは新しい体というか、魂の在り方が違うせいなのか、ココロの性別も若干変わって転生前よりも中性的になった気がする。
続けても何も出ないし、ここらへんで自分語りは止めようかな。
私の現在の名前は、中野 永。あだ名は『えいちゃん』である。お母さんの零奈さん曰く、1番下の子でありながら、私と同じようにみんなを見てあげれるようになって欲しいとのことだ。
国語の教師をしていた零奈さんは0は∞であることを名前に取り入れたかったらしい。
後は一人だけ産まれた時に生きているか分からなかったから、長く生きてほしいという意味も含めたかったそうな。それに加えて名前に6を付けるのが好ましくなかったようで。
私の姉妹というか、私たちは一卵性の六子で、顔も体型もめちゃ似てる。でも中身はみんな真逆というか、一人一人が違った方向性に個性を持ってる。
世間でよく言われてる双子が似るっていうジンクスとは真逆だね。
長女の一ねぇ様は面倒見が結構良いのに、部屋は片付けられない。
次女の二乃姉さんは姉妹思いだけど、強気な口調でとか態度ですぐ誤解されちゃう。
三女の三玖姉はクールに見えるのに、本当は素直で私と息が合う。
四女の四葉姉は笑顔で元気、お人好しでそれでいて運動神経もとっても良い。
五女の五月は1番真面目で食いしん坊。零奈さんをとても尊敬していてめっちゃ良い子。私とはあんまり気が合わない。
わたし?えー、そんなに知りたいの?しょうがないにゃー、内緒だよ?
私は姉妹全員の欠点を詰め込んで、ある程度頭を良くしたくらいのポンコツだよ。あとは創作が趣味なだけのひきこーもり。
具体的に言うと、部屋と外見に無頓着、あがり症、運動音痴、部分的にコミュ障。ね?欠点ばっかでしょ?
まあ、そんなところで私の家族についての概説も終了ね?
ほにゃらまあ、本題に入りますとですね。
私、男の人と話せないのに男の人が家に上がっちゃってるんですけど!?
そう、それは今日の学校の帰りというか、帰宅してからに遡る。
「永ー、降りてきてー、家庭教師の子が来てるよー」
「無理ですよ!無理無理無理!男の人じゃないですか!わたし異性と話せましぇんよ」
「ええじゃないですか!私そんなに成績悪くないですよ!」
「そうじゃないの」
一枚の扉を挟んで長女の一花と六女の永が口論をしている。片方は落ち着いて語りかけるように。もう片方はヒステリックになりかけである。
その声は扉の近くだけでなく、吹き抜けのリビング全体まで響き渡る勢いである。これはうるさい。
下では、残りの四人の妹と、家庭教師になった?男の子が待機している(多分、引いてるだろう)。
彼女、もちろん叫んでいる方、はいつもはこんなに叫んだりする妹ではない。通常であれば1番静かで、誰よりも冷静かつ頭が良い頼りになる存在である。そんな彼女の唯一の欠点(一花にとって)は男性と話すことを極端に苦手としていることである。
いつからそうなってしまったのか、彼女は内向的になった。しかし、それを正すというか、治そうとする人が姉妹の中に誰もおらず、いつしか彼女は姉妹以外の人とほとんど話さなくなってしまった。
それでも友人と話す姿は見られたし、姉妹や学友とのコミュニケーションにおいて問題はなかったのである。
だが、彼女たちがいたのは女子校。もちろん男子がいない場だった。
そのままその学園にいられたら良かったのである。だがしかし、私たち上の5人はというか、4番目の妹、四葉は退学ということになってしまった。
そこで私たち姉妹で話し合いを行い、現在の高校へと転校することになったのである。
その時は、6人一緒にいたいということで四葉と永を除いた四人は嘘をついてまで退学に。そして、永は成績優秀であったために止められつつも転校することを決意してくれた。
しかし、周囲の楽に登校できる高校となれば現在通っている高校しかなかった。その高校は共学である。永は、今までの女子校の雰囲気との違いに慣れることができず、また、昔と違って学校生活にも異性が溢れかえっている、直接話すなどの経験が少なくなっていたために、私たちも気付いていなかったのだが、永はコミュ障を患ってしまったのである。
という過去はあるからこそ、彼女を甘やかしてはならない、いや気にかけてあげないといけないのだ。このまま、異性と話せないままでは、いざ好きな異性ができた。などという時にも幸せを掴むことは出来ないのだから。
現在、私と永が争っているのは、今日あいさつに来た家庭教師の上杉 風太郎クンと顔合わせをするためである。
この家庭教師は成績の良くない私たち上の5人をなんとかしたいという父の意向と、異性とのコミュニケーションが極端に下手な末っ子をなんとか更生させたいという私たちの意向が合わさった結果に巻き込まれた形である。私たちと言ってもみんな勉強は好きではないので、家庭教師自体には乗り気ではない。しかし、永がなんとか異性と話せるようになるためには場数を踏むのが大切だと、一三四五で話し合ったのだ。
二乃は私たちの家に、部外者が入るのが嫌で家庭教師には反対していた。
永は、とても勉強ができる。自信がなくていつもクヨクヨしているが、それは内向的かつ自虐的な性格を治してあげられなかった私たち姉の責任でもあるのだ。勉強ができればなんでも許されるわけではないのだ。
「そうじゃなくて、異性と話す練習だよ?前も男の子にいきなり話しかけられてびっくりして、逃げ出しちゃったんでしょ?ほらー、チャレンジしないと変わらないよ?」
「一ねえ様は分からずやです!今日は一歩も部屋から出ません!」
「一花、どいて」
あちゃー、我が家で最も逆らっちゃいけない姉が来ちゃったよ。
ご愁傷様、永。
1番奥にある部屋の前にいる一花が見たのは、駄々をこねる永にみかねた二乃であった。怒りを分かりやすく示すように足音は少し強めに、語尾も少し強い様子は相当にキているようである。
「ちょっと、いい加減にして。昨日、出てこなかったでしょ。私だってやりたくもないけど顔合わせしてる。早く遊びに行きたいのにアンタのせいで行けないんだけど」
「ううぅ。でもー…」
「でももだってもなし。アンタそんなに文句言うってんなら今日の晩御飯。どうなるか分かったんでしょうね?」
ガタッ
中から、椅子から人が転げ落ちたような音がする。こりゃまた、派手にやったみたいだね。
「うぅ…」
そうやって二乃の威圧感に負けて出てきたのは、五月よりも癖のある髪をさらにひょっこひょこさせた少女。顔は私たち姉妹と同じでも、黒縁の眼鏡と叱られた後のワンコのような雰囲気が、永という人間の個性を引き立てている。
合理的で冷静で頭も良くて成績も良い。なのに、ズボラ、コミュ障、音痴(音楽、運動)、あがり症。
姉妹の中で1番個性的で、1番頼りになるのに、1番心配される末っ子である。
「よしよし。嫌でも頑張ろうね。手、握ってあげるから」
「うん」
「ふんっ」
椅子から落ちた痛みと異性と顔を合わせる憂鬱に落ち込む永を、少しでも安心させようと手を握る。
いつもならしっかりものの五月や、姉妹思いの二乃がやるものだけど、今回ばかりは私がやるしかない。まあ、長女だから問題ないけどね。
「うん、少しだけ頑張ろう」
握った手も、握る手も同じ大きさ、形をしているのに、緊張からかとても冷たい。やっぱり慣らしていかないとダメだね、と心に刻む。そしてさらに心を鬼にするのだ。
姉として、家族として、締めるところは締めなくてはならない。少し我慢してでも頑張ってもらうしかないのだ。
「よし、姉妹全員揃ったよ」
上杉風太郎にとって、この六子の姉妹は強敵である。
だが、家庭教師の仕事を任せられた以上、成績を上げなくてはならないのだ。しかし、彼女らの勉強意欲は他の底であり、真面目を地でいく風太郎には理解できなかった。
故に、こう考えたのだ。
こいつら、本当は勉強できるんじゃね?
そこで本当に勉強ができるのかどうかを、今日は確かめることにしたのである。
「今日はよく集まってくれた。六女の君は初めてかもしれないから自己紹介しよう。上杉風太郎だ。君たち姉妹の家庭教師を任された。よろしく頼む」
「………」
「え?おい、大丈夫か?」
二乃の足元に縮こまって座る彼女に、風太郎は話しかけるものの、会話が全く通じていなかった。どこか風太郎を避けるように顔ごと反対を向いている。
「この子は永。永遠の永でえい、ね。早くして」
「まあ、えいちゃんは仕方ないですよ」
「まだ諦めてなかったんだ」
「てか、家庭教師なんていらないって、昨日こそ言わなかったっけ?私たちには永がいるし、アンタなんか必要ないわよ」
「だったらそれを証明してくれ」
「証明?」
「え……私だけ…ですか?」
「いや、さすがにそれはない、が。お前たち6人には今から、テストを受けてもらう!」
この家庭教師は太陽の子なのだろうか、と光をありありと浴びる姿に永は現実逃避をしていた。男性とこんなに至近距離で話すなど彼女にとっては、馬の後ろに立つことよりも恐ろしい…いやさすがにそれはないが、とにかく恐ろしいことである。
「このテストで合格点を超えられたやつには、金輪際関わらないと誓おうじゃないか!」
フヨフヨと現実逃避していた永は、その鶴の一声で現実に帰ってきた。そして、このテストで絶対に合格点を取ろうと思ったのだ。そうすることで、男性と関わらないといけないようなことを避けることができると。
後ろで長女が考えていることと反対のことを。
「本当…?」
永のか細い声が、驚いて静まり返った五姉妹と風太郎の間に響く。
「もちろんだ」
「上杉さんっ!?」
「テストかあー」
「なんでそんな面倒なことしなきゃ…」
「分かりました、受けましょう」
「ハアッ!?アンタ、五月本気なの?」
「受けるに決まってる…」
「永まで…」
「合格すれば良いんです。これであなたの顔を見ないで済みます」
眼鏡でキリッと決めた五月に同意するように、永も机へと向かう。もちろん風太郎のことは何がなんでも見ることはないが。
「頑張りましょう!!」
「まあ、しょうがないなあ」
「合格ラインは?」
「60…いや、50点あれば十分だ」
「ハッ、別に受ける義理はないんだけど、あんまり私たちを侮らないでよね」
「採点終わったぞ!すげぇ!6女と残りの5人合わせて同点で100点だ!」
「「逃げろ!!」」
「ピャァー!」
一目散に逃げたのは、怒られるはずのなかった永。そしてそれに続けように残りの姉妹が部屋へと戻っていった。
「お前ら、姉5人全員赤点候補かよ!?」
一花→まあ風太郎でいいでしょ 肯
二乃→治したいけど、やっぱヤダ
三玖→本当に頭いいの
四葉→えいちゃんのためにもなるなら 肯
五月→永のためであっても、風太郎はちょっと…
完結させてみたいなあ