目が覚めると薄暗い部屋に私はたっていた。そこには何も置かれていない本棚、そして木でできたドアがある。
ここはどこかと記憶の中を探してもぼうっとした靄がへばりついて放れない。
不幸なことに自分の事さえ思い出せないではないか。
ここだ思い出そうとしても埒が明かない。とにかくここからでなければ。
ドアをひねり、開けると外から光が漏れ出しだんだんと強くなり私は…
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ぎゅるるる!音とともに私に衝撃が加わり、目が覚める。トラックが止まった様だ。だがおかしい、ついさっきまで街道を走行していたはずだ。周りは森で、トラックが三台丁度木と木の間をすり抜けて停車している。
「どこだここは…」
同乗していた隊員がつぶやく。すると場がざわめき、
「何が起きたんだ!」
とパニックになる者まで現れた。しばらくして一人の大男がほえる。
「傾聴!」
場は静まり、大男へ視線が集中する。
「我々は偉大なる国家のため兵器及び要人の運搬をしていた。間違いないなリプト上等兵。」
三十代半ばの男が迷いなく答える。
「はい!間違いありません!キルン隊長」
「うむ、運転していた隊員によると目覚めると森の中だったとのこと…かくいう俺も眠ってしまていたわけだが…。誰か状況を観測出来た者はいるか!」
誰一人として発言する者はいなかった。
「いないか…今通信兵が別動隊とのコンタクトを図っている。地理が分からずにに動くと敵軍に見つかる可能性が大きい、ここで連絡が取れるまで数日潜伏する」
「周辺の偵察を行うべきであると愚考します」
リプト上等兵が言う。
「ああ、探索隊を募る。希望者はいるか」
私は行くべきでないと本能が言っている。手を挙げることに対して忌避感を感じている。なんなんだこれは?今まで感じたことのない感覚が私をより一層不安にさせる。
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結局5人が立候補し、一日分の食料と最低限の武装を持ってもう出発する様だ。
「6人は見張りだ!残りの者は薪木と火の準備をしろ!十分集まったら最悪の事態に備えて食えそうな物を探すんだ!」
隊長の怒鳴りもとい指示に従い薪木を集めることにした。
森を散策しているとき奇妙な物を見つけた。黒い鱗、叩いても折り曲げようともびくともしない石と言うには形状、質感が違い過ぎる。さながら大きな昆虫の一部とでもいうのか…
「おい、こっちへ来てくれ!」
声の主へ視線を移すと満面の笑みで手招きをしてきた。私の友人キースだ。訓練兵時代からの付き合いで3年にもなる。
「今行く」
そこにあったのは3つ携帯式対戦車擲弾発射機と書かれた木製のクラートだった。
「すげーもん見つけちゃったよ」
「使えるのか?」
「見てみるか?しっかり産地直送のできたてほやほやだ」
自慢げに、クレートの中から藁をどけて取り出す。
「それで、どうする気だ」
「もちろん俺たちで使うのさ」
「この状況でか」
「おいおい考えてみろ、自分を信用せずに誰を信用する?」
部隊の物資は限られている。武器も物資だ、もし抜け駆けが明るみになったらただでは済まないだろう。
「私は勝てそうな方を信用するね」
キースは肩をすくめ、クラートをかたずけ始めた。
「じゃ、こいつは俺がもらってくぜ」
「幸運を祈る」
ー
荷物をパンパンに積んだ馬車が走る。
「早くいかなくては商談に遅れてしまう!」
初老の男が馬に鞭をうち走らせる。森の中に築かれた道は狭く、でこぼこ。だがこの男にはそんなことは関係がなかった。
「もっと早く!む、人か?」
遠目に道を歩く人がいる。
「賊か?なんにせよ走り抜けなければ」
「!!!」
ストレンジャーが何かを叫んでいる。
瞬きの間二頭の馬の頭が吹き飛んだ。
「まさか!」
肉塊が地面に転がり、車輪を浮かし勢いのまま馬車が横転し男の意識は途絶えた。