才能全振り野郎が美少女に頑張れ頑張れされる話   作:不知火勇翔

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レポート3つall60点以上なかったら再履修で、
いきなり真応力ひずみ線図は反則でしょ。ボッチ殺しに来てるよ(笑)→最大荷重点以降の真応力ひずみ線図ってどう書くか分かる人いますか?


パリピのキラキラが綺麗すぎたので投稿します

 まず怪獣の話をしよう。そうだ。あの忌々しい獣だ。君はどう思う?

 ん?そこまで大きく考えているのか?ハッ。私は君とは違う。あんなもの、所詮ただの獣だ。意思を持たない、カカシと同じ。

 現に被害が出ている、か?あれは日ノ本の連中の初動が遅かっただけだ。完全に意識して遅らせていたな。何の目的か知らないが。

 おいおい馬鹿言え。私が負けると?君の目はちゃんと機能しているのかい?

 ・・・・・・・・・・分かった。教えよう。

 本当に怖いのは『大衆意識』を自分の力にできる奴だ。

 大衆意識から怪獣が生まれるのは知っているな?集団意識と言うべきか。そういった民衆の目と声はイメージの世界では重要だ。だからまあ、大会で優勝する奴らなんてのは相当強化されているだろうな。そういう奴はハッキリと強い。

 分かりやすく強い奴とかは特にな。

 ほう?話を聞くに、それが狙いと見て間違いは無さそうだな。しかしその辻奏吏とかいう奴はそれ程の逸材なのか?

 ・・・・・・・・・・。そうか。それは、いや、今は止めておこう。

 今日は帰れ。もう夜中だ。私も明日は仕事があるからな。

 あー、そうそう。日ノ本に戻るなら気をつけた方がいいぞ。あれだけの被害があったんだ。次は西側が火の海になるぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カマキリに蹂躙された日ノ本の東と違って、西側は大層平和だった。

 昼には幼子の笑顔があり、夜には飲み屋街の賑わいがあって、朝は小鳥のさえずりが季節を現す。

 まるで国が違うかのように天と地の開きが生まれていた。

 まるで東とは無関係かのように。

 何も影響が無かった。

 いや、今日も汗水垂らしながら募金活動をする若者がいる。東にいる家族のため奔走する人もいる。

 ただ、見渡せば殆どが影響無く暮らしていた。

 そんな西側の更に西南部。

 塩の街 『春夏羅(しゅんから)』。

 元々塩の生産量が日ノ本で一番だったため塩の街と呼ばれるこの街は海と川に沿って発展した経緯を持ち、街のどこにいても塩の香りがするのが特徴だ。

 高層ビルが立ち並ぶ訳でもない、アレ以外は至って平凡な場所だ。

 そう。アレ。

 日ノ本に住む全員が憧れる舞台。最強が決まる頂上決戦の会場。

 そう。『トラベラー』の全国大会のドーム会場が、ここ春夏羅にはあった。

 他のドームと区別するため海岸ドームと呼ばれる(正式な名称は企業名がついているが、コロコロ変わるため誰も覚えない)そのドームは最高峰の技術がふんだんに取り入れられていて、天井は開閉式。床には、入口から観客席まで全てカーペットのような柔らかい素材が敷き詰められていて。空調設備も最高レベル。椅子も全て革張り。フリーWi-Fi完備。

 普通のドームなら削っても良い設備だが、それをできるだけの集客力がトラベラーの大会にはある。チケットを売れば即日完売。予約でも不可能に近いくらいチケットの倍率は高い。それだこ憧れの的ということだ。

 だだ、今回は東がズタボロのため満員とはならなかった。

 しかし、チラホラと空席が見られる中でも観客のボルテージは上がりに上がっていた。

「さぁお前ら!準備はできたかぁ!?」

 マイクを握ったスキンヘッドの男が叫ぶと、それに答えた観客達が地鳴りのような歓声を上げた。

「OK!!!なら早速紹介しようか!!!『西の竜』こと、『国木 五朗幻(くにき ごろうげん)』様だああああああああああああ!!!!!」

 またもや歓声。そして歓声に答えるようにして、ドーム中央に置かれた四角いステージの上に、白髪の老人が上がった。

 彼こそが『西の竜 国木 五朗幻(くにき ごろうげん)』。

 都の閻魔こと、神条優香と同列に扱われる、トップクラスのトラベラーだ。

 彼はステージに立ちながら客席に視線を向け、しかし騒ぐ彼らを見ていなかった。鋭い目で、客席の端に座る『神条 優香』を見ていた。

「お次は~!!」

 マイクを握る男が順に参加者を紹介していき、そして7人がステージに上がった所で、奏吏の番が回ってきた。

「来るはニューホープかぁ!?最強のトラベラー『神条優香』の推薦で出場!!『辻 奏吏』ぃ!!!」

 観客の中から、口々に「誰?」という疑問の声が溢れ出す。

 それもその筈。この大会は一番を決める全国大会ではないが、テレビ向けに開催された、確かな実力を『示した』人しか出場できない大会だ。誰も知らないような、カマキリ駆除に明け暮れていた知名度の低い奴なんて出場できる筈も無いのだ。

 ・・・マジ場違いすぎる。

 奏吏は思った。

 優香(を裏で操るシンク)の指導スタイルは、習うより慣れろ。

 さっきの実況の言う通り、奏吏は優香の推薦で出場していた。因みに、優香が人質(シンクは優香を殺さなくとも、傷つけることは可能)にとられたため奏吏に拒否権は無く、今に至る。

「さぁ、第1回戦第1試合!優勝候補筆頭!『西の竜 国木五朗幻』と相対するのはぁ!?無名のニューホープ、『辻奏吏』だああああああ!!!」

 奏吏は膝から崩れ落ちそうになった。

 この大会。国木五朗幻以外、奏吏は目立って強いとは感じなかった。しかし国木五朗幻は雰囲気から別格だった。

 流石は優香と同列に扱われるトラベラーだけあって、戦えるかどうかすら奏吏には不安だった。

 老将と口喧嘩できるか?と問われてYesを即答できる人はそう多くないだろう。

 そんなことを考えていると、国木五朗幻が自ら近づき、奏吏に声をかけた。

 国木五朗幻は比較的背の低い奏吏より頭一つ身長が高いため、見下ろす形となった。

「・・・・・・あのクソが目をかける力。特等席で見せてもらうぞ」

 クソ、というのが優香のことかシンクのことか奏吏には分からなかったが、奏吏は五朗幻の圧が凄すぎて、何も言えずただ2度頷いた。

 それを見て失笑した五朗幻は、きびすを返すとステージの反対側へスタスタと歩き出した。

 慌てて奏吏もステージの反対側へ移動すると、実況が叫んだ。

「さーて!!両者所定の位置に着いたなぁ!?なら、スタートぉ!!!」

 いきなりの、開始の宣言。

 ライトをガンガンに向けられ、ド緊張の奏吏が萎縮していると、ステージの反対側にいる五朗幻が話しかけた。

「これを防いでみせよ。話はそれからだ」

 五朗幻から、強烈な風が奏吏に吹き付けた。

 ここでルールの説明。

 イメージの勝敗は、イメージによる作品の真っ向勝負で決まる。作品は何度でも作ってOK。体力が切れるかステージ外への落下、任意の降参で勝敗を決める。

 今回五朗幻は風の『作品』を作って、奏吏を吹き飛ばしにかかった。

 一方の奏吏は両手を前に合わせると、光を出して風を防御した。

 しかし風を光でガードという物流法則には無い動きは無理があり、次第に光が風に押され始めた。

 観客が騒ぐ。

 いわく「その部外者をステージ外へ叩き出せ」だとか、「早く消えろ」だとか。

 憧れの舞台だからこそ、誰からも認められず出場した奏吏は完全に嫉妬の対象となっていた。

 奏吏は歯噛みして、このステージに立たせたシンクを呪った。しかし呪っても風に押される状況には変わりが無いため、違うことを考えるのは止めて行動に移した。

 光を出すのを止め、今更な回避をとった。具体的には、イメージで飛んだ(周囲の空間を把握し、飛んでいる自分をイメージした)。

 すぐに風に巻き取られるが、上手く脱力して流れに身を任せ、奏吏はのらりくらりと風をやり過ごし始めた。

 すると五朗幻は、ポケットからライターを取り出すと、イメージではなく本物の火を風に乗せた。

 たまらず奏吏は上空まで飛び上がって強引に風から抜け出すと、五朗幻が風を消した。

「・・・・・・逃がしはしたが、弱いな。まるでなっていない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初戦で前年度の優勝者、か。ツいて無いわね~」

 観客席から不安そうに奏吏を見ていた優香に、ツインテールの女の子が話しかけた。

 彼女の目つきは鋭く、まるで猛禽類のようだった。

 そんな彼女が、小馬鹿にするように言った。

「アイツ、苦戦してるわね」

 暗に弱いと言う彼女を、優香が睨んだ。

「リオンちゃんはそういう所ありますよね」

「何?実力不相応の大舞台に出された雛鳥を笑うなって(笑)?無理っしょ。あーあ、神条のせいで。アイツ立ち直れるかしら?」

「まだ負けと決まった訳じゃないですよ」

「負けじゃん。ファーストインプレッション的に。それとも何?度肝を抜くような隠し玉がある訳?」

「・・・・・・はい」

「へぇ?」

「・・・・・・ただ、、、どうなんでしょうね。あの2柱の考えは、私には分かりませんから」

「2柱?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 奏吏は人生で初めての苦戦を、何だかんだで楽しんでいた。

 元々奏吏には目指す目標が無かった。

 才能は図抜けて高く、また夢も無かった奏吏は専門的なトラベラーを目指さなかったため、学校では浮いていた。

 上昇思考の無い才能マン。そんな奴を、周りは腫れ物として扱ったのだ。

 そのため奏吏は優香と出会うまで、刺激の無い人生を送ってきた。

 優香と出会ってからは、ひたすらカマキリ駆除。そして反復練習。カマキリ駆除は少しヒヤヒヤもしたがしかし、奏吏の琴線に触れるものでは無かった。

 返って、この大会。巨大なドームの中央に2人だけ。相手は日ノ本最強格。

 ヒリヒリと神経をすり減らす神経勝負に、奏吏の心は狂喜乱舞していた。

 なんたらハイだ。深夜テンションに似た状態だった。

 そのため、実力を隠すとか、そういうことが何時の間にか頭から抜けていた。

「また逃げ回るか。・・・よく分かった。終わらせよう」

 落胆したような表情をした五朗幻は、遂に本気を出した。

「『ヤマタノオロチ様』」

 五朗幻が手にあった杖で地面を突くと、突如空気が8つの渦を作り上げた。

 八つ首の神。その特徴を気流で表す。

 神をモチーフにするという、ハマれば大きな力を得られる絶技。

 風の渦をかたどるという、あやふやな『役』に対する五朗幻の回答だった。

「蹂躙せよ」

 五朗幻の言葉と共に、竜にも見える八つ首の渦がステージを削りながら奏吏に襲いかかった。

 その横幅はゆうにステージを越え、観客席に届かないギリギリに調整されていた。

 高さも相当なもの。逃げるにしても、その竜巻は速すぎた。

 竜巻は2秒と経たず、奏吏を包み込んだ。

 

 

 

 

「あーあ。終わったわね。・・・?」

 ツインテールの女の子、『不知火リオン』は肩をすくめ、そして優香の顔を伺うが、優香が満面の笑みを浮かべていたため首を傾げた。

「・・・神条?」

「リオンちゃん。『彼ら』ですよ」

 リオンはステージを見やる。

 未だに奏吏のいた位置は空気の流れがグチャグチャに絡み合っていて、到底生身では生き残れないのは一目瞭然だった。

 しかし、優香の言葉で思いとどまったリオンが目を凝らすと。

 奏吏の立っていた位置で『金色の光』と『闇』が、炸裂した。

 

 

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