「島津ねぇ…どうせ島津なら 四兄弟n「ひとォつ!!」ら次男とかもっと有m「ふたァつ!!」いなのがよかったわね。この期に及んで贅沢は言わないけど、いくらなんでも玉砕だけの一発屋っていうのは「みっつぅ!!!」あぁもううるっっっっさい!!!少しは静かに戦えないのバーサーカー!?」
なんだこれ。
召喚に成功してからはや小一時間。この特異点に飛ばされた理由や、先程襲撃してきたランサーのことなど諸々の事情を話したら
『良か!』
の一言でこちらから打って出ることになっていた。
何が良かなのか、微塵も分からない。
もっと分からないのは、策も補給もなしに連戦して苦戦のくの字もなく首を奪りまくっていることだ。なんか時々キェーだのチェーだの獣の咆哮もかくやという叫び声が轟くし。コワイ、シマヅコワイ。
マシュは引き笑いしてるし、所長は話し遮られて怒り心頭。唯一ジェルミさんだけはオホホトヨちゃんったら相変わらずなんだからもーとか久々に会う親戚の子を見守るおばさんと化している。
なんだこれ。
「おうい、ますたぁ!」
3分と経たず骸骨を殲滅した豊久さんが、ニコニコ顔で戻ってくる。さっきまでなまはげ顔負けの形相を披露していたとは思えない、それはもう爽やかで満足気な顔だ。
「おおおお帰りィ」
「ゴゴゴクロウサマデス…」
「久方振りの戦じゃっどん、思うたほどに身体はなまっちょらん。むしろ調子がよか!さあゔぁんとちうんはすごかのぅ!」
「サーヴァントは英霊の全盛期の姿でもって顕現する。そういうお約束だからね。その上今のトヨちゃんは、あの世界まんまの力じゃないの。あなたがやらかした無茶の数々が逸話となり、伝説へと昇華され、それが巡り巡ってあなたの力となっている。あっちでの功績を考えれば、今のトヨちゃんぶっ壊れよ?」
積み重ねた功名首の数だけ強くなるとか怖いわ。世界を救ったとは聞いたけど、実際何やったんだマジで…
「えんずとやりおうちょる頃は妖ん術に手ば焼いたが、今度ぁおいが不思議な力ば使うとは。分からんもんじゃのう」
「ちょっとバーサーカー!!」
「
「おるがま!?!?!?私の名前はオルガマリー!オルガマリー・アニムスフィア!!!」
「おるがまりぃ、あにすむ、あにむす、あむ……で、なんじゃおるがま」
「きぃぃぃぃ!!!サーヴァントは現代の知識に適応出来るんじゃないの!?なんなのよこの猿頭!!」
「あー、まぁこういう子なのよ、ごめんあさーせオルガマ・アニムスさん」
「きぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
「そいを言うなら、おいもばぁさぁかぁなどという名ぁではなかど」
「どっから!どう見ても!!バーサーカーでしょうが、あなたのクラス!!!」
バーサーカーとは、生前に発狂したり、狂気的な伝説を残している英霊が該当するというクラスだそうな。「狂化」という特性によって、基本能力を大幅に強化する代わり、一部の技術や技量が使用不可能になったり、正常な判断能力を失ってしまうという諸刃の剣。常に全力で暴れ回るため、魔力の燃費が悪くマスター殺しと言われてるらしい。さっき所長が言っていた。
まぁ確かに豊久さんは若干ネジ外れてるなってところはあるし、該当する部分も多いとは思う……が。
「豊久さんはバーサーカーじゃないと思う」
「はぁ!?あの戦いっぷり見てどの口が言うのよ!」
「うーん…上手く言葉に出来ないんだけど…なんて言うかこう…狂った人の戦い方って、もっと無造作じゃない?」
「あら、素人の癖に良い着眼点じゃないリツカ」
珍しく心底驚いたといった様子で、ジェルミさんが目を丸くする。え、私そんな凄いこと言った?
「うむ!戦ちもんは皆いかれたもんぞ。戦なんぞやらかす
「意外…と言ったら失礼ですが、島津さんは島津さんなりの哲学をお持ちなんですね」
「それなら結局なんなのよ、あなたのクラスは。セイバー?」
「おいは………来た」
「ちょっと、私の話を聞きなさ──「ましゅ!!」ひぃッ!?!?」
所長の話を遮り、突如として豊久さんが彼女を担ぎあげた。
と、思った時には私の目の前はマシュの大盾で覆われている。
ガキィッ!!!!
金属どうしがぶつかり合う重い音と共に、身体にじっとりと纏わり付くような瘴気が登ってくる。
言い様のない不快感が背筋を這い回った。
「先輩、ご無事ですか!?」
「マシュ、ありがとうっ!所長達は!?」
「所長は島津さんがお連れして回避行動を取っています!サンジェルミ伯もなんとか!敵は二騎、先程のランサーとは別個体です!」
「ほぉ、我が気配を察知し、あまつさえ全力の一撃を躱すか。小娘を抱えたままようやるものよ」
オルガマリーの目の前に現れたのは、筋骨隆々の大男だった。馬2頭に引かせた戦車の上から、長大な戦斧を振り回している。
先程までの骸骨連中とはまるで違う、異質の存在。
頭の中が恐怖一色で塗り潰され、喉が締まる。声が出せない。動けない。
「さぁゔぁんとか、お前」
しかし、真に恐ろしかったのはオルガマリーのすぐ頭上から降り注いだ
「逃げい、おるがま」
どこに逃げ場がある、などとは聞けなかった。
自身の細胞が、神経が、魔術師どころか人間としての本能そのものがオルガマリーに告げている。
「みすみす逃がすと思うて…ぬぐぅぉぉぉ!?!?」
「首置いてけ!さぁゔぁんとだ!さぁゔぁんとだろう!!なぁさぁゔぁんとだろお前!」
英霊召喚成功例第四号、真名 島津豊久。
またの名を、カルデアの
後にそう称されるサーヴァントの第一の功名首は、特異点冬木におけるライダー、ダレイオスⅢ世であった。
だが豊久自身がそれを知ることはない。
「奪ったど!」
唯一それを証明できた筈の霊核は、既に首級と共に砕けている。
カルデアの漂流者
【出典】史実→オルテ吟遊歌 『緋王国盗り物語』
【CLASS】ドリフター
【マスター】藤丸立香
【真名】島津豊久
【性別】男
【身長・体重】181cm・79kg
【属性】中立・善
【ステータス】筋力:C 耐久:B 敏捷:B+ 魔力:E 幸運:C 宝具:EX
【クラス別スキル】
対魔力:B
魔法を持たない生身にも関わらず、炎を操る魔女を打ち倒し、死霊を呼び出す剣士を退けたという逸話から第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
騎乗A++
竜騎兵を叩き落としてその乗騎を奪取、大空を駆けて竜の首を落とした伝説から本来騎乗スキルでは乗りこなせないはずの竜種を例外的に乗りこなすことが出来る。
【保有スキル】
功名餓鬼:B+
敵の能力が高ければ高いほど、自身の魔力、幸運以外のステータスに補正がかかる。ただし敵対者が女性の場合、このスキルは適用されない。
狂奔:A+
人を戦さに駆り立てる能力。たとえ本来争いを好まない温和な種族、気弱な人種であろうともその檄に触れればたちまちに勇猛無比な死兵と化す。ただしドリフターの元から一定以上離れたり、時間が経過するとその効力は薄れる。
破天:EX
■を打ち殺したことから得た能力。ある定理に則って行動するサーヴァントに即死特攻を持ち、超常的存在に対してもその特性を無視して攻撃を加えることが可能。
御世違えども法度違わず:C+
敵対サーヴァントによる弱体化、特攻を受け付けない。ただし制約として、いかに戦力差があろうとも女性サーヴァントを即死させる事ができない。これは破天スキルによって得られた即死特攻も打ち消す。(致命傷を与えること自体は可能であり、要はとどめを刺すことが不可能)
尖兵にして御大将:A
集団戦闘の際、敵軍の注意を自身へと集中させるという縛りと引き換えに自勢力全員の全ステータスを二段階上昇させる。ドリフターが死亡した場合、一定時間味方のステータスの上昇率が爆発的に増加する。
【宝具】『■■■■■■■■■』
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【Weapon】『無銘・
ドリフターの生国において鍛たれた野太刀。武骨な量産刀だが、打撃にも使える長大な柄、身の丈ほどもある刀身、そしてなにより一騎当千たる証の朱鞘と持ち主に最適化されている。吟遊歌上では二度の破損を経て、ドワーフの手によってオリハルコン製へと作り替えられたとされる。
【解説】
ここではないどこか、今ではないいつか、ある世界にて語られている建国の王の物語…その主人公にして絶大な人気を誇る英雄、『漂流者』。
彼は遠い異世界から流れ着いた異邦人であったとされ、暴虐非道の人間至上主義帝国を滅ぼし、地を覆い尽くす魔族の大軍を打ち払い、世界初の多部族連合統一国家を成したという。
「義に厚く、理を悟り、機を見るに敏、されど諾としてそれに従うことを拒絶する炎のような快男児」と謳われている他、オルテ国民の勇猛さを表す『オルテヘゴ』の気風を作り、名付け親となったのは彼であるという説が有力。
物語上では漂流者、漂流王、緋色の王等のみ呼称されるが、史実上の彼のあるがままの姿を遺すことを貴んだドワーフ族の史料には『トヨ』という尊称が記されている。
ドワーフ決死兵「吟遊詩人がワシらをカッコよく歌うかのぅ」
作者「そ れ だ」
この発想で本作のお豊が誕生しました。
ただでさえ関ヶ原の戦いで義弘を守り抜いた=明治維新の種を撒いたっていう割と特異点ものの功績残してる上、黒王様倒して語り継がれたらもう無敵の薩人マシーンの出来上がりですわよ