ガンダムビルドブレイカーズ:オルタナティブsideL   作:ひほーZZ

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ーあらすじー
アルマ市長とイチカ、シグレの突然の訪問に顔バレ危機を恐れ内心大焦りなタクマことヒカル。話していくうちに何とかバレないでやり過ごせると思ったのもつかの間、今度は元チームメイトのレイカの突撃により表に焦りが出るほどの大パニック。しかしマスターアジアことヨウスケの登場もあり何とかやり過ごすことに成功。無事に隠しきることが出来た。


十話:ニューメンバー

(……暗い…何も無い…ここはどこだ…?)

俺は真っ暗な空間に1人で佇んでいた。いや、正確には俺たち3人だ。右にはレイト、左にはレイカがいた。が、妙に二人とも顔がぼやけて見えた。すると2人が前へと歩き始めた。

「…なぁ、どこ行くんだよ。俺を置いてくなんて水臭いことすんなよ」

俺も2人を追いかける。だが同じ速度、いや俺が3人の中で歩く速さは1番だったはずなのに何故か追いつけない。それどころかどんどん離されていく。

「なぁ…おい、置いてくなっての…聞いてんのかよ…!」

だが2人は聞く耳を持たぬかのように先へ、先へと行ってしまい、ついには見えなくなってしまった。

「待ってくれって!…うん…?手に違和感…?」

その時俺は手に何らかの違和感があるのに気づいた。俺は違和感の正体を知るべく自分の手を見る。するとそこには…

「…な…なんだよ…これ…!?」

真っ赤に染まる血が手に付いていた。するとさっきまで何も無かった俺の足元に人が転がっていた。それは

吐血し倒れたレイトだった。

もちろん俺はレイトのこんな姿なんて見た事はない。彼が俺やレイカに悟らせないために隠してたんだろう。俺は気づいてやれなかった。

「…そうだ…俺のせいだ…俺が…お前の身体のこと…気づいてやれなかったから…!」

その時目から涙が溢れ出した。

「…ごめん…ごめんな…うぅ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

俺は盛大に泣きじゃくった。そして……

「はっ!?」

目が覚めた。夢だったらしい…

(……この夢…数日ぶりに見た気がする…この街に来てから見てなかったけど…昨日レイカと会ったからかな…)

「…支度するか…」

俺は洋服に着替え、出る支度を速やかに済ませた。ちなみにカドマツさんには同居がバレないようにあくまで他人行儀にするように言っておいた。…俺隠し事ばっかだな…

ミサの実家という模型店に行くとミサがビルドスペースで待っていた。

「あ、タクマ!こっちだよ!」

「ん、今行く」

俺はビルドスペースへ行き、早速ガンプラのメンテ及び改修作業を始める。

「こうやってまたチームメイトとプラモ作りができるなんて嬉しいなぁ♪」

そっか。カマセとか言うやつが抜けてから1人だったんだっけ。

「結構強いし、資金や設備に文句も言わないし♪」

「そりゃ、こっちとしては所属させてもらってる身だしね」

「ほんとにキミが来てくれてよかったよ♪あれ?600番のペーパーどこ行った?」

「あぁ、さっき俺が使ってそこに置いたよ」

そういえば俺もチームメイトとガンプラ作るのは数週間ぶりか…今度こそ失わないように…しないとな。

「おーい、居るかー?」

思い出に浸りながらガンプラをいじっているとカドマツさんが店に入ってきた。

「おう、約束通り今日からチームエンジニアとしてお前らをサポートする。よろしくな」

「よろしくお願いします」

うん。二人で話した通り他人行儀で話してる。これならまずバレないな。

「早速だがチームのアセンブルシステムに手を入れてみた。機体をセットアップする時に確認しといてくれ」

早速か。どんなふうなのか楽しみだな。

「わかりました」

「エース了解!」

あ、昨日の祝勝会でエースと思われなかったから出たエース語録だ。…何言ってんだろ俺。

「まだ言ってんのかよ」

「じゃあ早速新しいシステムを試しに行くでエース!」

「「ヤンスみたいに言うな」」

最後はつい一緒に突っ込んでしまったが…とにかくセットアップする時に確認しようと思う。

機体のセッティングをしているとホログラムの説明文が出てきた。新たにビルダーズパーツという機能が追加されたらしい。なんでも、追加武装やオプションパーツが付けられるとのこと。武装をつけるとその武装で攻撃が出来、そう出ないものは機体性能そのものを向上させると言う。これは素晴らしい機能だな…

そして俺にはもうひとつホログラムが出てきた。

「…匿名プレゼント…?開けてみるか…」

匿名プレゼントと書かれたファイルを開くと、様々なEx、バーストアクションという物の詰め合わせと一緒にメッセージが。文面を見て直ぐに誰からかわかった。とりあえず読んでみる。

『僕からのささやかなプレゼントだ。君の戦いに役立ててくれたまえ』

「…市長…これはやりすぎでは…」

…まぁ、突き返すにもこっちからはできないみたいなのでありがたく受けとっておくことにした。

それと今更ながら、俺たち二人とも機体をバージョンアップさせた。ミサはアザレアに追加武装、一部パーツ交換を施してあるアザレア改、俺はダブルオークアンタの左腕にGNソードIII、腰部サイドスカートをセブンソードのものに変更しGNソードIIのショートを二本、両肩をダブルオーガンダムのものに変更したダブルオークアンタ・ブレイドへ進化させた。

さて、俺たちはビルダーズパーツの確認のために出撃した。そして開始早々ミサの嬉しそうな声が聞こえてくる。

「見てよこの機体!エンジニアがいるだけでカスタムできることが増えるんだね!」

「確かに…ここまで変わるんだね」

そういえば俺たち湯ノ森の人間は当たり前のようにしていたが…あれは市長の努力の賜物なんだなって改めて思う。

「なんか、カマセくんが環境にこだわる理由が少しわかった気がする」

「…でも、環境が全てじゃない。ガンプラバトルでものを言うのは、想いと愛じゃないかって俺は思うよ」

「タクマ…」

「…って、ごめん。なんか偉そうに言っちゃってさ」

「ううん。タクマの言う通りだよ。やっぱりキミがチームメイトになってくれてよかったよ」

「…そう言って貰えると嬉しいな。さて、早いとこステージを攻略しちゃおう」

そう言って俺たちは攻略を開始する。

今回のステージは北極基地。登場機体はZガンダム本編のマークII、ジムIIがたくさん出現する。

「さぁ、パワーアップしたアザレアの力!見せてあげる!!」

早速ミサがライフルやバズーカで戦闘を始める。

そしてジムIIとガンダムマークIIを2機ずつ仕留める。

「こりゃ…負けてられないな。行くよ、クアンタ!」

俺も負けじとGNソードVとIIIのライフルモードで戦闘を開始する。途中ソードモードに切り替えながら戦闘し、こちらもそれぞれ3機ずつ撃破した。

「すごいよこれ!機体の性能も格段に上がってるよ!!」

ミサがものすごく嬉しそうにそう言う。たしかに先日のタウンカップの時よりも明らかに性能が上がっている。エンジニアいるだけでここまで変わるものなんだな…

「たしかにここまで上がるのはすごいな…でも油断して足元すくわれないようにしないと」

そう言い俺たちはステージ攻略を続ける。

ミサが計7機、俺が計13機撃墜した頃、聞き覚えのあるアラートが鳴る。

「早速プレイヤーエンカウント…さて、どんな相手が来るかな?」

すると目の前に機体が2機新たに出現する。ひとつはガンダムマークIIをベースに武装を増やした機体。もうひとつはダブルオーガンダムとかつての俺の相棒でもあったAGE-2をミキシングした機体だ。どちらもただならぬ者の予感がし身構えていると、マークIIの方から通信が飛んできた。

「むむっ!私のガンダムMk-II(ミークツヴァイ)のお相手をしてくれるのはどこのあなたですか!?」

やたらハイテンションな声が聞こえる。相当な自信なのか、空元気なのか…

「ふふん♪私のアザレア改の強さ、見せてあげる!」

「なにおう!私のMk-II(ミークツヴァイ)だって負けないんだからぁ!!」

そして2人は俺ともう1人の敵機を残して戦闘を始めてしまった。

「…申し訳ございません。私のチームメイトが騒がしくて…」

「あはは…うちのミサも似たようなものだから…」

「…それはそうとあなたのその機体…ダブルオークアンタですか?近接戦闘用にカスタマイズされてるようだけれど」

「よくわかったね。そういう君はダブルオーガンダムとAGE-2か。いいカスタマイズだ」

「…ほんと…?嬉しい…♪」

顔を赤らめながらもふっと笑ってくれた。可愛い。

「…さてと、会話はこの辺にして…俺達も始めようか」

「…そうですね。お兄さんお名前は?」

「ナギツジ・タクマだ。君は?」

「…カゲノ・ハルカです。お手柔らかにお願いします」

「…なら君は、全力で来るといい」

俺のその一言を合図に、ハルカのダブルオーと俺のクアンタがお互いのソードでぶつかり合う。

「…このパワー…さすがはダブルオーガンダムの後継、クアンタをベースにしてるだけはある…!」

「君のダブルオーもいいパワーだ。その機体、不思議と懐かしい感じがするよ…!」

俺は左腕のソードIIIで斬りつける。が、寸前でかわされてしまったようだ。

「…そう簡単には当たらないです!」

「なるほど…上手く避けたか。だが…!」

俺はGNソードIIショートの先端を飛ばし、ハルカのダブルオーの足に巻き付ける。

「俺に逃げは通用しないよ!」

そして一気に引っ張る。

「ひゃあ!?でも…そう簡単にはやらせない!」

なんと彼女はタイミングを計りワイヤー部をソードIIで斬ったのだ。

「お、中々やるね。こりゃ負けてられないな」

俺は斬られたソードIIショートを捨て、VとIIIの二刀流で斬り掛かる。ハルカのダブルオーも負けじとソードIIの二刀流で応戦した。だがジリジリと俺のクアンタが押していた。

「さあどうする?このまま行けばパワー負けして斬られるぞ?」

「うぅ…負けたくない…でもあれを使うのは…」

何か迷ってるようだが、直ぐにそれを振り切ったように首を振り、高らかに叫んだ。

「ダブルオーAGE-2…私に答えてくれるよね…いきます!トランザム!」

その瞬間、目の前からダブルオーが消え、後ろから衝撃が走る。

「うおっ!?トランザムか…だが俺の機体も太陽炉搭載型のクアンタ…こっちだって使えるさ!トランザム!」

俺のクアンタも赤く光り、ダブルオーとトランザム同士でぶつかり合う。ソードでぶつかり合い、ライフルを撃ち合い、またソードでぶつかり合う。それをひたすら繰り返していた。パワーでは勝っていたはずだが、スピードは向こうの方が早く、思った以上に互角の戦いだった。

「やるね!でもこれで!」

俺はソードVを振り下ろす。がその時、

「ええい!」

なんとハルカのダブルオーがソードIIをその場に置くように手放すことで囮とし、ダブルオー本体は飛び上がって後ろに回り込んだのだ。しかも俺はこの時そこそこ勢いよく振り下ろしていた為、空ぶったことにより体制を崩していた。

「んなっ!?」

そして後ろを見るとダブルオーがビームサーベルを起動して向かってきていた。

「これで…とどめです!」

だが次の瞬間、ダブルオーの太陽炉がボンッと大きな音を立て黒煙をあげていた。

「う…うそ…なんで…」

ダブルオーはそのまま体制を崩しながら落下していった。

その後、俺のクアンタも体制を持ち直し、後を追うように着陸した。

「…なんで…どうして…動いてくれないんですか…」

「ツインドライブシステムが完全じゃないダブルオーガンダムをオーライザー抜きで使っていたんだ。おそらくは太陽炉のオーバーロードだろう」

「…やっぱり…私にはこの子は扱えなかったんだ…」

「それは違うと思う。君はダブルオーの機体スペック以上のポテンシャルを引き出していた。現にオーバーロードさえしてなければ、俺が負けてたよ」

「…ほんと…ですか…?」

「もちろん。俺はガンプラバトルについては、嘘は絶対に言わない」

「…あなた…一体何者なんですか…?」

「…商店街の看板を背負った、一端のガンプラファイターさ」

「…私の負けです…あなたと戦えて…良かったです」

「俺も…君と戦えてよかったよ。またいつか、勝負しよう」

「…次は負けません」

「俺だって、次も負けるつもりは無いよ」

俺のその言葉を最後に、ダブルオーにとどめをさした。

「ふぅ…ほんと結構強かったな…あの子…ミサ!そっちは終わった?」

「終わったよ〜…あの子結構強かったよ…ってタクマ!?機体結構派手にやられてるじゃん!!」

「あはは…あの子も中々のやり手だったんだよ…勝てたのは運が良かったのもあるかも…」

「うーん…どこの町の人か聞けばよかったなぁ…」

「あはは…とりあえず傷治してから次に進もうか」

その後は特に乱入者もなく、ボスのリック・ディアス2体も難なく倒せて、無事にステージクリアとなった。シミュレーターから出て模型店に帰るとカドマツさんが待ってましたと言わんばかりに口を開く。

「さて、今日は報酬を支払ってもらうぞ」

おおう…唐突だな…

「キョウマデアリガトウ。ワタシカドマツサンノコトワスレナイ」

「棒読みやめなさい」

「別に金払えってわけじゃない。昨日も言ったろ?仕事手伝ってもらうって」

「あぁ…そういえばそう言ってたね」

「でもさ、ハイムロボティクスのお手伝いなんて理工学系の知識が無きゃ無理でしょ?」

「あぁ…たしかロボット産業だっけ…そうなると確かに難しそうだな…」

…コンピュータ系なら得意だけどな…そっちは専門外だ。

「まずはこいつを見てくれ。話はそれからだ」

そう言うとカドマツさんはそこそこ大きめの…箱?アタッシュケース?を開けて見せた。中にはそこそこ大きめなSDの騎士ガンダムのロボットが入っていた。

「わぁ!騎士ガンダムだ!これロボット!?」

「うちで開発中のトイボットだ。こいつの運用テストに協力して欲しいんだ」

「運用テスト?」

「玩具用ロボットか…こんなのが買える時代になったんだねぇ…」

「実際に売り出すのはもう少し先だがな。テストで合格できなきゃ、商品化は無理だ」

「テストって…私たちは何をすればいいの?」

「こいつの売りは子供と一緒に遊んでくれることだ」

「ふむふむ…あ、これ取説だ」

「へぇ…ってミサ早速話聞いてないし」

「ガンプラバトルも一緒に出来る」

「ガンプラバトルも出来るんですか。すごいロボットだな…これ」

「なるほど…これがメインスイッチ」

カチッ

ん?今なんかカチッていった?

「新しいチームメンバーってことだ。次からシミュレーターに入る時は、こいつも連れていけ」

「なるほど…これはまた面白そうだ…」

「…って勝手に起動すんなよ!」

「え?起動したの?」

「もうしちゃった」

振り返ってみると既に騎士ガンダムが立っていた。まじで勝手に起動したのかよ…てゆーか俺も起動の瞬間見たかったな…

「おぉ…立ち上がってる…」

「おー立ち上がった!はじめましてロボ太!」

「ろ、ロボ太ぁ!?」

「勝手に変な名前を付けるな!!」

「良いじゃんロボ太!かわいいじゃん!ねーロボ太♪」

…女子のネーミングセンスはマジでわからん…

「あぁ、こいつ言葉は理解できるけど、発声機能はついてないんだ」

「え?ついてなかったの?…あ、でも言われてみればさっきから一言も喋ってなかったな…」

「なんで?」

「あくまでおもちゃであるためだ。人の近くにいるロボットの開発ってデリケートなんだよ」

確かに…AIもそうだが、こういう人の近くに居るものというのはその人にかなり影響を与える。俺もマリオンと一緒に居たから何となくわかる。

「特にトイボットは子供の成長にどんな影響が出るかまだ分からないからな」

「なんか大人っぽいこと言ってる」

「大人だからな」

うん。カドマツさんは大人だよ?

「いいからテストしてこい。上手くいけば、次のリージョンカップは3人で戦える」

前代未聞ロボットメンバーか…これはまた楽しそうな予感がする…!

…でも人前でロボ太って呼ぶの…恥ずくね…?




「さーて、じゃあ行きますか!」
「心得た」
「え?今喋った?」
次回 ガンダムビルドブレイカーズ : オルタナティブsideL
「騎士ガンダム物語る」
発声機能ついてないって言ってたよなカドマツさん!?
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