ガンダムビルドブレイカーズ:オルタナティブsideL   作:ひほーZZ

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ーあらすじー
電車に乗り、湯ノ森市へやってきた彩渡商店街ガンプラチーム。
荷物をカドマツさんに任せ、ミサとタクマは電之商店へと向かう。幸いレイカやイチカは居なかったものの、正体バレをかなり警戒したタクマはアマリさんに口止めを願う。その後2人とも欲しいものを購入し、店を出た後に帰宅したイチカとレイカを背に旅館へ戻るのだった。


十九話:湯けむりの中の再会

俺の名前はナギツジ・タクマ。今俺はとんでもなく危機的状況に置かれている。

「私の事覚えてる?ヒ・カ・ル・くん♪」

「あ、あんた!?」

⋯そもそもこうなったのは数時間前に遡る⋯


旅館へたどり着いた俺たちは看板娘2人に出迎えられる。

「いらっしゃいませっぽーい!!」

「いらっしゃいませ⋯あ、タクマさん。あの時以来で⋯」

「こんにちは。カドマツさんから話は聞いてる?」

「うん。こっちだよ」

そして俺たちは看板娘の一人、アサヅユ・シグレに案内されるまま、部屋に案内される。

「この子、知り合い?」

「彼女はアサヅユ・シグレ。昔の縁でね、友人の妹の友人なんだけど、結構会う機会があったんだよ」

「ふーん⋯もう一人の子は?」

「もう一人は確かアサヅユ・ユウダチ。あちらとはあんまり面識がなくて恐らく今日が初対面。シグレちゃんから話は聞いてたが⋯想像以上に元気だったな⋯」

「タクマさんとご対面できるって、今日はいつも以上に元気なんだよ」

「⋯ということらしい」

「随分と好かれてるみたいだねー⋯」

「何だい?嫉妬か?」

「そういうんじゃない!」

「仲良いんだね。あ、ここだよ」

談笑しながら進んでいくうちに、ひとつの部屋へとたどり着いた、のだが⋯

「⋯なんか⋯でかくないか⋯?」

「そりゃそうだよ。タクマさんが貰ったの特別な招待券だったから」

「うっそーん⋯」

「まぁ、それだけあの人に気に入られたってことじゃないの?」

「⋯なのかなぁ⋯」

「ふふっ、それじゃあごゆっくり」

「ありがとう。君も頑張りなよ」

「うん。じゃあ私、行くね」

そう言うとシグレちゃんはそそくさと持ち場へ戻っていった。

⋯ちょっとミサが不満そうに俺を見てきたのは気になったけど⋯とりあえず中へ入ることにした。

「遅かったなお前ら。どこで道草食ってたんだ?」

中ではカドマツさんが待っててくれてた。

「いや、普通に道に迷ってただけです」

実際久しぶりすぎて少し道に迷ってた。

「全く、キミが手を引っ張ったくせに数十分したら『ここどこだっけ?』って言うんだから⋯」

「うぅ⋯すんません⋯」

「まぁ、もうすぐ飯が来るらしい。それ食べたら一風呂行くといい」

「わかりました。色々すみません⋯」

「いいんだよ。おふたりさんも満足できたようで良かったよ」

「わたしすっごく楽しかったよ!」

「俺も久々にこの街に来れて楽しかったです」

「そいつぁ良かったな。お、そろそろだな」

「皆様、夕飯をお持ち致しました」

ちょうどカドマツさんが時計に目をやった時に、入口から女将さんことシラナさんが料理を運んできてくれた。まぁ、どれもかなりお高めの料理だったのだが⋯さすがは気にいられただけはある⋯

「皆様は特別な招待券をお持ちでしたので、プレミアムコースでの提供となります。それではごゆっくりお楽しみくださいませ」

そして出されたものはお互いであろう海老だの蟹だの⋯俺そんなに気に入られてたのか⋯?

「⋯なぁ、これ配膳間違いとかじゃないよな⋯?」

「わ、わかんないっす⋯と、とにかく聞いてみないと⋯」

「わぁ〜!いっただきまーす!」ヒョイパク

「「いや食うのはえーよ!?!?」」

さすがにふたりして突っ込んだ。だって普通これほどのもの出されたらびっくりするだろ!?

「ご安心ください。配膳料理に間違いはございません。じっくりとご堪能くださいませ」

そう言い残すとシラナさんはこの部屋を後にする。

「⋯マジすか⋯」

「⋯まぁ、そういうことなら堪能するか」

「そっすね」

ということで晩飯をめいっぱい堪能することにした。海老が超美味かった⋯あんな食感であのデカさ食った事ねぇぞ⋯

晩飯を食べ終わりゆったりしていると、お風呂の準備ができたのでお入りくださいとのお知らせが。

「お前ら先入ってこい。俺はもう少しやる事やってから行くから」

「じゃあお先に失礼します」

「いってきまーす!」

そして俺たちは風呂に入ることになる。風呂場で身体を洗っていると足音が聞こえた。

(そっか。俺たち以外にも客はいるんだっけ⋯)

まあ特に気にすることでもないので、さっさと身体を洗い終えて湯船に浸かる。

「ふぅ⋯ちょうどいい温度だな⋯」

何気に結構久々な気がする。外で入浴するのは。すると湯けむりの中から声が聞こえる。もちろん俺に向けて。

「あらぁ?そこに誰かいるの?」

「えっ」

聞こえた瞬間血の気がサーっと引いた。なぜならこの声に聞き覚えがものすごくあったからだ⋯

「やっぱりヒカル君じゃな〜い♪私の事覚えてる?ヒ・カ・ル・くん♪」

「あ、あんた!?」

声の主は⋯前の日本選手権の準決勝の相手⋯カマイ・リョウタ⋯よりによって面倒なやつと同タイミングの宿泊とは⋯


で、今に至るのだが⋯

「あんた⋯よく俺だって1発でわかったな⋯」

「うふふ♪1度刃を交えた相手の顔や雰囲気とかは覚えてるの。すぐにわかったわ♪」

「そ、そっすか⋯ところであんたは何故ここに?」

「仕事終わりの休息よ。そう言うあなたの方は?」

「ま、まぁ仲間と休息に⋯」

「あら!レイカちゃんやレイトくんもいるのかしら!?」

「あの⋯その事なんですけど⋯」

俺は少し躊躇いつつ、これまでのことを話す。

「⋯そして、今こうやってここにいるんです」

「そう⋯あの子のこと⋯残念ね⋯でも、あなたが責任を感じることは無いんじゃない?」

「いや、あいつの変化に気づけなかった俺に責任があると思うんです⋯」

「⋯なら、あんまりこうしろとは言わないわ。でもあなたのその選択、きっと後悔することになるかもしれないわよ?それでもいいの?」

「わかってます。でも⋯1度進んだ道、もう後戻りはできないから⋯ごめん、先に上がる」

「えぇ、また会いましょう(⋯大人ぶってはいるけど、やっぱり歳相応の子供ね⋯これはいずれ彼にきついお灸を据えられそうね⋯)」

そして俺は風呂場を出ることにした。入れ替わりでカドマツさんと脱衣所ですれ違ったが⋯あの人余計なこと言わないよな⋯?

色々想定外なこともあったが就寝時間になった。しかし俺はまだ寝れずに、旅館の中庭の方に出てきていた。

「⋯こうやって夜風に当たるのも、いいものだな⋯」

みんなそれぞれ乗り越えて前に進み始めてる。それなのに⋯

「⋯俺って⋯何してるんだろうな⋯」

そんなことボヤいていると、背後からガサッと草をかき分ける音が聞こえた。

「⋯ん?誰だ?」

「あっ⋯タクマさん、居たんだね」

目をやるとそこにはシグレちゃんがいた。

「あなたもここで夜風に当たってるの?」

「まぁ、そんなとこ。⋯ん?「も」?君もここで?」

「うん。1人で悩んだりする時に、よくここに来るんだ」

「なんだ?イチカちゃんに彼氏でもできたか?」

「そ、そんなんじゃないよ!もう⋯」

「まぁ、こんなくだらないこと言ってるが⋯俺も割と悩んでるのさ⋯」

「いつみんなに正体打ち明けようとか?」

「そうそういつかはね⋯って、え?」

「え?違うの?」

「うんまぁ違うけど⋯いやそうじゃなくて、俺が誰なのかわかってるのか?」

「知ってるよ。ちょっと前に失踪したタカミヤ・ヒカルさんでしょ?」

「嘘だろ⋯まさか君にもバレてたとは⋯あ、まだ言ってないよね?特にレイカに」

「まだ言ってないよ。必死に隠しがってたみたいだし、言わないでおこうかなって」

「その方が助かるよ⋯まぁ、悩みってこれじゃないんだけどね⋯」

「そっか⋯ねぇ、明日ヒカルさんは帰っちゃうけど⋯もし今度会えたらガンプラバトルしようよ」

「ガンプラバトル?良いけどなんでだ?」

「ワンちゃんが言ってたんだ。「迷った時はガンプラバトルしよう!自分の好きなこととか想いとかまっすぐ伝えられるから!」って」

「あはは、彼女らしいや。でもその通りかもしれないね」

「だよね。ワンちゃんのそういうとこ、好きなんだ」

「そっか。わかった、今度本気でぶつかりあおう。手加減はなしだぞ?」

「もちろん。私も本気でやるよ」

俺たち2人は笑いながら約束を交わす。だがこの時、後にトラウマになるレベルの凄惨な事件が起こるなんて、思いもしなかった。




「ロボ太プラモ作りも上手いんだねぇ⋯ほんとロボにしとくのは惜しいよ」
「ちょっといいか?」
「へぇ⋯こんなステージあったのか⋯」
次回 ガンダムビルドブレイカーズ : オルタナティブsideL
「目覚めしSDの力」
⋯なんか最近カドマツさんの作業がやたら長いような⋯?
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